応用情報技術者試験の難易度ってどれくらい?出題範囲や合格基準・合格率まで




応用情報技術者の概要
応用情報技術者試験とは、高度IT人材として働く人を対象とした、データベース・セキュリティ等多岐にわたる情報技術の知識・技能を証明する資格の一つです。体系的な知識・技能を学ぶことのできる試験として、ITパスポート試験や基本情報技術者試験が挙げられますが、応用情報技術者試験はその中で最もレベルの高い資格となります。
 
応用情報技術者試験の難易度
応用情報技術者試験の難易度を、ITパスポート試験や基本情報技術者試験と比較して、出題範囲、合格基準・合格率の観点から見ていきたいと思います。
 
出題範囲
応用情報技術者試験の出題範囲は大きくテクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3つに分かれています。問題数は80問中50問とテクノロジ系が最も多くマネジメント系が10問、ストラテジ系が20問と、テクノロジ系が最も多い配分となっており、これはITパスポートや基本情報技術者と同様となります。しかし、その内容の難易度と出題範囲は大きく異なります。

出題範囲に関しては、IPAの公式HPにシラバスが掲載されています。そのページ数を見てみると、ITパスポートが全62ページ、基本情報技術者試験が全117ページと比較して、応用情報技術者試験は全132ページとその試験範囲の広さが分かります。

シラバスに掲載されているカテゴリを参考に見てみると、テクノロジ系 情報に関する理論の出題範囲を参照すると以下の範囲に分かれています。
 
ITパスポート
(1)情報量の単位 (2)ディジタル化 (3)文字の表現 (4)述語論理 (5)AIの技術
 
基本情報技術者試験
(1)情報理論 (2)符号理論 (3)文字の表現 (4)述語論理 (5)形式言語 (6)オートマン (7)計算量 (8)AI (9)コンパイラ理論 (10)プログラム言語論・意味論
 
応用情報技術者試験
(1)情報理論 (2)符号理論 (3)文字の表現 (4)述語論理 (5)形式言語 (6)オートマン (7)正当性理論 (8)計算量 (9)AI (10)コンパイラ理論 (11)プログラム言語論・意味論

大まかな範囲は同じであっても、さらに深く難しい範囲が求められるのが応用情報技術者試験になります。しかし、逆にいえばITパスポートや基本情報技術者試験の勉強が応用情報技術者の対策に活かすことができます。その上で応用情報技術者試験で追加された範囲を学ぶことで、効率的に試験範囲を学習することができます。
 
合格基準・合格率
試験範囲がより広く、さらに深い知識が求められる応用情報技術者試験ですが、その合格基準、合格率はどれくらいなのでしょうか?

ITパスポート 基本情報技術者試験 応用情報技術者試験
合格基準 総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること 午前・午後ともに60点以上であること 午前・午後ともに60点以上であること
合格率 50% 25%(2020年までのマークシート形式)

50(2021年からのCBT方式)

20%

ITパスポート・基本情報技術者試験・応用情報技術者試験のそれぞれの合格基準と合格率は以下の通りになります。一見、全体で6割が合格基準であることは同じように思えますが、そもそもの問題の難易度が違う上、基本情報技術者試験と応用情報技術者試験は午前・午後ともに6割以上正解する必要があります。また、応用情報技術者試験の難易度の高さは合格率に現れています。基本情報技術者試験の合格率が25%である一方で、応用情報技術者試験はさらに低い約20%の合格率となります。応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の合格者も多く受験しているため、その合格の難しさが分かります。
 
応用情報技術者試験取得するメリット
応用情報技術者試験が役立つ場面は、就職活動や普段の業務など多岐に分かります。

就職活動においては、情報処理の知識・技能が身に付いていることが評価され優遇される場合もありますが、直接的でなくともこの難しい試験に挑戦し合格したという過程もアピールポイントとすることができるでしょう。特に転職活動においては、目に見える資格として応用情報技術者試験を取得しておくことで一定の知識・技能を証明することができます。

普段の仕事においては、業務において役立つ場面も勿論ありますが、企業によっては昇進や昇給の要件になる場合もあります。ITエンジニアに必要とされる共通知識や技術の土台を身につけることができる応用情報技術者は、技術面の育成や社内資格認定としても活用されています。
 
まとめ
いかがだったでしょうか。ITパスポート試験や基本情報技術者試験と比較して、応用情報技術者試験の難易度がかなり高いことは間違いありません。しかし、試験日から逆算をして早め早めに対策を始めることで、合格を狙うことができます。難易度が高い分、そのメリットも非常に高いです。IT業界で働きたいと考えている方、IT業界で働いている方はぜひ受験を検討してみてはいかがでしょうか?