2級FP技能士(実技・中小事業主資産相談業務)精選問題解説集 – ’19~’20年版
ファイナンシャル・プランニング技能検定とは
ファイナンシャル・プランニング技能検定とは、顧客である個人や中小企業事業主の相談に応じて、顧客の資産に関する情報を収集・分析し、顧客のライフプランやニーズに合わせた貯蓄、投資、保険、税務、不動産、 相続・事業承継等についてのプランの立案や資産相談に必要とされる技能 の習得レベルを評価する国家試験です。
一般社団法人金融財政事情研究 会および特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会に より実施されており、同技能検定に合格した方には、国家資格「ファイナンシャル・プランニング技能士」(名称独占資格)の称号が付与されます。
銀行、信用金庫、信用組合、農協、郵便局などの預貯金取扱金融機関、 保険会社、保険代理店、証券会社、クレジット会社、不動産会社、建設会社等に勤務されている方の多くがファイナンシャル・プランニング技能士 の資格を取得しています。
また、FP事務所の看板を掲げて開業し、顧客 の資産に関する相談に有償で応じるいわゆる独立系FPの方も、ファイナ ンシャル・プランニング技能士の資格を取得しています。さらに、一般企 業の総務部や経理部の方々、大学生、専門学校生、高校生や主婦の方な どの取得者も増えています。
ファイナンシャル・プランニング技能士は国が認めたFPのエキスパートであり、金融ビジネスにおいて、今後ますます活躍の場が広がります。
目次
ファイナンシャル・プランニング技能検定の概要
税額計算の速算表等
第1章 A分野 ライフプランニングと資金計画
A-1 中小企業オーナーの老後生活設計.
A-2 確定拠出年金 (1)
A-3 確定拠出年金(2)
A- 4国民年金と国民年金基金
A-5 個人事業主の退職金準備 (1)
A-6 個人事業主の退職金準備(2)
A-7 個人事業主の退職金準備(3)
A-8 個人事業主の退職金準備 (4)
A-9 従業員の退職金準備 (1)
A-10 従業員の退職金準備 (2)
第2章 C分野金融資産運用
C-1投資信託による資産運用
C-2 債券の投資判断
C-3株式の投資指標と債券の利回り
C-4株式の投資判断
C-5 株式・投資信託による資産形成 (1)
C-6株式・投資信託による資産形成 (2)
C-7 株式・債券による資産形成
C-8 国内債券と外債投資
C-9外貨建て商品による資産運用
C-10 ポートフォリオ運用
第3章 D分野タックスプランニング
D- 1 法人税の計算(1)
D-2 法人税の計算(2)
D- 3法人税の計算(3)
D- 4各種申告書の見方
D-5 交際費
D-6 減価償却
D- 7会社と役員間の税務関係(不動産の売買)
D-8 貸借対照表の見方
D- 9 財務分析(1)
D-10 財務分析(2)
第4章 E分野不動産
E-1 不動産取引の留意点
E-2 特定の事業用資産の買換えの特例
E-3 特定の資産の買換えの場合の課税の特例(1)
E- 4特定の資産の買換えの場合の課税の特例(2)
E-5 固定資産の交換の特例
E-6 借地権と底地の交換
E-7 収用等の場合の課税の特例
E- 8 等価交換方式
E- 9建設協力金方式
E-10 不動産の保有と相続に係る税金
第5章 F分野相続・事業承継
F-1 自社株評価と評価額の軽減
F-2 役員退職給与と自社株の評価額の軽減
F-3 土地保有特定会社
F-4 自社株評価と贈与・買取り
F-5 事業承継と自社株の移転・分散のための各種手法
F-6 相続・事業承継 (1)
F-7 相続・事業承継 (2)
F-8 相続・事業承継 (3)
F-9 相続・事業承継(4)
F-10 事業譲渡と自社株評価
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級実技試験
<2018年度実施>
2018年9月 試験問題(中小事業主資產相談業務)
2019年1月 試験問題(中小事業主資產相談業務)
2018年9月 模範解答·解說(中小事業主資產相談業務)
2019年1月 模範解答・解說(中小事業主資產相談業務)
ファイナンシャル・プランニング技能検定の概要
ファイナンシャル・プランニング技能検定の等級・分野
ファイナンシャル・プランニング技能検定は1級、2級、3級の等級に分かれており、それぞれ学科試験と実技試験が行われます。両方の試験に合格すればその等級の合格となります。
また、ファイナンシャル・プランニング技能検定では、各級において A 分野(ライフプランニングと資金計画)、B分野(リスク管理)、C分野(金融資産運用)、D分野 (タックスプランニング)、E分野 (不動産)、F分野 (相続・事業承継)の6分野から出題が行われます。
*表〈等級〉
1級 | FP に求められる資産運用・税務・社会保険・不動産・相続等の詳細な知識を有し、それを実践に活かす技能を体得している。 | |||
金融業務における顧客相談のスペシャリスト。 | ||||
2級 | 顧客層に応じて適切に対応するための基礎的な事項を理解し、FPに必要な幅広い分野の一般的な知識と技能を修得している。 | |||
顧客にとっての良きアドバイザー。 | ||||
3級 | FPの役割を理解し、自己の資産管理から顧客の悩みを共有できるまでの概略の知識をひととおり身に付けている。 | |||
金融業務に携わる者のスタンダードレベル。 |
*表〈分野〉
A | ライフプランニングと資金計画 |
B | リスク管理 |
C | 金融資産運用 |
D | タックスプランニング |
E | 不動産 |
F | 相続・事業継承 |
分野ごとの細目・出題範囲については一般社団法人金融財政事情研究会のウェブサ イトで確認ください。(https://www.kinzai.or.jp/fp/fp_specifications.html)
*表〈2、試験科目・受験資格と受験手数料〉
等級 | 学科 | 実技試験の選択科目 | 受験資格 | 受験手数料 |
実技 | ||||
1級 | 学科 | ー | ◆2級技能検定合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者 | 8900円 |
◆FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者 | ||||
◆厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者 | ||||
実技 | ⚫︎資産相続業務 | ◆1級学科試験の合格者(注1) | 25000円 | |
◆「FP養成コース」修了者でFP業務に関 し1年以上の実務経験を有する者 (注2) | ||||
◆日本FP協会のCFP®認定者 | ||||
◆日本FP協会のCFP資格審査試験の合 格者(注3) | ||||
2級 | 学科 | ー | ◆3級技能検定の合格者 | 4200円 |
FP 業務に関し2年以上の実務経験を有する者 | ||||
◆厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者 | ||||
◆日本 FP 協会が認定する AFP 認定研修を修了した者 | ||||
実技 | ⚫︎個人資産相談業務 | 各4500円 | ||
⚫︎中小事業主資産相談業務 | ||||
⚫︎生保顧客資産相談業務 | ||||
⚫︎損保顧客資産相談業務 | ||||
3級 | 学科 | ー | ◆FP業務に従事している者または従事しようとしている者 | 3000円 |
実技 | ⚫︎個人資産相談業務 | 各3000円 | ||
⚫︎保険顧客資産相談業務 |
(注1) 2019年度に実施する1級実技試験を受検できるのは、2017 年度以降の1級学科試験合格者です。
(注2) FP 養成コースとは、一般社団法人金融財政事情研究会が実施する「普通職業訓練短期課程
金融実務科 FP 養成コース」を指します。2019年度に実施する1級実技試験を受検できるのは、2017年度以降の修了者です。
(注3) 2019年度に実施する1級実技試験を受検できるのは2017年度以降のCFP®資格審査試験
格者です。
(注4)一般社団法人金融財政事情研究会が実施する試験について掲載しています。
(注5) 日本 FP協会では、2級、3級学科試験および1級、2級、3級実技試験(資産設計提案業務
を実施しています。
*表〈3、出題形式・試験時間等〉
等級 | 学科 | 出題(審査)形式 | 試験時間 | 満点 | 合格基準 | |
実技 | ||||||
1級 | 学科 | 〈基礎編〉マークシート方式(四答択一式、50問) | 10:00〜12:30 | 2時間 30分 | 200点 | 120点以上 |
〈応用編〉記述式(事例形式5題) | 13:30〜16:00 | |||||
実技 | 口頭試問形式 | (注1) | 200点 | 120点以上 | ||
2級 | 学科 | マークシート方式(四答択一式、60問) | 10:00〜12:00 | 2時間 | 60点 | 36点以上 |
実技 | 記述式(事例形式5題) | 13:30〜12:00 | 1時間 30分 | 50点 | 30点以上 | |
3級 | 学科 | マークシート方式(○×式、三答択一式、計60問) | 10:00〜12:00 | 2時間 | 60点 | 36点以上 |
実技 | マークシート方式(事例形式5題) | 13:30〜14:30 | 1時間 | 50点 | 30点以上 |
(注1)設例課題に基づく12 分程度O口頭試問が2回実施されます(半日程度)。
(注2) 1級実技試驗以外はいずれも筆記試験です。
(注3)筆記用具、計算機(プログラム電卓等を除く)の持ち込みが認められています。
(注4)一般社団法人金融財政事情研究会が実施する試験について掲載しています。
*表〈4、試験結果と試験取得者数〉
等級 | 学科 | 試験科目 | 2018年 | 2018年 | 2019年 |
実技 | 5月試験 | 9月実施 | 1月実施 | ||
1級 | 学科 | ー | ー | 8.24% | 8.45% |
実技 | 資産相談業務(注1) | 85.40% | – | 86.46% | |
2級 | 学科 | ー | 28.24% | 21.45% | 31.11% |
実技 | 個人資産相談業務 | 23.87% | 20.47% | 36.93% | |
中小事業主資産相談業務 | – | 41.97% | 33.98% | ||
生保顧客資産相談業務 | 45.47% | 37.42% | 40.06% | ||
損保顧客資産相談業務 | – | 54.61% | 50.00%(注2) | ||
3級 | 学科 | ー | 57.84% | 61.64% | 51.91% |
実技 | 個人資産相談業務 | 71.20% | 51.46% | 56.21% | |
保険顧客資産相談業務 | 35.60% | 34.32% | 39.31% |
(注1) 1級実技試験については、2018年6月実施分は2018年5月試驗結果、2019年2月実施分は
2019年1月試驗結果に掲載しています。
(注2) 2級実技試驗(損保顧客資產相談業務) 2019年1月試驗結果は、2018年9月追加試驗(北
海道地区)のものです。
(2) ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得者数
●1級21,236名 ●2級439,394名 3級 ●880,265名
※一般社団法人金融財政事情研究会実施分。2019年3月28日現在の延べ人物
*表〈5、2019年9月~2020年5月 試験日程〉
9月 | 2019年9月8日(日) | 【受検申請書請求期間】 | 6月3日(月)~7月16日 |
【受検申請受付期間】 | 7月4日(木)~7月23日(火) | ||
【合格発表日(予定)】 | 10月21日(月) | ||
1月 | 2020年1月26日(日) | 【受検申請書請求期間】 | 10月1日(火)~11月26日 (火) |
【受検申請受付期間】 | 11月13日 (水)~12月3日(火) | ||
【合格発表日(予定)】 | 3月6日(金) | ||
5月 | 2020年5月24日(日)(予定) | 【受検申請書請求期間】 | 未定 |
【受検申請受付期間】 | |||
【合格発表日(予定)】 |
(注1)2級実技試験中小事業主資産相談業務は 2019年9月および 2020 年1月に、また、2級実技試験損保顧客資産相談業務は 2019年9月に実施されます。
1級実技試験は、同級学科試験合格者を対象に2月、6月、10月に実施され、試験日のおよそ2 ~3カ月前より受検申請受付が開始されます。
6. 受検手続
個人申込の場合、受検申請の方法には、(a) インターネットを利用して申し込む方法と、(b)申込書を郵送して申し込む方法の2通りがあります。詳しくは、以下のウェブサイトをご覧ください。
https://www.kinzai.or.jp/ginou/fp/apply/index.html
●ファイナンシャル・プランニング技能検定に関するお問合せ
一般社団法人 金融財政事情研究会 検定センター
TEL 03-3358-0771
個人申込専用ダイヤル TEL 03-4334-1263
URL: https://www.kinzai.or.jp/fp
特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
試験業務部 TEL 03-5403-9890
URL: https://www.jafp.or.jp/
税額計算の速算表等
*表 1、所得税の速算表
課税所得金額(A) | 税率(B) | 控除額(C) |
195万円以下 | 5% | ー |
195万円超 330万円以下 |
10% | 9.75万円 |
330万円超 695万円以下 |
20% | 42.75万円 |
695万円超 900万円以下 |
23% | 63.6万円 |
900万円超 1,800万円以下 |
33% | 153.6万円 |
1,800万円超 4,000万円以下 |
40% | 279.6万円 |
4,000万円超 | 45% | 479.6万円 |
*表 2、住民税の所得割額の速算表
課税総所得金額 | 税率 | 控除額 |
一律 | 10% | ー |
*表 3、公的年金等控除額
年齢 | 年金支給額(A) | 公的年金等控除額 |
65歳以上 | 330万未満 | 120万円 |
330万円以上410万円未満 | (A)x25%+37.5万円 | |
410万円以上770万円未満 | (A)x12%+78.5万円 | |
770万円以上 | (A)x5%+155.5万円 | |
65歳未満 | 130万円未満 | 70万円 |
130万円以上410万円未満 | (A)x25%+37.5万円 | |
410万円以上770万円未満 | (A)x12%+78.5万円 | |
770万円以上 | (A)x5%+155.5万円 |
*表 4、給与所得控除額
給与収入金額 | 給与所得控除額 |
万円超 万円以下 | |
180 | 収入金額×40%(65万円に満たない場合は、65万円) |
180 〜 360 | 〃 ×30%+18万円 |
360 〜 660 | 〃 ×20%+54万円 |
660 〜 1000 | 〃 ×10%+120万円 |
1000 | 220万円 |
*表 5、相続税の速算表
法定相続分に応ずる所得金額(A) | 税率(B) | 控除額(C) |
1,000万円以下 | 10% | ー |
1,000万円超 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,00万円超 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超 1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
*表 6、贈与額の速算表
基礎控除額および配偶者控除後の課税税率(A) | 特例贈与財産*1 | 一般贈与財産*2 | ||
税率(B) | 控除額(C) | 税率(B) | 控除額(C) | |
200万円以下 | 10% | ー | 10% | ー |
200万円超 300万円以下 | 15% | 10万円 | 15% | 10万円 |
300万円超 400万円超 | 20% | 25万円 | ||
400万円超 600万円以下 | 20% | 30万円 | 30% | 65万円 |
600万円超 1000万円以下 | 30% | 90万円 | 40% | 125万円 |
1000万円超 1500万円以下 | 40% | 190万円 | 45% | 175万円 |
1500万円超 3000万円以下 | 45% | 265万円 | 50% | 250万円 |
3000万円超 4500万円以下 | 50% | 415万円 | 55% | 400万円 |
4500万円超 | 55% | 640万円 |