知的財産管理技能検定 2級と3級を一気に学ぶ本




はじめに

~3級・2級を一気に攻めよう!~

業種や業界を問わず,「知的財産の管理・活用」を適切・有効に行うことは企業成長の重要課題であり,これをマネジメントする人材に必要不可欠な知識と技能を測定する機会として,知的財産管理技能検定”が実施されています。

本書は,知的財産管理技能検定”の3級と2級(いずれも学科試験・実技試験の双方)に効率よく合格するためのテキスト(演習問題付)であり,以下のような方を対象としています。

◎短期間で3級と2級双方に合格したい
◎ビジネス著作権検定上級合格者などで, 2級から受検したいが,3級の内容(基礎)も押さえたい
◎コストや時間の無駄をできるだけ省いて効率よく学習したい

企業や大学での長年の指導経験を踏まえ,掲載する論点を出題可能性の高い 重要項目に絞り,かつ,図表や事例,演習問題を多用して,できるだけわかりやすく解説しました。

初めて知的財産法の学習をする方も,3級と2級の出題範囲は重複する論点が多いため、3級と2級を一緒に学習してしまうのが効果的です。

特に2級合格者(国家資格「二級知的財産管理技能士(管理業務)」が付与されます)は、就職や転職の際に高く評価されます。

ぜひ,本書を活用して、一気に2級までの最短合格を勝ち取ってください。

2019年4月
一級知的財產管理技能士
(コンテンツ専門業務)
塩島武德

塩島 武徳 (著), スタディング (監修)
中央経済社、出典:出版社HP

知的財産管理技能検定®︎とは

1 知的財産管理技能検定®︎とは
知的財産管理技能検定は, 技能検定約130職種のうち「知的財産管理」職種にかかる国家試験です。試験の難易度によって,1級,2級,3級の3つの等級に区分されており、2級は知的財産管理の職種における中級の技能者, 3 級は知的財産管理の職種における初級の技能者と位置づけられています。

学科試験と実技試験により行われ,両方の試験に合格することが必要です。どちらか一方のみ合格(一部合格)した方は、試験免除制度により次回以降はもう一方の試験のみを受検し(ただし,一部合格には有効期限があります), 合格することで,「技能士」となることができます。

2 試験の概要
試験は年3回(3月/7月/11月)行われます。実施要領や申込方法は知的財産管理技能検定ホームページ( http://www.kentei-info-ip-edu.org/ )でご確認ください。

法令基準日は問題文に特に断りがない場合, 試験日の6ヶ月前の月の1日現在で施行されている法令等に基づくものとされています。

●2級・3級の試験の概要

問題数 試驗時間 合格基準 受験手数料
2級 学科試験 40問 60分 80% 7,500円
実技試験 40問 60分 80% 7,500円
3級 学科試験 30問 45分 70% 5,500円
実技試験 30問 45分 70% 5,500円
塩島 武徳 (著), スタディング (監修)
中央経済社、出典:出版社HP

本書の使い方

本書は, 知的財産管理技能検定®︎3級と2級(いずれも学科試験と実技試験の双方)の出題内容に準拠して記述しています。

1 全体像→著作権法→特許法と攻略していこう!
本書は,まず CHAPTER0で出題範囲の全体像を解説した上で,出題数や学習効率を考慮し,具体的な出題科目(法律)につき著作権法,特許法その他の産業財産権法,その他の法律と条約の順序で,重要項目(繰り返し出題される範囲)に絞り解説しています。具体的な出題数については270頁に掲載しています。

各出題科目(章 = CHAPTER)の記述は, さらに分野ごとに2~4ページ程度の「学習項目(項)」に分けています。
皆さんは、テキストに掲載の順序で学習項目ごとに学習を進めてください。

POINT 試験本番は「法律ごと」ではなくアトランダム(順不同)に出題されますが、学習をする際には「法律ごと」に整理して学習することが大切です。

MEMO 学習効率上,本書に各法律の参照条文は掲載しておりません。あらかじめご了承ください。

2 理解度チェック(○×問題)を解く
知識の確認と定着のため, 本書内の複数箇所に「理解度チェック(○×問題)」 を挿入しています。テキストの該当箇所を見ながら正解できるよう解答してみましょう。

3 「過去問に挑戦!」で問われ方,出題形式を確認~出題形式等の確認用に1回分を掲載~
各出題科目の最後に,その科目に関する過去問(本試験問題)を掲載しています。掲載は1回分ですが,「どのような問題が出るのか?」や「実技試験は,どのように出題されるのか?」をご確認ください。

POINT 掲載過去問題は,実施機関の許可を受け、現行の出題範囲に変更された後,初回となった第30回検定を掲載しています。

MEMO 知的財産管理技能検定「公式ホームページ」からは、受検者(個人) 各自で過去問 題 (3回分)がダウンロードできます。

塩島 武徳 (著), スタディング (監修)
中央経済社、出典:出版社HP

CONTENTS

はじめに~3級・2級を一気に攻めよう!
知的財産管理技能検定®とは
3級・2級同時攻略のメリット
本書の使い方
読者特典のお知らせ

CHAPTER 0 出題範囲の全体像

分野1 知的財産に関する法律
1 出題される法律とその体系
2 出題される知的財産法の概要

分野2 出題されるその他の法律等
3 知的財産管理と民法
4 知的財産管理とその他の法律・条約

CHAPTER 1 著作権法

分野1 著作権法の概要と著作物
1 著作権法の目的
2 著作物の定義と例示
3 特殊な著作物
4 保護対象となる著作物

分野2 著作者と著作者人格権
5 著作者(理解度チェック)
6 職務著作
7 著作者人格権(理解度チェック)

分野3 著作権(著作財産権)
8 著作権の発生とその内容
9 複製権/上演権・演奏権
10 上映権/公衆送信権/口述権/展示権
11 頒布権/譲渡権/貸与権・
12 翻訳権・翻案権等/二次的著作物に対する権利
13 著作権の存続期間
14 著作権の存続期間の例外
15 著作権の消滅
16 著作権の制限/私的使用のための複製
17 著作権の制限/引用と転載
18 その他,著作権の制限規定(理解度チェック)
19 著作権の譲渡
20著作物の利用許諾/登録(理解度チェック)

分野4 著作隣接権
21 出版権と著作隣接権
22 著作隣接権者
23 著作隣接権の内容(理解度チェック)

分野5 著作権等侵害に対する措置
24 著作権等の侵害
25 民事的・刑事的措置(理解度チェック)
過去問に挑戦! ①

CHAPTER 2 特許法・実用新案法

分野1 特許法の概要と特許要件
1 特許法の目的等
2 発明の定義
3 特許要件(理解度チェック)

分野2 特許出願
4 先行技術調査(理解度チェック)
5 特許戦略等
6 特許出願
7 方式審査/仮の実施権/先願主義
8 出願公開
9 実体審査(理解度チェック)
10 出願内容の補正
11 国内優先権
12 職務発明 (理解度チェック)

分野3 特許権の管理と活用
13 特許権の発生と効力
14 実施権の設定等
15 特許権の移転等(理解度チェック)

分野4 審判手続等
16 拒絶査定不服審判
17 特許異議の申立てと無効審判(理解度チェック)

分野5 特許権侵害に対する措置
18 民事的・刑事的措置(理解度チェック)

分野6 実用新案法
19 実用新案法の目的等
20 実用新案登録出願
21 実用新案権の内容等(理解度チェック)
過去問に挑戦!②

CHAPTER 3 意匠法

分野1 意匠登録要件と出願手続
1 意匠法の目的等
2 登録対象となる意匠
3 工業上利用性/新規性/創作非容易性
4 意匠登録出願(理解度チェック)

分野2 意匠権の管理と活用
5 意匠権の発生と効力等(理解度チェック)
過去問に挑戦!③

CHAPTER 4 商標法

分野1 商標登録要件と出願手続
1 商標法の目的等
2 商標の定義・種類と登録要件
3 商標登録出願(理解度チェック)
4 出願公開等(理解度チェック)

分野2 商標権の管理と活用
5 商標権の発生と効力等
6 商標権の存続期間等
7 商標権の活用(理解度チェック)

分野3 審判手続等
8 審判手続等
9商標権侵害に対する措置(理解度チェック)
過去問に挑戦!④

CHAPTER 5 その他の法律と条約

分野1 種苗法
1 種苗法の目的等
2 品種登録の要件と出願手続
3 育成者権の内容等(理解度チェック)

分野2 地理的表示法(GI法)
4 地理的表示法の目的等(理解度チェック)
5 登録の効果等(理解度チェック)

分野3 不正競争防止法
6 不正競争防止法の目的と不正競争行為
7 その他の不正競争行為等(理解度チェック)

分野4 独占禁止法
8 独占禁止法の目的/私的独占/不当な取引制限
9 不公正な取引方法/違反に対する措置等(理解度チェック)

分野5 弁理士法
10 弁理士法(理解度チェック)

分野6 関税法
11 関税法(理解度チェック)

分野7 民法
12 民法の契約規定(理解度チェック)

分野8 条約
13 パリ条約
14 PCT(特許協力条約)
15 ベルヌ条約
16 その他の条約(理解度チェック)
過去問に挑戦!⑤

3級・2級 項目別出題数一覧

塩島 武徳 (著), スタディング (監修)
中央経済社、出典:出版社HP