ALL IN ONE パーフェクトマスター システムアーキテクト 2020年度 (情報処理技術者試験)
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はじめに
本書は、システムアーキテクト試験に、最短時間と最少労力で合格するための試験対策本です。
学習にあたっては、何を(What)、どのように(How to)学習するのかが重要です。そのため、本書はまず本試験問題を徹底的に分析し、学習するべき内容(What)を精査しました。次にその内容をどのように学習するかの方法論(How to)を、TACが講義において長年培ってきた解法スキルを、ビジュアルに展開しています。
効率の良い学習方法は、「第0部試験の分析と突破法」で解説しているように、午前1、午後I、午後IIの各試験に特化した学習を行うことです。本書「第1部システムアーキテクトの知識-午前II試験対策」では、出題頻度の高いキーワード、キーフレーズについて、意味内容を効率良く習得できるよう、解説しています。
「第2部午後I試験対策」では、TACならではの解法スキルとして「三段跳び法」について解説しています。Hop→Step→Jumpの3段階で問題を解いていくと、短時間で、設問趣旨に沿った解答を導き出すことができるようになります。
「第3部午後II試験対策」では、合格答案を書くため多種多様な方法について解説しています。合格答案とは、「設問要求の充足度」「内容の妥当性」「論述の具体性」の3要素を満たした答案で、そのための答案作成方法として、「ユニット法」「ステップ法」について解説しています。また、解答(論述)を自由に展開するための「自由展開法」や「“そこで私は”展開法」「“最初に次に”展開法」などを提示しています。これらの方法を駆使すれば、試験時間内に合格答案を書くことができるようになります。
さらには、各試験対策として、過去問題を使用した「確認問題」を設けています。出題頻度の高い問題を厳選していますので、本文解説と確認問題で繰り返しトレーニングを行い、受験知識・答案方法を確実に定着させてください。
以上、本書は、各試験突破に特化した、最も効果的な学習方法を提供いたします。本書を活用して、試験に合格されることを心から願っております。
2020年2月 TAC情報処理講座
システムアーキテクト試験概要
●試験日:10月〈第3日曜日〉
●合格発表:12月中旬
●受験資格:特になし
●受験手数料:5,700円
出題形式
試験区分 | 午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ |
試験時間 | 9:30~10:20 (50分) |
10:50~11:30 (40分) |
12:30~14:00 (90分) |
14:30~16:30 (120分) |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) |
多肢選択式 (四肢択一) |
記述式 | 記述式 (小論文) |
合格基準
時間区分 | 配点 | 基準点 |
午前Ⅰ | 100点満点 | 60点 |
午前Ⅱ | 100点満点 | 60点 |
午後Ⅰ | 100点満点 | 60点 |
午後Ⅱ | Aランク |
※論述式試験の評価ランクと合否関係
評価ランク | 内容 | 合否 |
A | 合格水準にある | 合格 |
B | 合格水準まであと一歩である | 不合格 |
C | 内容が不十分である | |
D | 出題の要求から著しく逸脱している |
免除制度
高度試験午前I試験については、次の条件1~3のいずれかを満たせば、その後2年間受験を免除する。
条件1:応用情報技術者試験に合格する。
条件2:いずれかの高度試験又は支援士試験に合格する。
条件3:いずれかの高度試験又は支援士試験の午前I試験で基準点以上の成績を得る。
試験の対象者
対象者像
高度IT人材として確立した専門分野をもち、ITストラテジストによる提案を受けて、情報システム又は組込みシステム・IoTを利用したシステムの開発に必要となる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、情報システムについては開発を主導する者
業務と役割
[情報システム]
情報システム戦略を具体化するための情報システムの構造の設計や、開発に必要となる要件の定義、システム方式の設計及び情報システムを開発する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する。
①情報システム戦略を具体化するために、全体最適の観点から、対象とする。
②全体システム化計画及び個別システム化構想・計画を具体化するために、対象とする情報システムの開発に必要となる要件を分析、整理し、取りまとめる。
③対象とする情報システムの要件を実現し、情報セキュリティを確保できる、最適なシステム方式を設計する。
④要件及び設計されたシステム方式に基づいて、要求された品質及びセキュリティを確保できるソフトウェアの設計・開発、テスト、運用及び保守についての検討を行い、対象とする情報システムを開発する。なお、ネットワーク、データベース、セキュリティなどの固有技術については、必要に応じて専門家の支援を受ける。
⑤対象とする情報システム及びその効果を評価する。
〔組込みシステム・IoTを利用したシステム] 組込みシステム・IoTを利用したシステムの要件を調査・分析し、機能仕様を決定し、ハードウェアとソフトウェアの要求仕様を取りまとめる業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する。
①組込みシステム・IoTを利用したシステムの企画・開発計画に基づき、対象とするシステムの機能要件、技術的要件、環境条件、品質要件を調査・分析し、機能仕様を決定する。
②機能仕様を実現するハードウェアとソフトウェアへの機能分担を検討して、最適なシステムアーキテクチャを設計し、ハードウェアとソフトウェアの要求仕様を取りまとめる。③汎用的なモジュールの導入の妥当性や開発されたソフトウェア資産の再利用の可能性について方針を策定する。
期待する技術水準
システムアーキテクトの業務と役割を円滑に遂行するため、次の知識・実戦化力が要求される。
①情報システム戦略を正しく理解し、業務モデル・情報システム全体休てを検討できる。
②各種業務プロセスについての専門知識とシステムに関する知識を有し、双方を活用して、適切なシステムを提案できる。
③企業のビジネス活動を抽象化(モデル化)して、情報技術を適用できる形に再構成できる。
④業種ごとのベストプラクティスや主要企業の業務プロセスの状況、同一業種の多くのユーザ企業における業務プロセスの状況、業種ごとの専門知識、業界固有の慣行などに関する知見をもつ。
⑤情報システムのシステム方式、開発手法、ソフトウェアパッケージなどの汎用的なシステムに関する知見をもち、適切な選択と適用ができる。
⑥OS、データベース、ネットワーク、セキュリティなどにかかわる基本的要素技術に関する知見をもち、その技術リスクと影響を勘案し、適切な情報システムを構築し、保守できる。
⑦情報システムのシステム運用、業務運用、投資効果及び業務効果についさて、適切な評価基準を設定し、分析・評価できる。
⑧多数の企業への展開を念頭において、ソフトウェアや、システムサービスの汎用化を検討できる。
[組込みシステム・IoTを利用したシステム] ①組込みシステム・IoTを利用したシステムが用いられる環境条件や安全性などの品質要件を吟味し、実現すべき機能仕様を決定できる。②対象とするシステムの機能仕様に基づき、ハードウェアとソフトウェアの適切な組合せを設計し、それぞれの要求仕様としてまとめることができる。
③リアルタイムOSに関する深い知識と汎用的なモジュールに対する知識を有し、システムアーキテクチャの合理的な設計、ソフトウェア資産の再利用可能性の検討、適切な活用ができる。
Contents
はじめに
システムアーキテクト試験概要
第0部試験の分析と突破法―本書の特徴
1試験の分析
1.1システムアーキテクト試験全体の分析
1.2システムアーキテクト試験の突破法
2午前II試験の分析と突破法
2.1午前II試験の分析
2.2午前II試験の突破法
3午後I試験の分析と突破法
3.1午後I試験の分析
3.2午後I試験の突破法
4午後II試験の分析と突破法
4.1午後II試験の分析
4.2午後II試験の突破法
第1部 システムアーキテクトの知識/午前II試験対策
1システム設計
1.1システム設計
1.2設計技法
1.3オブジェクト指向アプローチ
1.4設計レビュー
確認問題
2開発、運用、保守
2.1プログラミング
2.2プログラムテスト
2.3システム運用と保守
確認問題
3システム開発管理
3.1システム開発管理
3.2システム戦略
3.3企業活動
確認問題
4システム技術
4.1コンピュータシステム技術
4.2システム構成技術
4.3データベース技術
4.4ネットワーク技術
4.5セキュリティ技術
4.6AI
4.7IoT
4.8ビッグデータ
4.9ブロックチェーンとRPA
確認問題
第2部 午後I試験対策
1午後I試験の概要と解き方
1.1午後I試験の概要
1.2記述式問題の解き方
2問題文の読解トレーニング 二段階読解法
2.1全体像を意識しながら問題文を読む-概要読解
2.2アンダーラインを引きながら問題文を読む-詳細読解
2.3トレーニングとしての二段階読解法
3設問の解き方一正解発見の三段跳び法
3.1三段跳び法
3.2ステップの繰り返しが必要な場合
3.3テクニックが目指す先
4記述式問題の解き方の例
具体例食品製造業の基幹システムの改善(H25問3)
5記述式問題の演習
問1生命保険会社のシステムの構築(出題年度:H29問1)
問2ソフトウェアパッケージ導入(出題年度:H29問3)
問3仕入れ納品システムの変更(出題年度:H28問1)
問4業務委託管理システムの導入(出題年度:H27問3)
問5物流センタのシステム構築(出題年度:H26問2)
問6情報開示システムの構築(出題年度:H30問2)
問7問合せ管理システムの導入(出題年度:H28問2)
問8業務及びシステムの移行(出題年度:H27問2)
問9勤務管理システムの導入(出題年度:H26問3)
問10銀行のATM(現金自動預払機)サービス(出題年度:H25問2)
問11ETCサービス管理システムの構築(出題年度:H30問3)
問12サービスデザイン思考による開発アプローチ(出題年度:R元問1)
第3部 午後II試験対策
1午後II試験の概要と解き方
1.1午後II試験の概要
1.2ユニット法
1.3ステップ法
1.4自由展開法
1.5“そこで私は”展開法
1.6“最初に、次に”展開法
1.7テクニックの目指す先
2合格論文の作成例
作成例1要件定義について(H21問1)
作成例2業務の変化を見込んだソフトウェア構造の設計について(H24問1)
作成例3要求を実現する上での問題を解消するための業務部門への提案(H25問1)
3論述式問題の演習
問1.非機能要件を定義するプロセスについて(出題年度:H29問1)
問2業務要件の優先順位付けについて(出題年度:H28問1)
問3システム方式設計について(出題年度:H27問1)
問4データ交換を利用する情報システムの設計について(出題年度:H26問2)
問5障害時にもサービスを継続させる業務ソフトウェアの設計について(出題年度:H24問2)
問6設計内容の説明責任について(出題年度:H25問2)
問7業務の課題に対応するための業務機能の変更又は追加について(出題年度:H27問2)
問8業務プロセスの見直しにおける情報システムの活用について(出題年度:H26問1
問9業務ソフトウェアパッケージの導入について(出題年度:H30問2)
問10ユーザビリティを重視したユーザインタフェースの設計について(出題年度:R元問1)
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