発酵検定試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




発酵検定の概要

発酵検定は、発酵の仕組みや、身体に及ぼす効果の理解、発酵食品の簡単で効果的な取り入れ方などの発酵の基礎知識を問う検定試験です。発酵食品の種類、発酵期間、効率的な食べ方や選び方、正しい保存方法などの生活に身近な知識も幅広く学びます。発酵検定合格後には、発酵マイスター養成講座を受講することにより、より実践的な知識を身につけることもできます。
 

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発酵検定試験の公式テキスト

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日本出版販売株式会社

発酵検定のおすすめテキスト

⒈ 「発酵検定公式テキスト」(実業之日本社)

一般社団法人 日本発酵文化協会 (監修)
出版社: 実業之日本社 (2018/7/20)、出典:出版社HP

発酵検定の公式テキストです。日本の食文化の基本となる発酵食品を解説しており、日本全国、世界の主な発酵食品図鑑がついています。

目次 – 発酵検定公式テキスト

はじめに

日本をはじめ世界にはたくさんの発酵食品が存在します。そんな発酵食品を作り上げているのは、微生物の力によるものがほとんどです。

「発酵食品の基本知識を学びたい」
「発酵食品を家で簡単に作ってみたい」

という多くの声に応え、発酵について簡単に学べる「発酵検定」が誕生しました。発酵食品の種類、発酵期間、効率的な食べ方、選び方、正しい保存方法など、日々の生活に密接している発酵食品の知識を学べます。

「発酵検定」で発酵について知り、日々の食生活に発酵食品を取り入れましょう!

一般社団法人 日本発酵文化協会 (監修)
出版社: 実業之日本社 (2018/7/20)、出典:出版社HP

本書の使い方

本書は「発酵検定」の公式テキストです。試験のための学習に用いるのはもちろん、日々の食生活に役立つ発酵食品についての知識を得ることができます。各章の概要は以下の通りです。

第1章 発酵の基本についての章です。発酵とは何なのか、また発酵の仕組みや種類についても学んでいきます。

第2章 発酵食品図鑑として、醤油や味噌、清酒をはじめとした代表的な発酵食品について解説しています。

第3章 郷土発酵食を紹介する章です。日本の各地方で古くから根付いている発酵食品について解説しています。

第4章 世界の発酵食についての章です。アジア、ヨーロッパ、その他の地域に分けて発酵食品を紹介しています。

第5章 発酵の歴史についての章です。人類がいつから、どうやって発酵食品を利用してきたのかについて学びます。

第6章 発酵と栄養についての章です。発酵食品が人間にもたらす効果や多分野での発酵の利用について学びます。

Column 各ページの合間にはコラムとして、発酵に関するうんちくこぼれ話を紹介しています。

「発酵検定」と「発酵マイスター養成講座」

「発酵検定」は「一般社団法人 日本発酵文化協会」が監修する検定です。

日本発酵文化協会は、日本の伝統食文化における「発酵食」の健康に対する優位性に着目し、発酵の正しい知識や発酵食の継承、開発、普及を目指す団体です。発酵マイスター検定制度を世界で初めて立ち上げ、さらなる日本の発酵文化の進展を目指し、発酵のエキスパートの人材育成を目的に「発酵マイスター養成講座」を開催。発酵マイスター認定の機関として設立されました。

「発酵マイスター養成講座」は日本発酵文化協会認定の公式資格「発酵マイスター」を取得するための講座で、発酵の魅力をより生活に密着した形で学びます。本書はこの「発酵マイスター養成講座」の公式テキストをもとに構成しています。

本書を読んで「発酵」に興味を持った方は、ぜひ「発酵検定」を受験して、さらに「発酵マイスター養成講座」の門を叩いてみてください。

一般社団法人 日本発酵文化協会 (監修)
出版社: 実業之日本社 (2018/7/20)、出典:出版社HP

 

発酵検定公式テキスト
Contents

はじめに
本書の使い方
「発酵検定」と「発酵マイスター養成講座」
発酵食品図鑑の見かた

第1章 発酵の基本

発酵とは
発酵と微生物
麹とは
三大発酵
発酵を抑えるもの

第2章 発酵食品図鑑

醤油
醤油とは
醤油の効果
醤油の製造方法
醤油の表示方法
醤油の種類
濃口醤油
淡口醤油
たまり醤油
白醤油
再仕込み醤油

味噌
味噌とは
味噌の効果
味噌の製造方法
味噌の表示方法
味噌の種類
日本各地の味噌
米味噌
麦味嚕
豆味噌
嘗味嚕

甘酒
甘酒とは
甘酒の効果
甘酒の製造方法
生甘酒と火入れ甘酒
火入れ甘酒のつくり方
甘酒
玄米甘酒

塩麹
塩麹とは
塩麹の効果
生麹と乾燥麹
塩麹の製造方法
塩麹
玄米塩麹
麦塩麹
醬油麹

清酒
清酒とは
清酒の効果
清酒の種類
清酒の製造方法
製造方法による種類

食酢
食酢とは
食酢の効果
食酢の製造方法
食酢の分類
米酢
粕酢
黒酢
麦芽酢
リンゴ酢
ブドウ酢

みりん
みりん
みりんの分類

納豆
納豆とは
納豆の栄養素
糸引き納豆
塩辛納豆

漬物
漬物とは
漬物の栄養素
ぬか漬け
粕漬け
麹漬け

その他
かつお節
チーズ
ヨーグルト
発酵バター
サワークリーム
パン
発酵茶

第3章 郷土発酵食

遺物
塩辛
魚醤
なれずし
久寿餅
かんずり
豆腐よう
発酵調味料で簡単お料理レシピ

第4章 世界の発酵食

世界の発酵食品
アジアの発酵食品
ヨーロッパの発酵食品
その他の地域の発酵食品

第5章 発酵の歴史

発酵食品の始まり
日本の発酵食品の歴史
発酵研究

第6章 発酵と栄養

発酵食品の魅力
発酵と健康
発酵と美容
多様な発酵パワー
茶聲検定模擬問題集
参考文献・参考サイト
索引

Column

発酵を意味する英語の語源は「湧く」
日本酒の天敵“火落ち”
イーストと天然酵母
麹菌は日本の“国菌”
“麹”と“糀”
発酵法による酒の分類
糖類とは
さまざまな加工醤油
もろみ酢とさまざまな加工酢
各地の発酵バター
サワークリーム活用法
久寿餅と葛餅は別物!
熟成肉のヒミツ
発酵調味料をつくってみよう
白鳥の首のフラスコ実験
藍染と発酵

一般社団法人 日本発酵文化協会 (監修)
出版社: 実業之日本社 (2018/7/20)、出典:出版社HP

発酵食品図鑑の見かた

第2章 発酵食品図鑑 (P.33 ~)では、概ね下記の構成で発酵食品について解説しています。

① 発酵食品名
一般的な名称で表記しています。

② 基本情報
主な原料、発酵・熟成期間、エネルギー、食塩相当量を表記しています。エネルギーと食塩相当量は原則として「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より引用し、可食部100g中の数値です。一部は監修者が算出した数値を表記しています。

③ 特徴
発酵食品の産地や来歴、製造法などについて解説しています。

④ 主な種類や効果
その発酵食品の種類や効果を解説しています。

⑤ 保存方法
適切な保存方法を紹介しています。ただし商品により異なる場合がありますので、各商品の表示に従って保存してください。

⑥ 栄養成分と健康・美容効果
栄養成分は「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より抜粋しています。また、その発酵食品を摂取することにより期待できる健康効果や美容効果を紹介しています。

⑦ こぼれ話
さらにその発酵食品の知識を深めることができる情報を紹介しています。

一般社団法人 日本発酵文化協会 (監修)
出版社: 実業之日本社 (2018/7/20)、出典:出版社HP

目次 – 日本の伝統 発酵の科学 微生物が生み出す「旨さ」の秘密 (ブルーバックス)

はじめに

古典的なフランス料理の一品スズキのパイ包み焼きは、大きなスズキを丸ごとパイ生地に包み、リアルな魚の形に成形して焼き上げた料理であり、ねっとりしたモルネーソースで味わう。非常に見栄えがするため、客をもてなすために家庭でもよく作られる。立派なスズキが入手できると、欧米の人々はこのような料理が念頭に浮かぶようである。

さて、イキの良いスズキが手に入ったとき、日本人ならばどのようにして食べたいだろうか。筆者の頭に真っ先に思い浮かぶのは刺身である。大きめに切り揃えたピンク色の刺身に、わさび醤油をチョンとつけて食したいと思う。フランス料理を侮辱するつもりは毛頭ないが、せっかくのスズキに凝った調理はもったいなく感じてしまう。

スパゲティカルボナーラは、塩漬けの豚肉とパスタをねっとりと鶏卵でまとめた料理であり、素朴な味わいがピリリと黒胡椒で引き締められた一品。卵黄を固めずに火を通すには熟練の手並みが必要で、イタリア料理学校の卒業試験に使われることもあるという。このようなまったりとした麺料理も悪くないが、ちょっと腰のある蕎麦をつゆに漬けて薬味を利かし、ズルズルッと行くのも捨て難い。

ふんわりと焼き上げられたオムレツは西洋料理の基本中の基本中にハムやチーズを入れたり、ソースをかけたりとバラエティーも豊かで、レストランでも家庭でも世界中で愛されている味である。しかし白状すると、筆者はシンプルに醤油を垂らした卵かけご飯を無性に食べたくなることがある。さらに味噌汁と少々の漬け物でもあれば十分幸せ。

刺身、蕎麦、卵かけご飯など、日本以外の国ではほとんどお目にかかることさえできない。では、日本人はどのような食べ物が好きなのだろうかと改めて考えると、肉や卵、魚や野菜などの素材の旨さを素直に引き出した料理ではないかと思える。

南北に長い日本列島は山がちで森林に覆われ、地下資源にも乏しく、わずかばかりの平野に人々がひしめいて暮らしている。土地利用効率が悪く、貧しい国土に見えるがそうではない。四季がはっきりしていて、日照も降雨も適度にあるため、少々の酸性雨くらいでは森林も湖水もびくともしない。夏場に水が手に入るので、ほぼ全土で稲が栽培可能な、極めて恵まれた「瑞穂の国」なのである。さらに北西太平洋の一角を占める日本近海は世界有数の好漁場であり、気前よくさまざまな魚を提供してくれる。

地下資源以外の天然資源に恵まれた日本は、自然災害も極めて多い。世界の0.25%の国土面積に、全世界のマグニチュード6以上の地震の20.5%が集中する地震大国である(平成22年度版内閣府防災白書)。さらに、津波は来る、台風は来る、火山は噴火する、洪水が起こり、ゲリラ豪雨による土石流も発生する。先進国でこれほどまでに自然災害の多い国もないだろう。

そのような国土に暮らす日本人は、自然の恵みを享受し、自然災害は宿命として生きていくうちに、自然を敬い、自然を畏怖する心を育んできたと考えられる。四季折々の年中行事と、各地の産物の素材を生かした料理は、このような風土の下に生まれてきたのだろう。

素材の旨味を引き出す名脇役である調味料の多くは、微生物の力を借りて作られる発酵食品である。「さしすせそ」と覚える日本料理の基本調味料は、「さ」砂糖、「し」塩、「す」酢、「せ」醤油、「そ」味噌の5つだが、そのうち「す」「せ」「そ」の3つが発酵食品である。さらに、漬け物はもちろん、納豆、鰹節、清酒、さらに旨味調味料の製造にも微生物の力は欠かせない。

発酵食品については、主としてその製法と文化的な観点から多くの研究がなされ、膨大な書籍が刊行されている。食品は純粋な物質ではないうえに、発酵の工程では必ずしも単一ではないさまざまな微生物が関与することから、科学の視点では発酵食品は難しい研究対象である。

現代の技術により解析を進めるにつれて、さまざまな発酵食品の製造工程がいかに理にかなったものであるか次々に明らかになっているのが現状であり、このような発酵食品を生み出した人々の英知に改めて畏敬の念を覚えることも多い。

本書では、このような発酵食品について科学的な側面から可能な限り簡明に解説していく。

もくじ・日本の伝統発酵の科学

はじめに

第1章 発酵食品と文化
風土に根ざした発酵食品
食料の保存から生まれた発酵技術
発酵で旨味を引き出す
発酵が栄養吸収を助ける

第2章 発酵の基礎知識
発酵の化学
呼吸と発酵―生命がエネルギーを作る2つの仕組み
人類が育てた発酵技術
発酵と腐敗を分けるもの
味覚の科学

第3章 発酵をになう微生物たち
文明と料理
日本文化と和食
麹菌―カビで発講する
カビの生態/クモノスカビの餅麹と麹菌のバラ麹/毒を作らないカビ/日本人が飼いならした麹菌/日本の「国菌」/麹菌という微生物/光を感じる麹菌/黒麹菌と焼酎/コウジ酸と美白化粧品
乳酸菌
乳酸菌の生態/微生物の分類と命名/歯株の話/抗菌ペプチド、ナイシン
酵母
酵母の生態/酒造りとパン生地への利用
微生物と食品の安全性
グルタミン酸生産菌/ボツリヌス菌中毒の脅威/殺菌と滅菌―消費期限と賞味期限/発酵食品の中の微生物の運命

第4章 納豆・味噌・醤油—大豆発酵食品と調味料
納豆
各国の大豆発酵食品/納豆菌/納豆の製法/ネバネバ成分の正体/納豆菌で高まる栄養価/藁苞納豆/納豆の匂いと納豆菌の育種/納豆の食べ方/塩辛納豆/テンべ/臭い食べ物の話/悪臭化合物
味噌
味噌の歴史と分類/味噌の製法/手作り味噌/耐塩性酵母と好塩性乳酸菌/味噌の色とメイラード反応/味噌の栄養価と効能/出汁と味噌汁
醤油
調味料の王様/魚醤/醤油の種類/醤油の製法/塩慣れの話/醤油の香気成分/機能性醤油の新技術

第5章 乳酸菌発酵食品
漬物
漬物の分類/糠漬けの製法と手入れ/漬物の安全基準/日本の漬物/海外の漬物/馴れ鮓の話
ヨーグルト
牛乳タンパク質凝固の原理/ヨーグルトの製法/機能性食品/腸内フローラ/プロバイオティクス
チーズ
チーズの種類と製法/凝乳酵素をめぐって

第6章 ひと味加える調味料と小麦生地の発酵
食酢
単発酵と並行複発酵/食酢の種類/酢酸菌の働き/食酢の製法/奇跡の福山黒酢/食酢の調理効果/食酢を用いた調味料/注目される食酢の機能性
みりん(味醂)
本みりんとみりん風調味料/みりんの製法
鰹節
鰹節の製法/鰹節の成分と利用法
デンブン生地の発酵
麦はなぜ粉にするか/デンプンのアルファ化/パンの製法—直捏法と中種法

おわりに