文系からSEはどうなのか?
SEって文系でもなれるの?
開発の上流工程は実際にプログラミングをする業務ではありません。専門家ではないクライアントとのミーティングが主な業務となります。「相手の意図を汲み取る力」や「専門的な内容を噛み砕いて説明する力」が必要とされます。また、プログラミングスキルについては、「入社後の研修で学ぶので経験の有無は問わない」という企業がほとんどですので、そういった企業を選べば問題ありません。
一般に、コミュニケーションスキルは入社後に伸ばしにくいものであり、一方でプログラミングスキルは伸ばしやすいものであるため、就職活動時点でコミュニケーションスキルが重視されるのです。つまり、コミュニケーション力が高い傾向にある文系学生の方が就職活動を有利に進められることもあるのです。
SEの将来性
AI、人工知能の発展により将来的になくなってしまうという懸念があるかと思いますが、心配入りません。開発フローにおける下流工程についてはAIに取って代わられるのではないかと考えられています。現在でも下流工程は、海外の企業に委託するアウトソーシングが行われることがあります。
しかし先ほど開発の節で述べた通り、一方で人と人とのコミュニケーションが必要とされる上流工程の仕事はAIに脅かされる心配は少ないと言えるでしょう。また、SEの技術は一般性が高いため転職のハードルも低く、営業職と比較してそう言った意味での将来性も高いと言えます。
どんな企業があるの?
SE職の募集を行っている企業は大きくユーザー系・メーカー系・独立系の3タイプに分類することができます。それぞれの特徴について解説していきます。
1.ユーザー系
ユーザー系のSI企業とは、例えば銀行や保険会社といった、金融業界の企業が持っているシステム開発の子会社などを指します。他にも()など、システムを使うユーザー企業の子会社はユーザー系に分類されます。特徴としては、開発スキルに加えて業務知識も身につけることができるという点があります。
上流工程をメインで担当する企業が多いのも大きな特徴だと言えるでしょう。上流工程において設計をするためには業務知識が欠かせません。どのような仕事に使うシステムかをしっかりと理解していなければ到底設計などできないためです。また、親会社向けの開発がほとんどであるため、客先に常駐するという働き方が少ないのも大きな特徴です。
2.メーカー系
メーカー系のSI企業は、高い技術力を売りにしているケースが多いです。働き方としてはユーザー系SI企業に常駐しチームの一員としてシステム開発を行うことが多いです。言い換えれば、様々な企業の製品に携わることができます。
3.独立系
ユーザーの子会社でもなく、メーカーの子会社でもない企業は独立系に分類されます。特徴としては親会社に縛られることがない為、顧客のニーズに対して柔軟な対処ができることが大きな特徴だといえます。例えばメーカー系企業の場合「他者の製品でクライアントにとってより良いものがあったとしても自社製品を使わなければならない」という状況が考えられます。
ユーザー系企業であれば当然その企業のシステムのみを開発することになり、いくつもの企業のシステムに携わることはないでしょう。こういった制約がない分、幅の広い開発を行える点が独立系の強みです。
就職活動ではどのようなところがポイントか?
1.コミュニケーション力
文系学生が一番アドバンテージを取ることのできるポイントです。ぜひ積極的にアピールしましょう。特に「誰とでも仲良くすることができる」というベクトルではなく、「情報を正確に伝えることができる」や「相手の考えを汲み取ることができる」というベクトルで文章を組み立てると良いでしょう。
なぜなら上流工程の解説でも述べた通り、「専門家ではない人に説明すること」と「相手のニーズを汲み取ること」が業務上特に必要とされるコミュニケーションスキルとなるためです。予備校のアルバイトはもちろんのこと、サークルの後輩への指導などもこの要素に絡めることができるでしょう。
2.論理的思考力
論理的思考力は、「設計」段階で特に必要となる能力です。また、他の業種よりも厳密なロジックが求められるためESや面接ではぜひアピールすべきでしょう。
3.SEという仕事・業界の理解
どの業界、業種にも言えることですが、その仕事への理解度はアピール必須です。学生と企業のミスマッチを防ぐために何度も面接を行うわけですから、仕事内容を理解していることをアピールしなければなりません。「わかりやすく説明する」「論理的に考えを組み立てる」「コミュニケーションをとりながら仕事を進める」
などを入れしっかりとした志望理由も付け加えていきましょう。
(文系SEについて)