登録販売者の外部研修はいったいどんな内容?目的や種類について




1 はじめに−登録販売者とは?

登録販売者とは、2009年の改正薬事法により新たに誕生した、第2類医薬品、第3類医薬品を販売することができる資格のことです。
一般に、医薬品の販売というと薬剤師をイメージすると思いますが、第2類医薬品と第3類医薬品に限れば登録販売者だけで販売することができます。

薬剤師不足という状況の中で、登録販売者がいれば薬局やドラッグストアだけでなくコンビニやスーパーなどでも医薬品の販売ができるようになるので、登録販売者はニーズの高い資格となっています。

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2 登録販売者の外部研修とは?

(1) 外部研修の目的は?

登録販売者になるためには、まず登録販売者試験に合格することが必要です。
そのためには勉強をすることが当然必要ですが、試験に合格したらそこで勉強が終わりというわけではありません。

登録販売者として仕事を始めた後は、毎年「外部研修」を受ける必要があります。

外部研修は、「登録販売者の資質向上」や「医薬品を適正に扱うための知識を身につける」、「最新で正確な知識を取り入れる」というように、登録販売者の質を維持することを目的として行われます。

(2) 外部研修にはどのような種類があるの?

外部研修には、「集合研修」と「eラーニング研修」の2つがあります。

①集合研修
集合研修は、会場に集まって講義形式で受講するものです。
指定会場において、最低年1回(6時間以上)、4単位以上取得しなければいけません。

「登録販売者の資質の向上のための外部研修に関するガイドライン」にあげられている、「医薬品に共通する特性と基本的な知識」、「人体の働きと医薬品」、「主な一般用医薬品とその作用」、「薬事に関する法規と制度」、「一般用医薬品の適正使用と安全対策」、「リスク区分等の変更があった医薬品」、「その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規など」の7項目に関する講義を受講し、最後に確認テストを受ける必要があります。

集合研修は、6時間の講義を1日かけて受講するカリキュラムとなっています。
受講費用は、1回あたり約2,000円です。

②eラーニング研修
この研修は、自宅などでパソコンやスマートフォンを利用して外部研修を受講するものです。

先ほどのガイドラインに示されている7項目を内容とするウェブテキスト(6時間相当)を使用して学習します。その後、合計4本の受講証明のウェブテストを受け、年度末までに合格することで、4単位を取得できます。

eラーニング研修は、1年間で6時間相当の教材を閲覧するので、集合研修1回分に相当する内容となっています。
受講費用は約1,500円です。

(3) 集合研修とe-ラーニング研修どちらも受けないといけないの?

外部研修は、毎年12時間以上(合計8単位以上)受けることが義務付けられています。
また、集合研修を年1回受けることも必須です。

そのため、次のような2通りの受講方法が考えられます。

①集合研修(6時間以上)×1回+eラーニング研修(6時間相当)
②集合研修(6時間以上)×2回

外部研修を実施している団体によって異なりますが、多くの場合、集合研修(6時間相当)+eラーニング研修(6時間相当)をセットにしている団体が多いです。
集合研修を12時間以上受けるという方法も可能ですが、集合研修は丸一日かけて学習するので予定が合わないと受講できないことから、1年に2回受講するのが難しい場合もあります。
eラーニング研修であれば1年かけて少しずつ学習できるので、忙しい人でも無理に予定を調整することなく受講することができます。

それぞれの予定と相談しながら、集合研修とeラーニング研修をどのように受講するか選択しましょう。

※2020年、2021年は新型コロナウイルスの影響で、集合研修を実施せず、リモート講義で代替することとされました。そのため、12時間相当のeラーニング研修を受講すれば、必要な外部研修を受講したことになります。
最新の集合研修の実施状況については、各研修実施団体のホームページをご確認ください。

(4) 集合研修への参加方法は?

集合研修に参加するためには、研修を実施している団体へインターネットから事前に申込みをするのが原則です。

実施団体によっては事前申込なく参加することも可能な場合もありますが、座席数や教材に限りがあるため会場に行っても参加できないということも考えられます。事前申込をしておくのが無難でしょう。

なお、この研修は登録販売者の資格を持っている方なら誰でも参加できます。

(5) 受講する際の格好は?注意点はある?

集合研修は会場で受講するため、カジュアルすぎたりラフな格好はNGです。
団体によってはスーツと指定される場合もあるため注意が必要です。

また、集合研修は1日がかりのスケジュールが組み込まれているため、お昼ご飯を持っていった方が良いでしょう。

遅刻や早退をすると、研修に参加できなかったり、参加できても受講証明書がもらえなかったりする場合もあるので、研修の日は時間に余裕を持って計画を立てるようにしましょう。

(6) 研修を受けないとどうなる?

医薬品の販売に関わっている登録販売者は、研修を受けることが義務となっています。
しかし、受講しなかったとしても資格を剥奪されるなどの罰則を受けることはありません。

医薬品の販売に従事していない登録販売者に関しては、研修の受講は義務付けられてはいません。

このように受講しなかった場合の罰則はありませんが、お客様に安全に医薬品を使用してもらうためには、定期的に学習し、医薬品に関する最新の正しい知識を身につけることが必要ですし、最新の知識を身に付けておかないと仕事をしていく上で困る場面も出てくるので、研修を受けることは必要でしょう。

3 まとめ

ここまで見てきた内容をまとめてみましょう。

①最新の医薬品の知識を取り入れる、医薬品を安全に取り扱うための知識を身につける、登録販売者としての資質向上を図るという目的のために外部研修がある。
②外部研修には集合研修、eラーニング研修の2種類があるが、集合研修は最低1回受講する必要がある。
③医薬品の販売に従事していない登録販売者は研修の受講の義務はないが、登録販売者として仕事をする人は受講することが必要である。

外部研修について理解していただけたでしょうか?
登録販売者の資格を持っている人、取ろうと思っている人は外部研修についてよく理解しておくことが大切です。
外部研修を受けることで、より登録販売者として必要な知識を身につけることができます。

登録販売者になった後は、外部研修を受けて、ぜひスキルアップを図りましょう。