「電気主任技術者」と「電気通信主任技術者」の違いとは? – 仕事内容から難易度の違いまで




電気主任技術者とは

電気主任技術者は、一言で言うと「電気設備の工事監督、維持を行う人」のことです。

電気設備は、電気を供給する発電所や変電所から住宅の中で電気を送るための小さい設備まで含みます。電気設備は、高電圧のこともあり資格がない人が作業を行うと、危険が伴う場合が多いので、電気主任技術者が工事の指揮を取ったり、日々の保安業務を行うことで安全に保たれています。

電気通信主任技術者とは

電気通信主任技術者は、一言で言うと「電気通信設備において監督する人」のことです。
わからない人に説明しますと、電気通信設備とは、電話の指令局やテレビの放送設備、ネットワークのLAN設備などのことです。

電気通信設備事業者は、必ず安全を維持するために電気通信主任技術者を事業場ごとに配置することが決められています。

具体的な業務は、電気通信設備で行われる工事の監督や維持、運用を行います。
効率よく電波を届けるために基地局で工事を行う場合などで、責任者として指示を行う場合があります。また、普段でも不備がないか必ず点検を行う義務があります。

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出典:出版社HP

電気主任技術者と電気通信主任技術者の違い

大きな違いは、仕事に活かしやすいかどうかというところにあります。
電気主任技術者は必要としている会社も多く、この資格を持っているだけで電気関係の会社では一目置かれます。

電気通信主任技術者は、電気通信設備に限るため、NTTや大手携帯会社などの関連企業でないと必要としない職業なため、せっかく資格を取得しても仕事に使えないことも多くあります。

電気主任技術者と電気通信主任技術者の難易度

電気主任技術者は扱える電気設備の範囲により、3種類に分けられます。その中で1番難易度が低いのは、「第三種電気主任技術者」です。それでも第三種の合格率は約10%程度と、他の資格と比較すると非常に難しく、企業では資格があるだけで一目置かれます。

電気通信主任技術者は、最近の合格率が約30%です。簡単な試験ではありませんが、電気主任技術者試験よりも合格しやすいです。先ほども解説したように、電気通信主任技術者は必要とされる会社が限られてくるので、会社に就職してから必要になった際に資格取得を考えることをおすすめします。

電気主任技術者と電気通信主任技術者の就職

電気主任技術者は、電気設備全般に関してお仕事を受けることができます。そのため、発電所の工事から工場の電気設備のメンテナンス、新築住宅の電気設備設置に至るまで様々な業務を行えます。そのため、電気関係の会社から常に求人募集がかかっている状態で、資格を取得しただけで就職の幅は一気に拡がります。その分、資格取得まで時間と労力がたくさん必要なので注意しておきましょう。

電気通信主任技術者は、NTTや携帯電話会社などの就職では、有利に働くことが多いです。ただ、電気通信主任技術者は監督する立場の仕事になるため、企業に就職してすぐにその立場になれることは少ないでしょう。電気工事に関する工事を行える資格として「工事担当者」試験があります。就職や会社に入りたての時は、工事担当者試験を先に取得する方が良いです。

まとめ

ここまで、電気主任技術者と電気通信主任技術者の違いについて色々な視点で解説してきました。

電気主任技術者は、毎年第三種電気主任技術者だけでも約6万人が受験する大変人気な資格です。理由として、電気主任技術者が様々な会社で存分に資格を活かせる場が用意されていることが挙げられます。

それでも、決して簡単に合格できる試験ではないので、1年間以上の月日をかけて参考書等で勉強する必要があります。電気主任技術者を受けると決めた人は、時間を見つけて今日から資格勉強を始めていきましょう。

電気通信主任技術者は、電気主任技術者よりも難易度が低いことに加え、使える場が限られています。そのため、今学生である人は、無理して取得する資格ではないです。まずは、電気主任技術者や工事担当者試験から挑戦して、さらなるスキルアップとして電気通信主任技術者資格を取る機会ができることを心から応援しています。

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出典:出版社HP