DCプランナー教本 – 第1分冊 わが国の年金・退職金制度
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目次 – DCプランナー教本2019年度版 第1分冊 わが国の年金・退職金制度
第1分冊 わが国の年金・退職金制度
序章 進展する人事・退職給付制度改革
第1章 日本の年金制度の全体像
Q1 年金とは何ですか?また、誰が加入するものですか
Q2日本の年金制度はどのような体系になっていますか
<第1章の確認テスト>
第2章 公的年金制度
Q3公的年金制度とはどのようなものですか
Q4 国民年金の仕組みについて教えてください
Q5厚生年金保険の仕組みについて教えてください
Q6 公務員の年金制度(共済組合)はどのようになっていますか
Q7 公的年金はどのように改正されてきたのですか
Q8 公的年金はどのように運用されているのですか
<第2章の確認テスト>
第3章 私的年金制度
Q9 私的年金制度について教えてください
Q10 退職一時金制度について教えてください
Q11 企業年金制度の歴史と仕組みについて教えてください
Q12 厚生年金基金について教えてください
Q13 中小企業退職金共済(中退共)について教えてください
Q14 特定退職金共済(特退共)について教えてください
Q15 企業年金の受諾機関と資産運用の方法について教えてください
Q16 企業年金と受託機関の関係について教えてください
Q17 企業年金の資産運用規制はどのように緩和されてきましたか
Q18日本の年金税制はどのようになっていますか
Q19 離転職時における企業年金等のポータビリティについて教えてください
<第3章の確認テスト>
第4章 個人年金
Q20 個人年金制度について教えてください(総論)
Q21 国民年金基金の仕組みについて教えてください
Q22 財形年金の仕組みについて教えてください
Q23 小規模企業共済の仕組みについて教えてください
Q24 民間の個人年金の仕組みについて教えてください
<第4章の確認テスト>
第5章 退職給付会計
Q25 退職給付会計導入前は退職給付制度をどのように会計処理していたのですか
Q26 退職給付会計基準導入の背景とその影響を教えてください
Q27 「中小企業の会計に関する指針」について教えてください
Q28 退職給付債務とは何ですか
Q29 退職給付会計の対応策を教えてください
<第5章の確認テスト>
第6章 企業年金制度
Q30 日本の私的年金制度はどのように変わったのですか
Q31 確定拠出年金制度創設の趣旨について教えてください
Q32確定給付企業年金制度創設の趣旨について教えてください
Q33 確定給付企業年金と確定拠出年金の違いを教えてください
Q34 キャッシュバランスプランとはどのような制度ですか
Q35日本の年金制度における確定拠出年金の位置づけを教えてください
Q36 確定拠出年金のマッチング拠出について教えてください
<第6章の確認テスト>
<本書の注意事項>
■ 本書は、2019年3月1日現在の確定拠出年金法およびその関係法令等の内容に基づいて解説していますが、制度の具体的な内容等については、変更されることもあります。したがって、実際の実務およびDCプランナー認定試験の受験にあたっては、行政当局から発出された最新の情報等に基づいてご対応いただきますようお願い申し上げます。
■ DCプランナー認定制度についての最新情報は以下のウェブページをご参照ください。
・商工会議所 https://www.kentei.ne.jp
・一般社団法人金融財政事情研究会 https://www.kinzai.or.jp
■ テキストのなかで以下の略記を用いることがあります。
・DC=確定拠出年金(Defined Contribution)
・DB=確定給付年金(Defined Benefit)
第1分冊学習のポイント
「わが国の年金・退職金制度」
老後の所得保障はよく「3本足の椅子(Three Legs Chair)」にたとえられます。3本足とは、国民年金や厚生年金保険に代表される公的年金制度、民間企業の実施する私的年金制度(企業年金)、個人の自助努力により賄われる私的年金制度(個人年金)のことですが、これらの年金制度は相互補完の関係にあります。第1分冊では、こうしたわが国の年金制度の全体像と私的年金制度の新たな選択肢として確定拠出年金が創設された経緯を理解することがポイントとなります。
年金制度を取り巻く最近のわが国の環境を概観すると、他の先進国でも類を見ない急激な変化が起こっていることがわかります。具体的には、①少子高齢化の急激な進展を背景とした公的年金の給付水準の引き下げ・支給開始年齢の引き上げ等公的年金をめぐる環境の変化、②運用実績の長期低迷による企業年金の積立不足の増大、退職給付会計の導入による企業の退職給付制度をめぐる環境の変化、③雇用の流動化、年功序列・終身雇用制から能力主義・成果主義への転換といった雇用をめぐる環境の変化などがあげられます。既存の年金制度だけではこうした急激な環境変化に耐えきれず、さまざまな歪みが生じていました。
こうした社会経済環境の変化を背景に、新時代に対応したよりよい年金制度を構築できるよう「確定拠出年金制度」の導入をはじめとする年金制度改革が行われました。この改革によって、制度設計面での選択肢が拡大し、制度の組み合わせの幅も広がり、企業および従業員双方の多様なニーズにより柔軟に対応できる新制度への期待は高まっています。確定拠出年金は、厚生年金基金や国民年金基金等とともに、私的年金制度における新たな選択肢として、わが国の公的年金を補完する役割を担いますので、公的年金制度や他の企業年金制度等との関係をよく理解することが必要です。
DCプランナーとして、確定拠出年金の導入等のニーズを持つ企業や個人に対し、総合的な観点から的確な説明やアドバイスを行うためには、公的年金制度・私的年金制度(企業年金・個人年金)の仕組みや特徴、改正動向等を正しく理解しておくことがきわめて重要であるといえます。