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一制度改定の今がチャンス!

最初に本書を上梓したのは2017年ですが、2019年6月、司法試験制度が15年ぶりに改定されました。
この制度改定の目玉は、大きく分けて「司法試験受験資格の変更」「法曹コースの新設」「予備試験の制度改定」ということになります。

これらの大きな制度改定の結果として、予備試験を巡る状況が202年以降、変化していくことが予想されます。
個別論については本文の中で述べるとして、こうした試験制度の改定をどう捉えるべきか、という点について述べておきたいと思います。

司法試験制度の大幅な改定は、法科大学院が導入された2004年以来、15年ぶりであり、制度改定の裏側には低迷する法科大学院人気があります。

すなわち、本来の中核コースである法科大学院ルートではなく予備試験ルートで司法試験を受験することがトレンドになっている現状を変えよう、というのがこの制度改定の趣旨です。

少し話は変わりますが、法科大学院が導入された2004年頃にも、法曹制度改革という名前で大胆な改革が行われました。一発試験という「点」ではなく、法科大学院という「線」で選抜を行う目的で、旧司法試験が廃止され、法科大学院が新設されることになりました。

制度改定前に大量に生じていた司法浪人(司法試験に合格するために無職で過ごす人たちのこと)が問題になっていたり、一発試験の弊害が唱えられていたので、それを打破する目的で法科大学院が新設されました。

こうした制度変革の時期には、法曹への門戸が非常に大きく開かれます。具体的には、旧司法試験の合格者数は2004年、2005年において1500名と前代未聞の多くの人数を合格させていました。

一方、法科大学院卒で行われるはじめての司法試験(当時は新司法試験と呼ばれていました)でも、実は全体の合格率が50%程度と非常に高かったのです。この時期に司法試験を受けていた受験生は、旧司法試験を受けても、新司法試験を受けても非常に優遇されていたといえます。

このように国が緩和措置を取るのは、これまでの制度下で一生懸命勉強をしていた人の努力を無駄にしないためです。門戸を可能な限り広くすることで、制度改定に伴う軋轢を少なくしようとしている、ともいえます。

いずれにせよ、制度改定期には門戸が大きく広がる傾向があることは間違いありませんので、予備試験の合格者数も、法科大学院経由の合格者数も、この時期に大きく減ることは考えにくく、むしろ門戸は広がると予想されます。

言葉をかえれば、「今が最大のチャンス!」ということです。

かくいう私自身も、制度改定真っ只中の2005年に司法試験に合格しており、言葉を選ばずに言えば「どさくさにまぎれて」合格しています。それでも合格者は合格者ですので、気にすることはありませんし、当然、合格してからの不利益も全くありません。

そうこの時期に予備試験を目指そうと考えた皆さんは非常にラッキーなのです。この機会を逃さず、是非短期合格を掴みとってください!!

2019年6月1日

資格スクエア代表
弁護士鬼頭政人

鬼頭 政人 (著)
出版社: 中央経済社; 新版 (2019/9/11)、出典:出版社HP

はじめに

——受かる人は、一人で勉強する!

みなさん、予備試験という制度はご存知でしょうか。現在、司法試験を受験する資格には二つあります。一つはみなさんご存知の法科大学院卒業、そしてもう一つが予備試験合格です。

仕組み自体はご存知の方も多いと思いますが、そもそもの予備試験の位置づけ、そして、「予備」試験という名称から、この試験について正しく認識している人は非常に少ないのが現状です。

もともと予備試験は、法科大学院に進学する経済的、時間的余裕のない人のために設けられた試験です。法科大学院を卒業するという原則ルートを、何らかの理由で選べない人が、例外的に予備試験経由での司法試験受験を目指す、というものでした。

名前が「予備」試験となっているのも、その制度趣旨のあらわれで、あくまで予備的に受ける試験、という意味です。いわば高等学校卒業程度認定試験(昔の大検)と同じで、本当に例外的な人だけが受ける試験、という意味合いなわけです。

実際、私も2013年12月に資格試験のオンライン対策サイト「資格スクエア」を始める前にはこのような理解をしていました。「あくまで原則は法科大学院、予備試験なんて、ほぼ受からないだろう」と思っていたわけです。

ところが、この認識は現状を正しくとらえているものではありませんでした。

予備試験合格者の司法試験合格率は、制度開始当初から一貫して全法科大学院の合格率を上回っており、また、就職活動においても予備試験合格者が非常に有利に取り扱われています。

司法試験合格者に人気の大手法律事務所の新卒採用は、大半が予備試験合格者で占められているのが現実です。

2017年現在、こうした「異変」に気づきはじめた一部の大学生は、徐々に法科大学院入学ではなく、在学中の予備試験合格を目指すようになっています。また、社会人の中でも、徐々に予備試験という選択肢が浸透してきています。

それでも出願者数はまだ1万3、000人と、旧司法試験時代(4万~5万人が受験)の3分の1にも満たないのが今の予備試験です(注)。

合格率こそ3~4%程度と低いものですが、実は見た目の合格率ほど厳しい試験ではないのです。予備試験を受けるのであれば今は本当にチャンスが大きいです。

本書は、予備試験の独学方法についてお伝えする本です。私のいう「独学」とは、自学自習の趣旨で、予備校を使うかどうかは大きな問題ではありません。

自学自習をしっかりとやれば、どの予備校であっても、合格にたどり着けますし、逆に、しっかり自学自習しなければ、どの予備校に通ってもお金の無駄です。

私は、予備試験に合格するためのサービスを自社で提供していますが、受験生の方が「自学自習が肝」という点に気づいていなければ、絶対に受かりませんので、常にこうした考え方を指南しています。

本書は、こうした私の考え方のエッセンスについて、余すところなく提供する意図で執筆したものです。本書を利用して、みなさんが予備試験の実態について知り、自学自習によって合格を勝ち取っていただくことを祈念しています。

2017年9月

資格スクエア代表
弁護士鬼頭政人。

(注)新版刊行時(2019年)でも予備試験の出願者数は1万4、000人と旧司法
試験時代の3分の1程度です。

鬼頭 政人 (著)
出版社: 中央経済社; 新版 (2019/9/11)、出典:出版社HP

目次

新版刊行にあたって――制度改定の今がチャンス!
はじめに――受かる人は、一人で勉強する!
読者特典のご案内

序章制度改定を知り、その波に乗れ!
0制度改定の波に乗るものが勝つ!

第1章たしかな自習が合格を導く!
一勉強を科学しよう一

1合格までに必要な勉強時間は?
2「自学自習」のポイント(効率と継続)
3「効率」のよい自学自習とは何か?
4アウトプットの時間を増やすためインプットは最速で回す!
5勉強計画をしっかりと立てる!
もうストップウォッチは回っている!
6自学自習を続けるために
7(監視)“ひそ勉”にひそむ多くのデメリット
8(競争)草野球のエースより,メジャーで戦え!
9(危機感)「できれば来年」ではいつまでも受からない!
10(承認)自分で自分を褒められる人が勝つ!

第2章独学で受かるための勉強法
一考え方編一
11短答式と論文式が山。論文式メインの考え方を!
12「まずは短答」で遠のく短期合格
13過去問に詰まっているすべてのエッセンス
14「受かってもおかしくないレベル」を目指せ!
15論文答案は上位半分で揃えれば勝てる!
16論文式対策で最も重要なのは論文を○○ことである!
17論文式の学習は言語学習のようなもの
18テキストの理解度は1回当たり10%で10回読む意識で
19予備試験突破のための勉強スケジュール
20(学生編)ロースクールを滑り止めと思うな!
21(法科大学院生編)模試ではない、本番と心得よ!
22(社会人編)「時間がない」はモチベーションなしの言い訳
Column予備試験はどんな人が受ける?受かる人は?
Column司法浪人不在による実質競争率の低下

第3章予備試験突破に必要なチカラ①
一基礎力養成編一
23法律の思考方法の基本一法的三段論法一
24予備試験学習に必要な要素
25条文は「要件」と「効果」を書いたカンニングペーパー
26手垢のない条文集は引いてないも同じ!
27判例マニアに明日はない!
28定義・趣旨は念仏で叩き込む!
29定義まとめ資料は肌身離さず!
30論点理解は問題の所在から始まる!
31論証集は凡例集
32論証は「理解」→「KWのあぶり出し」→「暗記」で記憶量を最小に
33学説は問題点把握の参考資料
Column『判例百選』の活用法

第4章予備試験突破に必要なチカラ②
——論文力養成編一
34論文式が天王山
35講義を聴いても論文は書けるようにならない!
36写経でもいい、手を動かせ!
37持ち込み可でも解けないものは絶対に解けない!
38勝利の方程式は(条文+判例+定義+論点)×問題文=論文答案
39論文答案が書けるようになる3ステップ
Step1キーワード暗記
40論文答案が書けるようになる3ステップ
Step2論点記述
41論文答案が書けるようになる3ステップ
Step3事例問題の攻略
42公法系論文のポイント
43民事系論文のポイント
44刑事系論文のポイント
Column実務基礎論文のポイント
Column選択科目論文のポイント
Column出題趣旨と採点実感の活用法
Column過去問ができない場合はどうする?

第5章予備試験突破に必要なチカラ③
一短答力養成編一

45短答式では法律7科目で8割を取って確実合格
46予備試験→司法試験→旧司法試験ですべてをカバー
47正誤だけわかるのでは足りない!
48普段の勉強では勘はご法度,本番は勘にも頼る!
49一つの肢について最低でも5回は回す!
50人間は忘却の生き物。「もう不要」な問題はない!
Column一般教養はやらなくてよいのか?

おわりに――予備校は頼るものではなく使うもの

鬼頭 政人 (著)
出版社: 中央経済社; 新版 (2019/9/11)、出典:出版社HP

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