救急救命士のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
救急救命士の概要
救急救命士は、救急車に同乗して医師の指示に従って患者へ救急措置を施す専門職です。医療行為を行うことができ、救急救命士になるためには国家資格を取得しなければなりません。そのため、認可されている学校や専門機関を修了している必要があります。消防局に入隊するのに必ずしも必要な資格ではありませんが、入隊後の資格取得は時間や条件が厳しくなります。そのため入植前に取得しておく方が良いでしょう。
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救急救命士の公式テキスト
公式テキストはありません。基本的に認定学校を修了している必要があるので、養成機関で使用していた教材を使って学習することをおすすめします。
救急救命士のおすすめテキスト
1.「救急救命士標準テキスト〈上巻〉」(へるす出版)
救急救命士の標準テキストです。医療法・薬事法などの改正にも対応。国家試験の出題基準にも対応しているので、上下巻合わせて購入すると良いでしょう。
2.「救急救命士標準テキスト〈下巻〉」(へるす出版)
救急救命士の標準テキストです。医療法・薬事法などの改正にも対応。国家試験の出題基準にも対応しているので、上下巻合わせて購入すると良いでしょう。
3.「第41回 救急救命士国家試験問題 解答・解説集」(へるす出版)
2018年に実施された救急救命士の国家試験の解答・解説が収録されています。過去に実施された試験問題も販売されているので、試験前に繰り返して行うと自信を持って試験を受けることができるでしょう。
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目次 – 救急救命士標準テキスト〈上巻〉
改訂第9版の編集にあたって
救急救命士法が公布されて間もなく25年になり,現在,救急救命士有資格消防職員は3万1000人以上,うち2万3000人以上が実際に救急救命士として活躍している。
救急救命士制度はもはや社会に着実に定着し,病院前医療の一環をしっかりと担い市民の救命や救護に寄与しているのはまことに頼もしい限りである。
救急救命士による処置の範囲は拡大され続け、平成26年4月からは医師の指示のもとショック決意の傷病者に対する輸液や低血糖状態に対するブドウ糖投与が認められるようになった。いっぽう救急救命士国家試験出題基準の見直しが行われ、その平成27年度版が公表された。この間,医療法,薬事法,感染症法などの関連法規の改正も行われている。今回の本テキストの改訂はこれらの変化を受けて行われたものである。
実は第9版の改訂作業の準備はもっと早くから進められていた。基本的な骨組みや求められる知識技能の基準は国家試験出題基準に準拠しつつも、章立ての変更や移動などを含めより全体的な整理を図る努力をまず行った。そして困難な環境の中で活動する現場の救急救命士の姿を思い描きながら,救急救命士に真に必要な知識技能一その幅と深みは何なのかを強く意識して、執筆編集にあたってきたつもりである。
例えば臓器別の病態生理の解説に偏りがちな医師の教科書などとは異なるべきものとした。今回はあらたに「到達目標」をかかげてみた。教育には到達目標が必要である。そして教育における到達目標は,現実的具体的で,わかりやすく,到達度が評価できるものでなければならない。まだまだ編集委員の力不足でこれらの目的が十分達成されているとは言いがたいが意図するところは汲んでいただきたい。
本書が,救急救命士を志す人たちにはもちろん,現任救急救命士の再教育の教材としてもお役にたつところ少なくないとすれば,著者や編集委員たちにとってこれ以上の喜びはない。
最後に改訂版出版にあたり,長時間を割いて多大な労をお取りいただいた編集委員の方々に心から深く感謝する。
平成27年8月
編集委員長 桂田菊嗣
執筆者一寬(五十音順)
相川直樹
慶應義塾大学名誉教授(第Ⅰ編第1章2)
浅井康文
函館新都市病院(第Ⅲ編第6章7)
浅利靖
北里大学(第Ⅲ編第7章2)
安心院康彦
帝京大学(第Ⅲ編第6章5)
有賀徹
昭和大学(第I編第1章3)
猪口真樹
東海大学(第Ⅲ編第6章7)
池田寿昭
東京医科大学八王子医療センター・(第II編第1章8)
池田弘人
帝京大学(第Ⅲ編第6章13,14.15)
石倉宏恭
福岡大学(第Ⅲ編第5章6)
石松伸一
聖路加国際病院(第Ⅲ編第7章6)
市川光太郎
北九州市立八幡病院(第Ⅲ編第5章12)
井上貴昭
順天堂大学(第Ⅲ編第1章10)
大久保一郎
筑波大学(第I編第2章1,2)
太田祥一
東京医科大学(第Ⅲ編第6章10)
大友康裕
東京医科齒科大学(第Ⅲ編第6章9.10.11)
大橋教良
帝京平成大学
尾方純一
救急救命東京研修所
岡田保誠
公立昭和病院(第II編第2章9)
小川理郎
日本体育大学(第Ⅱ編第1章13.第亚編第5章9)
小川武希
東京慈恵会医科大学(第Ⅲ編第4章2)
获原健
順天堂大学(第Ⅲ編第2章7)
奧地一夫
奈良県立医科大学(第Ⅲ編第5章10)
奥寺数
富山大学(第Ⅲ編第4章3)
小倉真治
岐阜大学(第II編第2章8)
小澤和弘
愛知医科大学(第Ⅲ編第2章7)
織田順
東京医科大学(第Ⅲ編第7章8)
織田成人
千葉大学(第Ⅲ編第5章5)
小野一之
獨協医科大学(第Ⅱ編第2章5)
桂田菊嗣
大阪府立急性期・総合医療センター名誉院長
上藤吉人
埼玉医科大学(第Ⅲ編第5章15)
川井真
日本医科大学(第Ⅲ編第6章6)
丸藤晢
北海道大学(第Ⅲ編第5章7)
岸泰宏
日本医科大学武蔵小杉病院(第Ⅲ編第5章15)
北野光秀
済生会横浜市東部病院(第Ⅲ編第4章11)
衣笠達也
三菱神戸病院(第Ⅲ編第7章7)
木下順弘
熊本大学(第Ⅲ編第5章1)
木村昭夫
国立国際医療研究センター病院(第Ⅲ編第6章8)
清田和也
さいたま赤十字病院(第Ⅱ編第3章1,2)
久志本成樹
東北大学(第Ⅲ編第6章2)
黒田泰弘
香川大学(第Ⅲ編第4章2)
小池薫
京都大学(第II編第1章11)
小井土雄一
国立病院機構災害医療センター(第Ⅲ編第5章4)
輿水健治
埼玉医科大学総合医療センター
小谷穣治
兵庫医科大学(第Ⅲ編第4章11)
近藤久禎
国立病院機構災害医療センター(第Ⅰ編第2章1,2)
坂田育弘
ベルランド総合病院(第Ⅱ編第1章7)
坂本哲也
帝京大学(第Ⅲ編第2章8,第3章5)
坂本照夫
久留米大学(第Ⅲ編第4章7,111
版本敏久
武蔵野德洲会病院(第Ⅲ編第4章4)
櫻井淳
日本大学
定光大海
国立病院機構大阪医療センター(第Ⅱ編第3章3)
重光修
大分大学(第Ⅱ編第1章6)
茂谷正德
松戸市立病院(第Ⅲ編第5章11)
嶋津岳士
大阪大学(第II編第2章3,4)
下山哲夫
埼玉医科大学総合医療センター
新藤正輝
帝京大学(第II編第1章12)
杉田学
順天堂大学(第皿編第4章13)
杉本壽
大阪大学名誉教授
鈴木邦彦
日本医師会(第I編第2章1,2)
鈴木幸一郎
川崎医療福祉大学(第Ⅲ編第7章1)
相馬一克
湘央生命科学技術專門学校(第Ⅱ編第1章5)
高山隼人
国立病院機構長崎医療センター(第Ⅲ編第2章2)
龍野昌也
長野救命医療専門学校
田勢長一郎
福島県立医科大学(第Ⅲ編第5章2)
田中秀治
国士舘大学(第II編第2章9)
田邊晴山
救急救命東京研修所(第Ⅲ編第1章7)
谷川攻一
福島県立医科大学(第Ⅲ編第6章16.第7章3)
玉川進
国立病院機構旭川医療センター
丹正勝久
東京臨海病院(第Ⅲ編第1章9)
堤晴彦
埼玉医科大学総合医療センター
寺井親則
東大阪徳洲会病院(第Ⅲ編第4章14)
中川隆
愛知医科大学(第Ⅲ編第7章8)
中谷壽男
医仁会武田総合病院(第Ⅱ編第1章10.11)
中田康城
堺市立総合医療センター(第Ⅲ編第1章2)
中野公介
川口市立医療センター(第Ⅰ編第2章1,2)
西村匡司
徳島大学病院(第Ⅲ編第3章6.第4章6)
野口宏
東海学園大学(第II編第1章2)
畑中哲生
救急救命九州研修所
馬場一黨
埼玉医科大学総合医療センター(第Ⅱ篇第1章,第助編第5章14)
平出敦
近畿大学
福建充宏
湘南鎌倉総合病院(第Ⅱ編第1章4)
福家伸夫
帝京大学(第Ⅲ編第3章3)
菩提寺浩
札幌市消防局
堀進悟
慶應義塾大学(第Ⅲ編第3章2)
益子邦洋
南多摩病院(第Ⅲ編第2章3,4)
树井良裕
聖マリアンナ医科大学(第Ⅲ編第5章3)
松本尚
日本医科大学(第Ⅲ編第1章3)
溝端康光
大阪市立大学(第Ⅲ編第5章8)
南和
草加市立病院(第Ⅲ編第2章7)
箕輪良行
東京高輪病院(第Ⅲ編第1章6,11)
三宅康史
昭和大学(第Ⅲ編第2章9.第7章5)
宮野收
東京消防庁
六車祟
横浜市立大学(第Ⅲ編第5章12)
森村尚登
横浜市立大学(第Ⅲ編第2章5)
森脇龍太郎
千葉ろうさい病院(第Ⅲ編第4章9,10)
安田和弘
松江病院(第II編第1章14)
安田康晴
広島国際大学
山口芳裕
杏林大学(第Ⅲ編第1章2)
山田知輝
大阪大学(第Ⅲ編第2章7)
山本五十年
湘南真田クリニック(第Ⅲ編第7章8)
山本保博
東和病院
行岡哲男
東京医科大学(第II編第2章1,2)
横田順一朗
堺市立総合医療センター(第Ⅲ編第6章1,2)
横田裕行
日本医科大学(第Ⅲ編第6章4)
綿田裕孝
順天堂大学(第Ⅲ編第2章7)
上巻・目次
第Ⅰ編 基礎分野
第1章 社会と医療
1人間と入間生活
A身体(からだ)
1.外面からみた身体
2.内面からみた身体
3.個体差と正常・異常
4.身体に異常をもたらすもの
B心(こころ)
1.脳と心
2.心の発達
3.心の異常
4.心と身体のおぼつかなさ
C生活(暮らし)
1.生活という言葉
2.生活を支える活動
3.平安な生活を支えるもの
4.人間の叡智への期待
2科学的思考の基礎
A科学的思考
科学(science)とは
B科学における客観性
C仮説と実証
D再現性
E母集団とサンプル(抽出標本)
F内的妥当性と外的妥当性
G普遍性
H科学とアート(scienceandart)
3生命倫理と医の倫理
A生命倫理と医の倫理
1.生命倫理に関する原則
1)自律の尊重/2)善行の原則/3)無危害の原則/4)公正・正義の原則
2.ヒポクラテスの誓い
3.ジュネーブ宣言
4.ヘルシンキ宣言
5.リスボン宣言
B生命倫理の考え方と医療の実際
C傷病者の権利を護る立場から
1.インフォームドコンセント
1)インフォームドコンセントの意義と必要性/2)救急医療におけるインフォームドコンセントの特徴
2.QOL(qualityoflife)
3.リビングウイル
4.脳死と臓器移植
D救急救命士の職業倫理
1.日常業務における救急救命士の責務
1)傷病者に対する説明/2)傷病者との協働/3)法律で定められた救急救命士の業務上の義務/4)地域の組織的な医療を担う立場
2.救急救命士が個々人として研鑽すべき責務
1)医学知識・技術の習得/2)教養・品性の陶冶
第2章 健康と社会保障
1保健医療制度の仕組みと現状
A公衆衛生の仕組み
1.健康とは
2.公衆衛生の定義
3.保健指標
4.公衆衛生に関係する行政組織
1)中央政府/2)都道府県/3)市町村/4)健所と市町村保健センター/5)保健医療行野における国際機関
B医療を取り巻く環境
1.人口構造の変化
1)急速な少子高齢社会/2)出生状況の変化/3)死亡状況の変化/4)平均寿命の延長と健康寿命
2.疾病構造の変化
1)死因の変化/2)生活習慣病/3)感染症
3.受療状況の変化
C医療供給体制
1.保健医療従事者
1)医師/2)看護師/3)救急救命士/4)薬剤師/5)歯科医師/6)その他の保健医療従事
2.医療機関
1)病院と診療所/2)病床
3.「医療法」と医療計画
1)医療圏/2)医療計画
4.在宅医療と地域包括ケア
1)在宅医療/2)地域包括ケア
D環境保健
1.食品衛生
1)「食品衛生法」:「食品安全基本法」/2)食中毒
2.公害と環境
1)公害問題と環境保健/2)廃棄物
E労働衛生を支える仕組み
1.「労働者災害補償保険法」と労働災害
2.労働衛生
3.作業関連疾患
4.トータルヘルスプロモーションプラン(THP)
5.産業医
F学校保健を支える仕組み
G母子保健を支える仕組み
1.母子保健指標
1)出生率/2)乳児死亡率,新生児死亡率/3)妊産婦死亡率
2.母子保健
1)妊娠届および母子健康手帳の交付/2)妊産婦,乳幼児に対する保健指導・訪問指導/3)健康診査/4)母子保健に関係するその他の施策/5)母体保護法
H地域保健を支える仕組み
1.「地域保健法」と保健所(市町村保健センター)
2.健康増進
I高齢者を支える仕組み
J精神保健福祉を支える仕組み
1.入院形態
1)「任意入院」/2「医療保護入院」/3)「応急入院」/4)「措置入院」/5)「緊急措置入院」
2.人権擁護
3.関連施設
1)保健所/2)精神保健福祉センター/3)精神障害者社会復帰施設
2社会保障と社会福祉を支える仕組み
A社会保障,社会福祉の仕組み
1.社会保障,社会福祉の理念
2.社会保障,社会福祉を担当する行政組織
1)福祉事務所/2)児童相談所
3.関連施設
4.社会保障の費用
1)国民医療費の動向/2)社会保障給付費全体の動向
B社会保険と制度
1.社会保険制度の理念
1)保険者/2)被保険者
2.医療保険制度
1)医療保険の種類/2)保険の給付/3)保険医療機関と保険医/4)診療報酬制度/5)各国の医療保障制度
3.介護保険制度
1)介護保険制度の保険者と被保険者/2)要介護(要支援)認定/3)サービスの種類(どのような介護が受けられるか)/4)介護支援専門員(ケアマネジャー)とケアプラン/5)費用/6)救急医療との関連
4.年金保険制度
1)年金制度とは/2)公的年金制度
C社会福祉と制度
1.生活保護
2.児童福祉
1)「児童福祉法」/2)児童虐待
3.高齢者福祉
1)老人福祉サービス/2)高齢者虐待
4.母子および寡婦福祉
1)「母子及び父子並びに寡婦福祉法」/2)「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)
5.障害者福祉
1)「障害者総合支援法」/2)障害者の定義3)障害者数/4)自立支援給付
第Ⅱ編 專門基礎分野
第1章 人体の構造と機能
1人体を構成する要素
A人体の作りとその役割
1.細胞
1)細胞とは/2)細胞の構造/3)細胞膜/4)核/5)細胞小器官
2.組織
1)上皮組織/2)支持組織/3)筋組織/4)神経組織
3.臓器
B体液
1.体液の組成
1)体液の内訳/2)体液の成分
2.細胞外液
1)血漿/2)間質液/3)血液と細胞間の物質交換
3.細胞内液
4.電解質
5.酸塩基平衡
1)酸塩基平衡とは/2)酸塩基平衡維持の仕組み
6.浸透圧
1)浸透圧とは/2)体液と浸透圧
7.電解質と体液調節のメカニズム
2体表からみる人体の構造
A人体の位置・方向・運動に関する用語
1.軸と面
2.帯
3.線と点
1)前胸部の体表で目印となる縦の線/2)背面の体表で目印となる縦と横の線/3)上肢を上に挙げたとき,側胸部の体表で目印となる縦の線
4.関節運動の方向
B体表からみた構造と名称
1.体表からの観察
1)観察の重要性/2)身体の部位
2.頭部(顔部)の構造
3.頸部の構造
4.胸部の構造
5.腹部の構造
6.会陰部の構造
7.上肢の構造
8.下肢の構造
C体表からみえる解剖学的指極
D身体各部の役割
1.頭部(顔面)・頸部の機能
1)頭部(顔面)の機能/2)頸部の機能
2.胸部の機能
1)胸郭の機能/2)呼吸系の機能/3)循環系の機能
3.腹部の機能
1)消化系の機能/2)泌尿系/3)その他
4.四肢・骨盤の機能
1)上肢の機能/2)下肢の機能
E体腔内臓器の体表からの位置関係
1.頭蓋腔
2.胸腔
3.腹腔
1)腹膜腔/2)後腹膜腔/3)骨盤腔
3神経系
A神経系の構成と役割
1.神経系の構成
1)神経系の解剖/2)神経の微細構造
2.神経系の役割
1)シナプス/2)神経伝達物質
B中枢神経系
1.大脳
2.間脳
3.小脳
4.脳幹
5.脊髄
6.脳室
7.脳脊髄液
C末梢神経系
1.脳神経
2.脊髄神経
D伝導路
1.運動の伝導路」
1)錐体路/2)錐体外路
2.知覚の伝導路
1)脊髄視床路/2)後索
E自律神経系
1.交感神経
2.副交感神経
F脳循環
1.内頸動脈系
2.椎骨脳底動脈系
3.交通動脈・ウイリス動脈輪
4.脳血流の調節
1)脳の循環と代謝/2)頭蓋内圧の調節/3)脳血流の調整
G意識
1.意識の意味
2.意識の中枢
H反射
4感覚系
A感覚系の構成と役割
1.感覚系の構成
2.感覚系の役割
B視覚
1.視覚器
2.視覚路
C平衡感覚・聴覚器
1.聴覚器
2.平衡感覚器
D嗅覚器
E味覚器
F皮膚感覚器
5呼吸系
A呼吸系の構成と役割
1.呼吸系の構成
2.呼吸系の役割
B呼吸
C気道
1.気道の構造
1)鼻腔/2)口腔/3)咽頭/4)喉頭/5)気管・気管支/6)小児の気道の構造と特徴
2.気道の機能
D胸郭
E肺
F肺胞でのガス交換
G体内での酸素の動き
H呼吸の調節
6循環系
A循環系の構成と役割
1.循環系の構成
2.循環系の役割
B心臓
1.心臓の構造
1)心膜/2)心室/3)心房/4)弁
2.刺激伝導系と心周期
1)弁の開閉/2)心周期と心電図の関係/3)心周期と心音/4)大動脈内の圧変化
3.冠循環
4.心臓のポンプ機能
C脈管
1.動脈
2.静脈
3.毛細血管
4.リンパ管
5.血管の機能
D循環の制御
1.自律神経系による制御
2.内分泌系による制御
1)カテコラミン/2)レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系/3)バソプレシン/4)心房性および脳性ナトリウム利尿ペプチド
7消化系
A消化器
1.消化器の構成と構造
2.消化器の役割
B口腔・咽頭
1.口腔
1)歯/2)舌/3)唾液腺/4)口蓋
2.咽頭
3.咀嚼と嚥下
1)咀嚼/2)嚥下
C消化管
1.食道
1)食道の部位と構造/2)食道の機能
2.胃
1)骨の部位と構造/2)胃における消化
3.小腸
1)小腸の部位と構造/2)小腸における消化・吸収
4.大腸
1)大腸の部位と構造/2)大腸における吸収・排泄
D肝臓・胆道系
1.肝臓・胆道
1)肝臓・胆道の部位と構造/2)肝臓の機能/3)胆道の機能
2.門脈
1)門脈の構造/2)門脈の機能
E膵臓
1.膵臓の部位と構造
2.膵臓の機能
F腹膜・腹腔
1,腹膜
2.腹膜腔・後腹膜腔
8泌尿系
A泌尿系の構造
B腎臓
1.腎臓とその役割
2.尿の生成
1)糸球体による濾過/2)尿細管再吸収/3)尿細管分泌/4)尿濃縮/5)1日尿量
C尿路
1.尿路の役割
2.尿管
3.膀胱
4.尿道
9生殖系
A生殖系の構造と役割
B男性生殖器
1.陰茎
1)陰茎の構造/2)勃起のメカニズム
2.精巣
3.精巣上体
4.精管,射精管
5.精嚢)
6.前立腺
7.精液の生成と射精
C女性生殖器
1.外性器
1)恥丘/2)大陰唇/3)小陰唇/4)陰核/5膣前庭/6)膣口/7)処女膜
2.内性器
1)膣/2)子宮/3)卵管/4)卵巣
3.性周期と月経
1)性周期に関連するホルモン/2)卵巣の周期的変化/3)子宮内膜の周期的変化と月経
10内分泌系
A内分泌
1.内分泌とは
2.内分泌の役割
1)ホルモンとビタミン/2)ホルモンとフィードバック
B内分泌器官
1.下垂体前葉
1)成長ホルモン/2)甲状腺刺激ホルモン3)副腎皮質刺激ホルモン/4)性腺刺激ホルモン/5)乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)
2.下垂体後葉
1)抗利尿ホルモン/2)オキシトシン
3.甲状腺
4.副甲状腺
5.副腎
1)副腎皮質ホルモン/2)副腎髄質ホルモン
6.ランゲルハンス島
1)インスリン/2)グルカゴン
7.精巣
8.卵巣
9.その他
11血液・免疫系
A血液
1.血液の成分
2.血液系の役割
1)酸素と二酸化炭素の運搬/2)物質の運搬/3)生体内部環境の維持/4)生体防御機能/5)止血・凝固
3血球
1.赤血球
2.白血球
3.血小板
4.血液の産生
C血漿
1.血漿の成分
2.血漿の役割
D骨髄の構造と機能
E脾臓
F止血と凝固
1.一次止血
2.二次止血
3.凝固因子
4.血栓
5.線溶
G免疫
1.免疫の役割
2.免疫の仕組み
1)自然免疫/2)獲得免疫
3.免疫系
1)非特異的免疫/2)特異的免疫/3)能動免疫と受動免疫
4.アレルギー
1)I型アレルギー/2)I型アレルギー/3)III型アレルギー/4)V型アレルギー
12筋・骨格系
A筋・骨格
1.筋・骨格の構造
2.筋・骨格の機能
B筋肉
1.骨格筋
2.平滑筋
3.心筋
4.筋収縮の仕組み
C骨・関節
1.骨
2.皮質骨と骨髄
3.関節
D靭帯・腱
E脊柱の構造
13皮膚系
A皮膚の構造
1.表皮
2.真皮
3.皮下(脂肪)組織
4.皮膚付属器
1)毛髪/2)爪/3)汗腺/4)脂腺/5)血管系/6)リンパ系/7)の神経系/8)立毛筋
B皮膚の役割
1.防御機能
2.知覚
3.体温調節機構
4.免疫機構
5.ビタミンD合成機構
6.情動を表出する機構
7.その他の役割
C乳房
14生命の維持
A栄養と代謝
1.栄養素
1)糖質/2)脂質/3)蛋白質/4)ビタミン5)ミネラル(無機質)
2.エネルギーを得る仕組み
1)基礎代謝/2)解糖とTCAサイクル/3)乳酸の産生/4)脂質代謝/5)蛋白質代謝
B外呼吸
1.大気
2.気道とガス交換部(肺胞)
1)気道/2)ガス交換部(肺胞)/3)ガス交換と換気
3.血液の酸素化と二酸化炭素の排出
1)酸素化/2)二酸化炭素の排出/3)ヘモグロビンと酸素解離曲線
C循環(酸素運搬と臓器血流)
1.酸素運搬
2.臓器血流
D組織酸素代謝
E内部環境
1.体液の役割とその調節
2.電解質の役割とその調節
3.酸塩基平衡の役割とその調節
4.浸透圧の役割とその調節
5.体温の役割とその調節
第2章 疾患の成り立ちと回復の過程
1疾患
A疾患の原因
1.主因と誘因、内因と外因
2.遺伝性と孤発性
3.先天性と後天性
B発症と経過
1.急性・亜急性と慢性
2.進行と増悪
3.続発症と合併症
4.心と身体の関連
5.個人差・個体差
C回復に必要な要素
1.対症療法と原因治療
2.侵襲からの回復
3.回復への支援
1)栄養管理/2)看護/3)リハビリテーション
D疾患の予防
1.予防医学
2.生活習慣病
2炎症と感染
A炎症
1.定義と原因
1)生物学的因子/2)物理的因子/3)化学的因子
2.分類
3.局所の変化と全身への影響
B感染症
1.微生物
1)ウイルス/2)細菌/3)真菌/4)寄生虫
2.感染の成り立ち
3.感染経路
4.耐性菌と菌交代現象
5.日和見感染
3循環障害
A虚血
1.病態
2.代表的な疾患
Bうっ血
1.病態
2.代表的な疾患
C出血
1.病態
2.代表的な疾患
D血栓と塞栓
1.病態
2.代表的な疾患
E梗塞
1.病態
2.代表的な疾患
F浮腫
1.病態
1)毛細血管内外の静水圧差と膠質浸透圧差/2)浮腫の発生
2.代表的な疾患
4代謝障害
A糖質の代謝障害
1,病態
2.意識障害
1)糖尿病(性)昏睡/2)低血糖
B脂質の代謝異常
1.病態
2.代表的な疾患
C蛋白質の代謝異常
1.病態
2.代表的な疾患
Dビタミンの異常
E体液と電解質異常
1.体液の異常
1)脱水症/2)水分過剰
2.電解質の異常
1)高ナトリウム血症/2)低ナトリウム血症/3)高カリウム血症/4)低カリウム血症/5)高カルシウム血症/6)低カルシウム血症
F酸塩基平衡異常
1.呼吸性アシドーシス
2.呼吸性アルカローシス
3.代謝性アシドーシス
4.代謝性アルカローシス
G内分泌異常
1.病態
2.代表的な疾患
1)甲状腺機能亢進症(甲状腺クリーゼ)/2)甲状腺機能低下症(粘液水腫性昏睡)/3)急性副腎不全(副腎発症)/4)副甲状腺(上皮小体)機能低下症/5)褐色細胞腫/6)尿崩症/7)抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
5退行性病変と進行性病変
A退行性病変
1.壊死
1)壊死とアポトーシス/2)原因と機序
2.変性
1)変性とは/2)原因と機序
3.萎縮
1)萎縮とは/2)原因と機序
B進行性病変
1.再生
1)再生とは/2)原因と機序
2.肥大
1)肥大とは/2)原因と機序
3.過形成
1)過形成とは/2)原因と機序
4.化生
1)化生とは/2)原因と機序
5.肉芽形成
6腫瘍
A腫瘍とは
B良性腫瘍
C悪性腫瘍
1.発癌
2.増殖と進展
3.転移と再発
4.症状
5.医療機関における診断
6.治療
7先天異常
A内因性先天異常
1.ダウン症候群
2.心奇形
3.消化器奇形
1)口唇口蓋裂/2)食道閉鎖/3)幽門狭窄4)鎖肛
4.ターナー症候群
5.マルファン症候群
6.フェニルケトン尿症
B外因性先天異常
1.先天性風疹症候群
2.その他の催奇形因子
8損傷
A損傷
B創傷治癒
1.一次治癒
2.二次治癒
3.骨折の治癒
4.異常な治癒
1)感染/2)組織の種類/3)損傷部位組の特徴/4)細胞増殖と細胞外基質産生の常/5)慢性炎症性疾患
9死
A死の概念
1.心臓死
2.脳死
B死体現象
1.死斑
2.死後硬直(死体硬直)
3.乾燥と角膜の混濁
4.体温下降
5.現場における明らかな死亡の判断
C死にかかわる手続きと検査
1.死亡診断書(死体検案書)と死因の種類
2.死因の推定
3.死亡時画像診断
D死体の尊厳
第3章 薬物と検査の基礎知識
1医薬品の基礎
A薬物総論
1.薬物とは
2.薬物の分類
3.医薬品の種類
1)医療用医薬品と一般用医薬品/2)劇薬と毒薬/3)添付文書/4)医薬品の剤形/5)薬剤情報の把握法
4.薬物の代謝
1)薬物の体内濃度/2)薬物の吸収,分布,代謝,排泄
5.投与経路とその特徴
1)経口投与/2)口腔内投与・直腸内投与・経皮投与・吸入投与・局所投与/3)注射
B薬物の有害作用
1.有害反応の種類
2.薬物過量と薬物中毒
3.薬物アレルギー
4.アナフィラキシー反応
2重要な医薬品
A救急救命処置に用いられる薬剤
1.アドレナリン
1)薬理作用/2)使用法/3)評価/4)副作用/5)留意点
2.乳酸リンゲル液
1)薬理作用/2)使用法/3)評価/4)副作用
3.ブドウ糖
1)薬理作用/2)使用法(3)評価/4)副作用
B使用頻度の高い薬
1.経口糖尿病薬
2.インスリン
3.亜硝酸薬
4.降圧薬
5.気管支拡張薬
6.利尿薬
7.向精神薬
8.ワルファリン
9.抗血小板薬(アスピリンなど)
10.シルデナフィル
11.抗てんかん薬
12.ステロイド
13.感冒薬
14.胃腸薬
15.鎮痛薬
16.睡眠薬
17.抗菌薬,抗ウイルス薬
C輸液•輸血製剤
1.輸液製剤
1)電解質輸液製剤/2)保養輸液製剂
2.血液製剤
1)全血製剤/2)赤血球濃厚液製剤/3)新鮮凍結血漿製剤/4)血小板濃厚液製剤/5)血漿分画製剤
D保存亡保守管理
1.法による規制
2.品質確保のための保管
1)薬の使用期限/2)薬の劣化を招く要因
3検査
A検査の目的
B基準値,カットオフ値,パニック値
C検査の種類
1.検体検査
2.生理学的検査
3.画像検査
D緊急検査
1.血液検査
2.動脈血液ガス検査
3.尿検査
4.心電検査
5.单純X線検査
6.CT検査
7.超音波検査
8.MRI(核磁共鳴)検査
9.血管造影検査
10.内視鏡検査
第Ⅲ編 專門分野
第1章 救急医学概論/病院前医療概論
1救急医療体制
A病院前医療
1.救急搬送体制
2.ドクターヘリ
3.ドクターカー
B救急医療システム
1.救急告示病院制度
2.初期・第二次・第三次救急医療機関体制
3.救急医療体制の一元化
1)初期救急医療機関/2)第二次救急医療機関/3)第三次救急医療機関
4.周産期救急医療体制
5.精神科救急医療体制
6.小児救急医療体制
1)地域/2)二次医療圏/3)三次医療/4)小児救急医療電話相談
7.医療計画と救急医療体制
C救急医療情報
1.救急医療情報センター
2.救急相談センター・救急安心センター(#7119)
2災害医療体制
A災害の概念
1.災害の定義
2.災害の分類
3.主な災害事例
B多数傷病者対応、
1.CSCATTT
2.最先着隊の活動
3.指揮命令と連絡調整(commandandcontrol)
4.安全(safety)
5.情報伝達(communication)
6.評価(assessment)
7.現場救護所と救護活動(処置・治療treatment)
8.搬送(transportation)
9.マスギャザリングへの対応
Cトリアージ
1.トリアージの概念
2.一次トリアージ
3.二次トリアージ
4.トリアージタグ
D大規模災害
1.災害医療対策の法的骨格
1)災害対策基本法/2)災害救助法/3)自衛隊に対する派遣要請/4)厚生労働省「防災業務計画」/5)武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律/6)災害医療計画2.災害拠点病院
3.DMAT
4.緊急消防援助隊
5.広域医療搬送
6.発災後の経時的医療ニーズの推移
7.要配慮者
8.災害対応における他機関との連携
9.広域災害救急医療情報システム(EMIS)
E特殊災害(CBRNE)
3病院前医療体制
A救命の連鎖
1.救命の連鎖とは
2.救命の連鎖における要素
1)心停止の予防/2)心停止の早期認識と通報/3)一次救命処置/4)二次救命処置と心拍再開後の集中治療
B市民による一次救命処置
1.一次救命処置
1)成人と小児の区切り/2)市民による一時救命措置としての心肺蘇生/3)異物除去/4)止血
2.小児一次救命処置(PBLS)
C市民教育
1.応急手当の普及
2.応急手当講習
Dメディカルコントロール
1.メディカルコントロールとは
2.具体的指示と包括的指示
3.オンラインメディカルコントロールとオフラインメディカルコントロール
1)オンラインメディカルコントロール(直接的メディカルコントロール)/2)オフラインメディカルコントロール(間接的メディカルコントロール)
4.メディカルコントロール協議会
1)役割/2)協議事項/3)構成/4)種類/5)全国メディカルコントロール協議会連絡会
5.PDCAサイクル
4消防機関における救急活動の流れ
A119番受信と通信体制
1.通信指令の概要と役割
1)消防隊との連携(PA連携)/2)医師要請
2.出動指令
3.口頭指導
B出動
C現場活動
1.状況評価
2.初期評価
3.全身観察
4.緊急度・重症度の判断
5.救急救命処置の実施
D医療機関選定と搬送
1.医療機関選定
2.搬送
3.継続観察
4.医師への引き継ぎ
E通信体制
1.現場即報
2.応援要請(他隊要請,医師要請など)
3.指示要請
4.助言要請
5.現場報告
救急活動の記録
1.救急活動記録票
2.救急救命処置録
3.事後検証票
4.「救急・救助の現況」
5.ウツタイン様式
G他の関係機関との連携
1.医療機関
2,警察
3.福祉事務所
4.保健所
5救急救命士の役割と責任
A病院前救護において果たすべき役割
1.傷病者とのかかわり
2.市民に対する責任
3.医療機関とのかかわり
4.消防指令室などとの連携
5.関係機関との連携
6.救急隊員の指導
B医療関係職種としての責任
1.守秘義務
2.救急救命処置録
3.自己研鑽(資質維持の責任)
6救急救命士と傷病者の関係
A接遇とコミュニケーションの種類
1.接遇
2.コミュニケーションの種類
1)言語的コミュニケーション/2)準言語的コミュニケーション/3)非言語的コミュニ
ケーション
B対象に応じたコミュニケーション
1.高齢傷病者とのコミュニケーション
1)高齢者の特徴/2)高齢傷病者とのコミュニケーションのとり方
2.小児とのコミュニケーション
1)小児の特徴/2)関係者への対応/3)小児傷病者への言葉遣い/4)小児傷病者の観察と処置/5)小児傷病者の搬送
3.家族や関係者とのコミュニケーション
4.医師とのコミュニケーション
1)第1報/2)第2報/3)指定の要請/4)医療機関到着後の意思への申し送り
5.救急隊員や消防隊員とのコミュニケーション
C.救急活動でのインフォームドコント
1.救急活動での説明と同意
2.意識のない傷病者への対応
3.制限行為能力者への対応
4.傷病者の意思に反する対応
5.傷病者への“説明と同意”の実感。
1)傷病者本人への“説明と同意”の手順/2)関係者(代諾者)への“説明と同意”の手順
6.生前意思表示への対応
7救急救命士に関連する法令
A法令の基本
1.法令の序列
2.法律
3.政令と省令(府令)
4.条例と規則
5.法令とは扱われないもの
6.条文
B救急救命士法
1.法の制定と目的
2.国家資格としての救急救命士
3.救急救命士の業務の場所
4.救急救命処置の定義
5.特定行為
6.義務と罰則
C医師法
D保健師助産師看護師法
E消防法
1.「消防法」の成立と改正
2.「消防法」と救急業務
1)救急隊の編成/2)救急自動車/3)回転翼航空機/4)救急隊員の行う応急処置
3.搬送・受け入れの基準
1)救急搬送,受け入れに関する協議会の設置/2)傷病者の搬送および受け入れの実施基準
F医療法
Gその他の法令
1.死亡者に関する法令
2.精神障害者に関する法令
3.酩酊者に関する法令
4.行旅病人,生活保護法適用傷病者に関する法令、
5.麻薬,覚せい剤に関する法令
8救急救命士の養成と生涯教育
A救急救命士の養成課程
B救急救命士の生涯教育
1.職場での自己研鑽
2.職場以外での自己研鑽
3.科学的思考の醸成
1)EBM/2)統計の重要性
C病院実習
1.病院実習の目的
1)観察能力の向上(2)救急救命処置技術の向上/3)各種疾患の理解度と緊急度・重症度の判断能力の向上/4)医療機関での患者への接し方/5)医療機関の救急医療体制の理解/6)医療従事者との信頼関係の構築/7)インフォームドコンセントの理解
2.病院実習の心構え
3.病院実習が行われる場所
1)救急外来/2)X線撮影室・CT検査室/3)手術室/4)病棟/5)カンファレンスルーム
4.救急ワークステーション
5.病院実習の記録
9安全管理と事故対応
A安全管理
Bリスクマネージメント
1.ヒューマンエラー
2.インシデントとアクシデント
3.ハインリッヒの法則
C傷病者の事故
1.転倒・転落
2.チューブ・カテーテル類の事故
3.誤嚥
4.感染
D救急救命士等の事故
1.感染
2.救急活動中の事故
3.暴言・暴力
E医療事故と医療過誤
1.医療事故
2.医療過誤
F救急活動における事故の報告と対応
1.事故の報告
2.事故の検証
10感染対策
A感染予防策と感染防御
1.感染予防策の変遷
2.標準予防策(スタンダードプリコーション)
3.感染経路と感染予防策
1)接触感染/2)飛沫感染/3)空気感染(飛沫核感染)/4)経口感染/5)昆虫媒介感染
B救急活動での感染防御
1.手洗い
1)手洗いの種類/2)日常手洗い/3)衛生的手洗い
2.感染防止用個人防護具
1)手袋/2)マスク/3)感染防止衣/4)ゴーグル/5)シューズカバー
C洗浄と消毒
1.清潔と不潔
2.滅菌,消毒,洗浄
1)消毒と滅菌の定義/2)滅菌,消毒,洗浄と対象資器材
3.資器材の洗浄と消毒の手順
4.消毒区分と消毒液の適応
5.救急資器材等に使用する消毒液
1)グルタラール/2)消毒用エタノール(アルコール)/3)次亜塩素酸ナトリウム/4)グルコン酸クロルヘキシジン
6.救急車内の清拭と消毒
1)床,壁面の清掃と消毒/2)清拭と消毒の手順
7.感染性リネン類の取り扱い
D感染事故と事故後の対応
1.感染事故
1)針刺し事故の場合/2)針刺し事故後の対応
2.結核への対応
1)結核傷病者への対応/2)結核傷病者搬送後の対応
3.新型インフルエンザへの対応
1)感染防護具/2)消毒方法/3)搬送上の注意点/4)資器材の取り扱いと救急車内の対応の注意点/5)119番受信の対応の注意点
4.「感染症法」に指定された感染症傷病者への対応
1)救急搬送/2)都道府県知事が搬送する場合/3)消防機関の救急搬送の場合
11ストレスに対するマネージメント
A救急活動でのストレス
1.ストレスの概念
2.ストレス反応
3.ストレス障害
1)急性ストレス障害/2)心的外傷後ストレス障害(PTSD)
B救急活動でのストレスへの対応
1.ストレス耐性
2.環境整備と相談窓口
3.ストレスへの対応
1)デフュージング(一次ミーティング)/2)デブリーフィング(二次ミーティング)/3)消防庁緊急時メンタルサポートチーム
第2章 救急医学概論/救急救命処置概論
1観察
A観察の目的と意義
Bバイタルサイン
1.呼吸
2.脈拍
3.血圧
4.体温
5.意識
C観察の方法
1.問診
1)問診の意義/2)救急現場活動で聴取する情報/3)質問の方法
2.視診
3.聴診
4.触診
5.打診
2現場活動の基本
A状況評価
1.感染防御
2.携行資器材の確認
3.安全確認と二次災害防止
1)各種救急現場の注意点/2)疾病救急の場合
4.発症状況・受傷機転の確認
5.傷病者数の確認と応援要請
6.搬送経路の確認
B初期評価
1.外見
2.気道
3.呼吸
4.脈拍
5.血圧
6.意識
C全身観察と重点観察
1.全身観察
2.重点観察
D緊急度・重症度判断と医療機関選定
1.緊急度・重症度判断
2.医療機関選定
E搬送と車内活動
1.搬送
2.継続観察
3.詳細観察
3全身状態の観察
A外見の観察
1.体位
2.顔色・顔貌・表情
3.嘔吐
4.喀血・吐血
5.四肢の変形
6.外出血
7.皮膚
8.失禁
9.痙攣
10.栄養
11.会話,態度
12.歩行
13.行動
B気道に関する観察
1.気道の開通
2.気道閉塞
C呼吸に関する観察
1.呼吸有無
2.呼吸性状
1)呼吸数2)呼吸型,左右差/3)呼吸樣式,異常呼吸
D循環に関する観察
1.脈拍の有無
2.脈拍の性状と様式
1)脈拍数/2)調律(リズム)/3)脈の大きさ/4)脈の緊張度
3.血圧
E神経に関する観察
1.ジャパンコーマスケール(JCS,3-3-9度方式)
2.グラスゴーコーマスケール(GCS)
3.意識障害の特殊型
1)せん妄/2)もうろう状態
4.神経学的異常の観察
1)運動機能/2)知覚/3)髄膜刺激症候/4)失語症と構音障害/5)脳卒中スケール
4局所觀察
A觀察結果表現
8皮膚
1.色調上温度,乾燥
2.発汗
3.出血斑
4.発疹
5.浮腫
C頭部•顏面•頸部
1.顏面左右差
2.瞳孔
3.眼位
4.眼球•眼瞼結膜
5.呼気臭
6.頂部硬直
7.外頸靜脈怒張
8.気管偏位
9.皮下気腫
10.腫脹
11.变形
12.髄液漏
13.視覚
14.聴覚
D胸部(背部)
1.胸郭運動
2.呼吸音
1)正常呼吸音变化/2)肺雜音
3.心音
E腹部
1.腹部膨隆
2.腹膜刺激徴候
1)筋性防御(デファンス)/2)反跳痛(ブルンベルグ徴候)/3)腸蠕動音の消失
3.腸蠕動音
4.腹壁静脈の怒張
5.腹部腫瘤
6.腹部動脈拍動
F鼠径部・会陰部
G骨盤
H四肢
1.運動障害
2.知覚障害
3.浮腫
4.腫脹
5.変形
6.短縮
7.動脈拍動
8.関節可動域
I手指,足趾,爪
1.変形,腫脹,色調,潰瘍
2.爪床圧迫テスト
J各種病態の観察アルゴリズム
5緊急度•重症度判断
A緊急度と重症度
1.緊急度と重症度の概念
2.判断の目的
B判断の基準
1.緊急度・重症度の分類
1)重症度の分類/2)緊急度の分類
2.緊急度・重症度判断の基準
1)生理学的評価/2)解剖学的評の他症状などの評価/3)アンダトリアージとオーバートリアージ
6資器材による観察
Aパルスオキシメータ
1.目的
2.適応
3.構造と原理
4.方法
5.評価
6.注意点
Bカプノメータ
1.目的
2.適応
3.構造と原理
4.方法
5.評価
1)換気の評価/2)気管内チューブの位置確認/3)胸骨圧迫の評価/4)気道確保器具のトラブル6.注意点
C聴診器
1.目的
2.構造
3.方法
4.評価
5.注意点
1)聴診器の使用法/2)呼吸音の評価
D血圧計
1.目的
2.種類と原理
3.方法
1)アネロイド型血圧計/2)自動血圧計
4.評価
5.注意点
1)透析用シャントがある傷病者/2)傷や皮膚の疾患がある傷病者/3)触診法/4)自動
血圧計
E心電図モニター
1.目的
2.適応
3.原理と種類
4.心電図の基礎
1)電極/2)心電図記録紙/3)フィルター
5.方法
6.評価
7.注意点
8.心電図伝送
F体温計
1.目的
2.適応
3.種類と原理
4.方法
1)腋窩体温計/2)鼓膜体温計
5.評価
6.注意点
G血糖測定器
1.目的
2.適応
3.構造と原理
1)構造/2)原理
4.資器材の準備
5.方法
1)手指の穿刺/2)血糖値の測定/3)穿刺部位の止血
6.評価
7.注意点
1)手技上の注意点/2)測定値に影響を与える因子
7救急救命士が行う処置
A処置の目的と意義
B気道確保
1.用手的気道確保
1)方法と手順/2)評価/3)注意点
2.エアウエイを用いた気道確保
1)経口(口咽頭)エアウエイ/2)経鼻(鼻咽頭)エアウエイ
C気道異物除去
1.用手的気道異物除去
(1)適応/2)方法と手順/3)評価/4)注意点
2.器具による気道異物除去
1)適応/2)方法と手順/3)評価/4)注意点
D口腔内の吸引
1.目的
2.適応
3.方法と手順
1)手動式吸引器/2)電動式吸引器
5.注意点
E声門上気道デバイスを用いた気道確保
1.目的
2.適応
3.方法と手順
1)ラリンゲアルマスク/2)アイジェル/3)ラリンゲルチューブ/4)コンビチューブ/5)スミウェイWB
F気管挿管
1.目的
2.適応
3.資器材の準備
4.方法と手順
1)スニッフィングポジション/2)喉頭展開/3)BURP法/4)気管内チューブの挿入と位置確認/5)気管挿管後のCPR/6)標準プロトコール
5.気管挿管困難症への対応
6.ビデオ硬性喉頭鏡を用いた気管挿管
7.合併症
1)食道挿管/2)片肺挿管/3)その他の合併症
8.評価
9.注意点
1)気管挿管プロトコールで注意すべき点/2)長時間の胸骨圧迫中断,現場滞在時間の延長/3)気管挿管の適応・非適応
G気管吸引
1.目的
2.適応
3.方法と手順
1)吸引準備/2)吸引操作
4.評価
5.注意点
H酸素投与
1.目的
2.適応
3.資器材の準備
1)酸素ボンベ(耐圧金属製密封容器)/2)流量計付き加湿酸素吸入装置
4.方法と手順
1)鼻カニューレ/2)フェイスマスク/3)リザーバ付きフェイスマスク/4)ベンチュリーマスク/5)デマンドバルブ
5.評価
6.合併症
1)酸素中毒/2)CO2ナルコーシス/3)未熟児網膜症/4)無気肺
7.注意点
1)火災と爆発/2)禁忌
I人工呼吸
1.目的
2.適応
3.資器材の準備
4.方法と手順
1)呼気吹き込み人工呼吸/2)バッグ・バルブ・マスク人工呼吸/3)器具を用いた気道確保とバッグ・バルブ・マスクによる人工呼吸/4)人工呼吸器による人工呼吸
5.評価
6.注意点
J胸骨圧迫
1.目的
2.適応
3.方法と手順
1)胸骨圧迫の実施/2)胸骨圧迫の部位/3)成人の胸骨圧迫/4)小児・乳児の胸骨圧迫
4.評価
1)胸骨圧迫の手技の確認/2)カプノメータによる確認/3)胸骨圧迫中の脈拍の触知
5.合併症
6.注意点
K自動式心マッサージ器の使用
1.種類と構造
1)LUCAS/2)AutoPulse
2.適応
3.合併症
4.評価
5.注意点
L除細動
1.除細動器の分類
1)半自動式除細動器/2)狭義のAED
2.目的
3.適応
1)心停止傷病者における電気ショック(除細動)の適応/2)小児・乳児への除細動
4.方法と手順
1)半自動式除細動器の場合/2)狭義のAEDの場合/3)小児に対する除細動
5.評価
6.合併症
7.注意点
1)高濃度酸素など/2)走行中の電気ショック/3)オンラインメディカルコントロール/4)電気ショック適応の判断/5)植込み機器がある場合
M静脈路確保と輸液
1.目的
2.適応
3.資器材の準備
1)資器材/2)穿刺前の準備
4.手順
5.評価
6.合併症
7.注意点
Nアドレナリン投与
1.目的
2.適応
3.資器材の準備
4.方法と手順
5.評価
6.合併症
7.注意点
O自己注射用アドレナリンの投与
1.目的
2.適応
3.資器材の準備
4.方法と手順
5.評価
6.合併症
7.注意点
8.学校との情報共有
Pブドウ糖の投与
1.目的
2.適応
3.資器材の準備
4.方法と手順
5.評価
6.合併症
7.注意点
1)投与前/2)投与中/3)投与後
8.「血糖測定とブドウ糖溶液の投与」のプロトコール
1)ブドウ糖投与の対象/2)プロトコールの流れ/3)プロトコールの留意点
Q体位管理
1.目的
1)呼吸・循環機能の改善/2)気道の開通/3)誤嚥の予防/4)頭蓋内圧亢進の緩和/5)毒物・薬物の小腸内への移動阻止/6)出血量の軽減/7)疼痛の軽減
2.適応と手順
1)仰臥位/2)側臥位/3)頭部高位(セミファウラー位)/4)半坐位(ファウラー位)/5)起坐位/6)膝屈曲位/7)足側高位(ショック体位)/8)腹臥位
3.評価
4.注意点
R体温管理
1.保温
1)目的/2)適応/3)方法と手順/4)評価/5)注意点
2.冷却
1)目的/2)適応/3)必要な器具と手順/4)注意点
S止血
1.目的
2.止血法の種類
3.必要な器具と準備
1)直接圧迫止血法/2)止血点圧迫止血法/3)止血帯止血法
4.評価
5.合併症
6.注意点
T創傷処置
1.種類
2.目的
3.適応
4,必要な器具と準備
5.手順
1)洗浄/2)被覆
6.評価
7.合併症
U固定
1.種類
2.目的
3.適応
4.必要な器具
5.手順
1)四肢の骨折・脱臼/2)大腿骨骨折/3)股関節脱臼/4)骨盤骨折/5)頸椎保護(固定)/6)全脊柱固定/7)KEDによる固定/8)フレイルチェストの固定
6.評価
7.合併症
8.注意点
V産婦人科領域の処置
1.目的
2.適応
3.資器材の準備
4.方法と手順
1)分娩介助と臍帯処置/2)胎盤娩出/3)胎盤娩出後の褥婦の観察と処置/4)新生児への対応5.評価
6.注意点
8救急蘇生法
A成人の救急蘇生法
1.蘇生ガイドライン
2.入電時の対応
3.救急隊員による一次救命処置(BLS)
4.代表的プロトコール
1)心肺蘇生とプロトコール/2)心停止アルゴリズム/3)救急救命士による救急業務プロトコール
5.医療機関での治療
1)二次救命処置/2)特殊な二次救命処置/3)心拍再開後の集中治療
B小児の救急蘇生法
1.小児の特異性
2.小児の蘇生ガイドライン
3.入電時の対応
4.救急隊員による一次救命処置(BLS)
5.代表的プロトコール
1)包括的指示下除細動/2)器具を用いた気道確保/3)薬剤投与
6.医療機関での治療
1)二次救命処置/2)心拍再開後の集中治療
C乳児の救急蘇生法
1.乳児の特異性
2.乳児の蘇生ガイドライン
3.入電時の対応
4.救急隊員による一次救命処置(BLS)
5.代表的プロトコール
6.医療機関での治療
1)二次救命処置/2)心拍再開後の集中治療
9在宅療法継続中の傷病者の処置
A在宅療養とは
B在宅療法への対応
1.在宅酸素療法(HOT)
1)酸素供給装置/2)病態とその重症度の把握/3)観察のポイント/4)問題点と対処法
2.在宅人工呼吸
1)在宅人工呼吸とは/2)換気モード,気道の観察/3)呼吸の観察のポイント/4)問題点と対処法
3.気管切開
1)気管切開が必要な患者/2)気管切開孔と気管カニューレの観察/3)問題点と対処法
4.植込み型ペースメーカー
1)植込み型ペースメーカーと植込み型除細動器/2)脈拍と心電図の観察/3)問題点と対処法5.経管栄養
1)経管栄養とは/2)留置チューブの観察/3)問題点と対処法
6.中心静脈栄養カテーテル
1)中心静脈栄養とは/2)刺入部とカテーテルの観察/3)問題点と対処法
7.血液透析
1)血液透析用内シャントとは/2)局所の観察/3)問題点と対処法
8.腹膜透析
1)腹膜透析とは/2)局所とチューブの組/3)問題点と対処法
9.尿道カテーテル
1)尿道カテーテルとは/2)留置カテーテルの観察/3)問題点と対処法
10人工肛門
1)人工肛門とは/2)局所とパウチの観察/3)問題点と対処法
10傷病者搬送
A搬送総論
1.搬送の目的と意義
2.傷病者搬送の手順
3.搬送時の注意点
4.搬送経路の確認と指示
5.ボディメカニクス
1)基底面積を広くとる/2)重心を低くする/3)身体を密着させる/4)傷病者を小さくまとめる/5)大きな筋肉を使う/6)てこの原理を使う
B搬送方法
1.体位変換
1)体位変換1人法/2)体位変換2人法
2.徒手搬送
1)支持搬送/2)抱き上げ搬送/3)組手搬送/4)背負い搬送/5)前腕保持搬送/6)緊急搬送
3.器具を用いた搬送
1)サブストレッチャー/2)階段搬送用ストレッチャー/3)レスキューシート/4)布担架/5)毛布/6)バックボード/7)スクープストレッチャー/8)バスケット型ストレッチャー/9)メインストレッチャー
C搬送手順
1.メインストレッチャーまでの搬送
2.メインストレッチャーへの収容
3.ベッド上の傷病者のストレッチャーへの収容
1)体位変換/2)メインストレッチャーの場合/3)サブストレッチャーの場合/4)メインストレッチャーによる曳航
5.救急自動車への搬入
6.救急自動車からの搬出
Dヘリコプターへの搬入と搬出
1.ヘリコプターの主要な構造と特性
1)メインローターとテールローター/2)ホバリング/3)ヘリコプターの離発着
2.ヘリコプターへの傷病者の搬入と搬出
E事故車両からの救出方法
1.緊急救出の原則
2.緊急救出法
1)緊急救出1人法/2)緊急救出毛布法/3)緊急救出3人法/4)KEDによる救出
索引・欧文略語一覧一巻末
《王なイラスト:レオン佐久間,土橋克男》
目次 – 救急救命士標準テキスト〈下巻〉
改訂第9版の編集にあたって
救急救命士法が公布されて間もなく25年になり,現在,救急救命士有資格消防職員は3万1000人以上,うち2万3000人以上が実際に救急救命士として活躍している。
救急救命士制度はもはや社会に着実に定着し,病院前医療の一環をしっかりと担い市民の救命や救護に寄与しているのはまことに頼もしい限りである。
救急救命士による処置の範囲は拡大され続け,平成26年4月からは医師の指示のもとショック状態の傷病者に対する輸液や低血糖状態に対するブドウ糖投与が認められるようになった。いっぽう救急救命士国家試験出題基準の見直しが行われ,その平成27年度版が公表された。
この間,医療法,薬事法,感染症法などの関連法規の改正も行われている。今回の本テキストの改訂はこれらの変化を受けて行われたものである。
実は第9版の改訂作業の準備はもっと早くから進められていた。基本的な骨組みや求められる知識技能の基準は国家試験出題基準に準拠しつつも、章立ての変更や移動などを含めより全体的な整理を図る努力をまず行った。そして困難な環境の中で活動する現場の救急救命士の姿を思い描きながら,救急救命士に真に必要な知識技能一その幅と深みは何なのかを強く意識して、執筆編集にあたってきたつもりである。
例えば臓器別の病態生理の解説に偏りがちな医師の教科書などとは異なるべきものとした。今回はあらたに「到達目標」をかかげてみた。教育には到達目標が必要である。そして教育における到達目標は,現実的具体的で、わかりやすく,到達度が評価できるものでなければならない。まだまだ編集委員の力不足でこれらの目的が十分達成されているとは言いがたいが意図するところは汲んでいただきたい。
本書が,救急救命士を志す人たちにはもちろん,現任救急救命士の再教育の教材としてもお役にたつところ少なくないとすれば,著者や編集委員たちにとってこれ以上の喜びはない。
最後に改訂版出版にあたり,長時間を割いて多大な労をお取りいただいた編集委員の方々に心から深く感謝する。
平成27年8月
編集委員長 桂田 菊嗣
編集委員一覧(五十音順)
委員長 桂田 菊嗣 大阪府立急性期・総合医療センター名誉院長
副委員長 山本保博 特定医療法人大坪会東和病院院長 財団法人救急振興財団会長
編集幹事
杉本壽 大阪大学名誉教授
堤 晴彦 埼玉医科大学総合医療センター病院長
森村尚登 横浜市立大学大学院医学研究科救急医学教授
山口芳裕 杏林大学医学部救急医学教授
編集委員
大橋教良 帝京平成大学地域医療学部医療スポーツ学科教授
尾方純一 财团法人救急振興財团救急救命東京研修所教授
輿水健治 埼玉医科大学総合医療センター救急科(ER)教授
櫻井淳 日本大学医学部救急医学系救急集中治療医学分野准教授
瀧野昌也 長野救命医療専門学校救急救命士学科長
玉川 進 独立行政法人国立病院機構旭川医療七夕一檢查科部長
中田康城 堺市立総合医療センター救命救急センター長
畑中哲生 财团法人救急振興財团救急救命九州研修所教授
平出 敦 近畿大学医学部救急医学主任教授
菩提寺 浩 札幌市消防局警防部救急課長
宮野 收 東京消防庁救急部救急指導課長
執筆者一覧 (五十音順)
相川直樹 慶應義塾大学名誉教授(第I編第1章2)
浅井康文 函館新都市病院(第Ⅲ編第6章7)
浅利靖 北里大学(第Ⅲ編第7章2)
安心院康彦 帝京大学(第Ⅲ編第6章5)
有賀徹 昭和大学(第I編第1章3)
猪口 貞樹 東海大学(第Ⅲ編第6章7)
池田寿昭 東京医科大学八王子医療センター(第II編第1章8)
池田弘人 帝京大学(第Ⅲ編第6章13, 14, 15)
石倉宏恭 福岡大学(第Ⅲ編第5章6)
石松伸一 聖路加国際病院(第Ⅲ編第7章6)
市川光太郎 北九州市立八幡病院 (第Ⅲ編第5章12)
井上貴昭 順天堂大学(第Ⅲ編第1章10)
大久保一郎 筑波大学(第I編第2章1,2)
太田祥一 東京医科大学(ⅢI編第6章10)
大友康裕 東京医科歯科大学(第Ⅲ編第6章9,10,11)
大橋教良 帝京平成大学
尾方純一 救急救命東京研修所
岡田保誠 公立昭和病院(第II編第2章9)
小川理部 日本体育大学 (第Ⅱ編第1章13,第Ⅲ編第5章9)
小川武希 東京慈恵会医科大学 (第Ⅲ編第4章2)
萩原 健 順天堂大学(第Ⅲ編第2章7)
奥地 一夫 奈良県立医科大学(第Ⅲ編第5章10)
奥寺 敬 富山大学(第Ⅲ編第4章3)
小倉 真治 岐阜大学(第Ⅱ編第2章8)
小澤 和弘 愛知医科大学(第Ⅲ編第2章7)
織田 順 東京医科大学(第Ⅲ編第7章8)
織田 成人 千葉大学(第Ⅲ編第5章5)
小野一之 獨協医科大学(第II編第2章5)
桂田菊嗣 大阪府立急性期・ 総合医療センター名誉院長
上條吉人 埼玉医科大学(第Ⅲ編第5章15)
川井真 日本医科大学(第Ⅲ編第6章6)
丸藤 哲 北海道大学(第Ⅲ編第5章7)
岸 泰宏 日本医科大学武蔵小杉病院(第Ⅲ編第5章15)
北野光秀 済生会横浜市東部病院(第Ⅲ編第4章11)
衣笠達也 三菱神戸病院(第Ⅲ編第7章7)
木下 順弘 熊本大学(第Ⅲ編第5章1)
木村 昭夫 国立国際医療研究センター病院(第Ⅲ編第6章8)
清田 和也 さいたま赤十字病院(第Ⅱ編第3章1,2)
久志本成樹 東北大学(第Ⅲ編第6章2)
黒田 泰弘 香川大学(第Ⅲ編第4章2)
小池 薫 京都大学(第Ⅱ編第1章11)
小井土雄一 国立病院機構災害医療センター(第Ⅲ編第5章4)
興水健治 埼玉医科大学総合医療センター
小谷穣治 兵庫医科大学(第Ⅲ編第4章11)
近藤久禎 国立病院機構災害医療センター(第Ⅰ編第2章1,2)
坂田育弘 ベルランド総合病院(第Ⅱ編第1章7)
坂本哲也 帝京大学(第Ⅲ編第2章8,第3章5)
阪本敏久 武蔵野徳州会病院(第Ⅲ編第4章4)
櫻井 淳 日本大学
定光 大海 国立病院機構大阪医療センター(第Ⅱ編第3章3)
重光修 大分大学(第Ⅱ編第1章6)
渋谷正徳 松戸市立病院(第Ⅲ編第5章11)
嶋津 岳士 大阪大学(第Ⅱ編第2章3,4)
下山 哲夫 埼玉医科大学総合医療センター
新藤 正輝 帝京大学(第Ⅱ編第1章12)
杉田 学 順天堂大学(第Ⅲ編第4章13)
杉本壽 大阪名誉教授
鈴木邦彦 日本医師会(第Ⅰ編第2章1,2)
鈴木幸一郎 川崎医療福祉大学(第Ⅲ編第7章1)
相馬一亥 湘央生命科学技術専門学校(第Ⅱ編第1章5)
高山隼人 国立病院機構長崎医療センター(第Ⅲ編第2章2)
瀧野昌也 長野救命医療専門学校
田勢長一郎 福島県医科大学(第Ⅲ編第5章2)
田中秀治 国士舘大学(第Ⅱ編第2章9)
田邊晴山 救急救命東京研修所(第Ⅲ編第1章7)
谷川攻一 福島県立医科大学(第Ⅲ編第6章16、第7章3)
玉川進 国立病院機構旭川医療センター
丹正勝久 東京臨海病院(第Ⅲ編第1章⑨)
堤晴彦 埼玉医科大学総合医療センター
寺井親則 東大阪徳州会病院(第Ⅲ編第4章14)
中川隆 愛知医科大学(第Ⅲ編第7章8)
中谷壽男 医仁かい武田総合病院(第Ⅱ編第1章10、11)
中田康城 堺市立総合医療センター(第Ⅲ編第1章2)
中野公介 川口市立医療センター(第Ⅰ編第2章1,2)
西村匡司 徳島大学病院(第Ⅲ編第Ⅲ章6、第4章6)
野口宏 東海学園大学(第Ⅱ編第1章2)
畑中哲生 救急救命九州研修所
馬場一憲 埼玉医科大学総合医療センター(第Ⅱ編第1章9,第Ⅲ編第5章14)
平出敦 近畿大学
福田充宏 湘南鎌倉総合病院(第Ⅱ編第1章4)
福家 伸夫 帝京大学(第Ⅲ編第3章3)
菩提寺浩 札幌市消防局
堀 進悟 慶應義塾大学(第Ⅲ編第3章2)
益子邦洋 南多摩病院 (第Ⅲ編第2章3,4)
树井 良裕 聖マリアンナ医科大学(第Ⅲ編第5章3)
松本尚 日本医科大学(第Ⅲ編第1章3)
溝端康光 大阪市立大学(第Ⅲ編第5章8)
南 和 草加市立病院(第Ⅲ編第2章7)
箕輪良行 東京高輪病院(第Ⅲ編第1章6,11)
三宅康史 昭和大学(第Ⅲ編第2章9.第7章5)
宮野收 東京消防庁
六車祟 横浜市立大学(第Ⅲ編第5章12)
森村尚登 横浜市立大学(第Ⅲ編第2章5)
森脇龍太郎 千葉ろうさい病院(第Ⅲ編第4章9, 10)
安田和弘 松江病院(第II 編第1章14)
安田康晴 広島国際大学
山口芳裕 杏林大学(第Ⅲ編第1章2)
山田知輝 大阪大学(第Ⅲ編第2章7)
山本五十年 湘南真田クリニック (第Ⅲ編第7章8)
山本保博 東和病院
行岡哲男 東京医科大学(第II編第2章1,2)
横田順一朗 堺市立総合医療センター (第Ⅲ編第6章1,2)
横田 裕行 日本医科大学(第Ⅲ編第6章4)
綿田裕孝 順天堂大学(第Ⅲ編第2章7)
下巻・目次
第Ⅲ編 專門分野
第3章 救急病態生理学
1 呼吸不全
A 総 論
1.定義と概念
2. 基本的病態
1)肺内シャント/2)肺胞死腔/3)換気血流比不均等/4)肺胞低換気/5)拡散障害
3.呼吸仕事量
4. 閉塞性換気障害と拘束性換気障害
1)閉塞性換気障害/2)拘束性換気障害/3) 混合性換気障害
5. 生体への影響
1)低酸素血症/2)高二酸化炭素血症/3) CO2ナルコーシス
6.症候
7.緊急度・重症度の判断
B 呼吸運動の障害
1.主な原因疾患と発症機序
2 .病 態
3. 対応
C 気道の障害
1. 主な原因疾患と発症機序
2. 病態
3. 対応
D 肺胞の障害
1. 主な原因疾患と発症機序
2. 病態
3. 対応
E 肺間質の障害
1.主な原因疾患と発生機序
2.病態
3. 対応
2 心不全
A総論
1.定義と概念
2.原因疾患
1)虚血性心疾患/2)高血圧/3)心臓弁膜症/4)不整脈/5)心筋症/6)心筋炎
B 病態生理
1. 心機能曲線
2. 神経系と内分泌系の反応
1)神経系の反応/2) 内分泌系の反応
3. 循環の変化
1) 前負荷/2)心収縮力/3)後負荷/4) 心拍数/5)心拍出量
4. 拡張機能障害による心不全
C症候
1.低心拍出量による症候
2. 肺うっ血による症候
3. 体循環系のうっ血による症候
4. 循環系自体の所見
D 種類
1. 急性心不全
2. 慢性心不全
3. 左心不全
4. 右心不全
5. 両心不全
6.うっ血性心不全
7. 高拍出性心不全
E 慢性心不全の急性増悪
1.急性増悪のきっかけ
2.経過と予後
F 現場活動
1. 緊急度・重症度の判断
2.処置と搬送の要点
3. 医療機関選定
3 ショック
A 総 論
1. 定義と概念
2. 種類と分類
3. 病態
4. ショックの判断
5. 各種ショックの判別
6. 緊急度・重症度の判断
7. 各種ショックに共通の観察と処置
B 循環血液量減少性ショック
1. 発症機序
2. 循環動態の変化
3. 循環血液量減少に対する生体の反応
1)自律神経系の反応/2)内分泌系の反応/ 3)血液凝固系の反応
4. 大量出血後の体液変動
1)分画間での体液の移動/2)輸液の効果と 投与後の分布
5. 原因疾患
6.症候
7. 現場活動
8. 輸液
1)目的/2)適応/3)使用製剤/4)投与/5)効果の判定/6)合併症
C 心原性ショック
1. 原因疾患と発症機序
1)心収縮力の低下/2)不整脈/3)心臓内の 機械的障害(心臓弁膜症,心室中隔穿孔)
2. 循環動態
3. 症候
4. 現場活動
D 心外閉塞・拘束性ショック
1.原因疾患と発症機序
1)緊張性気胸/2)心タンポナーデ/3)肺血 栓塞栓症
2. 症候
3.現場活動
4. 輸液
E 血液分布異常性ショック
1. 種類と発症機序
1)アナフィラキシーショック/2)敗血症性 ショック(感染性ショック)/3) 神経原性 ショック
2. 症候
3.現場活動
4 重症脳障害
A 総論
1.概念
1)意識レベルの低下/2)意識内容の異常/3)意識の狭窄
B 発症機序
1.脳血流の障害
2,脳代謝・神経伝達の障害
3. 脳幹の障害
C 一次性脳病変と二次性脳病変
1.一次性脳病変
2.二次性脳病変
D 頭蓋内圧亢進
1. 頭蓋内圧の構成要素とその異常 –
1)脳実質容積の増大/2)脳脊髄液の増加/ 3)頭蓋内血液量の増加/4)占拠性病変
2. 頭蓋内容積と頭蓋内圧の関係
3. 頭蓋内圧亢進による意識障害の機序
1)脳血流量の減少/2) 脳ヘルニア
4. 症候
1)急性頭蓋内圧亢進の症候/2)慢性頭蓋内 圧亢進の症候
5.現場活動
E 脳ヘルニア
1. テント切痕ヘルニア
1)国ヘルニア/2)中心性ヘルニア
2.大後頭孔ヘルニア
F 特殊な意識障害
1. もうろう状態
2. せん妄
3. 遷延性意識障害
5 心肺停止
A 総 論
1.定義と概念
2.疫学
3. ウツタイン様式
B 心肺停止に至る病態と原因
1. 心肺停止に至る病態
1)不整脈/2)低心拍出量/3)呼吸不全/4) その他
2. 生体酸素状況
1)不整脈の場合/2)低心拍出量の場合/3) 呼吸不全の場合
3. 主な原因疾患
1)心疾患/2)大血管疾患/3)呼吸系疾患/ 4)神経疾患/5)その他の内因性疾患/6)外因性疾患
C 心電図分類
1. 心室細動/無脈性心室頻拍 2. 無脈性電気活動
3.心静止
D 心肺蘇生中の循環
1. 胸骨圧迫による循環発生の機序
1)心臓ポンプ説/2)胸腔ポンプ説
2. 全身の循環
3. 冠循環
4. 脳循環
5. 胸骨圧迫の効果に影響する因子
1)血管収縮薬の影響/2)陽圧換気の影響/3)胸骨圧迫の質の影響
E 心拍再開後の病態
1. 虚血による臓器障害
2. 再灌流障害
3. 心拍再開後の回復過程
1)循環の回復/2)神経学的回復
4. 回復に影響する因子
1)呼吸・循環不全/2)体温/3) 血糖値/4)その他
第4章 救急症候学
1 意識障害
A 原因
1.一次性脳病変
2. 二次性脳病変
3.一次性脳病変と二次性脳病変の判別
B 随伴症候
C 判別を要する病態
1. 失語
2. 昏迷
3. 知能障害
4.閉じ込め症候群
5.もうろう状態
D 緊急度・重症度の判断
1. 意識レベルからの判断
2. 随伴症候からの判断
3. 原因疾患からの判断
E現場活動
1.観察
2.処置
3.医療機関選定
2頭痛
A 発症機序
1. 頭蓋内の要因
2.頭蓋外の要因
B 分類
1.一次性頭痛
2. 二次性頭痛
C原因疾患
1.一次性頭痛
2. 二次性頭痛
D 発症の状況
1. 誘因
2. 前兆
3. 発症・進展の様式
E 性 状
1. 部位
2. 拍動性か非拍動性か
3. 程度と経過
F 随伴症候
1. 悪心・嘔吐
2. めまい
3. 眼の症候
4. 自律神経症状
5. 意識障害
6. 運動麻痺
7. 髄膜刺激症候
8. 頭蓋内圧亢進症候
9. その他の神経学的異常
10. バイタルサインの異常
G 緊急度・重症度の判断
1. 頭痛の性状
2. 随伴症候
3. 原因疾患
H 現場活動
1.観察
2.処置
3. 医療機関選定
3 痙攣
A 定義・概念
1. 定義
2. てんかん発作との違い
B 病態
1. 発症機序
2.脳に対する影響
3. 脳以外への影響
C 種類
1. 全身性痙攣と局所性痙攣
2. 強直性痙攣と間代性痙攣
3.ミオクローヌス
D 原因疾患
1. 脳疾患
2. 全身的な病態
E 随伴症候
1. 前兆
2. 頭痛
3. 意識障害
4. 運動麻痺
5. チアノーゼ
6. その他
F 判別を要する病態
1. 中枢神経系に由来するもの
2.下位運動ニューロンまたは筋肉に由来するもの
3. 不随意運動
4. 転換性障害にみられる痙攣様反応
G 緊急度・重症度の判断
1. 性状からの判断
2. 随伴症候からの判断
3. 原因疾患からの判断
H 現場活動
1. 痙攣中の対応
2. 痙攣後の対応
3. 医療機関選定
4 運動麻痺
A 定義・概念
B 発症機序
C 分類
1. 程度による分類
2.分布による分類
D原因疾患
E 随伴症候
1.知覚障害
2.意識障害
3.眼と瞳孔の異常
4. その他の神経学的異常
5. バイタルサインの異常
F 判別を要する病態
1. 運動失調
2. 疼痛による運動制限
G 緊急度・重症度の判断
1. 性状からの判断
2.随伴症候からの判断
3. 原因疾患からの判断
H 現場活動
1.観察
2.処置
5 めまい
A 定義・概念
B 発症機序
C分類
1. 性状による分類
2. 病変の部位による分類
D原因疾患
1. めまいの種類と原因疾患
2. 末梢性めまいと中枢性めまいの判別
E随伴症候
1. 蝸牛症状
2. 悪心・嘔吐
3. 頭痛・頭部痛
4.意識障害
5. 眼振
6.その他の神経学的異常
7. 明らかな随伴症候がないとき
F 緊急度・重症度の判断
1.発症様式
2.随伴症候
3. 原因疾患
G 現場活動
1.観察
2.処置
3. 医療機関選定
6呼吸困難
A 定義・概念
B 分類
1. 呼吸相大分類
1)吸気性呼吸困難/2)呼気呼吸困難/3) 混合性呼吸困難
2.程度大分類
C 原因疾患
1. 呼吸系疾患
2. 循環系疾患
3.外因性疾患
4. その他
D 随伴症候
1.胸痛
2. 喘鳴
3.陪没呼吸
4.起坐呼吸
5.咳嗽•埃
6.外頭靜脈の怒張
7. 発熱
8. 意識障害
9.下腿浮腫
10.ばち指
E緊急度•重症度判断
1. 呼吸性状
2.随伴症候
3.原因疾患
F 現場活動
1. 觀察
2.如置
1)気道確保/2) 酸素投与/3)体位
7 喀血
A 定義
B 分 類
C 喀血による影響
1. 呼吸への影響
2. 循環への影響
D 原因疾患
1. 呼吸系疾患
2. 循環系疾患
3. 全身性疾患
4.外因性疾患
E 判別を要する病態
1.吐血
2.鼻出血
F緊急度•重症度判断
1. 傷病者状態
2.喀血程度
G現場活動
1. 観察
2.処置
1)気道の確保/2)酸素投与/3)体位
3. 医療機関選定
8 失神
A 定義•概念
B 原因疾患
1.起立性低血压
2. 神經調節性失神(反射性失神)
1)血管迷走神经性失神/2)動脈洞症候群/3)状況失神(状況誘発性失神)
3. 心原性失神(心臟性失神,心血管性失神)
1)器質的心血管疾患/2)不整脈
C 判別友要病態
1. てんかん発作
2. くも膜下出血
3.一過性腦虛血斧作(TIA)
4. 代謝性疾患
5.鎖骨下動脈盜血症候群
6.過換症候群
7.解離性昏迷
D 緊急度・重症度の判断
1. 随伴症候
2.原因疾患
E 現場活動
1.觀察
2.処置
3.医療機関選定
9 胸痛
A 定義•概念
B 発症機序
1.体性痛
2.內臟痛
3. 連痛
C 原因疾患
1. 心疾患
2.血管疾患
3. 胸膜疾患
4.食道疾患
5. 胸壁疾患
6. その他
D 緊急度•重症度
D判断
1.性状
2.随伴症候
3.原因疾患
E 現場活動
1. 觀察
2.如置
3. 医療機関選定
10 動悸
A 定義•概念
B 凳症機序
C 原因疾患
1. 不整脈
2. 器質的心疾患
3. 全身的原因
4. その他
D 随伴症候
1. 失神・めまい
2. 胸痛
3.発熱
4.振戰
E緊急度•重症度の判断
1.随伴症候
2.心電図所見または原因疾患
F 現場活動
1. 觀察
2.処置
3.医療機関選定
11 腹痛
A 発生機序
1.內臟痛
2.体性痛
3. 関連痛
B 原因疾患
C 部位
D 既往歴
1. 開腹術
2. 大量飲酒
3. 心房細動
E随伴症候
1. 悪心•嘔吐
2.下痢
3.吐血•下血
4.黄疸
5.腹膜刺激症状
F 緊急度•重症度判断
1.随伴症候
2.原因疾患
G 現場活動
1. 觀察
2.如置
3.医療機関選定
12 吐血•下血
A 定義•概念
1. 吐血
2.下血
3.出血部位
1)上部消化管出血/2)下部消化管出血3) 出血部位と吐血・下血との関係
B 原因疾患
1. 吐血
2.下血
C 病態
1. 吐血の性状
1)コーヒー残渣様吐物/2)鮮紅色吐血
2. 下血の性状
1)タール様便/2)鮮血便/3)粘血便
3. 出血による影響
D 判別の必要な病態
1. 喀血
2. 鼻出血,口腔内出血
3.出血以外の原因による原因による黒色の便
E緊急度•重症度の判断
1. 性状
2. 随伴症候
3. 原因疾患
F 現場活動
1. 観察
2.如置
3. 医療機関選定
13 腰痛・背部痛
A 定義・概念
B 原因疾患
1. 内臓の疾患
2. 血管の疾患
3. 筋・骨格系の疾患
C 緊急度・重症度の判断
1. 性状
2. 随伴症候
3. レッドフラッグサイン
4.原因疾患
D現場活動
1. 觀察
2.如置
3. 医療機関選定
14 体温上昇
A 定義・概念
1. 発熱
2. 高体温
B 発症機序
1. 体温の調節
2. 発熱の発症機序
3. 高体温の発症機序
C 病態
1. 体温上昇が生体機能に与える影響
1)有利な点/2)不利な点
D 発熱の分類と種類
1.程度による分類
2.熱型
3.不明熱
E 原因疾患
1. 熱原因疾患
1)感染症/2)感染症以外原因
2.高体温原因疾患
F 緊急度•重症度判断
1. 体温上昇の程度
2.随伴症候
3.原因疾患
G 現場活動
1. 觀察
2.如置
1)体温管理/2)心電図モニターの装着/3) その他/4)搬送時の注意
第5章 疾病救急医学
1 神經系疾患
A 総論
1.疫学と救急医療における意義
2.神经系疾患主要症候
1)意識障害/2) 頭痛/3)痙攣/4)運動麻痺 /5)運動失調/6)不随意運動/7)振戰/8) 知觉障害/9)失語/10)構音障害/11)複視
3.基本的体位
1)緊急度•重症度C判断/2)応急処置と搬送/3)医療機関選定
B 脑血管障害
1. 概 要
2. くも膜下出血
1)概念/2)疫学/3)原因/4)病態/5)症候 /6)現場活動/7)医療機関での診療/8)予防
3. 脳出血
1)疫学/2)原因/3)部位と症状/4)現場活動/5)医療機関での診療/6)予後
4. 脑梗塞
1)概念/2)分類•病因/3)症状/4)現場活動/5)医療機関での診療/6)予後
5.一過性腦虛血発作
1)概念/2)病態/3)症状/4)現場活動
6. 脳動静脈奇形
7.もやもや病
C 中枢神経系の感染症
1. 髄膜炎
1)病態・原因/2)症候/3)対応
2.脳炎,脳症
1)概念・原因/2)症候/3)対応
3.脳膿瘍
D 末梢神経疾患
1. ギラン・バレー症候群
1)概念・原因/2)症候/3)対応
2. 糖尿病性ニューロパチー
E その他の中枢神経疾患
1. てんかん
1)概念/2)てんかん発作の形態学的分類と症状/3)主な原因/4)対応
2. 脳腫瘍
3.変性疾患
1) 脊髄小脳変性症/2)筋萎縮性側索硬化症 (ALS)/3)パーキンソン病/4) アルツハイ マー病
2 呼吸系疾患
A 結論
1.疫学と救急医療における意義
2.呼吸系疾患主要症候
1)咳嗽/2)喀痰/3)喀血/4)呼吸困難5)胸痛
3.基本的体位
1)緊急度•重症度判断/2)応急処置と搬送/3)医療機関選定
B 呼吸不全
1. 呼吸不全とは
2. CO2ナルコーシス
C上気道の疾患
1. 急性喉頭蓋炎
1)病態/2)症状3)银察のポイント/4)予後/5)觀察判断/6) 娘置/7)搬送
2. 扁桃周膿瘍
1)病態/2)症状/3) 觀察のポイント /4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
D 下気道と肺胞の疾患
1. 気管支喘息(重積発作)
1)病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
2. COPD(慢性閉塞性肺疾患)
1) 病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
3. 無気肺
1) 病態/2) 症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
4.気管支拡張症、 1)病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
E 感染症
1. 肺炎
1)病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
2.肺結核
1)病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
3.急性上気道炎
1)病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
F胸膜疾患
1.気胸
1)病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
2.胸膜炎
1)病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
Gその他の呼吸系疾患
1. 肺血栓塞栓症
1)病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)搬送
2.過換気症候群
1)病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
3.肺癌
1)病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
4.ARDS (急性呼吸促迫症候群)
1)病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/6)処置/7)搬送
5. 間質性肺炎
1)病態/2)症状/3)観察のポイント/4)予後/5)観察と判断/7)搬送
3循環系疾患
A 総論
1.疫学と救急医療における意義
2. 循環系疾患の主要症候
1)胸痛2)呼吸難,3)失神,動情,5) 狭心6)浮雕
3.基本的対応
1)緊急度•重症度の判断/2)応急処置と搬送/3)医療機関選定
B 動脈硬化
1. 概念
2.病 態
C うっ血性心不全
D虚血性心疾患
1. 概念
2. 急性冠候群
3. 急性心筋梗塞、
1)定義・疫学/2)発症機序/3)病態/4)症 状/5)判断のポイント/6)対応7)医療機関における診療8)予後
4.不安定狭心症
1)概念/2)原因•病態/3)症状/4)対応/5)医療機関における診療
5.安定狭心症
E 心筋疾患
1.心筋症
2. 心筋炎
F 心膜疾患
1.心タンポナーデ
1)病態/2)症候
2.急性心膜炎
G 不整脈
1. 不整脈とは
2.心臟突然死
3.心室網動
4.心室頻拍
5. 心房網動
6. 洞頻脈
7.房室ブロック
8. QT延長症候群
9. WPW症候群
H その他の心疾患
1. 心臟膜症
2.感染性心内膜炎
3.先天性心疾患
I血管疾患
1. 急性大動脈解離
1)概念・疫学/2) 分類/3) 病態/4)症候/ 5)対応/6)医療機関における診療/7) 予後
2.大動脈瘤
1)定義‧概念/2)分類/3)症候/4)対応 5)予後
3. 急性四肢動脈閉塞症
1)定義•概念/2)原因/3)症候/4)对应
4. 閉塞性動脈硬化症
5. 深部静脈血栓症
1)定義•概念/2)原因/3)症状/4)対応
J 高血圧
1,高血圧症
2.高血圧緊急症
1)定義•概念/2)病態・症候/3)対応
K 心電図の読解
1.心電図の基礎
1)心電図とは/2)基本波形/3)心電図モニ夕一/4)観察のポイント
2. 頻脈性不整脈の心電図|
1)洞頻脈/2)心房細動/3)癸作性上室頻拍/4)心室頻拍/5)心室細動
3.徐脈性不整脈
1)洞徐脈/2)洞不全症候群/3)房室ブロック/4) その他の不整脈
4. 心筋虚血性变化
1)狭心症/2)心筋梗塞
5. その他の心電図異常
1)高カリウム血症/2)低カリウム血症/3) 低体温/4)ペースメーカー波
4 消化系疾患
A 総論
1.疫学と救急医療における意義
2.消化系疾患主要症候
1)腹痛/2)吐血•下血/3)悪心•嘔吐/4)
下痢/5)黄疸/6)腹部膨満
3.基本的対応
1)緊急度•重症度判断/2)応急処置と搬
送/3)医療機関選定
B 齒・口腔疾患
C 食道疾患
1. 食道靜脈瘤破裂
1)病態/2)症状/3)対応
2.マロリー・ワイス症候群
1)病態/2)症状/3)対応
3. 特発性食道破裂
D胃•十二指腸疾患
1.胃•十二指腸潰瘍
1)病態/2)症状/3)対応
2. 急性胃粘膜病变
3. 急性胃腸炎
4. アニサキス症
5.胃癌
E 腸疾患
1. 腸閉塞(イレウス)
1)病状/2)症状/3)対応
2.上陽間膜動脈閉塞症
1)病態/2)症候/3)対応
3.ヘルニア嵌頓
1)病態/2)症状/3)対応
4. 急性虫垂炎
1)病態/2)症候/3)対応
5. 大腸穿孔
6.大腸憩室症
7.虚血性大腸炎
8. 大腸癌
9. 炎症性腸疾患
10.痔核
11.急性腹膜炎
1)病態2)症候/3) 対応
F肝臓•胆道•膵臓疾患
1. 急性肝炎
1)疫学/2)病態/3)症状/4)対応
2.肝硬変
3.肝不全
4. 肝癌
5. 胆石症
6. 急性胆道感染症
1)病態/2)症候/3)対応
7. 急性膵炎
1)病態/2)症候3)対応
5 泌尿・生殖系疾患
A 総論
1.疫学と救急医療における意義
1)疫学/2)泌尿生殖系救急疾患の特徵
2.泌尿・生殖系疾患の主要症候
1)疼痛/2)排尿の異常/3)尿閉/4)尿の性状の異常/5)不正性器出血
3.基本的対応
1)緊急度・重症度の判断/2)応急処置と搬送/3)医療機関選定
B 腎臓の疾患
1.急性腎不全と急性腎障害
1)定義・概念/ 2)分類/3)原因/4) 病態/ 5)症状/6)現場活動
2. 慢性腎不全と慢性腎臓病
1)定義・概念/2)原因/3)症候/4)血液透析と腹膜透析/5)現場活動
3.糸球体腎炎
4. ネフローゼ症候群
C 尿路の疾患
1. 尿路結石症
1)定義・概念/ 2)原因/3)病態/4)症状/
5)現場活動
2. 急性腎孟腎炎
1)概念と疫学/2)原因是病態/3)症状/4)現場活動
3. 急性細菌性前立腺炎
4.急性膀胱炎
5.前立腺肥大
6.神経因性膀胱
D 女性生殖器の疾患
1. 骨盤内感染症
2. 卵巣囊腫茎捻転
3. 子宮筋腫
4. 子宮内膜症
5.卵巢出血
E 男性生殖器疾患
1.精索捻転症(精巣捻転症)
2. 精巣上体炎
3. 精巣炎
6 代謝・内分泌・栄養系疾患
A 総論
1.疫学と救急医療における意義
2. 代謝・内分泌・栄養系疾患の主要症候
3. 基本的対応
1)緊急度・重症度の判断/2)応急処置と搬送/3)医療機関選定
B 糖尿病とその合併症
1.糖尿病
1)病態/ 2)分類/3)合併症/4)糖尿病の治療
2.低血糖
1)病態/2)症状/3)原因/4)対応
3. 糖尿病ケトアシドーシス
1) 病態/2)症候/3)対応
4. 高浸透圧高血糖症候群
1)病態2)症候/3)対応
Cその他の代謝異常
1. 脱水
2.水電解質異常
3. 酸基平衡の障害
4. 痛風
D 内分泌疾患
1. 甲状腺機能亢進症
2.甲状腺機能低下症
3. 副腎機能異常
1)褐色細胞腫/2)クッシング症候群,クッシング病/3)副腎皮質機能不全
E 栄養疾患
1.肥満
2.るいそう
3. ビタミン欠乏
7 血液・免疫系疾患
A 総論
1. 救急医療における意義
2.血液・免疫系疾患の主要症候
1)出血傾向/2)リンパ節腫脹/3)肝脾腫
3.基本的対応
1)緊急度•重症度の判断/2)応急処置と搬送/3)医療機関選定)
B 血液疾患
1.貧血
1)定義‧概念/2)種類/3)病態/4)症候
2.血小板減少症
3.白血病
4.血友病
5.紫斑病
6.播種性血管内凝固症候群(DIC)
7.顆粒球減少症
8.止血に影響を与える薬剤
1)縫口抗凝固菜/2)抗血小板藥
C 免疫疾患
1.アナフィラキシー
1)定義・概念/2)疫学/3)原因/4)病態/ 5)症候/6)現場活動/7)医療機関での診療
/8)予後
2.アレルギー性疾患
1)薬物アレルギー/2)食物アレルギー/3)血清病
3.自己免疫疾患
4.膠原病
8 筋・骨格系疾患
A 総論
1.疫学と救急医療における意義
2.筋•骨格系疾患主要症候
1)急性腰痛/2)関節痛/3)筋肉痛/4)運動 麻痺
3.基本的対応
1)緊急度•重症度判断/2)応急措置と搬送/3)医療機関選定
B 脊椎疾患
1.急性腰痛症
1)定義・概念/2)原因/3)症候/4)搬送
2. 椎間板ヘルニア
1)定義•概念/2)原因/3)症候/4)現場活動
3.後縱靭帯骨化症
4. 脊柱管狭窄症
C 関節疾患
1.化膿性関節炎
1)定義•概念/2)原因/3)症状
2. 結晶誘発性関節炎
3.肘内障
4.肩関節周囲炎
5.肩腱板損傷
6.変形性関節症
7.関節リウマチ
D 筋疾患
1. 進行性筋ジストロフィー
2.重症筋無力症
3.周期性四肢麻痺
4. 横紋筋融解症
1)概念/2)原因/3)病態/4)症候/5)搬送
9 皮膚系疾患
A 総論
1. 救急医療における意義
2. 皮膚系疾患主要症候:皮疹
1)網状皮斑/2)チアノーゼ/3)紅斑/4)紫斑(出血斑)/5)色素斑(色素沈着)/6)丘疹 /7)水疱/
8)膨疹/9)表皮剝離/10)びらん /11)潰瘍/12)その他
3.基本的対応
1)緊急度•重症度判断/2)心急如置上搬送時の留意点/3)医療機関選定
B皮膚•軟部組織感染症
1. 壞死性筋膜炎
2.蜂巣炎(蜂窩織炎)
3. 伝染性膿痂疹
4.ブドウ球菌性熱傷樣皮膚症候群(SSSS)
5.丹毒
Cアレルギー性疾患
1. 荨麻疹
2.重症薬疹
1)スティーブンス・ジョンソン症候群(粘 膜皮膚眼症候群/2)中毒性表皮壞死融解
症(TEN)/3)アトピー性皮膚炎
Dその他の皮膚疾患
10 眼・耳・鼻の疾患
A 総論
1. 眼に関する主要症候
1)視覚障害/2)眼痛/3)羞明/4)結膜充血/5)瞳孔の変形
2.耳に関する主要症候
1)難聴/2)めまい/3)耳痛
3. 鼻に関する主要症候
1)鼻出血/2)鼻汁/3)鼻閉
B 眼の疾患
1.急性緑内障発作
1)病態/2)症候/3)対応
2.網膜中心動脈閉塞症
1)病態/2)症候
3. 網膜剥離
4.結膜炎・角膜炎
5. 白内障
6. 視神経炎
C 耳の疾患:末梢性めまい
1. 良性発作性頭位めまい症
2. メニエール病
3. 前庭神経炎
4. 突発性難聴
D 耳の疾患:炎症・外傷
1. 中耳炎
2. 鼓膜穿孔
E 鼻の疾患
1.鼻出血
2. 急性副鼻腔炎
11 感染症
A 総論
1.疫学と救急医療における意義
2.感染症法
3.予防接種
4.感染症の徴候
1)倦怠感/2)体重減少
5.基本的対応
B 敗血症
1.定義・概念
2. 病態
3. 症 候
C結核
1. 疫学
2.病態
3. 肺以外の病変(肺外結核)
4.医療機関での診療
D インフルエンザ
1. 季節性インフルエンザ
1)定義と概念/2)疫学/3)種類/4)症候, 5)予後
2. 大流行が危惧されるインフルエンザ
1)新型インフルエンザと再興型インフルエンザ/2)高病原性鳥インフルエンザ
E 食中毒
1. ノロウイルス
2. 腸管出血性大腸菌
1)概念/2)疫学/3)病態/4)症状
3. その他の食中毒
F 輸入感染症
1. マラリア
2. 細菌性赤痢
3. アメーバ赤痢
4. デング熱
5. 中東呼吸器症候群(MERS)
G 発疹性感染症
1. 麻疹
2. 風疹
3.水痘・帯状疱疹
H 性感染症
1. ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症
2.後天性免疫不全症候群(AIDS)
1)定義・概念/2)病態/3)症候/4)予後
Iその他の感染症
1.破傷風
2. ガス壊疽(クロストリジウム性筋壊死)
3. 疥癬
12 小児に特有な疾患
A総論
1. 小児の特徴
1)小児の生理学的特徴/2)成長に伴う形態 の変化/3)成長に伴う機能の変化
2. 発達による救急疾患の変化
B観察と判断
1.観察
2.小児にみられる症状の特徴
1)外見の観察/2)バイタルサインの観察
3. 緊急度・重症度の判断
4.処置と搬送時の留意点
1)応急処置/2)搬送時の留意点
5.医療機関選定
C 主な疾患
1. 熱性痙攣
2. 髄膜炎
1)細菌性髄膜炎/2)無菌性(ウイルス性)髄膜炎/3)觀察と対応
3.脳炎,脳症
4.クループ,急性喉頭蓋炎
5.急性細気管支炎
6. 気管支喘息
7.腸重積
8.急性腹症
1)急性虫垂炎/2)急性胃腸炎/3)腎疾患 4)外科的腸疾患(5)泌尿器科的疾患/6)便秘/7)その他
9. 溶血性尿毒症症候群(HUS)
10. 川崎病
11. 突発性発疹
12. 流行性耳下腺炎
13. 溶連菌感染症
14.乳現突然死症候群(SIDS)
15. 被虐待児症候群
13 高齢者に特有な疾患
A 総論
1. 加齢と老化
1) 加齢による身体機能上の変化/2)加齢に 伴う精神機能の変化/3)予備能の低下に伴う障害/4)修復力の低下
2. 高齢者疾患の特徴
3. 高齢者の置かれた状況
4. 高齢者疾患の症候
1)呼吸困難/2)意識障害/3)胸痛(胸部違 和感)/4)腰背部痛/5)腹痛/6)歩行困難/7)体温異常 5. 高齢傷病者への対応
1)病歴聴取/2)身体観察上の注意/3)緊急度・重症度の判断/4)処置と搬送/5)医療
機関選定
B 主な疾患
1. 認知症
1)中核症状/2)理解・判断力の障害/3)実 行機能障害/4) BPSD(認知症周边症状, 認知症の行動と心理症状)/5)搬送時における注意
2. 高齡者虐待
1)概念(2)種類3)背景(4)対応
3.せん妄
1)定義‧概念/2)原因/3)症候/4)対応
4.誤嚥性肺炎
5.肺気腫
6.脱水
7.骨粗鬆症
8.前立腺肥大症
9.廃用症候群
14 妊娠・分娩と救急疾患
A 正常妊娠 –
1. 受精と着床
1)受精/2)着床
2. 胎児
3. 胎児付属物
4. 妊娠週数
5. 妊娠による母体の変化
B 異常妊娠
1. 妊娠初期異常
1)流產/2)異所性妊娠(子宫外妊娠)/3)胞状奇胎
2. 妊娠中期以降の異常
1)切迫早產•前期破水/2)妊娠高血圧症候群/3)子癇/4)HELLP症候群/5)前置胎盤
/6)常位胎盤早期剝離/7)子宮內胎児死亡
C 正常分娩
1.分娩第1期
2.分娩第2期
3.分娩第3期
D 異常分娩
1.早產
2.前期破水
3.骨盤位分娩
4.子宮破裂
5弛緩出血
6.子宮内反
7.羊水塞栓
E 観察と処置
1.妊婦の観察と処置
1)問診/2)観察/3)妊婦搬送中の注意
2.新生児の観察と処置
1)気道確保・呼吸促進/2)臍帯切断/3)新生児仮死/4)新生児救急蘇生法/5)新生児の搬送法/6)搬送に必要な備品
3.医療機関選定
15 精神障害
A 総論
1. 分類
1)精神障害原因加以分類/2)精神障害の症状からの分類
2.疫学
3.主要症候
1)せん妄/2)精神運動興奮3)昏迷/4)幻覚・妄想/5)躁状態/6)抑うつ/7)不安・ パニック発作
4.基本的対応
1)精神症状への対応/2)自殺企図者・高リスク者への対応/3)精神運動興奮•他害行為への対応
B 統合失調症
1.搬送先の選定
2.医療機関選定と入院形態
C気分障害
D器質性精神障害
E 中毒性障害
1.アルコール関連障害
2.アルコール依存・乱用と関連が強い
身体疾患
3.覚醒剤乱用・依存
4.危険ドラッグ
Fその他の精神障害
1.パニック障害
2.心的外傷後ストレス障害(PTSD)
3.解離性(転換性)障害
4.摂食障害、
1)神経性無食欲症/2)神経性大食症
5.パーソナリティ障害
1)反社会性パーソナリティ障害/2)境界性パーソナリティ障害
6. 精神遅滞
7. 広汎性発達障害
G 向精神薬の主な副作用
1. 悪性症候群
2. セロトニン症候群
第6章 外傷救急医学
1 外傷総論
A 外傷の疫学
1.外傷死
2.外傷入院患者数
3.外傷救急搬送数
4.外傷システムとロードアンドゴー
1)外傷による死亡の時期/2)ロードアンドゴーとトラウマバイパス
B受傷機転とエネルギー
1.受傷機転
2.エネルギー
3. 衝突と力学的仕事
4.外力の種類
1)直接的な外力/2)間接的な外力
C 外傷の分類
1.成傷器の形状による分類
2. 損傷部位による分類
3.損傷部位の数による分類
D 主な受傷形態
1. 四輪車の外傷
1)正面衝突/2)側面衝突/3)後面衝突(追突事故)/4) 車外への放り出し/5)安全装置
2. 自動二輪車の外傷
3. 自転車の外
4. 歩行者の外傷
5. 墜落・転落による外傷
6. 重量物落下による外傷
7.動力機械による外傷
8. 挟圧外傷
9. 刺創
10.杙創
11. 銃創
12. 爆傷
13. 高圧注入外傷、
14. スポーツによる外傷
15. 受傷の要因となる疾病
2外傷の病態生理
A 侵襲への反応
1. 循環動態
1)心機能の亢進/2)心臓の前負荷増加/3)血流の再分配/4)限定的な代償
2.炎症性メディエータ
3.代償反応の破綻
4. 急性期後の障害
B 外傷に伴うショック
1. 出血性ショック
1)出血部位/2)出血に対する生体の反応/3)止血
2. 非出血性ショック
1)心外閉塞・拘束性ショック/2) 血液分布 異常性ショック/3)心原性ショック
3 外傷の現場活動
A 状況評価
1.出動要請時の情報収集
2. 感染防御
3. 資器材の確認
4. 安全確認:二次災害の防止
5. 傷病者数の確認と応援要請
6. 受傷機転の把握
B傷病者の評価
1.初期評価
1)反応と気道の評価/2)呼吸の評価/3)循環の評価/4)意識レベルの評価/5)観察と同時に行うべき処置
2. 全身観察
1)頭部/2)顔面・頭部/3) 胸部/4)腹部/ 5)骨盤/6)四肢/7)背面/8)緊急に行う処置
3.重点観察
4. 緊急度・重症度とロードアンドゴーの判断
5.医療機関選定と搬送開始
1)医療機関と搬送手段の選定/2)医療機関との連携
6. 搬送中の活動
1)体位と保温/2)靜脈路確保と輸液/3)詳細觀察/4)継続觀察
4 頭部外傷
A 特徵
1.疫学
2.外力作用機序
1)直擊損傷亡反衝損傷/2)減速機序と角加速度機序
3. 開放性損傷と閉鎖性損傷
4. 頭蓋内圧亢進と脳ヘルニア
5. 一次性脳損傷と二次性脳損傷
B 主な外傷
1. 頭皮外傷
2. 頭蓋骨骨折
3. 急性硬膜外血腫
4. 急性硬膜下血腫
5. 脳挫傷
6. 外傷性脳內血腫
7.外傷性くも膜下出血
8.主性脳損傷
1)脳震盪/2)びまん性軸索損傷
C 続発症•後遺症
1.外傷性てんかん
2.慢性硬膜下血腫
3.高次脳機能障害
D 現場活動
1. 觀察評価
1)受傷機転/2)初期評価/3)觀察
2.処置
1)気道・呼吸/2)循環/3)体位/4)創傷処置/5)頸部固定
3.緊急度•重症度判断
5 顏面•頸部外傷
A 特徵
1.疫学
2. 気道閉塞
3. 出血
4.機能障害
5. 整容的な問題
B 主な外傷
1.上顎骨(中部顏面骨)骨折
2.下顎骨骨折
3.頬骨骨折
4.眼損傷
5.鼻損傷
6.耳損傷
7.口唇•口腔損傷
8. 頸部損傷
C 現場活動
1. 観察と評価
1)受傷機転/2)初期評価/3)觀察
2.処置
1)気道・呼吸/2)循環/3)体位/4)創処置
3.緊急度•重症度の判断
6 脊椎,脊髓外傷
A 特徵
1.疫学
2.脊椎損傷の受傷機転
1)過伸展/2)過屈曲3)圧迫/4)回族/5)伸長
B 主な外傷
1. 脊柱の損傷
1)頸椎脱白•骨折,2)胸腰椎脱白,骨折/3)機板損傷4)外傷性頸部症候群
2.脊髓損傷
1)完全損傷と不全損傷/2)脊髓ショック3)神経原性ショック/4)呼吸節麻痺
/5)その他の神経症状/6)骨傷のない脊髄損傷
3. 神経根損傷
4.引き抜き損傷
C 現場活動
1.觀察と評価
1)受傷機転/2) 初期評価/3)觀察
2.処置
3.緊急度・重症度の判断
7 胸部外傷
A特徵
1.疫学
2.受傷機転
3.呼吸•循環不全
B主な外傷
1. 心損傷
2. 心タンポナーデ
3. 心臟振盪
4.大血管損傷
5.肺損傷
6.気胸
7.緊張性気胸
8. 血胸
9.気管•気管支損傷
10.肋骨骨折
11.フレイルチェスト
12. 横隔膜損傷
13. 外傷性窒息
C 現場活動
1. 觀察と評価
1)受傷機転/2)初期評価/3)觀察
2.処置
3.緊急度•重症度判断
8 腹部外傷
A 特徵
1.疫学
2.受傷機転
1)鈍的外傷/2)銳的外傷
3.病 態
1) 出血/2)消化管損傷
B 主な外傷
1.実質臓器損傷
1)肝損傷/2)脾損傷/3)腎損傷/4)膵損傷
2.管腔臟器損傷
3.血管損傷
4.後腹膜臟器損傷
5.腹壁損傷
C 現場活動
1. 觀察と評価
1)受傷機転/2)初期評価/3)觀察
2.処置
3.緊急度•重症度の判断
9 骨盤外傷
A 特徵
1.疫学
2.受傷機転
3.病態
4.合併症
B 主な外傷
1. 安定型骨盤骨折
2.不安定型骨盤骨折
C 現場活動
1. 觀察評価
1)受傷機転/2)初期評価/3)觀察
2.処置
3.緊急度•重症度判断
10 四肢外傷
A 特徵
1.疫学
2. 筋肉・腱損傷
3.捻挫
4.脱臼
5.骨折
1)骨折の種類2)骨折の合併症
6.コンパートメント(筋区画)症候群
7.血管・神経損傷
B 主な外傷
1.大腿骨
1)大腿骨骨幹部骨折/2)股関節脱臼/3)大腿骨頸部•転子部骨折
2.膝関節
3.足関節
4.手関節
5. 四肢(指趾)切断
C 現場活動
1.観察と評価
1)受傷機転/2)初期評価/3)観察
2.処置
1)出血/2)捻挫・脱臼/3) 骨折/4)コンパートメント(筋区画)症候群/5)四肢(指趾)切断
3. 緊急度・重症度の判断
11 皮膚•軟部組織外傷
A 分類
1.創傷
1)鋭器損傷/2)鈍器損傷
B 現場活動
C 特殊な損傷
1.広範囲剥皮創
2.クラッシュ(圧挫)症候群
1)病態/2)評価と処置
12 小児・高齡者・姓婦外傷
A 小児の外傷
1.特徵
1)頭部/2)気道/3)胸部/4)腹部/5) 四肢/6) 出血
2.主な外傷
1)頭部外傷/2)四肢外傷
3. 現場活動
1)觀察と評価/2)処置
4. 緊急度・重症度の判断
B 高齢者の外傷
1. 特徴
2. 主な外傷
3.現場活動
1)観察と評価/2)処置
4. 緊急度・重症度の判断
C 妊婦の外傷
13 熱傷
A 受傷機転と病態
1. 皮膚熱傷
2. 気道熱傷
3.合併症
B 評価
1. 初期評価(生理学的評価)
2.全身觀察(解剖学的評価)
1)熱傷深度の判定/2)熱傷面積の測定法/3)重症度分類/4)緊急度・重症度の判断
C処置
1. 気道管理
2.局所処置
3. 保温
4.輸液
5.医療機関選定
14 化学損傷
A 各種化学損傷
1. 酸
2.アルカリ
3. 金属およびその化合物
4. 非金属およびその化合物
5.腐食性芳香族化合物
6.脂肪族化合物、
7.その他
B観察
1.状況評価と初期評価
2.受傷機転と原因物質の特定
3. 全身所見
4. 局所の所見
5. 緊急度・重症度の判断
C 処置
1. 気道・呼吸管理
2. 汚染除去と洗浄
3. 保温
4. 中和剤
5. 医療機関選定
15 電撃症・雷撃症
A 電撃症
1.真性電撃傷と電気火傷
2.交流と直流
3.病態
4. 観察と処置
B雷撃症
1.病態
2,観察と処置
16 縊頸・絞頸
縊頸・絞頸とは
1. 縊頸
2.絞頸
B 観察と処置
17刺咬症(傷)
A 刺咬症(傷)とは
B哺乳類による咬症
1. イヌ
2.ネコ
3. ヒト
C 爬虫類による咬症
1.マムシ
2. ハブ
3. ヤマカガシ
4. ウミヘビ
D 節足動物による刺咬症
1.ハチ
2.クモ
3. サソリ
4. マダニ
E 海洋生物による刺咬症
1. クラゲ(刺胞動物)
2. ミノカサゴ、ゴンズイ
3. ヒョウモンダコ属
4. イモガイ
第7章 急性中毒学・環境障害
1 中毒総論
A 中毒とは
B 中毒物質
1. 中毒物質とは
2. 小児(5歳以下)の中毒物質
3. 高齢者(65歳以上)の中毒物質
4. 中毒死の原因となる中毒物質
5.毒物(毒薬)と劇物(劇薬)
C 病態生理
1. 吸収
2. 代謝・排泄
3. 中毒作用
4.解毒
D 観察と処置
1.中毒の判断
2. 安全確保と除染
3. バイタルサイン
4. 中毒物質の推定
5. 処置
6. 推定中毒物質の保存
E 医療機関での診療
F 医療機関選定と搬送中の注意
G 中毒情報
1. 中毒物質の特定
2. 中毒および治療に関する情報
2 中毒各論
A 医薬品中毒
1.睡眠薬
1)ベンゾジアゼピン系睡眠薬/2) バルビツール酸系睡眠薬/3)ブロモバレリル尿素系睡眠薬 2. 向精神薬
1)定型(第一世代)抗精神病薬/2) 非定型 (第二世代)抗精神病薬/3)三環系・四環系抗うつ薬/4)SSRI(選択的セロトニン再 取り込み阻害薬)/5)SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
3.解熱・鎮痛薬
1)アセトアミノフェン/2) アスピリン
B農薬中毒
1. パラコート除草剤
2. 有機リン系殺虫剤
3. グルホシネート除草剤
4. 界面活性剤
C 工業用品中毒
1.重金属
1)ヒ素/2)水銀
2. 有機溶剤
3. 青酸(シアン)
Dガス中毒
1.一酸化炭素
2.硫化水素
3.亜硫酸ガス
4. 塩素ガス
5. 神経毒ガス
E アルコール中毒
1. エタノール
1)単純酩酊/ 2)急性中毒とその対応
2. メタノール
3. その他のアルコール
1)イソプロパノール/2)エチレングリコール
F 自然毒中毒
1.毒キノコ
1)摂取から3時間以内に症状が出現するタイプ/2)摂取後6時間以上経過して症状が出現するタイプ
2.フグ
3.トリカブト
G 家庭用品中毒
1. タバコ誤食
2.防虫剤
1)樟脳(カンフル)/2)ナフタリン
3.洗剤(洗浄剤)誤食
4. ホウ酸
5.酸・アルカリ
6.殺鼠剤
1)タリウム系殺鼠剤/2) クマリン系殺鼠剤/3)モノフルオロ酢酸ナトリウム
H 乱用薬物
1. 覚醒剤
2. 大麻など,その他の違法薬物
1)大麻(マリファナ)/2) コカイン/3)モルヒネ/4) LSD(リゼルギン酸ジエチルアミド)/5) MDMA(メチレンジオキシメタンフェタミン), MDA(メチレンジオキシアンフェタミン)/6)危険ドラッグ
3異物
1. 異物の種類と特徴
2. 病態と観察
3.処置
1)意識がある場合/2) 処置中に意識を消失した場合/3)心肺停止の場合/4)異物除去に伴う合併症
B 消化管異物
1. 異物の種類と特徴
2. 病態と観察
3.処置
C 鼻・耳・眼・性器の異物
1. 鼻の異物
2.耳の異物
3.眼の異物
4. 性器異物
4溺水
A 病態生理
1. 溺水と溺死
2. 溺水の過程
3.病態
B 観察と処置
1.安全管理と患者接触
2. 心肺蘇生
3. 自己心拍再開後の管理
4.予後
5 熱中症
A疫学
B病態生理
1. 発生機序
2. 分類
3. 予防
1)水分補給/2)暑さ指数(湿球黒球温度,WBGT)
C観察
1.初期評価
2.熱中症の判断
1)意識評価(初期評価)/2)体温の評価(全身観察)/3)発汗の有無(全身観察)/4)問
診と情報収集、
D処置
1.I度熱中症
2.II度熱中症
3.III度熱中症
E 搬送時の注意
1. 医療機関選定
2. 搬送時の留意点
6偶発性低体温症
A 発生機序と病態生理
1. 発生機序
2.呼吸・循環動態の変化
3. 意識障害
B観察
1.初期評価
2.深部体温
3.随伴症状
4.心電図の観察
C処置
1. 心肺蘇生
2. 体位・体温管理
3. 医療機関選定
4.医療機関における診療
7 放射線障害
A 放射線の概要
1. 放射線とは
2. 種類と透過力
3.単位と線量
4.被曝の分類
5.汚染の種類
B 人体への影響
1.影響を受ける細胞による分類
2.障害発生の時期による分類
3.吸収線量と障害発生の関係
4. 過去の放射線災害
C 放射線への対応
1. 放射線防護
1)外部被曝の防護/2)内部被曝の防護
2. 線量測定
3. 養生
4. 区域管理(ゾーニング)
5. スクリーニング(汚染検査)
6. 除染
7. 健康管理
D 観察と処置
1. 傷病者の評価・処置
2. 緊急度・重症度の判断と医療機関選定
3. その他
1)医療機関への情報提供/2)放射線管理の専門家の支援
8 その他の環境障害
A 高山病
1. 発症機序と病態生理
1)急性高山病と高地脳浮腫/2)高地肺水腫
2. 観察と判断
3.処置と医療機関選定
B 減圧障害
1.発症機序と病態生理
1)減圧症/2)動脈ガス塞栓症(空気塞栓症)
2.観察
3.処置
4. 医療機関選定
C 酸素欠乏症
1. 発症機序と病態生理
2.観察
3.処置
D 凍傷
1. 発生機序と病態生理
2.観察
3.処置
4.医療機関における診療
E 紫外線による障害
1. 発生機序と病態生理
2. 症候
索引・欧文略語一覧 巻末
目次 – 救急救命士によるファーストコンタクト 第2版―病院前救護の観察トレーニング
第2版の序
医療機関という「場」は,患者の治療を行う場所である。そのために医師は患者の訴え,診察に加えて,心電図,超音波,X線,CTなどの高度な医療機器を駆使して,これらの医療機器が示した結果を解釈して「診断」する能力を備えていなければならない。
一方,病院前救護という「場」は全く異なる。高度な医療機器が存在しない上に活動時間も制約されている。病院前救護という場においては,要救護者の状況を「観て」「触れて」「聴いて」という五感を用いて把握した上で医学的知識に基づく評価を行い,対応できる設備が整った医療機関を選択して迅速に搬送する能力が求められる。
したがって,病院前救護活動の中心を担う救急救命士は,これら4つの能力を磨かなければならない。このうち最も本質的なものは「医療機関の選択」である。選択とは,①選択肢を挙げる,②選択肢の中から1つを決定,という2つを行うことであり,選択肢の豊富さ,決定に際しての科学的根拠性をいかにもてるかが専門職の能力なのだ。そして,その選択のために医学的専門性で行うのが,要救護者の状況把握と評価,すなわち観察である。
救急救命士の教育は,いつからかプロトコールという約束手法を、コース教育という統一方法で行うことに,その中心を置くようになった。活動時間の制約,公的サービスの一環,という現行の病院前救護の特性を考えると,その質を全国均一化するためにプロトコールという方法を採用することは必ずしも間違いではない。
しかし,教育は違う。教育の目的はプロトコールに使われる者を育成することではなく,その科学的意味を理解し,適用を含めてプロトコールを自在に使える者を育成することにある。同時に,教育とは現状を充足することに加えて、未来を構築していく種子をまくことでもある。
小さな本であるが,第2版を出させていただけることになった。今版では,近年の消防法改正を踏まえるとともに,トレーニング論など,救急救命士の未来を構築するための概念を盛り込んだつもりである。
麻酔科指導医としての手術室での仕事,救急専門医としての救命救急センターでの仕事,行政官としての厚生労働省での仕事,そして救急救命九州研修所での教育,どれが欠けても本書を作成することはできなかった。
すべての出発点である医学部に入学するのに時間を要した私を常に励まし,支援してくれた母に,そしてある日突然,臨床を離れて行政に行くと言い出した私の行動を理解し,応援してくれた妻と子供たちに、感謝とともに本書を捧げたいと思う。
2012年1月
郡山一明
目次
第1章 トレーニング論
A 救急救命士の役割は何か
1. マーケティングのSTPで考えてみる
2. 救急救命士の役割は Must not miss の病態を見つけること!
B プロフェッショナルへのトレーニング
1. 人にモノを付けるのか,モノに人を付けるのか?
2. 缶詰型教育と問題解決型教育
C 熟達段階―今,あなたがいる段階,これからの方向性
D 脳を鍛える
1. 見えないゴリラ
2. 郡山式 AIDMA法によるトレーニング
3. 「他覚所見>自覚症状>状況」を取り入れたトレーニング
第2章 Oxygen Delivery
A 生物にとっての酸素
1. 「生きる」の中心にあるもの
2. 救急救命士と一般人が同じ対応?
B 観察とOxygen Delivery
第3章 循環の観察
A マヨネーズを握る
1. 循環の意義
2. 心拍出量
3. どんなときに心拍出量が減るのか
4. 心拍出量の維持
B脈を触れる
1. 橈骨動脈を触れる
2. 頸動脈を触れる
3. 大腿動脈,足背動脈を触れる
4. 血圧の左右差,上下差
C 循環不全(うっ血)を見抜く ― 山手線で理解する
1. 心不全とは何か
2 左心不全による肺の変化 ― スボンジを持って風呂に入る
3. 右心不全 ― うっ血性心不全による頸静脈の性状
4. その他の変化
D 末梢循環
E. シミュレーション
1. 正常の循環状況を確かめる
2. 動脈閉塞を再現する
3. 頸静脈の性状を観察する
第4章 呼吸の観察
A 呼吸の原理を知る
1. 肺の意義
B 目で見る
1. ティッシュペーパーで肺胞内圧を見る
2. 呼吸の大きさと速さ
3. 生体はどんなときに分時換気量を大きくするのか
C 聴診器を使う
1. 肺胞呼吸音を聞いてみる
2. どんなときに肺胞呼吸音が聞こえなくなるのか
3. 気管支呼吸音を聞いてみる
4. どんなときに気管支呼吸音が聞こえなくなるのか
D 上気道閉塞パターンを理解する
E シミュレーション
1. 普通の呼吸を観察する
2. 左右差を見いだす
3. さまざまな呼吸状態でやってみる
4. チェックリスト項目
第5章 出血の観察
A 出血の生体への影響
1. 出血量は見た目ではわからない
2. 出血で足りなくなっているのは酸素か,それとも……
B バイタルサインの経時変化
C シミュレーション
1. バイタルサインの変化を感じる
2. Interest を鍛える
第6章 Oxygen Delivery のまとめ
A 酸素化と低酸素
1. Oxygen Deliveryを回転寿司に学ぶ
2. SaO2を理解する
B 低酸素の症状
C 努力呼吸の辛さ
Dバッグバルブマスクを使う一2つの役割
1. たくさんの酸素を投与する
2. バッグバルブマスクのもう1つの役割一呼吸仕事量を減弱する
3. 呼吸に合わせる
4. 「陽圧換気」がわかっている
E シミュレーション
第7章 中枢神経の観察
A 意識の観察
1. 病院前救護における意識確認の意義
2.「お名前を言えますか? 手を握ってみてください」一中枢神経の Attention
3. 意識レベルーJCSとGCS
4. 意識状態
B 脳局在機能の観察一意識レベルの次の Interest
1. 巣症状(Focal sign)
2. 眼の観察
3. 麻痺の観察
4. その他の巣症状
C その他の観察事項
1. 脳圧亢進とその進行
2. 心電図変化,肺水腫
D シミュレーション
1. 生体を使って以下の状態を再現せよ
2. シミュレーターを使ってクッシング現象を再現せよ
第8章 モニター心電図
A 影絵を映す
1. モニター心電図の概念
2. 電極の基本位置とダイアルの設定
3. 電極の位置と観察している部位
B モニター心電計で知りたいことを決める
C 心筋虚血一急性冠症候群とST 変化
1. 心筋虚血と急性冠症候群
D 伝導障害一不整脈
1. 不整脈の監視
2. 危険な不整脈
E. 電極を付ける
1. 右手に赤電極,左足に緑電極
2. 右肩に赤電極,V5に緑電極
3. 胸骨柄に赤電極, V5 に緑電極
4. 前壁,前壁中隔の心筋を見たい
5. たくさんの部位の心筋を見たい
6. 胸骨柄に赤電極,胸骨下部に緑電極
F モニター心電図のまとめ
G 心電図シミュレーション
1. 紙と鉛筆を使って
2. 心電図発生装置を使って
第9章 小児の特性
A 小さいということ
B「なのに」という Keyword
1. 循環系
2. 呼吸系
3. 体温
第10章 シナリオトレーニング
A シナリオトレーニングの意味
1. 郡山式 AIDMA 法の Interest をトレーニングする
2. 病院前救護における3つの観察
3. 疾患別シナリオ
4. 症候別シナリオー鑑別の重要性:Wason 課題と病院前救護
B. 疾患別シナリオ
1. 急性冠症候群
2. 気管支喘息
3. 脳卒中
C. 症候別シナリオ
1. 胸痛
2.腹痛
第11章 まとめ
A 観察を組み立てる一当選したお年玉付き年賀はがきを探す
B ピサの斜塔の定理
C 現場処置の有効性>迅速な搬送なのか
■付録1 気道確保(下顎挙上法)
1. 手技の位置づけ
2. ポイント
3. 実施の際の確認事項
■付録2 器具を用いた気道確保
1. 気道確保器具の原理を理解する
2. 頭の位置を変えてみる
■付録3 救急救命士が間違いやすい16ポイント+1
■索引
Note 一覧
・心拍出量を規定するもの
・E=I×R 脈拍の強さは末梢血管抵抗にも比例する
・自分の脈拍を触れてしまう
・心音との関係
・血圧の左右差の確認
・動脈閉塞があるとき
・呼吸の解剖と生理
・とにかく呼吸の左右差を聞きたい!
・mmHgとSa02
・ちょっと休憩
・赤ちゃんと成人の違い