福祉住環境コーディネーター2級試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




福祉住環境コーディネーターの概要

福祉住環境コーディネーター検定試験®は高齢者や障害者に対し、より良い住環境を提案するために必要な知識を学ぶことのできる検定試験です。検定試験は東京商工会議所が運営しています。医療・福祉試験は1級・2級・3級に分かれており、1級の受験には2級の合格が必要です。

最新の福祉住環境コーディネーター参考書を確認する

福祉住環境コーディネーターの公式テキスト

1、2、3級ごとに公式テキストが存在します。また、元公式テキスト作成委員が監修する問題集が成美堂から発行されており、問題の傾向を探る上で役立ちます。ここでは公式テキストを中心に2級の合格に必要な本をご紹介します。

19-20年版 福祉住環境コーディネーター®2級短期合格テキスト

はじめに

早いもので、「福祉住環境コーディネーター」(東京商工会議所主催)の検定試験が発足して21年目を迎えました。福祉住環境コーディネーター検定受験者は、1級、2級、3級合わせて145万人以上となり、合格者も全体で62万人(2018年11月検定まで)に達しています。

東京商工会議所の検定試験の普及により、福祉、建築の両分野の人材を中心に福祉住環境コーディネーター検定取得者が多数輩出され、介護、医療、建築現場でそのスキルが生かされています。一方で私が理事長を務めるNPO法人福祉・住環境人材開発センターは、検定合格者のスキルアップを目的とした研修を実施しながら、“高齢社会に必要とされる専門職”の養成機関として、多くの卒業生を広く産業界に輩出してきました。

わが国は、世界に類をみない速さで少子・高齢化が進んでおり、特に後期高齢者が増えています。それにともない認知症高齢者も増えるなど、わが国の福祉・介護問題は深刻化しています。しかし、誰もが高齢になっても、たとえ障害をもった場合でも、自宅で地域で家族や親しい友人たちとできるだけ自立した生活をおくりたいと願っており、そのためには、福祉サービス、生活の基盤である住宅・住環境の整備が急がれます。

NPO法人福祉・住環境人材開発センターでは、平成26年度老人保健健康増進等事業国庫補助事業を受託し「介護保険制度における住宅改修研修のあり方に関する調査研究事業調査・研修結果報告書」と「介護保険制度における住宅改修事業者研修テキスト」を作成し厚生労働省に提出しています。報告書、研修テキスト等については、当NPO法人のHPをご覧いただくか、事務局へお問い合わせください。

あわせて、2009年より始まった「認知症ライフパートナー」3級・2級・1級試験(一般社団法人日本認知症コミュニケーション協議会主催)についてもご紹介いたします。認知症の人が460万人、MCI(軽度認知障害)の人が400万人といわれその7割が在宅ケアをうけており、認知症ケアと住環境整備もより強く求められるようになりました。そのためには、福祉住環境コーディネーターをはじめ、広く一般の方々にも認知症に関する知識やコミュニケーション手法を身につけることが求められます。詳細は同協議会までお問い合わせください。

本書は、福祉住環境コーディネーター2級受験のために、その要点整理、項目別チェック問題と実践的な内容となっています。さらに項目別での学習ポイント、欄外に用語解説、わかりやすいイラストなどを工夫しました。本試験の対策書としてぜひ本書を有効にご活用ください。

NPO法人 福祉・住環境人材開発センター 理事長 渡辺 光子

渡辺 光子 (著)
日本能率協会マネジメントセンター (2019/5/23)、出典:出版社HP

CONTENTS

※1-Aの“A”などのアルファベットは、『改訂 5版 公式テキスト』の表記に合わせたものです。

●本書の特徴と学習の仕方
●2級検定試験の傾向と対策

第1章 高齢者や障害者を取り巻く社会状況と福祉住環境コーディネーターの意義
第1節 高齢者を取り巻く社会状況と住環境
1-A 高齢者の生活状況と住環境整備
1-B 住環境整備の重要性・必要性
1-C 介護保険制度の概要 ①-制度導入までの高齢者保健福祉施策の変遷
1-C 介護保険制度の概要 ②-目的・理念と基本的な仕組み
1-C 介護保険制度の概要 ③-改正介護保険制度
1-D 高齢者向けの住宅施策の変遷
1-D 高齢者向けの住宅施策の体系

第2節 障害者を取り巻く社会状況と住環境
2-A 障害者の生活と住環境 ①
2-A 障害者の生活と住環境 ②
2-B 障害者福祉施策の概要
2-C 障害者向けの住宅施策の変遷と概要

第3節 福祉住環境コーディネーターの役割と機能
3-A・B 福祉住環境コーディネーターの意義、役割および職業倫理

●確認問題○×チェック

第2章 障害のとらえ方と自立支援のあり方
第1節 障害のとらえ方
1-A 障害の定義ととらえ方の変遷
1-B ICFの障害のとらえ方

第2節 リハビリテーションと自立支援
2-A 高齢者の生活機能の低下と予防・リハビリテーションのあり方
2-B 地域包括ケアと地域リハビリテーションの必要性

第3節 高齢者の心身の特性
3-A 高齢者の身体的特性
3-B 高齢者の心理と精神特性

第4節障害者の心身の特性
4-A~C 障害者の身体的特性とリハビリテーション

第5節 在宅介護での自立支援のあり方
5 在宅生活を支える介護の基本姿勢

●確認問題○×チェック
●実践問題

第3章 疾患別・障害別にみた不便・不自由と福祉住環境整備の考え方
第1節 高齢者に多い疾患別にみた福祉住環境整備
1-A 高齢者に多い疾患の特徴
1-B 高齢者に多い疾患 ①-脳血管障害(脳卒中)
1-C 高齢者に多い疾患 ②-廃用症候群
1-D 高齢者に多い疾患 ③-骨折
1-E 高齢者に多い疾患 ④-認知症
1-F 高齢者に多い疾患 ⑤-関節リウマチ
1-G 高齢者に多い疾患 ⑥-パーキンソン病
I-H 高齢者に多い疾患 ⑦-糖尿病
1-I 高齢者に多い疾患 ⑧-心筋梗塞

第2節 障害別にみた福祉住環境整備
2-A 肢体不自由 ①-脊髄損傷
2-A 肢体不自由 ②-進行性疾患
2-A 肢体不自由 ③-脳性麻痺、切断
2-B 内部障害 ①-心臓機能障害、呼吸器機能障害
2-B 内部障害 ②-腎臓機能障害、膀胱・直腸、小腸機能障害
2-B 内部障害 ③-肝臓機能障害、内部障害の在宅療法と医療機器
2-C 視覚障害(視力障害/視野障害) ①-障害の把握
2-C 視覚障害(視力障害/視野障害) ②-福祉住環境整備
2-D 聴覚・言語障害 ①-聴覚障害
2-D 聴覚・言語障害 ②-言語障害
2-E 認知・行動障害 ①-高次脳機能障害
2-E 認知・行動障害 ②-発達障害
2-E 認知・行動障害 ③-知的障害、精神障害

●確認問題○×チェック
●実践問題

第4章 相談援助の考え方と福祉住環境整備の進め方
第1節 福祉住環境整備とケアマネジメント
1-A 介護保険制度とケアマネジメント
1-B 福祉住環境整備におけるアセスメン
第2節福祉住環境整備の進め方
2-A 相談援助の基本的な考え方 ①-相談援助の基本的視点
2-B 相談援助の基本的な考え方 ②-相談援助の方法
第3節 福祉住環境整備関連職への理解と提携
3-A・B 関連職との関わり方と関連する主な職種
第4節 相談援助の実践的な進め方
4 福祉住環境整備の進め方

●確認問題O×チェック

第5章 福祉住環境整備の基本技術と実践に伴う知識
第1節 福祉住環境整備の共通基本技術
1-A・B 段差の解消と床材の選択 ①
1-A・B 段差の解消と床材の選択 ②
1-C 手すりの取り付け
1-D 建具への配慮
1-E・F スペースや家具・収納への配慮
1-G~F 色彩・照明計画、インテリア、冷暖房、非常時の対応、経費・維持管理の配慮

第2節 生活行為別福祉住環境整備の手法
2-A 外出 ①-アプローチ・外構
2-A 外出 ②-玄関の住環境整備
2-B 屋内移動 ①-廊下
2-B 屋内移動 ②-階段
2-C 排泄
2-D 入 浴
2-E 更衣(着脱衣)・洗面・整容
2-F 調理と食事、団らん
2-G 就寝

補節 福祉住環境整備の実践に必要な基礎知識
補-A 建築図面のルールと読み方
補-B・C 住環境整備における留意事項、住宅建築における見積もりの基礎知識

●確認問題○×チェック
●実践問題

第6章 在宅生活における福祉用具の活用
第1節 福祉用具の意味と適用
1-A・B 福祉用具の意味と適用

第2節 生活行為別にみた福祉用具の活用
2-A 起居・就寝
2-B 移動 ①-つえ・歩行器
2-B 移動 ②-車椅子・付属品
2-B 移動 ③-スロープ・段差解消機・階段昇降機
2-B 移動 ④-リフト・吊り具
2-C 排泄
2-D 入 浴
2-E 生活動作補助用具、聴覚・言語障害関連用具

●確認問題○×チェック
●実践問題
索引

渡辺 光子 (著)
日本能率協会マネジメントセンター (2019/5/23)、出典:出版社HP

本書の特徴と学習の仕方

本文の特徴
出題範囲となる東京商工会議所編『改訂5版 福祉住環境コーディネーター検定試験®2級公式テキスト(以下、公式テキスト)』(2019年2月発刊)をもとに、その要点と出題の可能性が高い内容をまとめています。また、脚注には、重要な用語の解説や試験に役立つ情報が掲載されています。

確認問題○×チェック、実践問題の特徴
「確認問題O×チェック」は福祉住環境コーディネーター2級検定試験の過去問題の選択肢を抜き出し(一部はオリジナル問題)、章別に整理しています。選択肢を分解して、1問ずつ○×で解答していくことで、より確実な知識が身につきます。

「実践問題」は実際の出題形式に即したオリジナル問題と過去問題を掲載したもので、実践感覚を養いつつ、総まとめに役立てられる問題です。
「解答・解説」は別冊で、取り外してチェックできます。

渡辺 光子 (著)
日本能率協会マネジメントセンター (2019/5/23)、出典:出版社HP

2級検定試験の傾向と対策

・出題形式と問題数
出題はマークシート形式で、原則的に四肢択一問題と穴埋め問題が出題され ています。問題数は、以前は41間(170肢)で固定され、O×組み合わせ問題、4肢の中から適切肢または不適切肢を1つ選ぶ問題、短文の穴埋め問題、の4種類の形式だけが出題されてきました。しかし、最近は、この他に長文中にいくつか穴があり、「語群」から適切なものを選ぶ穴埋め問題や、複数の選択肢から該当するものをいくつか選ぶ問題(例えば、10の文章から正しいものを5つ選ぶ)など、多様な形式の問題がみられるようになっています。

また、O×組み合わせ問題では、おおよそ○と×が2つずつの組み合わせの選択肢でしたが、全部Oや×、3つ)や×など、さまざまなパターンの組み合わせもみられるようになっています。

・出題の特徴
2級検定試験では、公式テキストの本編第1章から第6章までの知識と、それを理解したうえでの応用力が問われます。全体的な試験問題の特徴としては、 次のような点があげられます。(順不同)

1 公式テキスト全体からまんべんなく出題されること
2ほぼ公式テキストの記述通りの選択肢文章であること
3 第1問からほぼ公式テキストの目次に従った順序で問題が出題されること(穴埋め問題、事例問題を除く)
4 事例問題が出題されること
5過去に出題された選択肢が繰り返し出題されていること

2019年に実施される第42回試験(7月)と第43回試験(11月)については、『改 訂5版2級公式テキスト」から出題されることが東京商工会議所より発表されています。直近の法改正など、新たに追加された内容は特に出題の可能性が高くなりますので、よく確認しておきましょう。

・事例問題のポイント
事例問題では、図面を読み取る力と横断的に考える力が求められます。中心となるのは、第5章の住環境整備の内容および補節の内容ですが、それにあわせて第3章の疾患や障害別の住環境整備や、第6章の福祉用具の活用の内容を 関連づけて理解していくことが対策の基本になるでしょう。

参考までに、これまでの事例問題のテーマ (対象者)についてさかのぼって みると、「パーキンソン病の人の住環境整備」(第41回)、「脳性麻痺の人の住環 境整備」(第40回)、「脊髄損傷者の住環境整備」(第39回)、「パーキンソン病による歩行困難」(第38回)、「関節リウマチのある人の住環境整備」(第37回)、「脳性 麻痺による四肢体幹機能障害」(第36回)、「パーキンソン病による歩行困難者」(第35回)、「脳出血による左片麻痺者」(第34回)、「脳梗塞による右片麻痺者」(第 33回)、「パーキンソン病による歩行障害者」(第32回)が出題されてきました。

問題とされる事例は公式テキスト巻末の「事例集」(P.402~443)を題材として出題されてきましたが、最近ではオリジナルの事例、図面が出題されること もあります。とは言え、従来通りに、第1章~第6章の本文に加えて巻末の「事 例集」についても目を通して、各事例の内容についても確認しておくとよいで しょう。

・得点アップのポイント
欄外の用語解説・コラムに注意!
試験問題全体の特徴の一つとして、「公式テキストからまんべんなく出題がなされる」という点をあげましたが、欄外の用語解説についても、どこから出題 「されても対応できるように正確に押さえておく必要があります。

イラスト・図表問題に注意!
イラストを使った問題や、あるいは表を使った問題などもよく出題されています。対策としては、公式テキストの本文を読む際に、図・イラストなどもセットで目に入れるように意識することが必要です。なお、図表についてはその横や下に付いている説明文もよく出題されています。 忘れずに押さえておきましょう。

渡辺 光子 (著)
日本能率協会マネジメントセンター (2019/5/23)、出典:出版社HP

2020年版 ユーキャンの福祉住環境コーディネーター2級 速習レッスン

ユーキャンがよくわかる!その理由

●でるポイントを重点マスター!
■頻出度(A、B、Cの3段階)を表示
過去18回の試験の出題内容を徹底分析。そのデータに基づいて頻出度を表示しています。
■『カギ』となる部分をピックアップ
学習の『カギ』となる部分を、各項目の冒頭にピックアップしています。

●やさしい解説ですぐわかる
■平易な表現と簡潔な文章
読んですぐに理解できるよう、平易な表現と簡潔な文章で、学習内容を解説しています
■豊富なイラスト&チャート図
学習内容をイメージで理解できるようイラスト&チャート図を豊富に盛り込んでいます。

●一問一答チェックで理解度アップ
■学習のまとめに過去&予想問題
学習した内容の復習、また理解度を確認するために、○×式の過去問題と予想問題を掲載しています。

目次

ABC=頻出度

資格について
本書の使い方
出題傾向の分析と対策

・福祉
第1章 高齢者・障害者と福祉住環境整備
C1福祉住環境の調整役
A2高齢者や障害者の生活
A3在宅介護での自立支援
A4障害のある状態とは

第2章 高齢者を取り巻く社会状況
A5進行する日本の高齢化
A6介護保険制度の概要

第3章 障害者を取り巻く社会状況
B7日本の障害者の現況
A8障害者福祉施策の概要

第4章 日本の福祉住環境
B9住宅施策の変遷
A10住宅施策の体系
B11日本の住環境の問題

第5章 福祉住環境整備の進め方
A12福祉住環境整備の流れ
A13福祉住環境整備に関連する職業
A14実践的な進め方

・医療
第1章 高齢者・障害者の特性
A15心身の特性
C16高齢者の医療とケア

第2章 高齢者に多い疾患
A17脳血管障害(脳卒中)
B18関節リウマチ
A19認知症
A20パーキンソン病
A21心筋梗塞と廃用症候群
A22糖尿病と骨折

第3章 障害をもたらす疾患
B23肢体不自由(1)
A24肢体不自由(2)
A25内部障害
A26視覚障害
B27聴覚言語障害
B28認知・行動障害(1)
B29認知・行動障害(2)

・建築
第1章 福祉住環境整備の基本技術
A30段差の解消・床材の選択
A31手すりの取り付け
A32生活スペースと建具
B33家具や収納とインテリア
C34非常時の対応
C35経費・メンテナンス

第2章 生活行為別福祉住環境整備の方法
A36外出のための屋外整備
A37玄関
B38廊下
B39階段
A40トイレ
A41浴室
B42洗面・脱衣室
B43キッチン
B44寝室

第3章 福祉住環境整備の実装
B45建築設計と施工の流れ
B46建築図面の種類
C47建築の基礎知識

・福祉用具
第1章 福祉用具とは
A48福祉用具とは何か
B49福祉用具の選択・適用

第2章 福祉用具の使い方
A50特殊寝台・付属品と体位変換器
A51つえ
B52歩行器・歩行車
A53車いす
B54段差を解消する福祉用具
C55リフト・吊り具
B56便器・便座の種類
A57入浴を補助する用具
A58生活動作補助用具
A59聴覚・言語・視覚関連の用具
A60義肢と装具の役割

索引

資格について

①福祉住環境コーディネーターとは
(1)必要となる福祉住環境整備
わが国では平均寿命が延び、高齢化が急速に進んでいます。これに伴い高齢者が自宅で過ごす時間が長くなっていますが、日本家屋は、段差が多い。廊下や開口部が狭いなど、高齢者にとって安全で快適な住まいとはいえません。これは障害者にとっても同じです。実際に、多くの家庭内事故が起こっています。安心して、快適に、自立して住むことのできる「福祉住環境」の整備が必要とされている中、その中核を担う人材が「福祉住環境コーディネーター」です。

(2)福祉住環境コーディネーターの業務
福祉住環境コーディネーターの主な業務は、高齢者や障害者の身体機能や生活状況を十分に考慮し、これらに配慮した住宅改修の検討や、福祉用具等の利用についてのアドバイスなどを行う、というものです。また、福祉住環境コーディネーター2級の資格を取得すると、担当の介護支援専門員がいない場合は、「住宅改修についての専門性を有する者」として、介護保険で住宅改修の給付を受けるために必要な「理由書」を作成することができます(市町村によって扱いは異なります)。

②試験について
(1)主催団体・問い合わせ先
福祉住環境コーディネーター検定試験®は、東京商工会議所が主催しています。
試験についての問い合わせは、電話または電子メールで受け付けています。また、試験についての情報は、ホームページ「東京商工会議所検定試験情報」に記載されています。

東京商工会議所検定センター03-3989-0777
(受付時間:土・日・祝休日・年末年始を除く10:00~18:00)
ホームページhttps://www.kentei.org/

(2)試験実施月
2級、3級ともに7月と11月の年2回、試験が実施されています。

(3)受験資格
学歴・年齢・性別・国籍による受験資格の制限はありません。所定の手続きを済ませれば、どなたでも受験することができます。また、3級に合格していなくても、2級を受験することができます。試験は3級が午前2級が午後に行われるため、両方の級を同日に受験することも可能です。

(4)出題形式
マークシート方式による選択問題です。

(5)合格基準
2級、3級ともに、100点満点中70点以上で合格となります。

(6)制限時間
試験の制限時間は、2級、3級ともに2時間です。

(7)試験会場
受験エリアは各都道府県に1か所以上あります。試験会場は、試験前に東京商工会議所より送付される受験票に記載されています。
※上記は東京商工会議所のホームページの「試験要項」によっています。

③合格率
過去の試験の合格率は、次のようになっています。

・3級

試験日 受験者(人) 合格者(人) 合格率
第32回 H26.7.6 6,692 4,975 74.3%
第33回 H26.11.23 6,702 4,314 64.4%
第34回 H27.7.12 6,312 3,971 62.9%
第35回 H27.11.22 6,521 4,171 64.0%
第36回 H28.7.10 5,861 2,536 43.3%
第37回 H28.11.27 6,200 3,169 51.1%
第38回 H29.7.9 4,898 2,460 50.2%
第39回 H29.11.26 5,941 2,923 34.1%
第40回 H30.7.8 4,584 2,595 56.6%
第41回 H30.11.25 5,294 2,934 55.4%
第42回 R1.7.7 4,288 2,600 60.6%
第43回 R1.11.24 5,237 2,924 55.8%

 

・2級

試験日 受験者(人) 合格者(人) 合格率
第32回 H26.7.6 12,905 4,890 37.9%
第33回 H26.11.23 15,423 6,522 42.3%
第34回 H27.7.12 14,233 10,072 70.8%
第35回 H27.11.22 13,495 5,345 39.6%
第36回 H28.7.10 13,156 7,470 56.8%
第37回 H28.11.27 13,125 5,236 39.9%
第38回 H29.7.9 11,884 5,828 49.0%
第39回 H29.11.26 11,863 6,152 51.9%
第40回 H30.7.8 10,394 1,437 13.8%
第41回 H30.11.25 11,446 4,812 42.0%
第42回 R1.7.7 9,130 2,729 29.9%
第43回 R1.11.24 10,404 4,637 44.6%

 

本書の使い方

●頻出度を確認
頻出度(A、B、Cの3段階)を確認しましょう。
※過去問題(第26回以降)の分析がもとになっています。

●重要部分をチェック
各項目の冒頭にピックアップされた、学習の『カギ』となる部分をチェックしましょう。

●本文を学習
欄外の記述や、福田先生・ミサオさんのアドバイス、イラスト&チャート図を活用しながら、学習を進めていきましょう。

●問題にチャレンジ
学習した内容の復習、また理解度を確認するために、○×式の過去問題と予想問題に挑戦しましょう。
※本文中にはない内容に関する過去問題も、補足として部掲載しています。
※過去問題には、一部改題している問題もあります。

出題傾向の分析と対録

①各カテゴリーの出題ポイント・対策
《福祉編》
■高齢者・障害者と福祉住環境整備(本書のレッスン1~4)
福祉住環境コーディネーターの役割と機能を確認し、その必要性について理解します。
また、「自立」をキーワードに、介護・介助のあり方や、リハビリテーションの意義などを学習します。とくに地域リハビリテーションや在宅介護、ケアマネジメントの意義と実践については、近年の注目すべきポイントです。

■高齢者を取り巻く社会状況(本書のレッスン5、6)
少子高齢化はすでに一般的な話題となっていますが、わが国の実状を把握します。その中で整備されつつある介護保険制度の目的と仕組み、福祉住環暗数備とのかかわりを学びます。

■障害者を取り巻く社会状況(本書のレッスン7、8)
障害者の社会における立場と生活の状況、社会参加の可能性などを把握します。障害者総合支援法による制度面を中心に、障害者福祉施策の概要と地域社会における実施状況などを学びます。

■日本の福祉住環境(本書のレッスン9~11)
高齢者・障害者に関する住宅施策の変遷、現在の体系から今後の課題までを学びます。また、わが国の住宅に関する問題点を理解し、改善点を探ります。

■福祉住環境整備の進め方(本書のレッスン12~14)
ケアマネジメントの観点から、福祉住環境整備をどのようにとらえていくか、住宅改修をどのように提案・計画していくか、などをとらえていきます。具体的には、関連専門職との協働も含めて、実務的な進め方を学びます。とくに、相談支援については注目されており、考え方や実務の流れ、注意点などについても多く出題されています。原則から系統立てて理解することが必要です。

《医療編》
■高齢者・障害者の特性(本書のレッスン15、16)
高齢者・障害者の身体的・精神的特性としては、どのようなものがあるのか。それを理解することで、本人や家族が持つ住宅改修についてのニーズの把握提案に活かします。

■高齢者に多い疾患(本書のレッスン17~22)
脳血管障害やパーキンソン病、認知症などの症状と、それに対応する住環境整備の具体的な方法について学習します。疾患の特徴や生活上の問題点だけでなく、介護者の負担、同居家族の精神面なども考慮して住宅改修等を効果的に行う視点が大切です。

■障害をもたらす疾患(本書のレッスン23~29)
進行性疾患や脊髄損傷について多く出題されています。脊髄損傷では、損傷レベル別の到達可能なADLと、それぞれのレベルに応じた場所別の住環境整備について、詳細な知識が求められます。

《建築編》
■福祉住環境整備の基本技術(本書のレッスン30~35)
段差解消の具体的な方法や手すりを設置する際の留意点、使いやすくするために必要なスペース・有効幅員などについてよく問われています。

■生活行為別福祉住環境整備の方法(本書のレッスン36~44)
日常生活を送るうえで必要とされる住環境整備を、生活行為別にみていきます。一般論だけではなく、近年の傾向を加味した具体的な方法を学びます。

■福祉住環境整備の実践(本書のレッスン45~47)
住環境整備を行うにあたって関連する法律や制度を学びます。また、施工の流れや、その工程や必要とされる図面の種類と用途などを学びます。住環境整備に関係してくる構造を表す記号やその読み取り方なども大切です。

《福祉用具編》
■福祉用具とは(本書のレッスン48、49)
「福祉用具法」による福祉用具の定義や介護保険制度の対象種目について学習します。また、利用者の条件に合った福祉用具支援のプロセスや他職種との連携はとくに重要ですから、確実に理解することが必要です。

■福祉用具の使い方(本書のレッスン50~60)
車いすやリフト、段差解消機、排泄や入浴、就寝関連の福祉用具など、適用する場合の条件や使用方法・環境などに関する内容が多く出題されています。また、福祉用具といってもさまざまな用途・種類があります。それぞれの特徴や使用方法を理解することが、それらの用具を採り入れやすい、また採り入れるための住環境整備を考える力につながります。

②出題範囲について
福祉住環境コーディネーター検定試験®は福祉住環境コーディネート検定試験公式テキストに準拠して出題されます。2級および3級に関して2019年1月に公式テキスト改訂5版が発行され、2019年7月実施の第42回試験からその内容が反映されています。また、東京商工会議所によると、2級の出題範囲では、2級公式テキストの本編の知識と、それを理解したうえでの応用力を問うとしています。さらに2級の基準としては、3級レベルの知識に加え、福祉と住環境等の知識を実務/活かすために、幅広く確実な知識を身に付け、各専門職と連携して具体的な解決策を提案できる能力を求める、としています。

2020年版 ユーキャンの福祉住環境コーディネーター2級 重要過去問&予想模試

ユーキャンがよくわかる!その理由

●ココから出る!テーマ別合格ライン突破への161問
■各テーマごとに、的確にポイントを押さえた161問を掲載
『福祉住環境コーディネーター検定試験®︎2級公式テキスト改訂5版』を徹底的に分析。第30回~第43回試験より厳選した過去問題と各分野のポイントを押さえた予想問題で構成された、要点チェック問題を161問掲載しています。

■第30回(2013年7月7日実施)~第43回(2019年11月24日実施)試験の出題ポイントを反映
過去14回の試験出題内容を分析し、頻出度を表示しています。

■「基本」「発展」マーク付き
特に基本的・発展的な問題には、マークを付けています。

●充実解説だから出題の意図がわかる、応用力が身につく!
■すべての問題にポイントを押さえた解説を掲載
すべての問題について、出題意図を確実に押さえた解説を掲載しています。

■重点解説にPOINTを表示
解説のうち、必ず覚えておきたい数値・用語などを含むものは、POINTマークを表示してい
ます。

■プラスワンの解説も充実
その項目で出てくる重要な用語は「キーワード」、問題を解くうえで押さえておきたい知識は「ステップアップ」、合格へのポイントとなる頻出事項などは「合格エッセンス」、過去問の重要類題は「こんな問題もでた!!」として、まとめています。

●予想模擬試験(2回)を収録
■本番の試験をシミュレーション
実際の試験を想定した問題構成・体裁・解答方法で、本試験をシミュレーションすることができます。

CONTENTS

資格について
本書の使い方
出題傾向の分析と対策

要点チェック問題
第1章 福祉
1.福祉住環境の調整役
2.高齢者や障害者の生活
3.在宅介護での自立支援
4.障害のある状態とは
5.進行する日本の高齢化

6.介護保険制度の概要
7.日本の障害者の現況
8.障害者福祉施策の概要
9.住宅施策の変遷
10.住宅施策の体系

11.日本の住環境の問題
12.福祉住環境整備の流れ
13.福祉住環境整備に関連する職業
14.実践的な進め方

第2章 医療
15.心身の特性
16.高齢者の医療とケア
17.脳血管障害(脳卒中)
18.関節リウマチ
19.認知症
20.パーキンソン病

21.心筋梗塞と廃用症候群
22.糖尿病と骨折
23.肢体不自由(1)
24.肢体不自由(2)
25.内部障害

26.視覚障害
27.聴覚言語障害
28.認知・行動障害(1)
29.認知・行動障害(2)

第3章 建築
30.段差の解消・床材の選択
31.手すりの取り付け
32.生活スペースと建具
33.家具や収納とインテリア
34.非常時の対応
35.経費・メンテナンス

36.外出のための屋外整備
37.玄関
38.廊下
39.階段
40.トイレ

41.浴室
42.洗面・脱衣室
43.キッチン
44.寝室
45.建築設計と施工の流れ
46.建築図面の種類
47.建築の基礎知識

第4章 福祉用具
48.福祉用具とは何か
49.福祉用具の選択・適用
50.特殊寝台・付属品と体位変換器
51.つえ
52.歩行器・歩行車

53.車いす
54.段差を解消する福祉用具
55.リフト・吊り具
56.便器・便座の種類
57.入浴を補助する用具

58.生活動作補助用具
59.聴覚・言語・視覚関連の用具
60.義肢と装具の役割

第5章 事例問題

予想模擬試験
第1回予想模試問題
第2回予想模試問題

■別冊
「予想模擬試験」解答・解説編

資格について

①福祉住環境コーディネーターとは
(1)必要となる福祉住環境整備
わが国では平均寿命が延び、高齢化が急速に進んでいます。これに伴い、高齢者が自宅で過ごす時間が長くなっていますが、日本家屋は、段差が多い、廊下や開口部が狭いなど、高齢者にとって安全で快適な住まいとはいえません。これは障害者にとっても同じです。実際に、多くの家庭内事故が起こっています。安心して、快適に、自立して住むことのできる「福祉住環境」の整備が必要とされていている中、その中核を担う人材が「福祉住環境コーディネーター」です。

(2)福祉住環境コーディネーターの業務
福祉住環境コーディネーターの主な業務は、高齢者や障害者の身体機能や生活状況を十分に考慮し、これらに配慮した住宅改修の検討や、福祉用具等の利用についてのアドバイスなどを行う、というものです。また、福祉住環境コーディネーター2級の資格を取得すると、担当の介護支援専門員がいない場合は、「住宅改修についての専門性を有する者」として、介護保険で住宅改修の給付を受けるために必要な「理由書」を作成することができます(市町村によって扱いは異なります)。

②試験について
(1)主催団体・問い合わせ先
福祉住環境コーディネーター検定試験®︎は、東京商工会議所が主催しています。試験についての問い合わせは、電話または電子メールで受けつけています。また、試験についての情報は、ホームページ「東京商工会議所検定試験情報」に記載されています。

東京商工会議所検定センター03-3989-0777
(受付時間:土・日・祝休日・年末年始を除く10:00~18:00)
ホームページhttps://www.kentei.org/

(2)試験実施月
2級、3級ともに7月と11月の年2回、試験が実施されています。

(3)受験資格
学歴・年齢・性別・国籍による受験資格の制限はありません。所定の手続きを済ませれば、どなたでも受験することができます。また、3級に合格していなくても、2級を受験することができます。試験は3級が午前、2級が午後に行われるため、両方の級を同日に受験することも可能です。

(4)出題内容
3級では、生活者の視点からの「福祉と住環境の関連分野の基礎的な知識についての理解度」が問われます。ここでいう住環境には、子どもから高齢者まで全世代を対象とした地域コミュニティ・まちづくりも含まれます。2級では、実務者の視点からの「幅広く確実な専門知識とその理解、各専門職との連携により具体的解決策を提案できる能力」が問われます。つまり、介護、医療、福祉、建築福祉用具に関しては、それらを適用できるまでの深い理解が必要です。そして、福祉住環境に関する問題点の抽出だけでなく、クライアントのニーズ、経済的状況、福祉制度、建築技術や福祉用具による対応等を総合的に勘案したうえでの各専門職との連携により、的確な解決策を提案できる知識・技能が求められます。

(5)出題形式
マークシート方式による選択問題です。

(6)合格基準
3級、2級ともに、100点満点中70点以上で合格となります。

(7)制限時間
試験の制限時間は、3級2級ともに2時間です。

(8)試験会場
受験エリアは各都道府県に1か所以上あります。試験会場は、試験前に東京商工会議所より送付される受験票に記載されています。
※上記は東京商工会議所のホームページの「試験要項」によっています。

③合格率
過去の試験の合格率は、次のようになっています。

・3級

試験日 受験者(人) 合格者(人) 合格率
第32回 H26.7.6 6,692 4,975 74.3%
第33回 H26.11.23 6,702 4,314 64.4%
第34回 H27.7.12 6,312 3,971 62.9%
第35回 H27.11.22 6,521 4,171 64.0%
第36回 H28.7.10 5,861 2,536 43.3%
第37回 H28.11.27 6,200 3,169 51.1%
第38回 H29.7.9 4,898 2,460 50.2%
第39回 H29.11.26 5,941 2,923 34.1%
第40回 H30.7.8 4,584 2,595 56.6%
第41回 H30.11.25 5,294 2,934 55.4%
第42回 R1.7.7 4,288 2,600 60.6%
第43回 R1.11.24 5,237 2,924 55.8%

 

・2級

試験日 受験者(人) 合格者(人) 合格率
第32回 H26.7.6 12,905 4,890 37.9%
第33回 H26.11.23 15,423 6,522 42.3%
第34回 H27.7.12 14,233 10,072 70.8%
第35回 H27.11.22 13,495 5,345 39.6%
第36回 H28.7.10 13,156 7,470 56.8%
第37回 H28.11.27 13,125 5,236 39.9%
第38回 H29.7.9 11,884 5,828 49.0%
第39回 H29.11.26 11,863 6,152 51.9%
第40回 H30.7.8 10,394 1,437 13.8%
第41回 H30.11.25 11,446 4,812 42.0%
第42回 R1.7.7 9,130 2,729 29.9%
第43回 R1.11.24 10,404 4,637 44.6%

 

本書の使い方

最新の内容に更新・アレンジされた過去問と解説で実力UP!
本書の内容は『福祉住環境コーディネーター検定試験®︎2級公式テキスト改訂5版』に準拠しています。本書『重要過去問&予想模試』は、資格試験合格へ向けた学習計画において、実力養成に最適な問題集です。本書の「要点チェック問題」で重要事項を確認し、さらに「予想模擬試験」で本試験を完全シミュレーション。合格のための応用力をつけましょう。基本事項は、本書のシリーズ『2020年版ユーキャンの福祉住環境コーディネーター2級速習レッスン』を併用して学習するとより効果的です。

■重要事項のチェック
項目別「要点チェック問題」(P.14~190)を解き、本試験に頻出の重要事項を押さえてください。その際、必ず「解説」を読んで理解を深めましょう。繰り返し学習のため、まちがえた問題、知識があやふやな問題にはマークをしておくとよいでしょう。

■予想模試にチャレンジ
「要点チェック問題」が終わったら、「予想模擬試験」(P.193~252)にチャレンジしましょう。予想模試は、制限時間など本試験と同様の条件で実施し、終了後に別冊の「解答・解説編」で採点をしましょう。

■繰り返し学習で、効果がアップ
自分の弱い項目を中心に、改めて「要点チェック問題」に取り組み、知識を確実なものとしてください。仕上げとして「予想模擬試験」に再チャレンジすることをお勧めします。学習を繰り返すことで効果がアップします。

出題傾向の分析と対策

①各カテゴリーの出題ポイント・対策
《第1章 福祉》
■高齢者・障害者と福祉住環境整備(本書の学習項目1~4)
福祉住環境コーディネーターの役割と機能を確認し、その必要性について理解します。また、「自立」をキーワードに、介護・介助のあり方や、リハビリテーションの意義などを学習します。特に地域リハビリテーションや在宅介護、ケアマネジメントの意義と実践については、近年の注目すべきポイントです。

■高齢者を取り巻く社会状況(本書の学習項目5、6)
少子高齢化はすでに一般的な話題となっていますが、わが国の実状を把握します。その中で整備されつつある介護保険制度の目的と仕組み、福祉住環境整備とのかかわりを学びます。

■障害者を取り巻く社会状況(本書の学習項目7、8)
障害者の社会における立場と生活の状況、社会参加の可能性などを把握します。障害者総合支援法を中心に、障害者福祉施策の概要と地域社会における状況などを学びます。

■日本の福祉住環境(本書の学習項目9~11)
高齢者・障害者に関する住宅施策の変遷、現在の体系から今後の課題までを学びます。また、わが国の住宅に関する問題点を理解し、改善点を探ります。

■福祉住環境整備の進め方(本書の学習項目12~14)
ケアマネジメントの観点から、福祉住環境整備をどのようにとらえていくか、住宅改修をどのように提案・計画していくか。関連専門職との協働も含めて、実務的な進め方を学びます。
特に、相談援助の基本的視点と方法を確実に理解することが必要です。

《第2章 医療》
■高齢者・障害者の特性(本書の学習項目15、16)
高齢者・障害者の身体的・精神的特性を学び、本人や家族が持つ住宅改修に関するニーズの把握に活かします。加齢に伴う諸機能の低下、障害が生じた時期に起因する特性などがよく問われています。

■高齢者に多い疾患(本書の学習項目17~22)
脳血管障害や認知症、パーキンソン病などの症状と、それに対応する住環境整備の具体的な方法について学習します。疾患の特徴や生活上の問題点だけでなく、介護者の負担、同居家族の精神面なども考慮して住宅改造等を効果的に行う視点が大切です。

■障害をもたらす疾患(本書の学習項目23~29)
進行性疾患や脊髄損傷について多く出題されています。脊髄損傷では、損傷レベル別の到達られます。可能なADLと、それぞれのレベルに応じた場所別の住環境整備について、詳細な知識が求めれます。

《第3章 建築》
■福祉住環境整備の基本技術(本書の学習項目30~35)
段差解消の具体的な方法や手すりを設置する際の留意点、使いやすくするために必要なスペース・有効幅員などについてよく問われています。

■生活行為別福祉住環境整備の方法(本書の学習項目36~44)
日常生活をおくるうえで必要とされる住環境整備を、生活行為別にみていきます。一般論だけではなく、近年の傾向を加味した具体的な方法を学びます。

■福祉住環境整備の実践(本書の学習項目45~47)
住環境整備を行うに当たって必要な建築の制度や施工工程で必要とされる図面の見方などを学びます。図面の種類や記号の使い方、読み方なども出題されています。

《第4章 福祉用具》
■福祉用具とは(本書の学習項目48、49)
「福社用具法」による福祉用具の定義や介護保険制度の対象種目について学習します。また、利用者の条件に合った福祉用具支援のプロセスや他職種との連携は特に重要ですから、確実に理解することが必要です。

■福祉用具の使い方(本書の学習項目50~60)
車いすやリフト、段差解消機、排泄や入浴、就寝関連の福祉用具について、適用する人の状態や使用方法・環境などに関する内容が多く出題されています。福祉用具にもさまざまな種類があるので、それぞれどのような特徴があるのかを理解することで、福祉用具を採り入れるための住環境整備を考えていく力につながります。

②出題範囲について
福祉住環境コーディネーター検定試験では、福祉住環境コーディネーター検定試験公式テキストに準拠して出題されます。2級および3級に関しては、2019年1月に公式テキスト改訂5版が発行され、2019年7月実施の第42回試験からその内容が反映されています。また、東京商工会議所によると、2級の出題範囲では、2級公式テキストの本編の知識と、それを理解したうえでの応用力を問うとしています。さらに2級の基準としては、3級レベルの知識に加え、福祉と住環境等の知識を実務に活かすために、幅広く確実な知識を身につけ、各専門職と連携して具体的な解決策を提案できる能力を求める、としています。

 

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