不動産鑑定士の年収はどれくらい?稼げるって本当? – 不動産鑑定士の収入や課題について徹底解説!
不動産鑑定士は、不動産の適正な価格を鑑定したり、不動産の有効活用に関するコンサルティングを行うことができる資格です。不動産系の資格では最も難易度の高い資格で、取得すると、不動産業界だけでなく、金融業界などで活躍できる可能性があります。
不動産鑑定士は三大国家資格の一つと言われるため、資格の評価は高いとされています。そうなると、収入の面も気になってくるかもしれません。そこで、今回は不動産鑑定士の収入について焦点を当てたいと思います。
不動産鑑定士の年収は
不動産鑑定士の平均年収は、概ね800万円前半と言われています。
日本の平均年収は400万円前半とされていることを考慮するとかなり高くなっています。
ただその一方で、年収が高い不動産鑑定士は一部で、多くの不動産鑑定士の年収はそれほど高くないとする意見もよく出されます。この理由として、不動産鑑定士の需要について、単価があまり高くない公的評価の案件が大きなウェイトを占めている地域が多いこと、その公的評価の業務を受注することが、経歴の長い不動産鑑定士によって既得権益化していることが挙げられやすいです。
また、正社員として、アセットマネジメントを行う会社に勤めるケースも多いですが、そうした事例では、年収は入社した会社に左右されるため、明確に高い収入が得やすいということではなさそうです。
結局のところ、不動産鑑定士の業務を行う際には、単価が高い仕事を発注してくれるクライアントを獲得できれば、高い収入を得られるということです。公的評価については、安定的に仕事が発生するケースがありますが、公共工事の減少に伴い、不動産鑑定の発注が減っているという意見もあり、厳しい状況になっているようです。
地方だと儲かるのか
「不動産鑑定士は都会では儲からないが、不動産鑑定士が少ない地方だと儲かりやすい」という噂がたまにあります。実際のところはどうなのかというと、やはりそこまで儲かりやすいとまでは言えないようです。その理由は、全体的に不動産鑑定士の需要が少ないことや公的評価の単価と数に大きく影響を受けることなどが考えられます。
高い収入を得たい場合には、宅建や公認会計士といった他の資格と組み合わせて働くことや積極的にクライアントを開拓していくことなどが考えられます。相続や土地活用の相談などが地方で新たに開拓できる可能性がある分野ですが、実際に需要があるかは不透明です。過度な期待を寄せるのは避けるべきでしょう。
不動産鑑定業界の課題
年収が高くない不動産鑑定士が多いとされる背景に、業界の構造を挙げる人も多く、実際に不動産鑑定業界について多くの問題点が指摘されています。
具体的には
・不動産鑑定の需要が少ない
・高齢の不動産鑑定士が既得権益化し、業界の新陳代謝を阻害している
・人気が低下したために、受験者数が減り、試験の難易度の易化や人材の質の低下を招いている
・不動産の鑑定は今後AIの活用などにより機械化され、鑑定士の需要がなくなる可能性が指摘されている
といったものがあります。
悲観的な意見が多いですが、弁護士と比較すると競争がそれほど激化しておらず、鑑定士の供給が減ることで競争が緩やかになったり、既得権益者のロートル化によって業界が持ち直すこともあり得るとは思います。
まとめ
今回は、不動産鑑定士の収入にまつわることを見てきました。高い収入を得ることは簡単ではなく、業界の構造的な問題も数多くあります。
しかし、取得後にアセットマネジメントや金融業界で活躍できる可能性もあり、安定的な収入を得るきっかけとなる可能性もあり、無駄になることはない資格です。不動産に関心があり、突き詰めていきたいなら、目指してみてはいかがでしょうか。