ガス溶接技能講習のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




ガス溶接・溶断作業の安全―ガス溶接技能講習用テキスト( テスト内容)

可燃性ガスおよび酸素を使用して行う溶接、溶断、加熱の作業は、造船、鉄鋼、各種機械器具の製造業、建設業など産業界において広く行われています。

しかし、ガス溶接・溶断等作業は可燃性ガスであるアセチレン等および支燃性ガスである酸素を使用することから、溶接装置等の欠陥やその取扱い方法の誤り、不適切な作業管理などに起因して、爆発・火災等の重大な災害を発生させる 危険性を有しており、現に、毎年多くの労働災害が発生しています。

これらの労働災害の防止を図るためには、溶接装置等の点検・整備、適正な作 業管理の遂行、作業者に対する安全教育の実施などを徹底して行うことが重要で す。このような見地から、労働安全衛生関係法令では、ガス溶接・溶断等の作業 について、使用する設備・器具の構造、管理・取扱い基準、作業を行うことので きる者の資格などについて規定しています。

本書は、この資格を取得するためのガス溶接技能講習における学科講習用テキ ストとして取りまとめたものです。今回の改訂に当たっては、最近の労働安全衛 生法および関係政省令の改正等を踏まえて、内容の見直しを行いました。ご協力 いただきました改訂編集委員の方々には、あらためて感謝申し上げる次第です。

本書により、ガス溶接技能講習が的確に実施され、ガス溶接・溶断等の作業に 従事する方々が、当該作業に関する適切な知識を身につけられることを期待いた しますとともに、関係者に広く活用され、ガス溶接・溶断作業に伴う労働災害の 防止に寄与することができれば幸いです。

平成29年2月
中央労働災害防止協会

『ガス溶接・溶断作業の安全』改訂編集委員会

(敬称略・50音順)
(編集委員)

板垣晴彦 独立行政法人労働者健康・安全機構 労働安全衛生給合研究所
化学安全研究グループ上席研究員

土屋和之 株式会社IHI技術開発本部 生産技術センター 溶接技術部

福島伸明 日酸TANAKA株式会社生産・技術本部会

長野工場 設計部エンジニアリンググループチーフ

藤川悟 ヤマト産業株式会社 取締役(技術担当)

目次

第1章 ガス溶接等に用いる可燃性ガスおよび酸素の知識

1-1 ガスの種類
1-1-1 容器内の貯蔵状態によるガスの分類
1-1-2 燃焼性によるガスの分類
1-1-3 有害性によるガスの分類

1-2 ガスの性状
1-2-1 ガスの比重
1-2-2 発火温度(発火点)
1-2-3 発熱量
1-2-4 火炎温度

1-3 燃焼と爆発
1-3-1 燃焼
1-3-2 爆発
1-3-3 爆発限界(燃焼限界)
1-3-4 分解爆発
1-3-5 着火源(点火源、発火源)
1-3-6 ガス漏れ防止

1-4 燃料ガスと酸素
1-4-1 アセチレン
1-4-2 その他の燃料ガス
1-4-3 酸素

第2章 ガス溶接等の装置の構造および取扱い

2-1 ガス容器その他
2-1-1 ガス容器
2-1-2ガス集合装置

2-2 圧力調整器および圧力計
2-2-1 圧力調整器
2-2-2 圧力計
2-2-3 圧力調整器および圧力計の取扱い

2-3 導管
2-3-1 導管の種類
2-3-2 配管の構造および取扱い
2-3-3 ゴムホースの取扱い

2-4 吹管
2-4-1 吹管の種類および構造
2-4-2 吹管の取扱い

2-5 安全器
2-5-1 安全器の必要性
2-5-2 水封式安全器
2-5-3 乾式安全器
2-5-4 安全器の取扱い

第3章 ガス溶接等の作業における危険性

3-1 火災とその防止対策
3-1-1 溶接・溶断の火気による火災
3-1-2 作動油、重油などの油火災
3-1-3 ウレタンフォームなどのプラスチック類の火災
3-1-4 衣服火災

3-2 爆発災害とその防止対策
3-2-1 逆火
3-2-2 可燃性ガスの漏えいや流出による爆発
3-2-3 可燃物が残存する装置やタンクの修理時の爆発
3-2-4 酸素ホースの爆発
3-2-5 酸素圧力調整器の発火
3-2-6 酸素の誤った使用による爆発
3-2-7 粉じん爆発

3-3 その他の災害
3-3-1 火傷
3-3-2 中毒
3-3-3 酸素欠乏(酸欠)
3-3-4 破裂
3-3-5 墜落・落下

第4章 災害事例

第5章 関係法令

5-1 法令の意義
5-2 労働安全衛生法のあらまし
5-3 労働安全衛生法施行令(抄)
5-4 労働安全衛生規則(抄)
5-5 粉じん障害防止規則(抄)
5-6 じん肺法(抄)
5-7 じん肺法施行規則(抄)
5-8ガス溶接技能講習規程
5-9 労働安全衛生規則別表第3下欄の規定に基づき厚生労働大臣が定める者を定める告示(抄)
5-10 アセチレン溶接装置の安全器及びガス集合溶接装置の安全器の規格(抄)
5-11 アセチレン溶接装置のアセチレン発生器構造規格(抄)
5-12 高圧ガス保安法(抄)
5-13 一般高圧ガス保安規則(抄)
5-14 一般高圧ガス保安規則関係例示基準
5-15 JIS規格
5-16 リスクアセスメント等の実施

イラスト ミヤチヒデタカ
表紙デザイン ア・ロゥデザイン

ガス溶接技能講習カリキュラム

図表1. ガス溶接技能講習カリキュラム

講習科目 範囲 講習時間
ガス溶接等の業務のために使用する設備の構造及び取扱いの方法に関する知識 ガス溶接等の業務のために使用する可燃性ガス及び酸素の容器、導管、吹管、圧力調整器、圧力計等の構造及び取扱いの方法 4時間
ガス溶接等の業務のために使用する可燃ガス及び酸素に関する知識 ガス溶接等の業務のために使用する可燃ガス及び酸素の性状及び危険性 3時間
関係法令 労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)及び労働安全衛生規則中の関係条項 1時間