レビューブック管理栄養士 2020




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はじめに

『レビューブック管理栄養士2020」は、第26~33回の過去8年分の管理栄養士国家試験問題を選択肢ごとに正文化し、出題基準に沿って内容を整理したうえで、必要な関連知識を補足した参考書です。

近年の管理栄養士国家試験では、応用力試験を含め、実践的な出題が増えてきています。こういった出題に対応するためには、基礎的な知識を確実に身に付け状況に合わせて応用できる想像力が必要です。これは、実際に管理栄養士として様々な現場ではたらく上でも重要な力だと言えます。

本書では、各項目を体系的に勉強できるように編集し、イラストや表を盛り込みながら、できるだけコンパクトにまとめました。過去に出題のあった内容は国試番号が付き、青字で掲載されているため、一目で出題頻度や重要度が分かります。

また、国試で直接問われることはなくても、国試を解く上で必要な事項や、管理栄養士として知っておくべき内容についても積極的に掲載いたしました。

管理栄養士国家試験受験生のみなさまは、仕事や学校の授業などで忙しい中、広範囲の学習を求められます。限られた時間の中、本書を最大限に活用することでみなさまの管理栄養士国家試験合格の一助となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

2019年7月吉日
編集者一同

医療情報科学研究所 (編集)
出版社: メディックメディア; 2版 (2019/7/9)、出典:出版社HP

本書の使い方

本書は、管理栄養士国家試験の正文集の形式で作成されています。まずは、授業の予習・復習として、また実習の合間や、電車の中で、休み時間に…とにかく繰り返し使いこんでください。本書は、皆さんの使い方次第で、ぐんぐん活用の幅が広がっていく本です!

●過去8年の国家試験で問われている内容は青字で表記、国家試験の問題番号を掲載しています。
●特に重要と思われる語句は赤字で示してあり、付録のチェックシートをかぶせると隠れます。
●各文章の冒頭の口を利用して、繰り返し学習時のチェックができます。

★★★
・第26~33回管理栄養士国家試験(8回分)で出題された回数に応じて★の数で重要度を示しています。
・国試頻出事項を押さえたい人は、まずは★がついているテーマから勉強しましょう。

重要度 出題のあった選択肢
★★★ 20個以上
★★ 10~19個
5~9個
なし 0~4個

国試番号
・文末の右上についている数字は国試番号です.
例:12052-5→2012年(第26回)52番の選択肢(5)

青字
・過去8年の国家試験で問われた箇所は青字と国家試験の問題番号で示しています。

イラスト・表
・文章ではなかなか理解しづらい内容は、イラストや表で示しています。

その他お役立ち機能
*脚注
・難しい用語、略語には脚注がついています。
・辞書を引かずに、『レビューブック』1冊で解決!

書籍内参照
・科目横断的な学習に役立ちます。

関連ガイドライン・調査などへのリンク
・詳細を確認する際にご利用ください。

『なぜ?』シリーズへのリンク
・関連する『なぜ?』シリーズの章を併せて読んで、理解を深めよう!

項目
・主要な疾患については、INTRO、症状、検査治療、食事療法の項目に分けて解説しています。
・疾患の全体像を流れに沿って理解することができます。

原則として各疾患の概要および食事療法については「2章人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」で説明しています。

・付属の赤シートで隠しながら勉強できます。

医療情報科学研究所 (編集)
出版社: メディックメディア; 2版 (2019/7/9)、出典:出版社HP

国家試験の学習方法

国試を突破するためには、以下のような学習方法が効率的です、

1 授業の予習・復習または、基礎固め
2 国家試験の問題演習
3 苦手科目は基本から再確認

1 予習・復習、基礎固め
体型的に学習し、知識を蓄え、整理しましょう。『RB』は辞書代わりにも使えるので、模試の復習にも使えます!

2 問題演習
身に付けた知識を実践で試してみましょう。『QB』でなら厳選された良質な過去問を解くことができます!

3 苦手対策
基本的な知識や考え方を頭に入れましょう。『なぜ?どうして?』シリーズでは、分野ごとに基礎から学ぶことができます!

関連書籍の紹介

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主な臨床検査値

血液

検査項目・基準値 異常値で考えられる原因疾患など
↑…基準値以上、↓…基準値以下
赤血球数(RBC)
男性:410-610万/mm3
女性:380-530万/mm3
・末梢静脈血1µL中の値,赤血球の寿命は約120日細胞質だけの細胞であり,核はない.
↑:エリスロポエチン産生腫瘍(胃癌など)や脱水,ストレスなど
↓:造血障害,出血など
白血球数(WBC)
4,000-10,000/mm2
・好中球,好酸球,好塩基球,リンパ球,単球の総称,末梢静脈血1mm3中の値.
・炎症時などはCRPとともに上昇することが多い.
↑:好中球は細菌感染症など、好酸球はアレルギー疾患など.
リンパ球はリンパ性白血病など
↓:抗がん薬などの薬物,放射線療法など
ヘモグロビン(Hb)
男性:13-17g/dL
女性:11-16g/dL
・赤血球中に含まれる血色素(Hb)量.肺でのガス交換に重要な役割を担っている.Hbが減少した状態を貧血という.
↑:多血症など
↓:造血障害,出血など
ヘマトクリット(Ht)
男性:40-54%
女性:36-42%
・血液中の赤血球の占める容積比率 .
↑:多血症
↓:造血障害,出血など
血小板
13-35万/mm3
・末梢静脈血14日中の値,血液凝固系を促進し,止血に関与している.
・上昇時は血栓形成のリスクが高まり,低下時は出血傾向が出現するため打撲や転倒に注意する.
↑:慢性骨髄性白血病,脾臓摘出など
↓:急性白血病,悪性貧血,肝硬変,DICなど
血清鉄(Fe)
男性:59-161ug/dL
女性:29-158ug/dL
・食物より摂取され,生体内に吸収される.
・鉄欠乏性貧血は、Fe自体の摂取不足,または喪失の増加によって,血清Feが↓したものである.
↑:鉄過剰摂取へモクロマトーシスなど
↓:鉄欠乏性貧血など
MCV
83-93fL
・赤血球数.ヘモグロビン.ヘマトクリットから計算される赤血球指数.[p380参照]
MCV MCH MCHC 貧血の識別
鉄欠乏性貧血
溶血性貧血.再生不良性貧血
巨赤芽球性貧血
MCH
27-320pg
MCHC
31-37g/dL

炎症反応

検査項目・基準値 異常値で考えられる原因疾患など
↑…基準値以上,↓…基準値以下
C反応性たんぱく
(CRP)
≦0.3mg/dL
・組織の炎症や破壊があるときに上昇する.炎症病巣の存在や,炎症病変の程度を反映する.
↑:感染症,関節リウマチ,急性心筋梗塞,悪性腫瘍など

電解質・金属

検査項目・基準値 異常値で考えられる原因疾患など
↑…基準値以上.↓…基準値以下
ナトリウム(Na)
136-148mEq/L
・細胞外液の陽イオンの約90%を占める.浸透圧の維持や酸塩基平衡の調節を行っている.
・低ナトリウム血症では,全身倦怠感,意識障害,悪心,乏尿,けいれんなどが出現する.
↑:脱水,尿崩症など
↓:下痢・嘔吐,多飲,浮腫疾患など
カリウム(K)
3.6-5.0mEq/L
・細胞内液の陽イオンの主成分、浸透圧の維持や酸塩基平衡の調節を行っている.
・カリウムは筋収縮・神経伝達に重要な役割を担っている(特に心筋).
・高K血症は心停止につながる可能性があるため,迅速な対応,モニタリングなどが重要である.
↑:腎不全,アジソン病,溶血など
↓:嘔吐・下痢,クッシング症候群など
クロール(CI)
96-108mEq/L
・細胞外液の陰イオンの約70%を占める.浸透圧の維持や酸塩 基平衡の調節を行っている.Naなどの変化に伴って変動する。
↑:呼吸性アルカローシス(過換気症候群など),代謝性アシドーシス(下痢など)
↓:代謝性アルカローシス(嘔吐,原発性アルドステロン症など),呼吸性アシドーシス(呼吸抑制など)
カルシウム(Ca)
8.4-10.0mg/dL
・生体内に存在するCaのほとんどはリン(P)とともに骨組織内に存在する.血中濃度は副甲状腺ホルモンであるパラソルモン(PTH)や活性型ビタミンD3などにより調整されている.血中Caの大部分はアルブミンと結合しており、アルブミン濃度により値は変動する.
↑:ビタミンD過剰症,多発性骨髄腫,がんの骨転移など
↑:副甲状腺機能低下症,くる病,骨軟化症など
無機リン(P)
2.5-4.5mg/dL
・Piは,生体内に存在するPの1%程度であるが,PTH,活性型ビタミンD3,FGF23により調整されている。
↑:副甲状腺機能低下症,腎不全など
↓:ビタミンD欠乏症など

肝機能

検査項目・基準値 異常値で考えられる原因疾患など
↑…基準値以上,↓…基準値以下
アスパラギン酸アミノトンスフェラーゼ(AST)
10-35IU/L
・組織が障害されたときに血中に流出する酵素.ほとんどすべての細胞に存在するが,特に肝・心筋に多い.
↑:肝細胞癌,急性心筋梗塞,筋ジストロフィーなど
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
5-40IU/L
・細胞が障害されたときに血中に流出する酵素.肝臓・腎臓に多く存在する.
・AST,ALTが高値を示す場合,AST/ALT比も病態推定の指標となる.
・AST<ALT:慢性肝炎、伝染性単核球症、胆石症など
・AST/ALT比が2以上:筋ジストロフィー,脂肪肝など
アルカリホスファターゼ(ALP)
86-252IU/L
・血清ALPの由来臓器である肝臓,小腸,骨などの障害を反映
↑:閉塞性黄酒,範移性骨腫療
コリンエステラーゼ(ChE)
172-457IU/L
・肝臓における蛋白合成能を表す.
↑:ネフローゼ症候群,脂肪肝
↓:肝疾患(肝硬変,肝炎など),栄養状態不良など
総ビリルビン(T-Bil)
02-1.1mg/dL
・ビリルビンはHbの代謝産物である.
・T-Bilが2~3mg/dL以上で皮膚,眼球の黄染が出現する.
直接ビリルビン(D-BiD)
≦0.5mg/dL
・抱合型ビリルビン
・肝細胞障害時はAST,ALT,LDHの↑を伴い、閉塞性黄疸時は胆道系酵素(ALP,LAP,Y-GPなど)の著明な↑を伴う.
↑:肝細胞障害,肝内・外胆汁うっ滞など
γグルタミルトランスペブチダーゼ(Y-GT)
男性:7-60IU/L
女性:7-38IU/L
・担汁うっ滞などを反映して高値を示す.
・肝臓のほかに腎臓,膵臓,脾臓などに分布する.
↑:胆汁排泄障害,アルコール多飲や各種薬剤(抗てんかん薬,睡眠薬,副腎皮質ステロイドなど)の服用による酵素誘導

腎機能

検査項目・基準値 異常値で考えられる原因疾患など
↑…基準値以上,↓…基準値以下
尿量
1,000-2,000 mL/日
・2,500-3,000mLで多尿.
・400mL以下で乏尿,50-100mL以下で無尿.
尿pH
5.0-7.5
尿比重
1.005-1.030
血中尿素窒素(BUN)
9-20mg/dL
・肝臓での尿素合成の低下や,腎臓での排泄減少などによって変動する.BUN/Cr比が重要である.
・BUN/Cr>10:蛋白異化亢進時等の腎外性因子によりBUN↑と推測する.
・BUN/Cr<10:腎性因子によりBUN↑と推測する.
クレアチニン(Cr)
男性:0.7-1.2mg/dL
女性:0.5-0.9mg/dL
・Crは腎外性因子の影響をほとんど受けない(クレアチニンは尿細管で再吸収されず,ほとんどが尿中に排泄される)ため.腎機能指標として重要である.
↑:腎機能障害
クレアチニンクリアランス(Ccr)
男性:78.1-133.3mL/分/1.73m3
女性:64.9-114.3mL/分/1.73m3
・糸球体の濾過能力を示す指標である.
↑:妊娠など
↓:腎血流量低下,腎炎,腎不全など
尿酸(UA)
男性:3.0-7.7mg/dL
女性:2.0-5.5mg/dL
・核酸の構成成分であるプリン体の最終代謝産物.
・腎糸球体で濾過,近位尿細管で再吸収,遠位尿細管で分泌(一部)され,尿中に排泄される.
↑:痛風,骨髄腫,腎障害など
推算系球体濾過量(eGFR)
90mL/分/1.73m以上
・男性:194×Cr-1.094×年齢-0.287
女性:194×Cr-1,094×年齢-0.287×0.739
・年齢や性別を考慮に入れて推算された糸球体濾過量,血漿中のクレアチニン量と年齢のみで計算できるうえ、蓄尿などの手間がないため簡便に算出できるという利点がある.
↓:腎機能障害

栄養

検査項目・基準値 異常値で考えられる原因疾患など
↑…基準値以上,↓…基準値以下
総たんぱく(TP)
6.5-8.0g/dL
・血清中のたんぱく質総量.50~70%がアルブミンである.
・低たんぱく血症では浮腫を伴う場合が多い.
↑:脱水など
↓:出血,熱傷など
アルブミン(Alb)
4.5-5.5g/dL
・Alb<3.0g/dLで浮腫が出現しやすい.
↓:ネフローゼ症候群,たんぱく漏出性胃腸症,肝硬変など
プレアルブミン
(トランスサイレチン)
男性:23-42mg/dL
女性:22-34mg/dL
・アルブミンより半減期が短く,最近2~4日のたんぱく質栄養状態の把握に用いる.
総コレステロール(TC)
130-220mg/dL
・脂肪酸と結合しているエステル型と,結合していない遊離型の2種類のコレステロールを合わせたもの.
・TCは肝臓で合成,もしくは食物より摂取される.
↑:ネフローゼ症候群,甲状腺機能低下症など
↓:甲状腺機能亢進症,肝硬変など
トリグリセリド(TG)
30-135mg/dL
・グルコースが不足したときのエネルギー源として用いられ,摂取過剰のTGは脂肪組織や肝臓に貯蔵される.
・食事の影響を強く受けるため、早朝空腹時採血が原則である.
・TG≥150mg/dLで高トリグリセリド血症
HDL-コレステロール(HDL-C)
40-100mg/dL
・血管に付着する余分なコレステロールを除去して肝臓へ運搬する.動脈硬化の重要な指標である(p240参照).
・<40mg/dLで低HDL-コレステロール血症.
LDL-コレステロール(LDL-C)
60-139mg/dL
・動脈硬化性疾患の重要な指標である(p240参照).
・120~139mg/dLで境界域高LDL-コレステロール血症.
・≧140mg/dLで高LDL-コレステロール血症.
グルコース
随時:139mg/dL
空腹時:下限50-70mg/dL
上限110mg/dL
・小腸粘膜から吸収され,肝臓に運ばれた後,グリコーゲンに合成・分解される.
・食事やストレス,下垂体ホルモン,副腎皮質ステロイドなどの影響を受けるため,値には食事摂取の有無などを考慮する.
↑:糖尿病,クッシング症候群など
↓:インスリノーマなど
HbA1c
4.6-6.2%
・Hbとグルコースが結合したもの.1~2カ月間の平均的な血糖値がわかる。
↑:糖尿病や腎不全など
↓:赤血球寿命の短縮など
グリコアルブミン(GA)
11-16%
・糖が血清アルブミンと結合した糖化たんぱく.過去2週間の糖値をあらわす.
1,5-アンヒドログリシトール(1,5-AG)
14-40µg/mL
・グルコースに類似した構造を持つ.
↓:高血糖(尿中排泄量が増加するため)
医療情報科学研究所 (編集)
出版社: メディックメディア; 2版 (2019/7/9)、出典:出版社HP

目次

社会・環境と健康

社会と健康
健康の概念
公衆衛生の概念

環境と健康
生態系と人々の生活
環境汚染と健康影響
環境衛生

健康、疾病、行動に関わる統計資料
保健統計
人口静態統計
人口動態統計
生命表
傷病統計

健康状態・疾病の測定と評価
疫学の概念と指標
疫学の方法
バイアス、交絡の制御と因果関係の判定
スクリーニング
根拠(エビデンス)に基づいた医療(EBM)及び保健対策(EBPH)
疫学研究と倫理

生活習慣(ライフスタイル)の現状と対策
健康に関連する行動と社会
身体活動、運動
喫煙行動
飲酒行動
睡眠、休養、ストレス
歯科保健行動

主要疾患の疫学と予防対策
健康の概念
がん
循環器疾患
代謝疾患
感染症
精神疾患
自殺、不慮の事故、虐待、暴力

保健・医療・福祉の制度
社会保障の概念
医療制度
福祉制度
地域保健
母子保健
成人保健
高齢者保健・介護
産業保健
学校保健
国際保健

医療情報科学研究所 (編集)
出版社: メディックメディア; 2版 (2019/7/9)、出典:出版社HP