今すぐできる! 患者が集まる接遇術




【医療接遇のおすすめ本 – 基本から事例に沿った応用まで】も確認する

医療経営ブックレットとは

◆コンセプト
本書は、医療経営における様々な問題や課題を解決するために、効索的な学習を進めるためのブックレットです。必要とされる知識や思考法実践能力、備えるべき価値観等を習得することを目的としています。

◆テーマ設定
日常業務に役立つ実践的なテーマから、中長期的な視点や幅広いアプローチが必要となる経営手法、さらには医療のあり方や社会のあり方といった倫理・社会学的なテーマまで、医療経営に必要とされる様々なテーマを取り上げています。

◆読者対象
医療経営士をはじめ、医療機関に勤める方や医療機関と関わりのある他業種・団体の方、さらに医療経営について学んでいる方を主な読者対象としています。

◆使い方
勉強会や研究会の教材としての利用が効果的です。示された事例や課題について、グループワークや討論を重ねながら、問題解決に向けた具体策と能力を習得し、医療経営に役立てられることを期待しています。

・医療経営士とは
医療機関をマネジメントする上で必要な医療および経営に関する知識と、経営課題を解決する能力を有し、実践的な経営能力を備えた人材として、一般社団法人日本医療経営実践協会が認定する資格です。

白梅英子 (著)
日本医療企画 (2013/11/20)、出典:出版社HP

はじめに

・「患者様」から「患者さん」へ
「患者様」という呼称は、厚生労働省の「国立病院、療養所における医療サービスの質の向上に関する指針」(2001(平成13]年)の通達の中に、「患者を呼称する際、原則として姓名に『様』を付けることが望ましい」という記載によって、全国的に広がりました。その後の医療界の環境変化は目まぐるしく、特にここ数年は団塊の世代のリタイアが現実のこととなり、医療も介護も「在宅」がキーワードになっています。超高齢社会を迎え、今後、医療と生活がますます密接になることが予想されます。

そのような状況の中で、最近、医療機関では「患者様」という呼び方を見直す動きが広がっています。その主な理由は、次のとおりです。

1 「患者」という名称は「患った者」という意味であるため、この言葉に尊敬語である「様」をつけるのは、日本語として問題がある。(2006(平成18)年、京都大学病院)

2 患者へのアンケートによると「患者さん」で十分という意見が7割に上る。(2007(平成193年、西日本新聞)

3 ホテルにおける客と従業員との関係とは異なり、患者と医療者は対等な関係であるべきである。(2009(平成21)年、群馬保険医新聞)

4 一部の人から「誤った権利意識」「強い消費者意識」を助長していると指摘があった。

患者さんに接するときにもっとも大切なのは、ホスピタリティ精神だと私は思います。相手と対等な関係で寄り添うという意味においても、「患者さん」という表現が適切なのではないでしょうか。これらを考慮し、本書では「患者様」ではなく「患者さん」と表記しています。

2013年11月
白梅英子

白梅英子 (著)
日本医療企画 (2013/11/20)、出典:出版社HP

目次

はじめに

1 医療従事者に求められる接遇
医療従事者に求められる接遇の要点
医療従事者としてのプロフェッショナルの条件

2 患者さんに信頼される接遇のポイント
ポイント1 身だしなみ
ポイント2 表情
ポイント3 挨拶
ポイント4 立ち居振る舞い(態度、動作)
ポイント5 言葉遣い

3 医療従事者に必要なコミュニケーションスキル
スキル1 聴き方
スキル2 話し方とコミュニケーション

4 電話応対の基本
基本1 電話の受け方
基本2 電話のかけ方
基本3 電話の取り次ぎ方

5 医療機関の接遇事例
事例1 身だしなみで組織がわかる
事例2 マスクをしたまま「こんにちは」?!
事例3 取引業者に対する接客態度(事例)
事例4 おもてなしの心を伝える
事例5 訪問時の留意点
事例6 名刺交換はさりげなく
事例7 廊下、階段でのご案内
事例8 エレベーターでのマナー
事例9 メールのマナー違反に要注意

おわりに

白梅英子 (著)
日本医療企画 (2013/11/20)、出典:出版社HP