自動車整備士試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
自動車整備士の概要
自動車整備士は国土交通省が認定する自動車の点検・メンテナンス、故障箇所の修復業務などに携わるために必要な資格です。無資格での点検・整備を行うことはできないので、整備士にとって不可欠な資格となります。資格は1~3級自動車整備士と特殊整備士とあり、14種類の資格に細分化されています。そのため段階を踏んで級を上げていかなければならず、いきなり1級、2級を受験することはできません。また受験資格も個人の経験によって大きく異なります。
例えば、3級(三級自動車シャシ整備士 ・ 三級自動車ガソリン・エンジン整備士 ・ 三級自動車ジーゼル・エンジン整備士 ・ 三級二輪自動車整備士)の受験資格に関しても高等学校の自動車科卒業者の場合は、卒業と同時に受験資格が発生しますが、大学又は高等学校の機械科卒業者は6カ月以上、自動車,機械等に関する課程を修めていない者は1年以上の実務経験が必要となります。
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一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会(JASPA)が刊行する公式テキストが存在します。公式以外では自動車関連の出版物を発行している公論出版、資格関連の書籍を販売している弘文社などが対策テキストを販売しています。上で述べた通り自動車整備士の資格は14種類と多いので、自らが受験するテキストを選択する必要があります。市販されている対策テキストは過去問形式のものが多いので、1冊は押さえておきたいところです。
自動車整備士最新試験問題解説3級自動車ガソリン・エンジン
自動車整備士最新試驗問題解説《3級自動車ガソリン・エンジン》
◎試験問題は最近8か年に施行された登録試験の学科問題を年次順に収録してあります。
◎解説は解答を得るヒントを出来るだけ簡潔にまとめてあります。学習に際して詳細な部分については教科書を,また用語に関しては小社「最新版自動車用語辞典」との併用をお勧めします。
目次
平成25年3月施行(登録試験)
平成25年10月施行(登録試験)
平成26年3月施行(登録試驗)
平成26年10月施行(登録試験)
平成27年3月施行(登録試驗)
平成27年10月施行(登録試験)
平成28年3月施行(登録試験)
平成28年10月施行(登録試驗)
平成29年3月施行(登録試験)
平成29年10月施行(登録試験)
平成30年3月施行(登録試験)
平成30年10月施行(登録試験)
平成31年3月施行(登録試験)
令和元年10月施行(登録試験)
令和2年3月施行(登録試験)
25・3 試験問題(登録)
【No.1】コンロッド及びコンロッド・ベアリングに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)コンロッドの断面形状は,I又はH字形に鍛造されている。
(2)コンロッドは,ピストンとクランクシャフトを連結し,ピストンの回転運動をクランクシャフトの往復運動に変える役目をしている。
(3)コンロッド小端部のブシュの材料は,一般に,銅をベースとした合金製のものが使用されている。
(4)コンロッドの小端部には,ピストン・ピンを介してピストンが連結されている。
【No.2】ピストン・リングに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)バレル・フェース型は,しゅう動面が円弧状になっている。
(2)インナ・ベベル型は,サイド・レールとスペーサ・エキスパンダを組み合わせている。
(3)プレーン型は,最も基本的な形状で,気密性,熱伝導性に優れている。
(4)テーパ・フェース型は,オイルをかき落とす性能がよく,気密性にも優れている。
【No.3】4サイクルのレシプロ・エンジンの構造に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)アルミニウム合金ピストンは,軽量で熱伝導性が低いので,高速化復運動に適している。
(2)燃焼室は,シリンダ・ブロックとピストンだけで形成される。
(3)シリンダ・ヘッドには,燃焼室及びバルブ・シート部の冷却用のウォータ・ジャケットが,燃焼室の外周に設けられている。
(4)エキゾースト・マニホールドは,シリンダ・ブロックに組み付けられる。
【No.4】クランクシャフトのジャーナル部の数として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)一般に直列4シリンダ・エンジンの場合は5個
(2)一般に直列6シリンダ・エンジンの場合は7個
(3)一般にV型6シリンダ・エンジンの場合は4個
(4)一般にV型8シリンダ・エンジンの場合は6個
【No.5】点火順序が1-3-4-2の4サイクル直列4シリンダ・エンジンの第1シリンダが圧縮上死点にあり,この状態からクランクシャフトを回転方向に360°回したとき,排気行程の上死点にあるシリンダとして,適切なものは次のうちどれか。
(1)第1シリンダ
(2)第2シリンダ
(3)第3シリンダ
(4)第4シリンダ
【No.6】カートリッジ式オイル・フィルタのバイパス・バルブが開くときの記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)オイル・ポンプから圧送されるオイルの圧力が規定値以下になったとき。
(2)オイル・フィルタのエレメントが目詰まりし,その入口側の圧力が規定値以上になったとき。
(3)オイル・ストレーナが目詰まりしたとき。
(4)オイル・フィルタの出口側の圧力が入口側の圧力以上になったとき。
【No.7】トロコイド式オイル・ポンプに関する記述として,適切なものは,次のうちどれか。
(1)チップ・クリアランスの測定は,マイクロメータを用いて測定する。
(2)インナ・ロータが回転すると,アウタ・ロータはインナ・ロータとは逆方向に回転する。
(3)インナ・ロータ及びアウタ・ロータをポンプ・ボデーに組み付ける場合は,それぞれのロータ全面にオイルを塗布する。
(4)ボデー・クリアランスとは,ロータとカバー取り付け面とのすき間をいう。
【No.8】エンジンの冷却水温が低いとき(極低温時)のバイパス・バルブ付きサーモスタットの作動に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)サーモスタットのバルブ,バイパス・バルブ共に開いている。
(2)サーモスタットのバルブ,バイパス・バルブ共に閉じている。
(3)サーモスタットのバルブが開いて,バイパス・バルブは閉じている。
(4)サーモスタットのバルブが閉じて,バイパス・バルブは開いている。
【No.9】水冷式冷却装置の整備に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)洗浄剤を用いてラジエータを洗浄する場合は,洗浄後に,洗浄剤がラジエータ内部に残らないように水で確実に洗い流す。
(2)ウォータ・ポンプを取り外した場合,ガスケットは破損がなければ再使用が可能である。
(3)ラジエータ・キャップの開弁圧の点検は,ラジエータ・キャツテスタにラジエータ・キャップを取り付け,規定圧力でプレッシャ・バルブが閉じることを確認する。
(4)ウォータ・ポンプ・プーリなどを手で軽く回し,ベアリングに異音やがたがある場合には,一般的にウォータ・ポンプのベアリング単体のみを交換する。
【No.10】スパーク・プラグに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)高熱価型プラグは,標準熱価型プラグと比較して碍子脚部が短い。
(2)絶縁碍子は,電極の支持と高電圧の漏電を防ぐ働きをしている。
(3)接地電極と中心電極との間には,スパーク・ギャップ(火花すき間)を形成している。
(4)標準熱価型プラグと比較して,放熱しやすく電極部の焼けにくいスパーク・プラグを低熱価型プラグと呼んでいる。
【No.11】排気装置のマフラに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)吸音材料により音波を吸収する。
(2)排気の通路を絞り,圧力の変動を抑えて音を減少させる。
(3)冷却により排気ガスの圧力を上げて音を減少させる。
(4)管の断面積を急に大きくし,排気ガスを膨張させることにより圧力を下げて音を減少させる。
【No.12】図に示す燃料蒸発ガス排出抑止装置のチャコール・キャニスタの詰まりの簡易点検に関する次の文章の(イ)~(ハ)に当てはまるものとして,下の組み合わせのうち,適切なものはどれか。
1.チャコール・キャニスタのA・B・C部のエア・ホースを外し,A部からエアを吹き込んだとき,B・C部に通気が(イ)ことを確認する。
2.上記1.の状態から,C部を指などで塞いでB部からエアを吹き込んだとき,A部に通気が(ロ)ことを確認し,次にB部を指などで塞いでC部からエアを吹き込んだとき,A部に通気が(ハ)ことを確認する。
【No.13】電子制御式燃料噴射装置において,インジェクタのソレノイド・コイルの通電時間を変えることにより制御しているものとして,適切なものは次のうちどれか。
(1)燃料噴射圧力
(2)燃料噴射量
(3)燃料噴射時期
(4)インジェクタにかかる燃圧
【No.14】NPNトランジスタの電気用図記号として適切なものは次のうちどれか。
【No.15】電子制御式燃料噴射装置において,エンジンの吸入空気量を間接的に求めるためにインレット・マニホールド内の圧力を検出しているものとして,適切なものは次のうちどれか。
(1)バキューム・センサー
(2)エア・フロー・メータ
(3)ISCV(アイドル・スピード・コントロール・バルブ)
(4)スロットル・ポジション・センサ
【No.16】リダクション式スタータに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)アーマチュアとピニオンの回転力は同じである。
(2)アーマチュアの回転速度よりピニオンの回転速度の方が速い。
(3)アーマチュアとピニオンの回転速度は同じである。
(4)アーマチュアの回転力よりピニオンの回転力の方が大きい。
【No.17】オルタネータにおいてロータ・コイルに流す電流を増減させることにより行っている機能として,適切なものは次のうちどれか。
(1)出力制御
(2)回転速度制御
(3)全波整流
(4)半波整流
【No.18】オルタネータ(ICボルテージ・レギュレータ内蔵)に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)オルタネータは,ダイオードを利用して整流を行っている。
(2)ボルテージ・レギュレータは,発生電圧を規定値に調整する働きをしている。
(3)ステータ・コアの内周にはスロット(溝)が設けられており,ここにロータ・コイルが収められている。
(4)ロータ・コアは,スリップ・リングを通してロータ・コイルに電流を流すことによって磁化される。
【No.19】点火装置に用いられるイグニション・コイルに関する記述と不適切なものは次のうちどれか。
(1)イグニション・コイルは,鉄心に一次コイルと二次コイルを巻いたものをケースに収めている。
(2)一次コイルは,直径0.3~1.2mmの絶縁された銅線が100~300回重ねて巻いてある。
(3)二次コイルは,直径0.04~0.1mmの絶縁された銅線が10000~30000回重ねて巻いてある。
(4)鉄心は,薄い鉄板を重ね合わせたもので,一次ボビンの外側に配置されている。
【No.20】ダイオードに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)ダイオードは,P型半導体とN型半導体を接合したものである。
(2)発光ダイオードは,インジケータ・ランプに使われる。
(3)ツェナ・ダイオードに,電圧を順方向に加えた場合では,一般のダライオードと同じように電流が流れる。
(4)ホトダイオードは,電気信号を光信号に変換する場合に使われる。
【No.21】図に示す物質の熱による状態変化として,下の(イ)~(ハ)のみ合わせのうち,適切なものはどれか。
【No.22】鉛バッテリの定電流充電法に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)充電電流の大きさは,定格容量を表す数値の2分の1程度の値とする。
(2)充電電流の大きさは,定格容量を表す数値の3分の1程度の値とする。
(3)充電が進むにつれて充電電圧を徐々に高くする必要がある。
(4)充電初期には充電電圧を高くする必要がある。
【No.23】自動車に用いられるアルミニウムに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)比重は,鉄の約3分の1である。
(2)電気の伝導率は,銅の約20%である。
(3)熱の伝導率は,鉄の約20倍である。
(4)線膨張係数は,鉄の約10倍である。
【No.24】ドライバの種類と構造・機能に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)オートマティック・ドライバは,柄を軸方向に押すだけでは刃先を回転させることはできない。
(2)ショック・ドライバは,ねじ類を強い力で緩めたりするときに用いるものである。
(3)角軸形は,軸の形状は普通形と同じであるが,軸が柄の中を貫通しているため頑丈である。
(4)スタッビ形は,長いドライバなので大きな力に耐えられるようになっている。
【No.25】図に示すベルト伝達機構において,Aのプーリが750min-1で回転しているとき,Bのプーリの回転速度として,適切なものは次のうちどれか。ただし,滑り及び機械損失はないものとして計算しなさい。なお図中の()内の数値はプーリの有効半径を示す。
【No.26】ローリング・ベアリングのうち,ラジアル・ベアリングの種類として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)ボール型
(2)ニードル・ローラ型
(3)テーパ・ローラ型
(4)シリンドリカル・ローラ型
【No.27】図に示すピストン・リングの脱着に用いられる工具Aの名称として,適切なものは次のうちどれか。
(1)スナップ・リング・プライヤ
(2)ピストン・リング・コンプレッサ
(3)コンビネーション・プライヤ
(4)ピストン・リング・リプレーサ
【No.28]「道路運送車両法」に照らし,次の文章の( )に当てはまるものとして,適切なものは次のうちどれか。
自動車の使用者は,自動車検査証の記載事項について変更があったときは,その事由があった日から( )以内に,当該事項の変更について,国土交通大臣が行う自動車検査証の記入を受けなければならない。
(1)5日
(2)10日
(3)15日
(4)20日
【No.29】「道路運送車両の保安基準」に照らし,次の文章の( )に当てはまるものとして,適切なものは次のうちどれか。
自動車の輪荷重は,( )を超えてはならない。
(1)25t
(2)5t
(3)10t
(4)15t
【No.30】「道路運送車両の保安基準」及び「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」に照らし,番号灯の灯光の色の基準として,適切なものは次のうちどれか。
(1)黄色又は白色であること。
(2)赤色であること。
(3)淡黄色であること。
(4)白色であること。
自動車整備士最新試験問題解説3級自動車ジーゼル・エンジン
自動車整備士最新試験問題解説<3級自動車ジーゼル・エンジン>
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目次
平成25年3月施行(登録試験)
平成25年10月施行(登録試験)
平成26年3月施行(登録試験)
平成26年10月施行(登録試験)
平成27年3月施行(登録試験)
平成27年10月施行(登録試試験)
平成28年3月施行(登録試験)
平成28年10月施行(登録試験)
平成29年3月施行(登録試験)
平成29年10月施行(登録試験)
平成30年3月施行(登録試験)
平成30年10月施行(登録試験)
平成31年3月施行(登録試験)
令和元年10月施行(登録試験)
令和2年3月施行(登録試験)
平成25年3月試験問題(登録)
【No.1】ジーゼル・エンジンの燃焼に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)燃料の噴射開始と同時に,燃焼が始まる。
(2)ガソリン・エンジンと比較して,圧縮比は小さい。
(3)ジーゼル・エンジンの熱効率は約20~25%である。
(4)ジーゼル・ノックは,噴射時期が早過ぎるときや圧縮圧力が低いときなどに発生しやすい。
【No.2】着火順序が1-3-4-2の4サイクル直列4シリンダ・エンジンにおいて,第2シリンダが吸入下死点にあり,この位置からクランクシャフトを回転方向に回したとき,第3シリンダを圧縮上死点にするために必要なクランク角度として,適切なものは次のうちどれか。
(1)180°
(2)360°
(3)540°
(4)720°
【No.3】EGR装置(排気ガス再循環装置)に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)EGR装置は,NOx(窒素酸化物)の低減を図っている。
(2)EGR装置は,最高燃焼ガス温度を下げている。
(3)EGR装置は,不活性ガスである排気ガスの一部を利用している。
(4)EGR装置は,排気ガスの一部を再度エキゾースト・マニホールドへ循環させている。
【No.4】燃焼室に関する次の文章の(イ)~(ロ)に当てはまるもの下の組み合わせのうち適切なものはどれか。
直接噴射式は,燃焼室が(イ)で,始動性が渦流室式に比べて(ロ)。
(イ) (ロ)
(1)単室式 劣る
(2)副室式 優れている
(3)副室式 劣る
(4)単式 優れている
【No.5】シリンダ・ブロック及びシリンダ・ライナに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)シリンダ・ブロックには,一般に特殊鋼が用いられる。
(2)一般にライナ上面は,シリンダ・ブロック上面よりやや突き出ている。
(3)湿式ライナの外周面下部には,オイル漏れ防止用のゴム・パッキンが取り付けられている。
(4)乾式ライナは,特殊鋳鉄製の厚みのある円筒状のもので,シリンダに挿入されている。
【No.6】クランクシャフトに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)ピン部が摩耗したときは,オイル・クリアランスが大きくなる。
(2)ビン部が摩耗したときは,油圧低下の原因となる。
(3)オイル・クリアランスの測定は,プラスチック・ケージを用いて行うことができる。
(4)ビン部の摩耗の測定は,ダイヤル・ゲージを用いてピン部の中央部で行う。
【No.7】図に示すピストン・リングで厚さを表すものとして,適切なものは次のうちどれか。
(1)A
(2)B
(3)C
(4)D
【No.8】カートリッジ式(非分解式)オイルフィルタに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)バイパス・バルブは,エレメントが詰まりエレメントの入口側と出口側の圧力差が規定値を超えると開く。
(2)バイパス・バルブが開いたときのオイルの流れは,エレメントを通らず直接各潤滑部へ送られる。
(3)オイルフィルタの交換は,非分解式なので規定の走行距離又は期間により行う。
(4)フィルタ内のオイルは,エレメント内側からエレメント外周側へ流れてろ過される。
【No.9】冷却装置に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)ラジエータ・キャップには,ジグル・バルブが設けられている。
(2)冷却水の凍結温度は,不凍液の混合率が90%のときが最も低い。
(3)シュラウドは,ファンの吸い込む冷却空気がエンジン側から逆流するのを防止している。
(4)ラジエータのサブタンクは,冷却水の流量を制御して,常に冷却水温度を一定に調節する働きをしている。
【No.10】図に表すシリンダ用の分配型インジェクション・ポンプのプランジャにおいて,ディストリビュータ・スリットを表すものとして適切なものは次のうちどれか。
(1)A
(2)B
(3)C
(4)D
【No.11】分配型インジェクション・ポンプのハイドロリック・タイマの構成部品として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)コントロール・スリーブ
(2)タイマ・ピストン
(3)タイマ・スプリング
(4)ローラ・ホルダ・ピン
【No.12】図に示す列型インジェクション・ポンプのRFD型ガバナの構成部品として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)フライウェイト
(2)フランジャ・バレル
(3)ガバナ・スプリング
(4)フローティング・レバー
【No.13】電子制御式分配型インジェクション・ポンプに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)電子制御式分配型インジェクション・ポンプには,回転速度センサが取り付けられている。
(2)電磁スピル・バルブは,コントロール・ユニットからの信号によって噴射時期を制御している。
(3)電磁スピル・バルブは,タイマ・ピストンの両端を結ぶ燃料通路に取り付けられている。
(4)タイミング・コントロール・バルブは,コントロール・ユニットからの信号によって噴射量を制御している。
【No.14】電子制御式インジェクション・ポンプのシステムに用いられるセンサ及びコントロール・ユニットに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)クランク角センサは,エンジン回転速度及びピストン上死点位置を検出している。
(2)燃温センサに使用されているサーミスタ(負特性)の抵抗値は,燃料温度が高いほど小さくなる。
(3)ブースト圧センサは,インジェクション・ポンプ内の燃料の圧力を計測している。
(4)コントロール・ユニットは,自己診断システムやフェイルセーフ機能を備えている。
【No.15】インジェクション・ノズルのうちスロットル・ノズルに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)直接噴射式エンジンに用いられる。
(2)スロットル行程では,燃料の噴射量を多くしている。
(3)ノズル・ボデーに噴口が3個以上設けられている。
(4)スロットル行程を設けて,ジーゼル・ノックの発生を抑えている。
【No.16】吸排気装置に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)エア・クリーナは,エンジンの吸入空気騒音を低減する役目もしている。
(2)マニホールドをシリンダヘッドに組み付ける(締め付ける)場合は,外側の取り付けボルトから中心に向かって順に締め付ける。
(3)マニホールドの取り付け面のひずみ点検には,ストレート・エッジとシックネス・ゲージを用いる。
(4)エア・クリーナのエレメントが目詰まりを起こすと,PM(粒子状物質)発生の原因となる。
【No.17】鉛バッテリに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)放電終止電圧は,1セル当たり2Vである。
(2)電解液は,塩酸と水を混合した希塩酸である。
(3)自己放電の程度は,電解液の比重及び温度が高いほど多くなる。
(4)完全充電状態のときの電解液比重は,液温20℃に換算して1.22である。
【No.18】オルタネータに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)ロータ・コイルに発生する三相交流をダイオードで全波整流し,直流に変えている。
(2)オルタネータ駆動用ベルトのたわみ量が規定値より過小の場合,オルタネータのベアリング損傷の原因となる。
(3)ステータは,ステータコア,ステータ・コイル及びスリップ・リングなどで構成されている。
(4)ステータ・コイルに流す電流を増減させて,オルタネータ制御を行っている。
【No.19】内接式のリダクション式スタータの構成部品として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)シフト・レバー
(2)マグネット・スイッチ
(3)アイドル・ギヤ
(4)オーバランニング・クラッチ
【No.20】予熱装置に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)コントロール・ユニットを用いた電熱式インテーク・エア・ヒータでは,始動時の外気温度に応じて,予熱時間を制御する。
(2)グロー・プラグを交換する場合には,必ず指定のものを用い,ねじ径や形状が同じでも,指定以外のものを用いると故障の原因となる。
(3)予熱回路は,使用時に大きな電流が流れるので,わずかな接触不良があっても,正常な予熱を行うことができない。
(4)グロー・プラグの断線又は短絡を点検する場合は,ターミナルと保護金属管又はプラグ・ハウジング間の抵抗を測定することで確認できる。
【No.21】次に示す諸元のエンジンの圧縮比について,適切なものは次のうちどれか。ただし,円周率は3.14として計算し,小数点第2位以下を切り捨てなさい。
(1)14.0
(2)15.0
(3)16.0
(4)17.0
○シリンダ内径:80mm
○ピストン行程:90mm
○燃焼室容積:30cm3
【No.22】図に示す電気用図記号のトランジスタに関する次の文章の(イ)~(ロ)に当てはまるものとして,下の組み合わせのうち適切なものはどれか。
図のトランジスタは(イ)トランジスタと呼ばれ,コレクタ電流は(ロ)に流れる。
(イ) (ロ)
(1)PNP型 EからC
(2)NPN型 EからC
(3)PNP型 EからB
(4)NPN型 EからB
【No.23】図に示す電流計Aに3Aの電流が流れた場合,Rの抵抗値として適切なものは次のうちどれか。ただし,R1とR2は同じ値とし,バッテリ及び配線などの抵抗はないものとする。
(1)3Ω
(2)4Ω
(3)6Ω
(4)8Ω
【No.24】図に示すマイクロメータの目盛りの読みとして適切なものは次のうちどれか。
(1)55.95mm
(2)56.45mm
(3)56.95mm
(4)57.45mm
【No.25】燃料(軽油)に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)一般に軽油の比重は0.80~0.90である。
(2)一般に軽油の着火点は約45~80℃である。
(3)軽油の種類・品質はJIS規格に決められており,一般には2号が用いられ寒冷地では3号又は特3号が用いられている。
(4)ジーゼル・エンジン用としては,着火性がよく,適当な粘度をもち,硫黄分が少なく,微細なごみも含まないものが必要である。
【No.26】仕事量の単位として,適切なものは次のうちどれか。
(1)C(クーロン)
(2)J(ジュール)
(3)Pa(パスカル)
(4)W(ワット)
【No.27】ボルトやナット類に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)スタッド・ボルトは,その一端だけにねじが切ってある。
(2)スプリング・ワッシャは,ボルトやナットの緩み止めに用いられる。
(3)セルフロッキング・ナットは,ねじ部に樹脂コーティングや「かしめ」部を用いることでナットの緩みを防いでいる。
(4)溝付き六角ナットは,その溝に合う割りピンをおねじ側の穴に差し込むことで,ナットの緩みを防いでいる。
【No.28】「道路運送車両法」に照らし,自動車分解整備事業の種類に該当しないものは,次のうちどれか。
(1)特殊自動車分解整備事業
(2)軽自動車分解整備事業
(3)小型自動車分解整備事業
(4)普通自動車分解整備事業
【No.29】「道路運送車両の保安基準」及び「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」に照らし,後部反射器の反射光の色に関する基準として,適切なものは次のうちどれか。
(1)白色
(2)橙色
(3)淡黄色
(4)赤色
【No.30】「道路運送車両の保安基準」及び「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」に照らし,次の文章の( )に当てはまるものとして,適切なものは次のうちどれか。
尾灯と兼用の制動灯は,同時に点灯したときの光度が尾灯のみを点灯したときの光度の( )以上となる構造であること。
(1)2倍
(2)3倍
(3)4倍
(4)5倍
自動車整備士最新試験問題解説3級自動車シャシ
自動車整備士最新試験問題解説<3級自動車シャシ>
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目次
平成23年10月施行(登録試験)
平成24年3月施行(登録試験)
平成24年10月施行(登録試験)
平成25年3月施行(登録試験)
平成25年10月施行(登録試験)
平成26年3月施行(登録試験)
平成26年10月施行(登録試験)
平成27年3月施行(登録試験)
平成27年10月施行(登録試験)
平成28年3月施行(登録試験)
平成28年10月施行(登録試験)
平成29年3月施行(登録試験)
平成29年10月施行(登録試験)
平成30年3月施行(登録試験)
平成30年10月施行(登録試験)
平成31年3月施行(登録試験)
23・10 試験問題(登録)
【No.1】自動車の諸元に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)図に示す左右タイヤの路面との接触面の中心距離をトレッド(輪距)という。
(2)走行抵抗は,転がり抵抗,空気抵抗,こう配抵抗から成り立っている。
(3)駆動力とは,自動車が走行する際,駆動輪を回し,前進又は後退させようとする力をいう。
(4)自動車総質量とは,空車状態の自動車に最大積載質量の物品を積載したときの質量をいう。
【No.2】ダイヤフラム・スプリング式クラッチ(プッシュ式)の構成部品として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)ピボット・リング
(2)リトラクティング・スプリング
(3)レリーズ・レバー
(4)プレッシャ・プレート
【No.3】図に示すトルク・コンバータのAの部品名称として,適切なものは次のうちどれか。
(1)ポンプ・インペラー
(2)タービン・ランナ
(3)ステータ
(4)ギヤ・ユニット
【No.4】FR式のマニュアル・トランスミッションに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)インタロック機構は,走行中にギヤ抜けを防止する働きをする。
(2)メーン・シャフトとプロペラシャフトは,同じ回転速度で回転する。
(3)シンクロナイザ・ハブ内面のスプラインは,メーン・シャフトとかん合している。
(4)トランスミッション・ケースは,一般にアルミニウム合金製であるが,一部鋳鉄製のものも用いられている。
【No.5】FR車に用いられているプロペラ・シャフトに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)プロペラ・シャフトには,一般的に鋳鉄管が用いられている。
(2)プロペラ・シャフトは,トランスミッションの動力をリヤ・アクスドールへ伝える役目をしている。
(3)プロペラ・シャフトが長い場合には,共振を防ぐために2分割又は3分割したものが用いられている。
(4)プロペラ・シャフトの曲がりの点検において,曲がり量は,ダイヤル・ゲージの読み(振れ)の二分の一である。
【No.6】FR車に用いられているファイナル・ギヤに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)ドライブ・ピニオンとリング・ギヤにはスパー・ギヤが用いられている。
(2)ドライブ・ピニオンの歯数をリング・ギヤの歯数で除した値を終減速比という。
(3)ドライブ・ピニオンとリング・ギヤのバックラッシュは,プラスティック・ゲージを用いて測定する。
(4)ドライブ・ピニオンのプレロードの調整において,塑性スペーサを用いて行う方法でプレロードが大き過ぎたときには,スペーサを新品と交換してやり直す必要がある。
【No.7】筒型の複筒式ショック・アブソーバに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)ショック・アブソーバは,一般に分解式のものが用いられている。
(2)ガス封入式ショック・アブソーバには,一般に封入ガスは窒素ガスを用いている。
(3)ショック・アブソーバの減衰力は,一般に圧縮時の方が伸長時よりも大きい。
(4)ガス封入式ショック・アブソーバには,オイルを使用していない。
【No.8】シャシ・スプリングに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)トーション・バー・スプリングは,主に車軸懸架式のサスペンションに用いられている。
(2)ばね定数の単位にはN/mmを用い,その値が大きいほどスプリングは軟らかくなる。
(3)コイル・スプリングを使用したサスペンションは,アクスルを支持するためのリンク機構を必要とする。
(4)リーフ・スプリングの両端の目玉部中心間の距離をキャンバ(反り)という。
【No.9】独立懸架式のラック・ピニオン型ステアリング装置に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)トーインは,ラック・エンドを回して調整する。
(2)ステアリング・ギヤ比(減速比)は,ハンドルの動き量(角度)をフロント・ホイールの動き量(角度)で除した比である。
(3)リンク機構にピットマン・アームを使用している。
(4)ボール・ナット型に比べてリンク機構もボール・ジョイントの数も少ないので,摩擦が少なく小型軽量にできるが,路面から受ける衝撃がハンドルに伝わりやすい。
【No.10】油圧式パワー・ステアリングに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。(1)パワー・ステアリングのリザーブ・タンクの油量は,一般にエンジンをアイドリング状態にして,規定の範囲にあることをレベル・ゲージ又は目視により確認する。
(2)プレッシャ・リリーフ・バルブは,オイル・ポンプの最高油圧を制御している。
(3)ラック・ピニオン型では,パワー・シリンダはラック・チューブに組み込まれている。
(4)インテグラル型では,コントロール・バルブはステアリング・リンク機構の途中に設けられている。
【No.11】タイヤの呼び「195/60 R 14 85H」の「H」が表しているものとして,適切なものは次のうちどれか。
(1)速度記号
(2)プライ・レーティング
(3)負荷能力
(4)荷重指数
【No.12】フロント・ホイール・アライメントの点検及び測定時の注意事項に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)ホイールに損傷がなく,タイヤの空気圧は規定値にあることを確認する。
(2)トーインの測定は,キャンバ・キャスタ・キング・ピン・ゲージを用いる。
(3)車両が水平状態にあることを確認する。
(4)測定する前にフロント中央部を3~4回上下動させて,サスペンションを落ち着かせる。
【No.13】ドラム・ブレーキに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)デュアル・ツー・リーディング・シュー式では,前進時のみに自己倍力作用が働く。
(2)自己倍力作用とは,制動時にシューがドラムに食い込もうとして制動力が増大する作用である。
(3)フェード現象とは,過熱のためライニング表面が硬化して摩擦係数が小さくなり,ブレーキの効きが低下する現象をいう。
(4)ブレーキ・ライニングの基材には,一般に非アスベスト繊維に充てん剤として摩擦・摩耗材を加え,結合材で固めたものが用いられている。
【No.14】真空式制動倍力装置に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)真空式制動倍力装置は,パワー・ピストン,バルブ機構,リアクシション機構などから構成されている。
(2)真空式制動倍力装置のバキューム・バルブとは,ポペットとパワー・エピストンのシート部に接したポペットの先端部分をいう。
(3)真空式制動倍力装置の機能点検で不具合がある場合には,まず,チェック・バルブ及びバキューム・ホースの詰まり又は漏れを点検する。
(4)真空式制動倍力装置において,ブレーキ・ペダルを踏まないとき,バキューム・バルブは閉じ,エア・バルブは開いている。
【No.15】ディスク・ブレーキにおいて,パッドとディスクとのすき間を自動的に調整している部品として,適切なものは次のうちどれか。
(1)ブーツ
(2)アジャスト・レバー
(3)ピストン・シール
(4)テンション・スプリング
【No.16】フレーム及びボデー等に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)乗用車には,独立したフレームを用いず,フレームをボデーの一部として組み立てた一体構造のものが多い。
(2)部分強化ガラスは,薄い合成樹脂膜を2枚以上の板ガラスで挟んで張り合わせたものである。
(3)ウインド・ガラスには,安全ガラスが使われており,合わせガラス,強化ガラス及び部分強化ガラスがある。
(4)トラックのフレームでサイド・メンバとクロス・メンバの結合方法は,一般に溶接されているが,一部の大型車にはリベットを用いている。
【No.17】灯火装置に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)セミシールド・ビーム型ヘッドランプは,後方から電球(バルブ)が交換できるようになっている。
(2)IC式ターン・シグナル・フラッシャ・ユニットのIC内部は,発振回路,リレー駆動回路,ランプ断線検出回路の三つに大別される。
(3)ハロゲン・ランプの封入ガスは水素を用いている。
(4)ハザード・ウォーニング・ランプは電球の断線があっても,点滅回数が変化しないようにしている。
【No.18】計器に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)フューエル・ゲージは,指針によって状能を示すレシーバ・ユニットと液面を感知するセンダ・ユニットで構成されている。
(2)磁石式のアナログ式スピードメータでは,誘導盤に発生する回転力は,磁石の回転速度(車速)に比例して増加する。
(3)ウォータ・テンパラチャ・ゲージには,抵抗式(サーミスタ)センダ・ユニットを使用している。
(4)磁石式のアナログ式スピードメータでは,車速の信号はFR式のマニュアル・トランスミッションの場合,カウンタ・シャフトからケーブルにより,スピードメータの駆動部に伝えられる。
【No.19】冷房装置(クーラ)に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)コンデンサは,低温,低圧のガスを凝縮して液化する。
(2)冷媒の交換や抜き取りなどを行う場合は,冷媒回収機で回収タンクに冷媒の種類別に回収する。
(3)コンプレッサは,高温,高圧の冷媒を低温,低圧のガス冷媒に変える。
(4)エキスパンション・バルブは,低温,低圧の冷媒を高温,高圧の霧状の冷媒に変える。
【No.20】鉛バッテリに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)密閉型のMFバッテリでは,急速充電は絶対に行ってはならない。
(2)密閉型のMFバッテリでは,栓を開けてもバッテリの性能には変化がない。
(3)バッテリの活物質とは,電解液と接触して化学反応により電気を蓄えたり放出(放電)したりする物質をいう。
(4)密閉型のMFバッテリは,密閉無漏洩構造で,内部で発生したガスが極板に吸収されるため,原理的には使用中に電解液の減少がなく,電解液の補水が不要である。
【No.21】図のようにかみ合ったギヤA,B,C,DのギヤAをトルク140N・mで回転させたときのギヤDのトルクとして,適切なものは次のうちどれか。ただし,伝達による損失はないものとし,ギヤBとギヤCは同一の軸に固定されている。なお,図中の( )内の数値はギヤの歯数を示す。
(1)70N・m
(2)140N・m
(3)280N・m
(4)420N・m
【No.22】9Ωの抵抗3個を並列接続したときの合成抵抗として,適切なものは次のうちどれか。
(1)3Ω
(2)6Ω
(3)18Ω
(4)27Ω
【No.23】コンデンサの静電容量を表すときに用いられる単位として,適切なものは次のうちどれか。
(1)Ω(オーム)
(2)V(ボルト)
(3)A(アンペア)
(4)F(ファラド)
【No.24】非鉄金属に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)アルミニウムは,電気の伝導率が銅の約3倍である。
(2)青銅は,銅に錫を加えた合金である。
(3)黄銅は,銅に亜鉛を加えた合金である。
(4)ケルメットは,銅に鉛を加えた合金である。
【No.25】潤滑剤に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)潤滑剤には,摩擦熱を吸収して物体を冷却する作用がある。
(2)グリースの硬さの度合は,ちょう度で表される。
(3)ギヤオイルの粘度は,粘度指数の大きいものほど温度による粘度変化の度合が大きい。
(4)ブレーキ・グリースは,シューとホイール・シリンダの接触部や,バック・プレートとシューとの接触部などに用いられる。
【No.26】電気信号を光信号に変換する半導体の名称と電気用図記号の組み合わせとして,適切なものは次のうちどれか。
【No.27】ホイールの振れを測定するときに用いられる測定器として,適切なものは次のうちどれか。
(1)マイクロメーター
(2)ダイヤル・ゲージ
(3)ノギス
(4)シックネス・ゲージ
【No.28】「道路運送車両法」に照らし,点検整備記録簿に記載しなければならない事項として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)点検の結果
(2)整備の概要
(3)整備に入庫した年月日
(4)点検の年月日
【No.29】「道路運送車両の保安基準」及び「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」に照らし,次の文章の( )に当てはまるものとして,適切なものは次のうちどれか。
前部霧灯は,同時に( )以上点灯しないように取り付けられていること。
(1)2個
(2)3個
(3)4個
(4)5個
【No.30】「道路運送車両の保安基準」及び「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」に照らし,自動車の後面に備える後退灯の点灯を確認できる距離の基準として,適切なものは次のうちどれか。
(1)夜間にその後方30m
(2)夜間にその後方50m
(3)昼間にその後方75m
(4)昼間にその後方100m
自動車整備士の数学
凡例
(1) 全体を章・節の2段階に分け,各節の中でも大見出し・小見出しをつけ,そこで扱ってある内容や意味がはっきり分かるようにしてあります。
(2) 受験の対策に必要な自動車工学の理論とSI(国際単位系)の概要及びSIで解く計算問題を,初学者でも十分理解することができるように心掛けてあります。
(3) 自動車工学上の基礎的な原理・法則のおさらい内容を,過去の出題傾向より分析して編集し,その学習内容を熟知して頂くために各節末には多数の例題を入れ,理解度を自己診断できるようにしてあります。
(4) 実例問題については,3級と2級を中心に,電装整備士等の試験問題中から計算を伴なうもの全てとし,最新に至る約10年分を解説してあります。
(5) 解説は,問題を解く上で必要な知識及び関連して知っておいた方が良い内容をまとめてあります。また,どこから手をつけたらよいかという考え方の順序,解法の着眼点などをできるだけ一般的に記述してあります。
(6) 計算は筆算によるため,計算が苦手な人でも理解できるように,その過程をできるだけ丁寧に解説してあります。
(7) 計算式中,基本単位(m,N,s)のみのものは多く単位を省略し,答えのみ書き示し,トルクのN・mや速度のm/sのような組立単位の場合は,答えの単位を明確にするため計算過程に挿入してあります。ただし,単には説明できない場合は省いてあります。
(8) 解説中の計算式は解答に至る一方法で,最も平易な考え方で示してありますので,別途正解に至るものであれば,自分の学力に合わせた計算方法で結構であります。また,実力が十分な受験生にとっては,やや解説が回りくどいかも知れませんが,ご了承下さい。
(9) 本書は解説に必要な図解を出来るだけ多く挿入することを心掛けりますが,ページ数の関係もあり,すみずみまで完全な説明を加えられないのが実情です。
(10) 内容には万全を期していますが,万が一,本書に誤字等がありましたら編集部までご一報下さるよう,よろしくお願い致します。
●自動車整備士の数学 目次
第1章 単位
1 量と単位
2 国際単位系(SI)の経緯
3 いろいろなメートル法の単位系
4 SIの構成と接頭語
①SI基本単位
②SI補助単位
③SI組立単位
④固有の名称で表すSI組立単位
⑤SIの使い方(単位記号の使い方)
⑥接頭語の選び方
⑦接頭語を使う場合の注意事項
5 接頭語の単位に用いられる指数の性質
①指数
②指数の性質
6 SI以外の単位
①SI単位と併用する単位
②SI単位と併用してよい単位
7 SIでの「重量」と「質量」について
①重量とは
②質量とは
8 SIと重力単位系の一番の違い
9 SIにおける「力」の定義
10 SIのまとめ
第2章 基礎的な原理・法則
1 速度
①速度の単位の換算と換算率
②平均速度
③平均ピストン速度
④回転体の周速度
⑤速度&時間線図と走行距離
⑥加速度
⑦減速度
⑧速度計が示す速度の誤差と誤差率
2 仕事と仕事率
3 圧力
①固体の圧力
②流体(液体及び気体)の圧力.
③パスカルの原理の応用例
4 トルク
①軸トルク
②駆動トルク
③偶力
5 テコ
①テコの原理
②テコの仕事と力のつり合い関係
6 ギヤ比(歯車比)と回転速度比の関係
①3つのギヤの場合のギヤ比
②中間ギヤ(アイドル・ギヤ)が2段階の場合のギヤ比
7 ギヤ比とトルク比の関係
8 減速比と変速比
9 終減速比と総減速比.
10 ディファレンシャル(差動装置)の仕組み
11 プーリ比(滑車比)と回転速度比の関係
第3章 自動車の諸元
1 排気量
2 総排気量
3 圧縮比
4 自動車の荷重
①車両荷重
②車両総荷重
5 「テコの原理」による自動車の軸荷重計算の考え方
6 エンジン性能曲線図
①エンジン性能曲線図の読み方
7 走行性能曲線図
①走行性能曲線図の読み方
②駆動力曲線と走行抵抗曲線の関係
第4章 電気の基礎
1 電気の基本は,電圧,電流,抵抗
2 電気の単位
3 オームの法則
4 オームの法則の覚え方
5 抵抗の接続
①直列接続
②電圧の加わり方と電圧降下
③並列接続
6 電力と電力量
①電力
②電力量
第5章 試験問題実例