電気主任技術者になるには実務経験が必要?試験なしでも合格できるって本当?
電気主任技術者とは
電気主任技術者とは、高層ビルや発電所などの建物で行われる電気工事の保安・監督する人のことです。
現代では、ほぼ全ての建物に電気設備が備わっていて、電気主任技術者資格を持っている人が事業用の建物の管理・監督をすることが法律で定められています。
電気主任技術者資格を持っている人は、企業では常に求められている存在なため、就活で有利になることや仕事の幅を広げることにつながります。
ただ、電気主任技術者試験は合格率が10%以下と大変難しい試験です。ある程度、電気に関する知識を持っていて、さらに資格試験に向けてたくさん勉強できる人でないと合格することは難しいです。
そんな難しい電気主任技術者資格ですが、試験を受けることなくできる方法があります。
この記事では、試験なしで取得できる条件を具体的にわかりやすく解説していきます。
電気主任技術者資格は試験なしで取得できる?
電気主任技術者資格を取得して免状を取得するには、大きく分けて2つの方法があります。
1つ目は、試験に受けて合格すること。
2つ目は、認定校を卒業して実務経験を積むことです。
1つ目の方法は、筆記試験に合格するという方法です。電気主任技術者資格試験はマークシート形式で行われ、第一種・第二種は2回、第三種は1回が行われます。
2つ目の方法は、厚生労働省に認定された学校で所定の単位を習得して卒業した後、電気工事に関する実務経験をもつという方法です。
今現在、社会人の人も自分が卒業した学校が認定校に指定されている場合が多くあるので、経済産業省のホームページで確認してみることをおすすめします。
具体的な条件とは
それでは、厚生労働省に認定された学校とはどんな学校なのでしょうか?
まず電気主任技術者資格には、第一種・第二種・第三種の3種類があります。第一種が上位の資格にあたります。
まず、第一種の認定校は、電気系の学部学科がある全国のほとんどの大学が該当しています。国立大学や工業大学が多くを占めています。
第二種の認定校は、全国の工業高等専門学校、産業技術学校などです。また、第三種の認定校は、全国の工業高等学校などです。
このように多くの学校が認定されているため、もしかしたら既に認定校を卒業されている方が多いのではないでしょうか。
ここで注意してほしいことは、卒業すれば条件を満たすわけではなく「所定の科目の単位を取得する必要がある」ことです。
電気主任技術者資格の学科試験には、①理論・②電力・③機械・④法規があります。この4科目すべてを学校ごとに決められた授業を受け、単位を取得できれば条件を満たすということです。
もし、在学中に②電力の単位を取得できていないのであれば、②電力の分野だけ筆記試験を受ける必要があります。
次に、実務経験についてです。
認定校卒業者が、必要な単位を取得していれば、あとは所定の実務経験を積むことで電気主任技術者の免状を取得できます。また、実務経験に含まれない電気工事の種類もあるため、詳しいことは会社に相談してみることをお勧めします。
まず、第一種電気主任技術者ですが、実務の経験年数が「卒業前の経験年数の2分の1と卒業後の経験年数との和が5年以上」必要です。
細かい規定ですが、ほとんどの人は学校を卒業した後に働き始めるため、5年以上働けば条件を満たします。
次に第二種電気主任技術者は、実務の経験年数が、大学卒業の場合「卒業前の経験年数の2分の1と卒業後の経験年数との和が3年以上」・短期大学・高等専門学校卒業の場合「卒業前の経験年数の2分の1と卒業後の経験年数との和が5年以上」必要です。
第三種電気主任技術者は、実務の経験年数が、大学卒業の場合「卒業前の経験年数の2分の1と卒業後の経験年数との和が1年以上」・短期大学・高等専門学校卒業の場合「卒業前の経験年数の2分の1と卒業後の経験年数との和が2年以上」・高等学校卒業の場合「卒業前の経験年数の2分の1と卒業後の経験年数との和が3年以上」必要です。
まとめ
本記事では、電気主任技術者資格は、認定校を卒業して実務経験を積むことで取得できるということを解説してきました。
ただ社会人の方など時間の都合で指定校には通えず、この方法を使えない人も多くいると思います。
そのような人でも、市販の資格対策本や通信講座などを使うことにより、筆記試験に合格して電気主任技術者になることができます。また、一回で合格することは考えずに、2〜3回の受験で取得することを考えておきましょう。
また、似たような資格で「電気工事士という」資格があります。電気工事士は、条件に満たす建物で電気設備の工事を行う人のことです。こちらも国家資格ですが、合格率は40%前後と比較的取得しやすい資格です。まだ、電気工事士資格を取得していない方は、こちらの方を先に取得することをおすすめします。
どちらの資格も誰でも受験することが可能なため、学生の方から社会人の方まで興味のある人は、この機会に資格試験対策を始めてみてはいかがでしょうか。