健康運動指導士試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
健康運動指導士の概要
健康運動指導士は、保険医療関係者と連携して安全で効果的な運動を実施するための運動プログラム作成及び実践指導計画の調整などを行う者です。健康運動指導士を取得するためには、健康運動指導士養成講習会を受講するか、または健康運動指導士養成校の養成講座を修了し、認定試験の合格後に登録手続きを行う必要があります。受験資格が定められており、受験資格によって、講習会の必要単位数が異なります。
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健康運動指導士試験の公式テキスト
公式テキストは販売されていません。講習会か養成講座を受講するときに配布されます。
健康運動指導士のおすすめテキスト
1.「健康運動指導士試験 要点整理と実践問題」(文光堂)
本書は、各章ごとに整理と暗記のパートと予想問題のパートに分けて解説されており、テキストの要点整理と問題演習が行えるため、非常に便利です。
2.「健康運動指導士試験攻略トレーニング問題集―テキスト平成26~30年対応」(ほおずき書籍)
本書は、健康運動指導士試験の問題集です。
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目次 – 健康運動指導士試験 要点整理と実践問題 第2版
●監修
稲次潤子 日本メディカルトレーニングセンター・スポーツドクター
●編集
上岡尚代 了德寺大学健康科学部准教授
野田哲由 了德寺大学健康科学部教授
田辺達磨 了德寺大学健康科学部助教
●執筆者一覽(執筆順)
野田哲由 了德寺大学健康科学部教授
涌井佐和子 順天堂大学スポーツ健康科学部先任准教授
上岡尚代 了德寺大学健康科学部准教授
高見京太 法政大学スポーツ健康学部教授
井上哲朗 国際武道大学体育学部教授
田辺達磨 了德寺大学健康科学部助教
飯出一秀 環太平洋大学体育学部教授
池島明子 大阪体育大学体育学部教授
稲次潤子 日本メディカルトレーニングセンター・スポーツドクター
友金明香 大阪体育大学体育学部講師
橋本和幸 了德寺大学教養部准教授
真野芳彦 仙台大学体育学部准教授
推薦のことば
1988年に開始された健康運動指導士の養成は、昨年30年の節目を迎え、現在に至っています。このおよそ30年の間に日本は超高齢社会を迎えました。さまざまな健康づくり事業が行われてきましたが、今や生活習慣病の予防、介護予防をはじめとして、健康に関する対策は「待ったなし」の現状にあります。新しい制度や施策が打ち出されると、それに伴いカリキュラムが改定され、テキストも数回にわたって改訂されてきました。模擬問題もまた然りです。
健康運動指導士の資格は2006年に厚生大臣認定から「公益財団法人健康・体力つくり事業財団」認定に移りました。また養成校制度が始まり、初年度は26校でしたが、現在では83校に達しています。健康運動指導士は、一人ひとりの健康レベルの維持・増進を目指した、安全かつ効果的な運動プログラムの作成と指導を行う「個人の健康を支えるエキスパート」です。2019年2月1日現在で、18,031人が資格登録しています。
就職先は、健康増進施設(健康増進センター、フィットネスクラブなど)、病院・クリニック、高齢者福祉施設など広範囲にわたっており、さまざまな職種の人とチームを組んで仕事をすることが多くなってきています。「病気にならないように」「病気になっても、それ以上悪化しないように」という『予防』に対し、運動を楽しく支援できることが健康運動指導士の強みといえます。心身の健康に運動がよい影響を与えることがわかってきており、ますます健康運動指導士の活躍の場は広がっていくことでしょう。
さて、2019年3月21日に実施された第141回健康運動指導士認定試験の全受験者の合格率は72。2%でした。この試験を突破するには、「健康運動指導士養成講習会テキスト(上・下巻)を読む→問題を解く→正答を確認する→再びテキストを読む」を繰り返すことが肝要です。
初版の内容をアップデートした本書(第2版)は、図表が多く、重要ポイントが穴埋め式で、試験対策として必要な知識がコンパクトにまとめられています。また、各節の最後に載っている実践問題を活用すれば、理解度をセルフチェックすることができます。テキストを読むことが勉強の基本であることはいうまでもありません。
とはいえ、テキストは分厚く重いため、持ち歩きには不便です。そこで、本書をつねにバッグなどに入れておき、空き時間を活用して学んだ要点を整理するとよいでしょう。テキストと本書をうまく使いこなしてください。
養成校の在学生をはじめ、卒業後に受験する方、また養成講習会を受講した方にも、本書は大いに役立つと思います。養成校の約半数が入会している「健康運動指導士養成大学全国連絡協議会」副会長の私からも推薦いたします。健康運動指導士を目指す皆さん、合格をお祈りいたします。
2019年8月
川崎医療福祉大学
文谷知明
序
健康運動指導士は1988(昭和63)年に「第二次国民健康づくり対策(アクティブ80ヘルスプラン)」の一環として、健康づくりのための運動指導者養成事業としてスタートしました。以来すでに30年の歴史があり全国で約1万8千人の健康運動指導士が登録されています。この30年の間にわが国は少子高齢化が急速に進み疾病構造も変化し、生活習慣病の予防が生涯を通じた個人の健康づくりだけでなく膨大化する医療費の適正化のためにも重要な課題となっています。
2008(平成20)年から特定健診・保健指導制度が始まり、2013(平成25)年には健康日本21(第二次)とともに「プラス・テン」をメインメッセージとした「健康づくりのための身体活動基準2013」が公表されました。高血圧や糖尿病、脂質異常症の治療薬も次々と新薬が開発されていますが、生活習慣病対策の基本となる食事や運動習慣の行動変容は、個々の人々にとって容易ではありません。
そこには専門家の支援が不可欠で、多職種の保健医療関係者と連携しつつ安全で効果的な運動プログラム作成および実践指導計画の調整などの役割を担うものとして健康運動指導士が幅広い分野での活躍を期待されています。メタボリックシンドローム予備群やハイリスク者への運動・身体活動支援、ロコモティブシンドローム・介護予防のための運動指導、さらに呼吸器疾患、認知症やがんなども運動指導の対象として挙げられています。
したがって、資格試験の問題も出題範囲が広く、医学や運動生理学などの専門知識が問われる内容となっており、健康運動指導士養成講習会のテキストも上下巻750ページを超えています。テキストをすべてしっかり読んで理解することは当然必要ですが、より効率よく勉強を進めるために、受験者はもちろん養成校などで指導にあたる先生方からも試験対策本を求める声が多く聞かれるようになりました。
そこで健康運動指導士養成にあたっておられる先生方のご協力を得て養成講習会テキストに準拠した本書籍を発刊することになりました。内容はテキストに従い15章の構成とし、まずそれぞれの章に重要度を★の数でランク表示しました。各ページは図や表を多くして内容を把握しやすくするとともに、重要な数値や単語は()を穴埋めしながら覚えられるよう問題形式としました。
また専門用語や試験で特に重要なポイント・間違いやすいポイントはサイドメモに記載するなどの工夫をしました。各章の最後は実践問題と解答・解説となっています。
本書をもとに重要なポイントを押さえて効率よく試験勉強を進め、健康運動指導士の資格を取得されるよう祈念いたします。
2019年8月
日本メディカルトレーニングセンター
稲次潤子
企画にあたって
「健康運動指導士試験:要点整理と実践問題第2版』を手に取ってくださりありがとうございます。初版の発行以来、本書をご活用いただいた読者の方、授業用に導入されたという教員の方からありがたいコメントをいただきました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。
本書は健康運動指導士受験を目指す皆さんが、「試験勉強を行ううえで、ワークブックや問題集があれば助かる」との多くの要望を受け、健康運動指導士養成大学全国連絡協議会会員の数名の先生にお声掛けさせていただき出版が実現しました。各大学で、健康運動指導士の試験対策授業を手掛けている教員による試験対策本ですので、きっと皆さんの試験勉強を効率化してくれる一冊となるでしょう。
今回の第2版発行は、(公財)健康・体力づくり事業財団の養成テキストの改訂に伴い、新しいテキストに準拠した内容に修正、加筆いたしました、新たに詳細な解説が加えられた部分や、テキストの改訂通り、新たな知見が加えられている部分があることから、健康運動指導士の試験対策にお使いの皆さんは、ぜひこの第2版をご活用ください。
本書を使って効率的に試験勉強するためには、各章の「中とびら」のページに目を通すことをお勧めします。中とびらのページには、各章の執筆者からのアドバイスとして「出題数」と「学習のポイント」が書かれています。本書の各章のページ数は、過去の出題数に対応したボリュームとなっていますので、本書のすべてのページを勉強することで出題数に応じた情報量を得ることができます。
本文中には、重要なキーワードを穴埋めにしてあります内に書き込んでキーワードを覚えていきましょう。本書には健康運動指導士が現場で指導するうえで重要な知識のポイントが集約されていますので、試験勉強の際に穴埋めを書き込んでおけば、現場で使用できるハンドブックとしてもお使いいただけます。
本書の発刊に向けてご助言を頂戴いたしました川崎医療福祉大学の文谷知明先生、そして 多忙な時間を割いて執筆いただきました先生方はじめ、多くの先生方に感謝申し上げます。 本書を通じて、健康運動指導士を目指す皆さんのお役に立てれば幸いです。
2019年8月
了徳寺大学
上岡尚代
目次
第Ⅰ章 健康管理概論
第Ⅱ章 健康づくり施策概論
第Ⅲ章 生活習慣病(NCD)
第Ⅳ章 運動生理学
第Ⅴ章 機能解剖とバイオメカニクス(運動・動作の力源)
第Ⅵ章 健康づくり運動の理論
第Ⅶ章 運動障害と予防
第Ⅷ章 体力測定と評価
第Ⅸ章 健康づくり運動の実際
第X章 救急蘇生法
第Ⅺ章 運動プログラムの実際
第Ⅻ章 運動負荷試験
第ⅩⅢ算 運動行動変容の理論と実際
第ⅩⅣ章 運動とこころの健康増進
第ⅩV章 栄養摂取と運動