中小企業診断士 1次試験 合格テキスト 5経営法務
経営法務
1. 科目紹介
中小企業診断士第1次試験における「経営法務」という科目が設置されている目的は次のとおりである。
創業者、中小企業経営者に助言を行う際に、企業経営に関する法律、諸制度、手続等に関する実務的な知識を身につける必要がある。また、さらに専門的な内容に関しては、経営支援において必要に応じて弁護士等の有資格者を活用することが想定されることから、有資格者に橋渡しするための最低限の実務知識を有していることが求められる。このため、企業の経営に関する法務について、以下の内容を中心に基本的な知識を判定する。
(1) 事業開始、会社設立及び倒産等に関する知識
(2) 知的財産権に関する知識
(3) 取引関係に関する法務知識
(4) 企業活動に関する法律知識
(5) 資本市場へのアクセスと手続
(6) その他経営法務に関する事項
2.合格に向けた学習の進め方
本書の利用について
経営法務は、大きく、会社法、知的財産権、民法その他の法律知識の3つに分けて学習を進めることが効率的な学習方法といえる。いずれも法律を扱う内容であるため、文章のみならず図表も使いながら効率良く理解していただくため、「本書の利用について」をご確認いただいた上で学習を進めていただきたい。
また、本科目で合格点を獲得するためには、過去試験問題の演習も必要である。本テキストの「過去問分析表」を参考にしていただき、重要問題を中心に演習を繰り返していただくことで、さらに知識を深めていただきたい。本テキストを十分に活用して、皆様が合格という栄冠を勝ち取られることを、中小企業診断士講座スタッフ一同、心より祈念しております。
資格の大原 中小企業診断士講座
会社関係の出題論点
「★」は、重要問題ですので、過去問題集などを利用して確認しましょう。
論点 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 |
会社の設立 | |||||
機関 | 第3問★ 株主総会への議案提出 |
第1問★ 社外取締役 第2問(2)★ 株主総会招集通知の発送 |
第1問★ 監査役、取締役 |
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株式 | 第2問(1)(2) 先買権、オプション、累積投票制度 |
第2問(1)(3) ★ 自己株式の取得、自己株式取得の株主総会決議 第19問 社債 |
第2問★ 譲渡制限株式 第18問 上場準備中の株式移動 |
第1問★ 株式併合、株式分割 第3問(1)(2) ストック・オプション 第4問(1)(2) 資本金 |
第4問 募集株式の有利発行 第7問 資本項目の計数変動 |
持分会社等 | 第17問 合同会社の特徴 |
第1問 株式会社と合同会社の比較 |
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組織再編 | 第18問★ 会社分割と事業譲渡の相違 |
第3問(1) 会社分割 |
第2問 会社分割 |
第2問★ 簡易組織再編と略式組織再編の比較 |
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金融商品取引法 | 第18問(1)(2) 適時開示、有価証券報告書の虚偽記載 |
第22問★ 金融商品取引法上の書類 |
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資本市場へのアクセス | 第21問 日本取引所の上場審査基準 |
第21問 東京証券取引所の市場別組織形態 |
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その他 | 第16問(1)(2) 外国会社の事業を行う場所、租税条約の特徴 |
第6問 出資に関する契約 |
知的財産権関係の出題論点
論点 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 |
特許権 | 第7問 職務発明 |
第9問 特許発明の実施 |
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実用新案権 | 第6問 実用新案登録技術評価 |
第10問★ 実用新案権と特許権の比較 |
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意匠権 | 第7問★ 秘密意匠、登録無効審判 |
第12問 登録意匠制度 |
第8問 意匠登録出願 第9問 秘密意匠制度 |
第9問★ 部分意匠、関連意匠 |
第8問 意匠の類似 |
商標権 | 第8問 商標登録の要件 第9問★ 不使用取消審判、不正使用審判、登録意義 |
第8問★ 商標制度 第10問 商標制度 第11問(1)★ 地域団体商標制度 |
第10問 拒絶理由通知への対応 |
第10問★ 立体商標 |
第12問 立体商標 第14問 マドリッド協定議定書 |
著作權 | 第10問★ 著作者、同一性保持、侵害行為、著作者人格権 |
第7問 著作権および著作者人格権 第13問★ 著作権の制限 第14問 著作権および著作者人格権 |
第11問★ 著作權、著作者人格権 第12問 著作権の保護期間 |
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不正競争防止法 | 第6問 商品等表示 |
第9問 不正競争行為 |
第11問 周知表示同惹起行為、著名表示冒用行為 第12問★ 営業秘密 |
第13問 不正競争行為の例外 |
第11問★ 不正競争行為 |
產業財產権全般・ 応用問題 |
第13問(1)(2) 権利の存続期間の比較、更新登錄、存統期間延長 |
第6問 パリ条約 第11問(2)★ キャラクターに関する権利 第15問 国際的な生產委託契約 |
第6問(1)(2) 知的財産権の分割移転、移転登録の効力 第7間 産業財産権の存続期間 第8問 知的財產権侵害の損害賠償請求 |
第13問 パブリシティ権 第18問(1)★ 職務発明と職務著作 第18問(2) 共同発明と共同著作 |
民法その他の分野、倒産法制の出題論点
論点 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 |
第13問 契約の成立 第14問 詐害的行為 第16問 準委任と請負 第17問 共有 |
第14問 行為能力 第16問 民事留置権、商事留置權 第17問 消滅時効 |
第3問 株式の相続 第16問 時効の援用 第17問★ 保証 第19問 相殺 第20問 法定相続分 |
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第15問(1)(2) 税制 |
第15問(1)(2) 契約の解除条項 |
第15問(1)(2) 国際売買契約 |
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第3問(2) 独占禁止法 第4問★ 中小企業経営承継円滑化法 |
第5問 中小企業経営承継円滑化法 第18問 製造物責任法 第19問 消費者契約法 第20問 不当景品類及び不当表示防止法 |
第5問 株価の算定方法 第23問 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律 |
目次
第1章 株式会社の設立
第1節 会社と社員の責任
第2節 株式会社の設立
第2章 株式会社の構造
第1節 株式会社の区分
第2節 株式会社の機関★
第3節 取締役(役員等)と会社との関係★
第3章 株式、社債、会社の計算
第1節 株式★
第2節 社債
第3節 会社の計算
第4章 持分会社、外国会社
第1節 持分会社
第2節 有限責任事業組合
第3節 特例有限会社
第4節 外国会社
第5章 組織再編
第1節 合併
第2節 事業譲渡
第3節 会社分割★
第4節 完全親子会社
第5節 簡易・略式組織再編
第6章 資本市場へのアクセス
第1節 証券取引所
第2節 金融商品取引法
第3節 情報開示★
第4節 取引の安全の確保
第7章 知的財産権
第1節 知的財産権の意義と種類
第2節 特許権★
第3節 実用新案権★
第4節 意匠権★
第5節 商標権★
第6節 著作権★
第7節 著作権の成立と利用・保護★
第8節 著作権等に関する契約
第9節 不正競争防止法★
第8章 民法その他の法律知識
第1節 契約
第2節 契約の成立・有効要件
第3節 契約成立後の問題
第4節 債権★
第5節 典型契約
第6節 非典型契約
第7節 担保物権★
第8節 相続★
第9節 独占禁止法★
第10節 外国企業との取引
第9章 倒産等の手続き
第1節 倒産処理手続き
第2節 再建型手続き
第3節 清算型手続き
「★」は、本試験において、出題頻度が高い特に重要な論点です。