電気主任技術者資格に合格するためのおすすめの対策とは? – 具体的な勉強法を徹底解説!
電気主任技術者とは
電気主任技術者は、電気事業法で定められている国家資格で、電気設備の工事において監督・保安を行う人のことです。電気工事を行う会社では、法律で電気主任技術者を配置する必要があるため、企業から多く求められている人材です。
電気主任技術者資格は、第三種で毎年約4万人が受験する大変人気な資格です。しかし、一番合格率が高い第三種電気主任技術者資格でも約9%の合格率です。そのため、計画的に正しい勉強方法を行わないと合格することは難しいです。
この記事では、電気主任技術者試験合格するための勉強方法や時間の使い方をわかりやすく解説していきます。
電気主任技術者資格の試験内容
電気主任技術者資格は、監督できる電気工事の範囲により、第一種・第二種・第三種に分かれます。
資格 | 従事できる電気工事の範囲 |
第一種電気主任技術者
(電験一種) |
すべての事業用電気工作物 |
第二種電気主任技術者
(電験二種) |
電圧17万V未満の事業用電気工作物 |
第三種電気主任技術者
(電験三種) |
電圧5万V未満の事業用電気工作物 |
電験一種と電験二種は、筆記試験2回(一次試験・二次試験)で合否が判定されます。
それに対し、電験三種は、筆記試験が1回のみです。
電気主任技術者の筆記試験は、科目制で1次試験は4科目、2次試験は2科目あります。
試験 | 方式 | 科目 |
1次試験(第一種・第二種)
筆記試験(第三種) |
マークシート式 | ❶理論
❷電力 ❸機械 ❹法規 |
2次試験(第一種・第二種) | 記述式 | ①電力・管理
②機械・制御 |
合格するには、全ての科目で基準点に達する必要があります。
ただし、4科目中3科目合格した場合などは不合格になりますが、次の試験では1科目だけ受験して基準点に達すれば合格になります。そのため、難しい試験でもあるため、一回で合格しようと思わず、3回で合格するような心持ちで試験に臨んでも問題ありません。
試験科目の出題範囲
電気主任技術者試験の対策は、試験範囲の把握をすることから始めましょう。
1次試験・第三種の4科目と2次試験の2科目の具体的な出題範囲は以下の通りです。
科目 | 出題範囲 |
❶理論 | 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測に関するもの |
❷電力 | 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路 及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び 運用並びに電気材料に 関するもの |
❸機械 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理に関するもの |
❹法規 | 電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理に関するもの |
①電力・管理 | 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路 及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び 運用並びに電気施設管理に関するもの |
②機械・制御 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、自動制御及びメカトロニクスに関するもの |
科目ごとに出題される範囲が決められていますが、広範囲にわたって出題されることがわかります。
筆者の印象ですが、「❶理論科目」は高校物理の電気分野で扱い内容が多く出題されます。ベクトル図など応用的な問題もでますが、試験対策がしやすい科目です。
次に「❷電力科目」は、発電所などの電気系統に関する知識問題が多く出題されます。他の科目に比べて、単純な知識が問われるので、しっかり対策をしていきましょう。
また、「❸機械科目」は、上の表からもわかる通り、出題される可能性のある範囲が広いです。ここ最近では、知識問題から計算問題まで出題されているので、勉強時間が多く必要な科目です。
最後に「❹法規科目」は、名前の通り法律関係の問題となります。法律と聞くと苦手意識を持つ方も多いと思いますが、将来電気主任技術者として働く場合に必要な知識が多く学べるので、頑張って試験勉強していきましょう。
ここまで、科目別に解説していきましたが、第三種から第一種になるにつれて計算が厄介になり、難易度が上がります。
また、2次試験の2科目は記述式で、1次試験よりも時間をかけて対策をする必要があります。
ここでは2次試験について詳しい解説はしませんが、まずは1次試験の勉強から始める人が多いと思うのでそちらに集中して合格を目指しましょう。
具体的な勉強方法
電気主任技術者試験は、合格率が低い試験です。そのため、1年に1回しかない試験ですが、3年間かけてやっとの思いで合格を手にする人も多くいます。
では、具体的にどのように資格勉強をしていけばよいのでしょうか。
まず、1つ目の方法として、あまりお金をかけたくないのであれば、参考書等を買い「独学で勉強をする方法」がおすすめです。
書店などに行けば、科目ごとに出題範囲をカバーした本が売られています。教科書のように全範囲の知識を網羅している本もあります。また、過去問題集の解説や厳選問題を集めた本もあるので、全てやりこなすことができれば、60点を超えることは難しくないです。
ただ、長期戦になることはある程度覚悟しておきましょう。最低でも参考書8冊程度はやりきらないといけないこともあり、モチベーションがなかなか続かない人が多いかもしれません。
そこで、2つ目の方法として「通信講座や専門学校に通学すること」をおすすめします。
通信講座は3〜5万円程度、通学講座は10〜20万円程度かかりますが、独学に比べて勉強が捗りますし、質問などができることが最大のメリットでもあります。
難関資格ということもあるので、簡単に受かる方法はありませんが、合格するまでの間で自分にとって一番良い方法を考えてみてください。
時間配分や始めるタイミング、何年もかけて受験
電気主任技術者試験は、1次試験が8月下旬・2次試験が11月中旬に行われます。
最低でも、電気主任技術者試験の対策には勉強時間が1000時間必要と言われています。そのため、試験の1年前から準備しておくことが理想です。
繰り返しにはなりますが、1回で必ず合格することを考えるのではなく、複数回受験して全ての科目に合格すると考えた方が賢明です。初めて受験する時は、自分の得意科目とあと1科目合格するくらいの軽い気持ちで受験しましょう。
一回で合格しないといけないと思い、プレッシャーをかけると長い戦いに負けてしまいます。
まとめ
最後に、筆記試験の合格基準は、各科目60点以上です。先ほども解説したように、科目別に合否が出されるため、4科目で240点(60点×4科目)以上とればいいわけではありません。
まずは、自分の得意そうな科目から試験勉強を始めてみましょう。ちなみに多くの人は、「❶理論科目」から始めています。高校物理の内容が多く出題されるため、問題が解ける喜びを感じやすいため、その後の勉強習慣もつきやすいです。
また、「❹法規科目」は暗記する内容が多いので、試験ギリギリでも間に合うこともあり、最後に残す人が多いです。
どちらにしても、バランスよく問題を解くことが必要なため、焦らないように早い段階から準備を始めましょう。