国家資格キャリアコンサルタント学科試験 要点テキスト&一問一答問題集 2019年版
はじめに
キャリアコンサルタント試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法)も確認する。
●「国家資格キャリアコンサルタント」は“名称独占資格”
キャリアコンサルタント関連の資格は、従来いくつかの団体が発行する民間資格でしたが、平成28年4月より「国家資格キャリアコンサルタント」として法律に規定され、統一されることになりました。「キャリアコンサルタント」は、国家資格を有している者でなければ用いることのできない“名称独占資格”となったわけです。
「国家資格キャリアコンサルタント」は、「コンサルタント」と正式に名乗れる国家資格であることや、国が「2024年までに10万人のキャリアコンサルタントを生み出す」という倍増計画を立てていることなどが後押しとなり、資格の取得を考える人が増え続けています。
●学科と実技試験の同時合格率は6割弱
国家資格キャリアコンサルタント試験に合格するためには、「学科」と「実技」の2つの試験に合格する必要があります。詳しいデータは後述しますが、2つの試験を同時に受けた人の合格率は、最近の試験(第10~11回)では6割近い数字となっています。
「学科」だけをみると、過去11回の試験の中で8割近い合格率となったこともあれば、3割を切る合格率となったこともあり、回によって難易度が大きく変化しているのが特徴です。
学科試験は、全50問の四肢択一(4つの選択肢の中から1つの正解を選ぶ)問題で、70%(35問)の正答で合格となります。出題は広い範囲に及びますが、本書の一問一答をこなしていけば、確実に合格ラインに達することができると考えています。
●一問一答に強くなれば、合格は確実に見えてくる!
四肢択一問題は、つきつめれば「一つ一つの選択肢(設問文)が、正しいか誤っているか」がわかれば、正解できるわけです。本書には、一問一答式で1,200問超の問題が収録されています。四肢択一問題に直せば300問以上となり、1回50問の試験に換算すれば6回分以上の分量となります。
本書には、2018年11月及び2019年2月に実施された最新の試験問題も反映されています。
できなかった問題は何度も繰り返して、しっかりとできるようにしてください。これだけの問題をこなせば、合格は確実に見えてきます。
●過去問の出題項目を徹底分析し、出題範囲を網羅
国家資格キャリアコンサルタント試験は、平成31年度からは、年3回の試験が実施されています。
本書の執筆時点では第11回までの過去問が公表されていますが、本書はそのすべての問題を精査して、どの項目(分野)からの出題が多いのかを徹底的に分析しています。直近の試験の問題にも目配りして、新しい傾向も押えているのが本書の特長です。
分類は、巻末の一覧表にも示しましたが、国が提示する「キャリアコンサルタントとしての習得項目」に沿って行っています。どこを重点的に学習しなければいけないかは、本書をお読みいただければわかるでしょう。もちろん、すべての項目について習熟していただきたいとは思いますが、時間がない場合は、過去問の出題数が多い項目から習得していくのも一つの方法です。
ぜひ本書をご活用いただき、合格を勝ち取ってください。
2019年5月 一般社団法人地域連携プラットフォーム 柴田郁夫
Contents – 目次
はじめに
よくわかるキャリアコンサルタント試験のしくみ
国家資格キャリアコンサルタント学科試験に合格するには!?
本書の特徴と利用法
第1章 キャリアコンサルティングの社会的意義
1-1 社会・経済の動向とキャリア形成支援
A 社会経済の動向
B キャリア形成支援の必要性
1-2 キャリアコンサルティングの役割と活動
A キャリアコンサルティングの役割の理解
B キャリアコンサルタントの活動
第2章 キャリアコンサルティングの理論
2-1 キャリアに関する理論
A 特性因子理論(パーソンズ)と六角形モデル(ホランド)
B 職業発達理論(スーパー、ギンズバーグ)
C 社会的学習理論(クランボルツ、バンデューラ)
D 意思決定理論(ジェラット、ヒルトン)
E 組織キャリア理論(シャイン)
F プロティアン・キャリア(ホール)
G 統合的人生計画(ハンセン)
H キャリア構築カウンセリング(サビカス)
I 職務満足の要因(ハーズバーグ)
2-2 ライフ・ステージと発達課題の知識
A エリクソン
B レビンソン
C その他(ハヴィガースト、レヴィン、ブロンフェンブレナー他)
2-3 人生の転機の知識
A シュロスバーグ
B その他(ブリッジズ、ニコルソン)
2-4 個人の特性の知識
A 若年者
B 障害者
C 女性
D 高齢者
E その他(生活困難者他)
第3章 職業能力開発促進法、その他の関連法令
3-1 職業能力の開発の知識
A 職業能力の概念、職業能力開発とは
B 職業能力開発促進法
C 能力開発基本調査
D 職業能力評価基準
E 事業主が講ずる措置
F 公共職業訓練制度
G 教育訓練給付金制度他
3-2 人事管理・労務管理の知識
A 人事労務管理全般
B 異動・退職
C 労働時間管理
D 就業規則
E 人事評価(人事考課)、賃金
F 人事制度(職能資格制度と職務等級制度)
G テレワーク
H リーダーシップ
I 個別の労働者ごとの雇用管理
3-3 労働市場の知識
A 労働力に関する用語
B 労働経済の分析(労働経済白書)
C労働市場動向と個別調査結果
3-4 労働関係法令と社会保障制度の知識
A 労働基準法
B 労働契約法
C 雇用保険、労災、社会保障制度
D その他の個別法(育児・介護休業法他)
3-5 学校教育制度とキャリア教育の知識
A 中教審「キャリア教育・職業教育の在り方(答申)」
B 「学校教育法」や教育制度
C キャリア教育
3-6 メンタルヘルスの知識
A 代表的な精神的疾病
B 「職場におけるこころの健康づくり」、メンタルヘルス
C 「休業した労働者の職場復帰支援の手引き」
D 「睡眠指針2014」
E ストレス、ストレスチェック
F 「事業場における健康保持増進のための指針」
第4章 実務①-基本的技能・知識
4-1 カウンセリングのアプローチ
A クライエントセンタードアプローチ(ロジャーズ)
B マイクロカウンセリング(アイビイ)
C ヘルピング(カーカフ)
D コーヒーカップ・モデル(國分康孝)
E システマティック・アプローチ
4-2 カウンセリングの理論
A 精神分析理論(フロイト他)
B 行動療法、学習理論(スキナー、ウォルピ他)
C 論理療法(エリス)
D 認知療法、認知行動療法(ベック他)
E ゲシュタルト療法(パールズ)
F 交流分析(バーン)
G システム論的アプローチ、家族療法
H 解決志向アプローチ
I その他の療法等(フォーカシング、現実療法他)
4-3 カウンセリングの技法
A 面接技法、傾聴技法
B 学習、モデリング
4-4 グループアプローチの技能・知識
A グループカウンセリング
B ワークショップ(体験型講座)
C 構成的グループ・エンカウンター
4-5 キャリア・シートの作成指導・活用の技能・知識・
A ジョブ・カード
B 職務経歴書(キャリア・シート)
4-6 相談過程全体の進行の管理に関する技能・知識.
A 相談過程全体の進行の管理
第5章 実務②-相談過程における技能・知識
5-1 相談場面の設定
A 相談場面の設定
5-2 自己理解の支援
A 自己理解に関わる理論や支援法一般
B アセスメント(検査)、自己理解に用いるツール
5-3 仕事理解の支援
A 仕事理解の意義
B 職業理解の内容
5-4 相談実施過程と総括
A 自己啓発の支援
B 意思決定の支援
C 方策の実行の支援
D 新たな仕事への適応の支援日相談過程の総括
第6章 キャリアコンサルタントの倫理と行動
6-1 環境への働きかけとネットワーク
A 環境への働きかけの認識と実践
B ネットワークの認識と実践
6-2 教育・普及活動と自己研鑽
A 教育・普及活動
B 自己研鑽、指導の必要性
C キャリアコンサルタントとしての姿勢
●資料
①国家資格キャリアコンサルタント学科試験
第3回~第11回の出題傾向
②キャリアコンサルタント倫理綱領
【コラム】
・心理カウンセラーとキャリアコンサルタントの違いは何か?①
・心理カウンセラーとキャリアコンサルタントの違いは何か?②
・何歳でも大丈夫な職種がキャリアコンサルタント
―年齢との関係を考える①
・カウンセリングは「成人期」に円熟する?
―年齢との関係を考える②
・「就職」する際には、どのくらい有利な資格なのか?
―キャリアコンサルタントは食べていけるのか①
・「独立」する際には信頼感アップにつながる
―キャリアコンサルタントは食べていけるのか②
・「独立」してフリーで働く資格者の実例
―キャリアコンサルタントは食べていけるのか③
・資格が活きる「独立・開業」のバリエーション
―キャリアコンサルタントは食べていけるのか④
・キャリアコンサルタントの自己研鑽は一生もの
―資格取得後の更新講習のことなど
・こんな問題も出る!四肢択一①
・こんな問題も出る!四肢択一②
・こんな問題も出る!四肢択一③
・こんな問題も出る!四肢択一④
・こんな問題も出る!四肢択一⑤
・こんな問題も出る!四肢択一⑥
・こんな問題も出る!四肢択一⑦
・こんな問題も出る!四肢択一⑧
・こんな問題も出る!四肢択一⑨
よくわかるキャリアコンサルタント試験のしくみ
「国家資格キャリアコンサルタント」とは?
「キャリアコンサルティング」について、国は以下のように定義しています。
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいう。
―「職業能力開発促進法」より
上記のような「キャリアコンサルティング」を行う者が「キャリアコンサルタントとなります。
職業能力開発促進法によれば、「キャリアコンサルタントでない者は、キャリアコンサルタント又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない」(第30条の28)とされており、キャリアコンサルタント試験に合格した者だけが、キャリアコンサルタントという名称を用いることができるとされています。(名称独占資格)
国家資格試験の内容
キャリアコンサルタント試験は、学科試験と実技試験に分かれています。両方の試験を一緒に(同じ受験の回で)受けることもできますし、先に「学科」だけ受けて、次の回に「実技」を受けるということもできます。また、逆の順番で受ける(「実技」を先に受ける)ことも可能です。
実技試験は、「論述」と「面接」試験に分かれています。これらは別の日程で行われるので、2日間の予定をとっておく必要があります。
①学科試験
●設問形式と合格基準
全50問の四肢択一(マークシート方式による回答)試験で、70%(35問)以上の正答で合格。例えば、以下のような設問となります。
【問】人材育成に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.経営を担う人材や次世代リーダーの育成は、全従業員を対象とした階層別研修を通じて行われている。
2.今後の人材育成においては、企業固有の技能だけでなく、エンプロイアビリティの習得も必要となる。
3.人材育成の中心はあくまでもOff-JTであり、OJTはそれを補完するものである。
4.自己啓発とは、企業内において独自に作成した資格取得のための通信教育メニューのことを指す。
(第8回験間20/正答は2)
●出題範囲
本書巻末の一覧表(「学科試験第3回~第11回の出題傾向」)の分類が、国が示している「キャリアコンサルタントとしての習得項目」です。ほぼこの枠組みに沿って、50問の問題が構成されています。
●試験日程と試験時間
平成31年度は年3回、7月・11月・3月に実施。
試験時間は100分(集合時間10:10、試験時間10:30~12:10)。
●受験料
8,900円(税込)
②実技試験(論述試験および面接試験)
●論述試驗
逐語記録を読み、数問程度の設問に対して文章を作成して回答。
学科試験と同じ日の午後に実施。時間は50分(集合時間14:10/試験時間14:30~15:20)。
●面接試験
受験者がキャリアコンサルタント役となり、キャリアコンサルティングを行う「ロールプレイ」(15分間)、その後、自らのキャリアコンサルティングについて試験官からの質問に答える「口頭試問」(5分間)。
●面接試験の日程
学科試験の実施日の1週間後か2週間後の土・日曜に実施されることが通常パターン。試験を実施している2つの団体で日程が異なる。
●合格基準
150点満点で90点以上の得点。論述試験の満点の40%以上、かつ面接試験の評価区分のいずれにおいても満点の40%以上の得点が必要。
●受験料
29,900円(税込)
受験資格
本書を手にされた、受験を考えている多くの方に対する簡便な説明は、以下のようになります(さらに細かい基準はホームページ等を参照してください)。
1)キャリアコンサルティングの経験3年以上の者
あるいは
2)厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
1)の経験とは、「労働者の職業の選択、職業生活設計や職業能力の開発・向上に関する相談」のことで、労働者には求職者や学生も含みます。
相談は、原則は一対一で行われたものとされますが、少人数グループワーク運営の経験もOKとされます。ただし、情報提供だけのものや授業・訓練の運営経験といったものは含まれない、とされます。
2)は、次々ページに示す講習(厚生労働大臣の指定の講習)を受けた者に受験資格が与えられる、ということです。現時点で19団体の講習が指定されています。
講習の内容は、国の基準に沿って行われています。巻末資料「学科試験第3回〜11回の出題傾向」の表の左列の網かけ部分が、国が示している内容です。ただし、各講習団体の裁量で、どのような順番で行うかはとくに決まっていません。
「実施形態」にある「通学80時間以内、通信64時間」は、例えば1行目の一般社団法人地域連携プラットフォームでいえば、1日8時間の講習が10日間あり、それとは別に自宅学習(通信)で所定の課題(問題への回答)を、およそ64時間分(早く終われば何時間であってもOK)行ってください、という意味です。
重要トピック 2つの団体のどちらで受験したらいいの?
国家資格キャリアコンサルタント試験は、「キャリアコンサルティング協議会」(CC協議会)と「日本キャリア開発協会」(JCDA)の2つの団体が実施しています。
学科試験は、どちらも同じ試験問題で、同日同時刻に実施されますが、実技試験のうちの論述試験については、同日同時刻で実施されるものの、両団体で設問が異なります。また、面接試験については、異なる日時に実施されることもあり、評価基準も若干異なります。そのため、受験の出願をする際には注意が必要です。
論述試験は、「逐語録から出題される記述式の問題を50分で回答する」という枠組みは共通ですが、逐語録も違うものですし、また設問内容も異なります。
面接試験は、「15分のロールプレイと5分の口頭試問を2名の審査員が評価する」という枠組みは同じですが、採点項目が一部異なっています。
学科と実技は、分けて受けることも可能なので、学科だけを受けるなら、どちらの団体で受けても同様です。しかし実技だけを受けたり、学科と実技を一緒に受けるなら、どちらの団体を選ぶかを検討する必要が出てきます。
よく「合格率の高い方で受けたい」という方がいますが、過去の合格率(「試験のしくみ」の合格率の項目を参照)をみてもわかるように、回によって合格率の高い団体は異なるので、そこは選択のポイントにはなりません。
一般社団法人地域連携プラットフォームでは、キャリアコンサルタント養成講習の受講者の方を対象に、無料で「受験対策講座」を開催していますが、そこでは2つの団体の論述問題の対策講座を交互に行っています。すると、受講した方の中には、「自分に合っているのは、こちら」という方もおられます。
国としては、「ワンテスト」(同一のテスト)と表現しており、「差異はない」としていますが、過去問題に当たってみて、実際に問題を解いてみた上で、どちらの団体で受けるのが自分に合っているかを見極めるようにすることが望ましいでしょう。
2つの団体のそれぞれの過去問題は、直近の3回分が各団体のホームページからダウンロードできるようになっています。
ちなみに、面接試験における評価項目は、それぞれ以下のようになっています。
CC協議会:「態度」「展開」「自己評価」
JCDA:「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」
厚生労働大臣が認定する講習(最新認定順)
講習名 | 実施機関 | 実施形態 | 料金(税込) | ホームページ |
キャリアコンサルタント養成講習 | 一般社団法人地域連携プラットホーム | 通学80時間 通信64時間 |
270,000円 ※入学金・教材費を含む |
http://careerjp.work/cc1/ |
100年キャリア講座キャリアコンサルタント養成講習 | 株式会社パソナ | 通学71時間 通信69時間 |
320,000円 | http://100-year-career/net/ |
キャリアコンサルタント養成講座 | ヒューマンアカデミー株式会社 | 通学80時間(10回・32回) 通信69.5時間 |
291,600円 ※入学金・教材費は別途 |
http://haa.athuman.com/lpo/career/ |
LEC東京リーガルマインドキャリアコンサルタント養成講座 | 株式会社東京リーガルマインド | 通学105時間 通信50時間 |
297,000円 ※受講料・テキスト代含む(各種割引制度あり) |
http://www.lecjp.com/caricon/ |
公益財団法人日本生産性本部キャリアコンサルタント養成講座 | 公益財団法人日本生産性本部 | 通学80時間 通信76時間 |
367,200円 (※生産性本部賛助会員307,800円) |
http://www.jscareer.jp/ |
公益財団法人関西生産性本部キャリアコンサルタント養成講座 | 公益財団法人関西生産性本部 | 通学84時間 通信72時間 |
324,000円 (※生産性本部賛助会員270,000円) |
http://www/kpcnet.or.jp/seminar/?mode=show&seq=1 |
公益財団法人関西カウンセリングセンターキャリアコンサルタント養成講習 | 公益財団法人関西カウンセリングセンター | 通学80時間 通信60時間 |
324,000円 ※テキスト・資料代含む |
http://web.kscc. or.jp/ |
キャリアコンサルタント(通学・通信)養成講習 | 学校法人大原学園 | 掲載準備中 | 掲載準備中 | 掲載準備中 |
キャリアコンサルタント養成講習 | 学校法人大原学園 | 掲載準備中 | 掲載準備中 | http://suido.o-hara.sc/54/ index.html?qID= 509&pg= |
キャリアコンサルタント養成講座(総合) | 株式会社日本マンパワー | 通学85時間 通信73時間 |
324,000円 | http://www.nipponmanpower.co.jp/cc/ |
キャリアコンサルタント養成ライブ通信講座 | 株式会社リカレント | 掲載準備中 | 掲載準備中 | http://www.recurrent.co.jp/cc/ |
キャリアコンサルタント養成講座 | 株式会社リカレント | 掲載準備中 | 掲載準備中 | http://www.recurrent.co.jp/cc/ |
キャリアコンサルタント養成講座 | 株式会社テクノファ | 通学106時間 通信50時間 |
309,960円 | http://www.tfcc.jp/ |
一般社団法人日本産業カウンセラー協会キャリアコンサルタント養成講習 | 一般社団法人日本産業カウンセラー協会 | 通学84時間 通信56時間 |
324,000円 | http://www.jaico.cc/ |
ICDSキャリアコンサルタント養成講座 | 有限会社キャリアサポーター | 通学102時間 通信55.5時間 |
291,600円 | http://career.icds.jp/ |
GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム | マンパワーグループ株式会社 | 通学96時間(12回) 通信49時間 |
378,000円 ※受講料・テキスト代含む |
http://mpg.rightmanagement.jp/cc_training/ |
GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム | パーソルテンプスタッフ株式会社 | 通学96時間(12回) 通信49時間 |
378,000円 ※受講料・テキスト代含む |
http://www.tempstaff.co.jp/chubu/seminar- |
GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム | 特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会 | 通学96時間(12回) 通信49時間 |
378,000円 ※受講料・テキスト代含む |
http://www.career-npo.org/GCDF/ind |
CMCAキャリアコンサルタント養成講習 | 特定非営利活動法人日本キャリア・マネージメント・カウンセラー協会 | 通学104.5時間(14回) 通信35.5時間 |
345,600円 | http://www.camcajapan.net/ |
合格率
国家資格キャリアコンサルタントの試験は、「キャリアコンサルティング協議会」(CC協議会)と「日本キャリア開発協会」(JCDA)の2団体が実施しています。
合格率は、各団体からそれぞれ発表されています。
両試験団体の合格率
学科 | 実技(論述、面接) | 学科・実技同時受験者 の最終合格 |
||||
JCDA | CC協議会 | JCDA | CC協議会 | JCDA | CC協議会 | |
第1回 | 74.2% (763人) |
81.0% (945人) |
51.5% (709人) |
71.6% (716人) |
37.2% (271人) |
59.1% (389人) |
第2回 | 74.8% (934人) |
77.2% (511人) |
59.4% (932人) |
74.3% (597人) |
50.7% (525人) |
67.2% (295人) |
第3回 | 63.3% (925人) |
66.1% (496人) |
61.9% (1022人) |
65.7% (564人) |
48.6% (571人) |
50.6% (296人) |
第4回 | 19.7% (235人) |
23.5% (217人) |
63.7% (827人) |
75.4% (782人) |
17.1% (142人) |
24.5% (181人) |
第5回 | 51.4% (867人) |
48.5% (513人) |
65.7% (842人) |
72.1% (557人) |
43.3% (449人) |
42.9% (261人) |
第6回 | 61.5% (1,105人) |
64.2% (917人) |
66.4% (955人) |
76.0% (890人) |
50.9% (584人) |
56.7% (562人) |
第7回 | 54.8% (886人) |
53.6% (575人) |
74.6% (1034人) |
70.0% (636人) |
52.4% (561人) |
49.3% (637人) |
第8回 | 59.9% (831人) |
66.5% (992人) |
71.9% (779人) |
67.5% (909人) |
53.6% (472人) |
54.9% (637人) |
第9回 | 32.1% (439人) |
28.8% (392人) |
67.9% (745人) |
67.8% (879人) |
34.6% (309人) |
26.2% (265人) |
第10回 | 62.9% (1,161人) |
65.4% (1,464人) |
65.7% (865人) |
73.3% (1,320人) |
53.3% (603人) |
55.9% (889人) |
第11回 | 62.7% (1,203人) |
62.5% (1,185人) |
74.1% (1,213人) |
75.3% (1,235人) |
58.3% (818人) |
56.4% (761人) |
重要トピック 試験に受かるには、養成講習の修了者が圧倒的に有利!
3年以上のキャリアコンサルティングの実務経験があれば、国家資格キャリアコンサルタントの受験要件はクリアできます。しかし実際には、実務経験者の受験者は極めて少なく、受験者の大半を大臣認定の養成講習の修了者が占めています。
国の資料(平成30年8月24日発表)によれば、30年3月末時点の試験結果(累計)では、学科試験の受験者数10,777人のうち8,841人は「養成講習修了者」であり、その比率は82.0%にも及びます。それに対して「実務経験者」はわずか996人(9.2%)です。
また、合格率も「養成講習修了者」が53.3%であるのに対して、「実務経験者」は38.1%と差が開いており、この傾向は実技試験においても同様です。
合計/学科試験 | 12,942 | 10,777 | 5,315 | 49.3 | |
受験資格 | 養成講習修了者 | 8,841 | 4,708 | 53.3 | |
実務経験者 | 996 | 379 | 38.1 | ||
その他(*) | 940 | 228 | 24.3 | ||
合計/実技試験 | 9,282 | 6,513 | 70.2 | ||
受験資格 | 養成講習修了者 | 7,380 | 5,408 | 73.3 | |
実務経験者 | 786 | 458 | 58.3 | ||
その他(*) | 264 | 187 | 70.8 |
)
(*)技能検定の片方試験合格者や経過措置対象者
養成講習については、本書の冒頭「よくわかるキャリアコンサルタント試験のしくみ」に記載しましたが、受講料は低い所で20数万円から、高い所では40万円近いところもあります。受験資格を与えるだけではなく「合格を支援します」と強調して、受験対策の講座を別途、有料で設けている所も多いようです。
私が代表を務める一般社団法人地域連携プラットフォームも、1日6時間の受験対策講座を月に2回程度は定期的に開催してきており、養成講習の受講者(修了者)の方には合格まで無料で受講できるようにしてきました。
このような背景もあり、数字上での違いが生まれているように思います。
国家資格キャリアコンサルタント学科試験に合格するには!?
時間短縮を図るなら、過去問を解いて7割の正答を目指す!
学科試験は、50問中35問に正答すれば合格です。70点以上で合格ですので、決して100点を目指す必要はありません。では、どうしたら70点に達することができるでしょうか?
十分に時間があるならば、テキスト(教科書)をじっくりと理解する方法があるでしょう。テキストとしては、試験問題の半数以上が出題されていると言われている『キャリアコンサルティング理論と実際』(木村周著、一般社団法人雇用問題研究会)がお薦めです。
もしもそこまで時間がとれない場合は、過去問題を解くことです。本書には、過去問題そのものではありませんが、ほぼそれに準拠した問題が一問一答形式で1,200問以上掲載されています。これは今までに出題された過去問のおよそ3分の2以上に当たります。類似の問題もあるので、およそ7~8割と言ってもよいでしょう。これを解く方が確実に時間の短縮になります。
問題を解いて、間違った問題については「なぜ間違ったのか」を自分なりに理解します。本書は○×がすぐわかるようになっており、とくに×の場合には必ず「なぜ×なのか」を解説しています。解説を読んで、理解を進めてください。
それでも疑問が残ったら、ぜひ先に紹介した『キャリアコンサルティング理舗と実際』などのテキストにあたって調べてみてください。巻末の索引でキーワードを引いて、その関連個所を読むことで、知識は深まります。また、インターネットで検索して、自分なりに調べるという手もあるでしょう。多くの情報が得られます。
本書をマスターすれば8割はクリア。約1か月で合格!
本書で過去問の7~8割はカバーしています。過去問そのものではありませんが、ほぼ準拠した言い回しとなっていますので、本書を用いて正答できない問題をなくすことで、合格ラインに達することができるわけです。すべて正答できるようになれば、80点にはゆうゆう届くと思います。
本書は、各節の「要点テキスト」を一通り読んでから一問一答に進んでいただければ、と思って作成しています。しかしすでに勉強が進んでいる方は、すぐに一問一答を解き始めればよいでしょう。そうでない方でも、まず一問一答から解き始める、というやり方もあります。右ページの解説を読んだだけでも理解できるように書きましたが、必要に応じて「要点テキスト」も参照していただくやり方です。
そうしたやり方で、仮に1問に3分要するとすれば、1,200問で3,600分。60時問です。つまり1日2時間の学習で、ほぼ1か月で合格ラインに達することになります。なお、ここで計算に使った「1問3分」とは、「できなかった問題にチェックを入れて再度解く」という作業を含めての1問あたりの平均想定時間です。実際の試験では100分で50問を解くのですから、1問あたり2分以内での解答が求められます。
さらに時間を短縮したいという方は……
「1か月も時間がとれない」という方のためにあるのが、★マークです。時間がない方は、★★~★★★の問題だけを解いて、まずはおおよその概略をつかんでください。これだけでも、60点は取れると計算しています。
ただし、残念ながらそれだけでは合格ラインには達しません。あと10点の上乗せが必要です。そこで自身の得意な分野、あるいは「ここをやろう!」と考えた分野については、★の問題までできるようにして、その10点を取れるようにするのです。そうした分野については、比較的に出題数が多い3章か、2章、4章を選ぶのが得策ですが、もし他の章を選ぶ場合には、1章と5章、5章と6章というように、2つの章を一緒にして考えてください。
過去問を解いて、できなかったところをつぶしていけば、時間の短縮になります。さらに「なぜ間違ったのか」を探っていけば、より深い理解にも至ります。1日2時間、1か月で合格ラインに達してください。
本書の特徴と利用法
今までに実施された全問題の7~8割を網羅
本書では、キャリアコンサルタントが国家資格となった平成28年度から現在までに行われた学科試験の全ての問題を押さえています。
著作権上の理由から実際の問題と全く同じではありませんが、内容とテイストはほぼ近い形としています。過去問では同じ問題が何度か繰り返し出題されていますので、本書がカバーしている過去問は、およそ7~8割になると考えています。
要点テキストと一問一答で理解を確実に
各分野ごとに、まとめ的な説明(要点テキスト)を記しています。一通り読まれてから設問に進んだほうが回答しやすいと思いますが、設問には要点テキストでは書き切れなかった内容も多く含まれています。一問一答は要点テキストを補完し発展させています。両方お読みいただくことで理解が進み、本書の効果がより発揮されるとお考えください。
重要度を示す★と役立つチェックボックス
一問一答の設問を左ページに、その解答・解説を右ページに配置しています。
収録した問題の中でも「まずはこの問題が解ければ、内容はおおよそ理解したことになる」という問題については、★★~★★★を付けました。とくに★★★は「絶対この問題は押さえておこう」という問題です。
時間がとれない方は、まずは★★~★★★の問題を解き、時間的な余裕ができたなら、★の問題を解くという形で利用いただけます。
また、左ページの設問欄には、出来なかった問題などをチェックできるように、チェックボックスを置きました。右ページを隠して○×を解答し、出来なかった問題にチェックを入れていく、といった使い方を想定しています。次の回に解答したときもまた出来なかったら、2つ目のチェックボックスにもチェックが3つになった問題は、自分にとって要注意の問題
となるわけです。
右ページの解説はそれだけ読んでも理解できる内容に
解答・解説の右ページでは、とくに解答が×の場合は、「なぜこの設問文が×なのか」を必ず解説しています。解説は、それを読んだだけでも内容が理解できるようにという考えで作成しています。
また、解答が○の場合にも、必要に応じて補足説明の解説文を記載しています。
過去問をすべて読み込んで分類整理
本書の最大の特徴は、過去問を分野別に分類し、それをさらに細かく項目別に整理して、どのような問題が多く出題されてきたかを明らかにしたことです。
まず、第1章~第6章の大分野と、その下の1-1節、1-2節……の中分野において、どのような問題が出題されてきたのかを整理しました。巻末の表では、左列の網掛け(グレーの)部分が中分野となります。問題の内容の前にある数字は、その回の出題番号を示しています。ざっと眺めただけでも、どの中分野からの出題が多かったのか直感的にわかるようになっています。
大分野と中分野は、国が定めている「キャリアコンサルタント養成講習」のカリキュラム内容にほぼ合致します。つまり、キャリアコンサルタントになるには、この分野の内容を理解していなければならないということを示すものです。
さらに細かく項目ごとに出題頻度を分析
本書は、この中分野をさらに細かく分類しています。各節のA・B・C……という項目です。各節の冒頭には、それらの項目が何回目の過去問で出題されたのか、一目でわかるよう表にして掲載しました。これも本書の大きな特徴です。
よく出題されてきた項目はどれか、という事が表でわかりやすく明示されていますので、どこが重要な項目なのかがわかります。その項目を中心に学習すれば、効率の良い試験対策が行えるというわけです。
一問一答に分解して理解を確実に
本書は、こうした分析を踏まえて項目立てを行い、過去問とほぼ同様の問題を一問一答形式で1,200問以上収録しました。
実際の問題は下記のように四肢択一で、4つの文章や語句それぞれについて○×を問われています。
例えば、上記設問の3.であれば、一問一答では「第10次職業能力開発基本計画の中では、新しい社会人基礎力の向上と促進がうたわれている」といった問題について、○×を問う問題としています。
一問一答に分解すると、並びの文章と比較検討して答えを選ぶことができなくなる分、答えにくくなるかもしれません。しかし逆に言えば、知識をより鮮明に問われることで、確認することができるといえます。