日経キーワード 2019-2020 – 日経テストテキスト紹介

 

 

はじめに

本書は、経済や産業、次世代技術、流通、デジタル、社会、文化などについて、最近の動きを15 のテーマに分類し、それぞれの傾向を読み解くキーワードとその解説を掲載しています。自分が 知りたい、または苦手としているテーマを読めば、その分野のキーワード、現状や将来の課題などが理解できるでしょう。各テーマの最後には、「確認チェック」を掲載しています。理解度を確認してみてください。
「2018年10大ニュース」は18年に起こった出来事の中から世の中で話題になり、影響のあったニュースを選びました。
巻末の資料編は「基礎用語ミニ辞典」、「日経MJヒット商品番付」を掲載。「基礎用語ミニ辞典」 は知っておきたい基礎的な用語を集めました。用語の意味を理解できれば、新聞などのニュース を読むとき、出来事の意味や今後の流れなどが分かりやすいはずです。
また、巻末の索引を使えば知りたいキーワードを簡単に探せます。ニュースなどで意味が分からない言葉が出てきたときは、調べてみてください。就職を目指す学生なら、本書を読んでおけば時事問題に強くなるはずです。社会人であれば、最低限知っておきたい経済用語の基礎知識を身に 付けることができます。スキルアップや資格・検定試験対策の一助としても役立ててください。
日経HR編集部

も確認する。

日経HR編集部 (著, 編集)
出版社: 日経HR; 2018-2019年度版 (2017/12/4)、出典:amazon.co.jp

本書の役立て方

ニュースの言葉や内容が よく分からないときに!

●盛当するテーマの現状解説、将来予測を読む
●索引でキーワードを調べる
●知りたいテーマの動きや新しい話題をしっかりインプット
●各テーマでキーワードとなっ ている言葉とその意味、背景 を理解できる

就職・転職活動、資格、受験公務員試験対策に!

●志望業界に関連するテーマを読む
●業界の現状・課題、キーワー ドが分かり、時事・一般常識 にも強くなることで、エンリー シート、面接、小論文、筆記 試験対策になる
●社会問題の理解度、着眼点 で差がつく

ビジネスパーソンとして 必要な基礎知識を得るために!

●本書を全体的に読んでみる
●経済・産業・社会の重要テー マを理解でき、ビジネスカが アップ
● ニュースを見たり、読んだり するときに、内容を理解しやすい

目次

2018年10大ニュース………………….2
1米朝首脳会談 …………………. 2
2「働き方改革関連法案成立………………… 4
3成人年齢18歳に引き下げ……………………… 6
4西日本豪雨(平成30年7月豪雨) ………………..8
5 東京五輪・パラリンピックへ向けた準備………. 10
6仮想通貨の大規模流出………………………………..12
7 大坂なおみ……………………………………………..13
8国民栄誉賞(羽生善治、井山裕太、羽生結弦)……14
9平成時代の終わり………………………………….15
10 日本の世界遺産(2018年)………………………………..16

はじめに、本書の役立て方…17

テーマ1  日本経済  28

ESG 投資/iDeCo(イデコ) / LINE Pay(決済革命)/イニシャル・コイン・オファリン グ(ICO) /インフレターゲット/インボイス(税額票)/エンゲル係数/円借款/円高・円 安の動き/海外企業による日本企業のM&A(対日直接投資)/海外直接投資(対外直接投 資)/家計金融資産/仮想通貨/規制改革/基礎的財政収支(プライマリー・バランス)/ 銀行カードローン問題/クラウドファンディング/軽減税率/経常収支と貿易収支/国際会計基 準(IFRS) / 国民負担率/シェアリングエコノミー/地震保険/実質金利/実質賃金/消費 活動指数/政策金利/長期金利/展望レポート(日銀)/東証マザーズ指数先物/日経平均 株価/日本銀行の金融政策/日本の政府債務残高/日本版グラミン銀行/日本版スチュワード シップ・コード/年金積立金管理運用独立行政法人CGPIF)/フィンテック/プライムレート/ 法人実効税率/ボラティリティー・インデックス(VIX指数)/マイナス金利

テーマ2  世界経済  52

TPP11/グリーンボンド(環境)/主要国首脳会議(サミット)/スワップ協定(通貨交 ・換協定)/世界経済フォーラム(ダボス会議)/世界の金融政策/租税回避地(タックスヘイ ブン)/米中貿易戦争/ベロシティー12 (V12) /邦銀の海外事業展開 【アジア】 ASEAN経済共同体(AEC)/アジアインフラ投資銀行(AIIB)/アジア開発銀行 (ADB)/経済特別区(SEZ) 【アメリカ ドッド・フランク法(金融規制改革法)/トランプ政権の経済政策○(米国内)/ト ランプ政権の経済政策の(日本企業への影響)/米連邦公開市場委員会(FOMC) 【中国】一帯一路計画/中国経済の現状 【南米】太平洋同盟 ヨーロッパ) GDPR (一般データ保護規則)/英国経済(EU離脱決定から2年)/欧州中 央銀行(ECB)

テーマ3 国内政治  68

2018年国会、重要法案の行方/ 2018年自民党総裁選/2018年地方選挙の行方/安倍 首相の外交/安全保障関連法案(集団的自衛権)/一票の格差とアダムズ方式/公文書管理 制度/候補者男女均等法/消費税増税/女性活躍推進法/新編陸上自衛隊(陸上総隊)/ソ サエティー5.0/たばこ増税/統合型リゾート(IR)実施法/豊洲市場移転問題/日欧経済連 携協定(EPA)/日本国憲法の改正手続に関する法律/日本のインフラ輸出/普天間基地移 設問題/ふるさと納税/文化庁移転/マイナンバー制度/森友・加計問題新展開

テーマ4  国際情勢  84

核兵器禁止条約/ソフトターゲット/トランプ大統領の動向/難民6000万人時代/保護主 義/ロヒンギャ問題 【アジア】 北朝鮮の外交/習近平国家主席(中国)/南北首脳会談(韓国・北朝鮮)/マレー シア政権交代 【アフリカ】南スーダン内戦 【中東】エルサレム大使館移転(イスラエル)/エルドアン政権(トルコ) / 過激派組織「イ スラム国」(IS)/シリア内戦 【南米】コロンビア大統領選 【中米】カストロ兄弟(キューバ)/メキシコ大統領選 ヨーロッパ】欧州連合(EU)離脱交渉(英国) / 北マケドニア/メルケル政権(ドイツ)/ リスボン条約(EU) 【ロシア】プーチン政権の動き/北方領土問題

テーマ5  産業  100

EVシフト/GAFA/出光・昭和シェル統合/越境 EC(電子商取引)/オンデマンド型保険/ 共通ポイントサービス/原産地規則(ROO) /小売各社の低価格路線/国内損保の再編/コ ネクテッドカー(つながる車)/コンビニ業界の再編/サプライチェーン/産業革新機構/次 世代たばこ/出版流通変革/ステルス値上げ(シュリンクフレーション)/スマホゲーム市場/ スルガ銀行の不適切融資問題/太陽光関連業者の倒産/第4次産業革命/定額制サービス/ 電力・ガス小売り自由化/東芝経営危機/ネット通販とスーパーの連携/派遣産業需要増/物 流危機/ブラットフォーマー/メルカリ上場/モーダルシフト/モビリティーサービス/ユニコー ン/ライドシェア/リニア談合事件

テーマ6  雇用・労働  120

AI(人工知能)と労働市場/ROE(効率よく稼ぐ力)/インターンシップ/外国人労働者の 受け入れ拡大/改正労働契約法/改正労働者派遣法/学生の「売り手市場」続く/株式報酬 制度、企業統治指針/高度プロフェッショナル制度/高齢者再雇用問題/最低賃金/社外取締 役のなり手不足/ダイバーシティ/単位労働コスト(ユニットレーバーコスト)/同一労働同一 賃金/内部通報制度/ハラスメントの社会問題化/副業解禁の動き/役員報酬/労働力人口

テーマ7  国土・都市  134

空き家条例/インフラの老朽化問題/大阪府北部地震・北海道地震(平成30年北海道胆振 東部地震)/限界集落/減反政策終了/合計特殊出生率/耕作放棄地/高齢化率/国家戦略 特区/消滅可能性都市/水道事業民営化/生産緑地 2022年問題/接続水域/全国地震動 予測地図/東京一極集中(日本の人口)/特別警報/都市のスポンジ化/南海トラフ地震/ 日本の領土問題/農業改革/プレートと活断層/領海と排他的経済水域(EEZ)

テーマ8  資源・環境  150

異常気象・極端気象/エネルギー基本計画/カーボンブライシング(排出量取引)/環境影 響評価(環境アセスメント)/気候変動枠組条約締約国会議(COP)/激甚災害/原子力 規制委員会/再生可能エネルギー/再利用ロケット/シェールガス・シェールオイル/植物工 場/森林ビジネス/水素発電/スマートグリッド(次世代電力網)・スマートメーター(次世代 電力計) /絶滅危惧種/地球温暖化対策のための税(環境税)/地熱発電/特定外来生物/ トータルガスマネジメント(TGM)/日本の漁獲高/ネガワット/バイオマス発電/パリ協定と COP21 /微小粒子状物質(PM2.5)/風力発電/噴火警戒レベル/プラスチックごみの規 制/メタンハイドレート/レアメタル(希少金属)・レアアース(希土類元素)

テーマ9  観光・交通  172

インバウンド消費/格安航空会社(LCC)/クールジャパン戦略/クルーズトレイン/高齢者 の交通事故/国際観光旅客税(出国税)/ご当地ナンバー(地方版図柄入りナンバープレー ト)/渋谷ストリーム/宿泊税/世界ジオパーク(ユネスコ世界ジオパーク)/地理的表示(GI) 保護制度/通訳案内士制度/日本遺産/日本版 DMO(観光地経営組織)/ハラール認証/ ビザ発給要件の緩和/訪日客数の政府目標/民泊

テーマ10 デジタル  184

e-Sports(eスポーツ) / IoT(アイオーティー Internet of Things) / O2O(オーツー オーOnline to Offline) / VTuber / YouTuber /ウエアラブル端末/格安スマホ/仮想 移動体通信事業者(MVNO) /情報銀行/スマートタウン/スマホ4年縛り問題/データサイ エンティスト/デジタルトランスフォーメーション/電子マネー(キャッシュレス決済)/ハッカソ ン(Hackathon) / ビッグデータ/標的型メール攻撃・ランサムウェア/ブロックチェーン/ ・ホワイトハッカー

テーマ11 次世代技術  198

3Dプリンター/4K・8Kテレビ/AI(人工知能)/AIスピーカー/ BIM(ビルディング・イ ンフォメーション・モデリング) / RPA/VR・AR・MR/宇宙ごみ(スペースデブリ)/宇 宙ベンチャー/次世代自動車/次世代主力ロケット(H3ロケット)/自動運転/準天頂衛星「み ちびき」/水星磁気圏探査機「みお」/生体認証/セルロースナノファイバー(CNF、植物 由来の新素材)/第5世代 (5G) 携帯/蓄電池システム/超ハイテン/ドローン/バイオディー ゼル燃料/ヒトゲノム計画/有機 EL(エレクトロルミネッセンス) パネル/ロボット産業/ワイ ヤレス電力伝送

テーマ12 医療・福祉  214

AI創薬/iPS細胞の実用化/医療事故調査制度/遠隔診療(オンライン診療)/介護保険 法改正/がんと就労/機能性表示食品/血管年齢/公認心理師/子供の貧困/混合介護/再 生医療/新型出生前診断/診療報酬改定/精神疾患の労災申請/成年後見制度/待機老人・ 団塊世代の「2025年問題」/着床前スクリーニング/データヘルス/認知症/年金の支給 開始年齢/はしか(麻しん)流行/病児・病後児保育/保育士の待遇改善/本庶佑(ノーベ ル生理学・医学賞)/薬剤耐性菌/卵子提供

テーマ13 社会・生活  234

LGBT/アニサキス/オウム死刑執行/改正児童福祉法と改正児童虐待防止法/婚活アプ リ/祝日変更/受動喫煙防止条例/日大アメフト部の悪質タックル事件/夫婦別姓/フェイク ニュース/フリマアプリ/ヘイトスピーチ(憎悪表現)対策法

テーマ14 教育  242

STEM/STEAM 教育/アクティブ・ラーニング/いじめ防止対策推進法/英語教育の早期化/ エドテック/学習到達度調査(PISA) /キッズウィーク/教育無償化/国際バカロレア(IB)/ 世界大学ランキング/専門職大学・短期大学/大学入試改革/大学入試出題ミス/デジタル教 科書正式導入/プログラミング教育の必修化/リーディングスキルテスト/リカレント教育

テーマ15 文化・スポーツ  254

2018年FIFAワールドカップ/BTS(防弾少年団)/Jリーグ大物外国人選手入団/Tリー グ/VAR/安室奈美恵さん引退/大谷翔平 メジャーデビュー/将棋ブーム(藤井聡太七段、 羽生善治竜王)/スポーツ界の不祥事/東京ディズニーランド 35 周年/ドカベン/平昌冬季 五輪/万引き家族(是枝裕和監督)

資料編   263

資料編① 基礎用語  ミニ辞典  264

【経済・金融】
GDPデフレーター/J-REY/LIBOA(ライボー)/MSCI T IBOR(タイポー)/ 赤字国債/インフレとデフレ/エンジェル税制/外国為替証金取引(FX)/外需型産業と内需型産業/確定拠出年金(DC年金)/株価指数/株式含み益・含み損/株式持ち合い/為替相場/機械受注統計/企業倒産件数/企業物価指数(CGPI)/

キャッシュフロー経営/ 競争力ランキング/銀行の自己資本比率/金融商品取引法/金融持ち株会社/クレジット・クランチ(信用収縮) /クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)/景気ウオッチャー調査/ 気動向指数(CI)/減損損失/鉱工業生産指数/国内総生産(GDP)/コマーシャルペーパー (CP)/サーキットブレーカー(SCB)制度/債券・証券の格付け/サムライ債(Samurai bond)/時価会計/自己資本利益率(ROE)/自社株買い/

失業率と求人倍率/需給ギャッブ(GDPギャップ)/上場投資信託(ETF)/消費者物価指数(CPI)/新型オペレーション(新型オペ)/新規株式公開(IPO)/新設住宅着工戸数/新発10年物国債利回り/ストックオプション/税効果会計/潜在成長率/想定為替レート/ソブリン・ウエルス・ファンド (SWF)/通貨バスケット制/ディスクロージャー/デリバティブ/動産担保融資(ABL)/ドー ハーラウンド(新多角的貿易交渉)/

ドル基軸通貨体制/なでしこ銘柄/日銀短観/日経PMI/日経景気インデックス/日経国際商品指数/日経商品指数/年金全額税方式/バーゼル3(BaselⅢ)/バフェット指数/フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)/物価連動国債/ペイオフ(Pay Off)/ヘッジファンド(hedge fund)/マイクロファイナンス/ 持ち株会社/ラップ口座/連結経常利益

【国際】
ASEAN自由貿易地域(AFTA)/ASEANプラス3/BRICS(ブリックス)/G20金融サミット(主要20カ国・地域首脳会合)/アジア太平洋経済協力(APEC)/アフリカ連合 (AU)/欧州連合(EU)/環インド洋経済圏/環太平洋経済連携協定(TPP)/金融安定 理事会(FSB)/経済連携協定(EPA)/国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」/シェンゲン協定/新開発銀行(BRICS銀行)/世界貿易機関(WTO)/石油輸出国機構(OPEC)/ タイプラスワン/仲裁裁判所/ハーグ条約/東アジア地域包括的経済連携協定(RCEP)/米連邦準備理事会(FRB)/メコン経済圏

【その他】
6カ国協議/ETC2,0/IR(投資家向け広報活動)/IR(投資家向け広報活動)/LBO/TOB(株式公開買い付け)/MBO(経営陣による企業買収)/アフィリエイト/宇宙基本計画/オムニチャネル/改正景品表示法(景表法)/改正個人情報保護法/改正道路整備特別措置法/改正土砂災害防止法/ 改正特許法/改正薬事法/核兵器不拡散条約(NPT)/企業の社会的責任(CSR)/休眠特許と開放特許/クラウド/後発医薬品(ジェネリック、Generic)/

国際原子力機関(IAEA), 国連安全保障理事会(UNSC)/国連総会/国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)/国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)/国連平和維持活動(PKO)/孤独死(孤独死)/コンパクトシティ/最高経営責任者(CEO)/事業再生ADR/食料自給力/新経済連盟(新経連)/製造小売業(SPA)/

政府開発援助(ODA)/全国学力テスト(全国学力 学習状況調査)/脱ゆとり教育/知的財産高等裁判所(知財高裁)/知的財産信託(知財信託)/テレワーク/特定秘密保護法/特許権/特許侵害/特許法条約/ドミナント戦略/内閣人事局/ナショナルブランド(NB) ・プライベートブランド(PB)/日米ガイドライン再改定/ベルヌ条約と万国著作権条約/ベンチャーキャピタル(VC)/ベンチャービジネス(VB)/防潮堤/ポジティブアクション/立体商標/リノベーション/リバースモーゲージ/路線価/ワーク・ライフバランス

資料編② 日経MJヒット商品番付(2018年上期、2017年).314

索引…………………………. 318

(凡 例)

◆本書の記述は、原則として2018年10月中〜下旬までの情報を基に作成した。
◆重要キーワードの並びは原則、数字・アルファベット順、50音順に配置した。
◆本文中の肩書きなどについては、原則として当時のものとした。
◆年号は、原則として西暦で表示したが、図表などの注釈では、引用元の表示が和暦の場合も一部ある
◆西暦の表示は、各項目、各キーワード初出時のみ4ケタとし、それは2ケタとした。
◆英略語を掲載するときは、原則として初出時に「日本語訳+英略語」を 併記し、それ以降は英略語を表示した。
◆索引には、資料編の「基礎用語 ミニ辞典」の用語も含めた。
◆本文中に出てくる主なキーワードで、別ページで解説しているキーワードは太字で表示した。

実際に中身を見てみる

テーマ① 日本経済

2018年10月1日、日経平均株価は2万4245円まで上昇し、バブル期の 1991年11月以来、26年11カ月ぶりの高値を記録した。国内の人口減少、 高齢化が進展するなか、海外で売り上げ・利益を稼ぎ出す企業の収益構造が 鮮明になりつつある。だが、政府、日本銀行による様々な財政・金融政策の 効果は限られ、日本経済全体は緩やかな成長にとどまっている。国内経済を取り巻く現状をキーワードから探る。

ESG投資

環境(Environment)、社会(Social)、 企業統治(Governance)への取り組みを 判断材料にして投資することをいう。こ れまでは、企業の財政や経営成績を示す 財務情報が投資の基準であったが、ESG 投資は地球の環境問題や人権問題、法令 順守といった非財務情報を重視する。社 会の発展に貢献するなどESGに優れた 企業は、将来的にも持続的に成長すると いう考えが土台にある。
2016年の世界のESG投資残高は約 2500兆円で、全世界の運用資産高の 26.3%を占めている。特に欧州において 高く、運用資産高の約半数を占めている。 日本のESG投資額は、国内の全投資額 の3.4%に過ぎないが、近年急速な伸び を見せている。
15年9月、世界最大の年金基金である厚生労働省所管の「年金積立金管理運 用独立行政法人(GPIF)」が、ESGを投 資プロセスに組み入れる国連の「責任投 資原則(PRI)」に署名したことで、日本 におけるESG投資の認知度が高まった。
また、日本版スチュワードシップコー ドにもESG投資に関する内容が盛り込まれている。
GPIFはESG投資において、「E」では 地球温暖化、水資源、生物多様性など、 「S」では女性の活躍、従業員の健康など、 「G」では取締役の構成、公正な競争など に配慮することと明示している。
政府は今後さらにESG投資を促す方 針を打ち出しており、企業側には財務情 報とともに非財務情報の積極的な開示が 求められることになる。

iDeCo(イデコ)

公的年金に上乗せして給付が受けられる私的年金の1つで、個人型の確定拠出 年金のこと。加入者が毎月一定額を積み 立て、定期預金や保険商品、投資信託な どの金融商品の中から選んで運用し、60 歳以降に年金または一時金で受け取ることができる。
2017年1月より加入条件が緩和され、 日本在住で公的年金を納める20歳以上 60歳未満の人ならば、専業主婦や公務 員も含めて原則誰でも加入できるよう になった。掛金は月額5000円以上で、 1000円単位で増額できるが、職業によって限度額が決まっている。
60歳未満で解約することは認められ ておらず、60歳にならないと積み立てた資産は引き出せない。運用成績によって受取額が変動するリスクはあるが、掛 金全額が所得控除され、運用益も非課税 で節税対策の一助も担う。一時金もしく は年金のいずれかで受け取る際も公的年 金等控除、退職所得控除が適用されるなど税制的に優遇されており、メリットが 大きい。
高齢化が進む中、長期化する老後の 生活や増加が見込めない公的年金を補う備えとして、私的年金への注目が増し ている。このような状況を背景として、 iDeCoは、17年1月の加入条件緩和を契 機に加入者が急増。16年12月末時点で 約30.6万人だった加入者数は、18年8月 末時点で約101万人となり、大台に乗せた。

LINE Pay(決済革命)

「対話アプリ」を運営するLINEが、 LINE Payのサービスを通じてユーザー 問での送金や、提携サービス・店舗で 決済ができるサービスを拡充している。 キャリアやOSに左右されずに使えるア プリの利便性を強みに、ユーザーを金融 サービスに囲い込む戦略だ。 – LINE Payは2014年12月から電子マ ネーによる送金・決済サービスをスタートした。登録したアカウントにあらかじめ お金をチャージするか、クレジットカード を登録して送金、決済に使うことができ る。決済は、チャージ式のプリペイドカー ド「LINE Pay カード」、実店舗でスマ ホのQRコード画面を提示する「コード決済」、オンライン上で支払いができ・・・続きは本書をご確認ください。

日経HR編集部 (著, 編集)
出版社: 日経HR; 2018-2019年度版 (2017/12/4)、出典:出版社HP

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