第3版 コンクリート診断士受験のための計算・構造問題攻略講座
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刊行に当たって
コンクリート診断士試験の受験者で計算を伴う問題を苦手とされる方に少しでもお役に立てればと本書の改訂版を発刊してから3年がたち、この間に新しい形の計算問題が出題されてきた。とくに、構造に関する問題では、基礎的な構造や設計に関する知識がなければ解けない問題が出題されるなど出題傾向が変化してきた。そこで、今回の改訂ではこれらの新しい情報などを取り入れて改訂を行った。
本書の構成は前の版と同じく、①調査・測定に関する問題の解き方、②中性化予測に関する問題の解き方、③塩化物イオン浸透に関する問題の解き方、④化学的劣化に関する問題の解き方、⑤疲労に関する問題の解き方、最後に⑥構造に関する問題の解き方で構成されている。また、本書中で、関連する部分には先に発刊した「コンクリート診断士受験対策講座」とのリンクを示し基礎事項を再度調べる場合に利用しやすくしている。
①~⑤は、調査・測定や劣化予測時に何らかの計算を求められる場合の問題について、どのように問題を解いていくのかを解答の手順を示した表に沿って表中に記入していくことでわかりやすく説明している。ここでは、新しい問題を演習問題として追加したのでそれらの応用のコツを身につけていただきたい。しかし、計算問題で求められる基本的な内容は変わらないので、「理解するのによい」と思われる問題は出題の年にかかわらず残している。
⑥は、補強に関連した問題に対して基礎知識として何を覚えておく必要があるか-計算のルールと公式-をまず示し、その適用のコツをこれまでの問題を例に取り、わかりやすく説明している。今回の改訂では、(7)重ね合わせの原理他を新たに追加した。⑥の構造に関する章をよく理解しておけば、計算を伴わない構造に関する問題の理解も深まるように、どのように解答を作成すればよいかという観点から編集した。
本書の利用は、まず基本事項をよく理解し、ついで例題を自分が納得いくまで何度も解いてみる。その後、演習問題に挑戦する。この時は、問題の後に示したポイントを参考にブランクの解答の手順表に直接記入する。このステップを何度か繰り返すことでそれぞれの事項に対する理解を深められるようにしている。
このように、それぞれの事項に対してより理解を深められるように工夫をしているので是非活用していただき確実な理解とその応用力の向上につなげて合格に一歩でも近づいていただければと考えている。本書が、先に発刊したコンクリート診断士受験対策講座とともに、多くのコンクリート診断士受験者の参考になれば著者として幸いである。
本書をまとめるにあたり、日本コンクリート工学会のご厚意により多くの過去の出題問題の転載を許可していただいたことに対して厚くお礼申し上げます。らに、本書の構成他に対して適切なアドバイスを頂いた技報堂出版の担当者の方々にもお礼申し上げます。
著者
目次
1調査・測定に関する問題の解き方
1.1コンクリートの圧縮強度
1.2ひび割れ深さ
1.3化学成分
1.4電気化学的測定法
2中性化予測に関する問題の解き方
2.1中性化予測の適用式
2.2中性化深さに関する計算例
2.3演習問題
3塩化物イオン浸透に関する問題の解き方
3.1塩化物イオン浸透予測の適用式
3.2塩化物イオン浸透に関する計算例
3.3演習問題
4化学的劣化に関する問題の解き方
4.1化学的劣化予測の適用式
4.2化学的劣化に関する計算例.
5疲労に関する問題の解き方
5.1疲労劣化予測の適用式
5.2疲労に関する計算例
5.3演習問題
6構造に関する問題の解き方
6.1計算のルールと公式
6.2ルールおよび公式の適用例