2020年度版CAD利用技術者試験2次元1級(建築)公式ガイドブック
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はじめに
一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する「CAD利用技術者試験」は、CADの初学者を対象とした2次元CAD利用技術者試験基礎、2次元CAD利用技術者試験(2級・1級)、そして機械・製造系の3次元CADの基礎知識と技能を問う3次元CAD利用技術者試験(2級・準1級・1級)の、計3種類の試験からなっています。
本書は、「2次元CAD利用技術者試験1級(建築)」受験者のための指導書です。
2次元CAD利用技術者試験1級(建築)は、単に2次元CADシステムのオペレーション技能や図面の作図時間の速さ、正確さを評価するばかりでなく、建築設計業務に関連する基本事項と周辺知識を活用し、実務において最低限のコミュニケーションができる能力を評価するためのものです。したがって、本試験では、2次元CADシステムの正確なオペレーションはもちろんのこと、図面の読図能力、周辺知識とその応用力を評価するための出題がなされています。
本書は、2次元CADシステムのコマンドの操作方法だけでなく、実践例を出して解説し、効率よく技術を身に付けることに着眼し、解説しています。また2019年度の前期・後期問題とその解答を付けることで、本書をもとに自学自習できるよう構成しました。1級(建築)受験者はもちろん、基礎受験者、2級受験者、1級(トレース)受験者、SpaceDesigner検定受験者が建築系CADに関する知識を高め、実際の操作を学ぶためにも、本書を活用していただければ幸いです。
2020年2月 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
目次
はじめに
一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)について
CAD利用技術者試験について
2020年度2次元CAD利用技術者試験1級(建築)実施概要
■第1章 建築製図の基礎知識
1 建築業務の基本知識
建築の業務
メモ:建築という言葉の意味
メモ:図面の成り立ちと役割
建築生産の流れと図面の役割
2 建築製図
尺度と用紙サイズ
線の種類と記号表記
3建築の主な構造
木造
鉄骨造
鉄筋コンクリート造
鉄骨鉄筋コンクリート造
そのほかの構造
4 建築の主な材料と部材
建築材料の分類・種別
製品化された部材
建築現場の工程と材料
5 モデュール
モデュールとは
モデュラーコーディネーション
モデュール用語
グリッドプランニングの実例
6 建築法規
建築法規の歴史
建築法規の体系
建築基準法の目的
建築法規の役割
建築物の安全と衛生(単体規定)
安全で快適な都市環境の整備(集団規定)
建築法規とコンピュータの利用
建築業務と図面の役割
建築業務の流れと必要な図面
各種図面の目的と内容
図面の種類と記載事項
■第2章 建築生産の電子情報
1 情報の伝達と共有
情報共有の意義と手法
電子納品のメリット
データベースの作成と意義
情報共有Webサーバの意義と利用方法
2 CALS/EC
CALSの概要
建築業の電子情報交換と電子取引
国土交通省による建設CALS/ECの整備
3 3XTCAD
2次元と3次元
3次元CADにおける建築設計
BIM
4 コンピュータによるシミュレーション
建築設計におけるシミュレーション
シミュレーションの実例
■第3章 CADによる図面作成
1 図面作成RC事務所ビル
配置図兼① 階平面図の作成手順と解説
2階平面図の作成手順と解説
断面図の作成手順と解説
立面図の作成手順と解説
矩計図の作成手順と解説
2 図面作成② 木造住宅
配置図兼1階平面図の作成手順と解説
2階平面図兼屋根伏図の作成手順と解説
断面図の作成手順と解説
木造屋根の設計のポイント
南立面図の作成手順と解説
そのほかの立面図(北面、東面、西面)の作成手順と解説
矩計図の作図手順と解説
展開図の作成手順と解説
■第4章 過去問題
1 解答枠の注意事項
解答枠の様式
解答枠のレイヤ設定
尺度の確認
解答枠に関する注意事項
解答用紙および解答データの提出に関する注意事項
解答枠の提供形式解説(参考
2 2019年度試験問題
前期試験問題
後期試験問題
解答
■巻末付録 2次元CAD利用技術者試験1級(建築) 用語集
データのダウンロードのご案内
索引
2020年度 2次元CAD利用技術者試験 1級(建築)実施概要
●受験対象者
CADシステムを利用し、建築系の設計・製図などの業務に従事して1年以上の実務経験、または1年以上の就学経験を有する方を想定して試験を行いますCADシステムの操作ができるだけではなく、将来、設計者やオペレーターの管理業務を目指す方が対象です。
●2020年度実施スケジュール
前期試験 | 後期試験 | |
申込期間 | 4月6日(月)~5月6日(水) | 8月18日 (火)~9月23日 (水) |
試験日 | 6月14日(日) | 11月8日(日) |
試驗時間 | 80分(保存時間含む) | |
合格発表 | 8月中旬 | 2021年1月中旬 |
受験資格 | 2級または1級(1級2級ともに旧称号含む)の有資格者 | |
受験料※3 | 15,000円(消費税別) |
※1 申込期間については、変更する場合があります。
※2 2次元CAD利用技術者試験2級との併願受験はできません。1級の申し込みには、2級合格時に取得する認定番号が必要となりますが、認定番号は2級試験合格の翌日に発番されるため、1級の申込期限前日までに受験してください。申込期間最終日に2級試験を受験された場合には、次回以降の1級受験となりますので、ご注意ください。
※3 消費税は申し込み日の税率となります。なお、過去の1級合格者は、受験料10,000円(消費税別)で受験することができます。ただし、申し込み時に1級の認定番号で申請した場合に限ります。詳細は、CAD利用技術者試験公式Webページにてご確認ください。
https://www.acsp.jp/cad/
●合格基準
実技試験と筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上を合格基準とします。※総合の比率は、筆記試験と実技試験の合計点を満点として換算したもので、それぞれの正解率を足して2で割った数値ではありません。
●実技使用CADシステム基準
1. CADソフトについて
試験に使用できるCADソフトに特に制限はありませんが、下記の基本条件を満たしていることが使用条件となります。また、CAD利用技術者試験センターが提供する「受験対象CAD判定サービス」(https://www.acsp.jp/cad/2d_hatei.html)にて確認を取ることが必須となります。ただし、「AutoCADシリーズ」については、判定の必要はありません。
※体験版についても製品版と機能が変わらなければ使用可能です。
【基本条件】
① 画層(レイヤ)機能を有すること
② DXFの入出力機能を有すること ※解答枠読み込み時および試験当日に解答ファイルを保存する際に必要となります。
③ 上記データ変換においてテキスト入出力機能を有すること
④ 解答枠で用意するものと同じ形式・バージョンのDXFに対応していること
(「2004」「2007」「2010」の3種類を提供)
2. 解答枠に関する注意事項
実技試験においては、指定した解答枠を使用していただきます。受験される際は、解答枠のダウンロードおよび動作確認を試験当日までに必ず行ってください。解答枠は、自動採点のときに解答の原点位置として利用します。問題のとおり正確な寸法で描かれていることや、線分の始点・終点ポイントに注意が必要です。また、試験会場では解答枠の提供を行わないため、事前にダウンロードを行っていない場合は、「採点対象外」となります。
① ダウンロードした解答枠は、圧縮ファイル(ZIP形式)になっていますので、事前に解凍してください。解凍するとフォルダにDXFバージョン2004/2007/2010に対応した解答枠データが入っています。
② 試験当日に使用する解答枠は、使用するCADソフトに対応するDXFのバージョンに合ったものを選んでください。
③ CAD利用技術者試験センターが用意したもの以外の作図データなどの持ち込みはできません。使用した場合は失格となりますのでご注意ください。
※解答枠に関する注意事項は、第4章の「1解答枠の注意事項」を参照してください。
※団体受験者は、団体の「試験実施責任者」にご確認ください。
●受験申し込みから合否公開までの流れ
【受験申し込み】
申し込みの詳細については、公式Webページ(https://www.acsp.jp/cad/)にてご確認ください。
【受験票】
受験票公開時には、ご登録いただいているメールアドレス宛にご案内をお送りいたします。また、受験票は、「マイページ」からダウンロードすることができますので、以下記載事項をご確認のうえ、当日持参してください。
① 受験票は、ご自身にてプリントアウトを行い、写真(縦4cm×横3cm、撮影より3ヵ月以内)を貼付のうえ、試験当日ご持参ください。
※受験票および写真は、試験当日に回収いたします。
② 受験票には、お申し込みいただいた内容が記載されています。間違いがないかご確認ください。
③ 受験票に記載のある注意事項を事前に必ずご確認ください。
④ 試験会場へのアクセス方法、所要時間等を事前に必ずご確認ください。
※受験票の地図はあくまでも目安であり、CAD利用技術者試験センターおよび試験会場では、道案内を行うことはできません。
【試験当日の注意事項】
1. 必ず持参するもの
① 受験票(写真縦4cm×横3cmを貼付)
② 筆記用具(鉛筆、シャープペンシル、消しゴム)
※筆記用具以外のもの(電卓、定規等)は使用できません。
③ ノートパソコン(CADソフトがインストールされているもの)
2. 持ち込み可能なもの
① 色鉛筆、マーカー
② マウス、マウスパッド
③ テンキーボード
④ フラッシュメモリ用USB延長ケーブル
⑤ 予備バッテリーまたは外付バッテリー(UPS=無停電電源装置は使用不可)
⑥ 腕時計(スマートウォッチは不可)
3.試験実施の流れ
① 試験会場に入室
試験会場では、受験番号順に座席が指定されています。自分の受験番号を。よく確認し、指定された座席に着席し、受験票は机の通路側に置きます。
※教室内で飲食はしないこと。また、特別な事由がない限り、不正防止のため、帽子やサングラスなどは身に着けないこと。
※マスクをされている場合、本人確認のために、試験監督官の指示により、一時的にマスクを外していただきます。
② 事前説明
試験開始の前に、試験監督官より注意事項などの事前説明があります。
③ 試験開始
試験時間80分の中で、筆記試験・実技試験を行います。作図データの保存時間も含まれておりますのでご注意ください。筆記問題、実技問題のどちらから始めてもかまいません。
④ 試験終了
試験問題、解答用紙、受験票を回収します。1つでも欠けると「失格」となりますのでご注意ください。すべての提出物を試験監督官が回収し、終了の合図で試験は終了となります。
4.試験当日の注意事項
① 試験時間中にバッテリー切れにならないよう注意し、不安な場合には、予告備バッテリーまたは外付バッテリーを用意してください。
② 試験会場での電源供給は行いません。なお、勝手に試験会場の電源を使用した場合は「失格」となりますのでご注意ください。
③ 試験問題は破かないで使用してください。「1枚」でも紛失した場合は「失格」となりますのでご注意ください。
④ 作図データは、すべてDXF形式での保存となります。
⑤ 試験当日に、体調不良などにより欠席される場合、CAD利用技術者試験 センターへの連絡は不要です。ただし、受験者都合よる欠席の場合、受験料の返金や次回以降の試験への振り替えはできないことを予めご了承ください。
【合否判定】
1. 合否判定通知書
「マイページ」にて公開いたします。合否判定通知書公開時には、ご登録のいただいているメールアドレス宛にご案内をお送りいたします。なお、以下のお問い合わせおよびご要望には一切応じることができません。
① 合否結果、採点内容、採点基準、配点基準、採点結果などに関するお問い 合わせ
② 提出された試験問題、解答データ、解答用紙などの確認・返還に関するご要望
③ マイページでの公開期間終了後の合否判定通知書の再公開・再発行
2. 証明書類
合格証書類は、合格証明書、合格証書、認定カードの3種類ありますので、必要な方はお申し込みください(有償)。お申し込みからお届けまで約1ヵ月程度かかりますので、あらかじめご了承ください。