オラクルマスター難易度は? – 合格ラインや合格率はどれくらい?
近年人気のデータベース資格であるオラクルマスターはどのような資格かご存じですか。
この資格は、データベース技術者にとってはかなり実用的で取得メリットが多いです。ただデータベースはなんとなく内容が難しそうなイメージがあるため、資格の難易度がどれほどなのか気になる方が多いでしょう。
ここでは、そんなオラクルマスターの難易度についてご紹介していきます。
ORACLE MASTER(オラクルマスター)って?
オラクルマスターとは、基本的なデータベースの運用・管理力が問われる試験です。データベース管理についてだけでなく、SQLスキルも図ります。
試験概要
この資格は、Bronze・Silver・Gold・Platinumのように、出題範囲や難易度によって4種類のグレードに分かれています。Platinumの新体系の試験は未公開となっています。
Goldを取得するためには前提条件としてSilverを取得する必要があります。認定資格名とそれに対応する試験名や内容を、以下の表にまとめました。
認定資格名 | 前提条件 | 試験合格 | 証明するスキル |
ORACLE MASTER Bronze DBA 2019 | なし | 1Z0-085-JPN: Bronze DBA Oracle Database Fundamentals | DBの基礎知識 |
ORACLE MASTER Silver DBA 2019 | なし | 1Z0-082-JPN: Oracle Database Administration Ⅰ | DBの運用管理(Gold DBAで証明するスキルを除く)
SQLの基礎知識 |
ORACLE MASTER Gold DBA 2019 | Silver DBA 2019 | 1Z0-083-JPN: Oracle Database Administration Ⅱ | バックアップ・リカバリ
マルチテナント・アーキテクチャ インストール・アップグレード 18c、19c新機能概要 |
ORACLE MASTER Silver SQL 2019 | なし | 1Z0-071-JPN: Oracle Database SQL | SQLの知識全般 |
オラクルマスターでは、受験番号が記載されている受験チケットを購入し、受験するという方式になっています。この受験チケットの有効期限は、「6か月」です。
また試験時間は120分から150分間で、グレードや資格の種類によって異なります。受験料や試験時間については、以下の表にまとめました。
認定資格名 | 試験時間 | 問題数 | 合格ライン | 受験料 |
ORACLE MASTER Bronze DBA 2019 | 120分 | 70問 | 65% | 29,400円 |
ORACLE MASTER Silver DBA 2019 | 150分 | 90問 | 60% | 29,400円 |
ORACLE MASTER Gold DBA 2019 | 150分 | 85問 | 57% | 29,400円 |
ORACLE MASTER Silver SQL 2019 | 120分 | 78問 | 63% | 29,400円 |
合格率について
実はオラクルマスターの合格率は、非公開となっています。受験者数も公表されていないため、合格率推定も難しい状況です。
しかし、10年間で6万人以上合格、2021年現在では累計27万人もの方がこの資格に合格しているため、人気資格であることが分かります。
難易度はどれくらい?
こちらの資格では合格率からの推測ができないため、試験の内容についてみていきましょう。
<Bronze>
Oracleデータベース管理の概要
Oracleデータベースのインストールおよびデータベースの作成
Oracle Enterprise Manager Database ExpressおよびSQL管理ツールの使用
Oracle Network環境の構成
Oracleインスタンスの管理
データベース記憶域構造の管理
ユーザーおよびセキュリティの管理
スキーマ・オブジェクトの管理
データベースの監視およびアドバイザの使用
<Silver>
Oracle Database アーキテクチャの理解
データベース・インスタンスの管理
ユーザー、ロールおよび権限の管理
ストレージの管理
データの移動
Oracleが提供するツールを使用したOracle Databaseへのアクセス
Oracle Net Servicesの設定
表領域およびデータファイルの管理
UNDOの管理
データの制限およびソート
変換関数および条件式の使用
結合を使用した複数の表のデータの表示
集合演算子の使用
データ定義言語の理解
ビューの管理
異なるタイム・ゾーンでのデータ管理
SQLのSELECT文を使用したデータの取得
単一行関数を使用した出力のカスタマイズ
グループ関数を使用した集計データのレポート
副問合せを使用した問合せの解決
DML文を使用した表の管理
シーケンス、シノニムおよび索引の管理
スキーマ・オブジェクトの管理
<Gold>
CDBと通常のPDBの作成
アプリケーションPDBの管理
CDBおよびPDBの管理
マルチテナント・データベースのセキュリティの管理
バックアップと複製
リカバリとフラッシュバック
CDBと通常のPDBのアップグレードおよび転送
RMANの設定および使用
バックアップの方法および用語
障害の診断
リストアとリカバリの概念
リカバリの実行
フラッシュバック・テクノロジの使用
データの転送
データベースの複製
RMANのトラブルシューティングおよびチューニング
Grid InfrastructureおよびOracle Databaseのインストール
DBCAを使用したOracle Databaseの作成
Grid InfrastructureおよびOracle Databaseへのパッチ適用
Oracle Restart
Oracle DatabaseのアップグレードOracle Database 18c:新機能
スタンドアロン・サーバー用のGrid Infrastructureのインストール
データベース全体の一般的な拡張機能の使用
可用性拡張機能の使用
データベース・パフォーマンスの監視と調整
SQL文のチューニング
<Silver SQL>
リレーショナル・データベースの概念
SQL SELECT文を使用したデータの取得
データの制限とソート
単一行関数を使用した出力のカスタマイズ
変換関数と条件式の使用
グループ関数を使用した集計データのレポート
複数の表からのデータの表示
副問合せを使用した問合せの解決
集合演算子の使用
DML文を使用した表の管理
索引、シノニムおよびシーケンスの管理
DDLによる表とその関係の管理
ビューの管理
ユーザー・アクセスの制御
データ・ディクショナリ・ビューを使用したオブジェクトの管理
異なるタイム・ゾーンでのデータ管理
このように、オラクルマスターのブロンズとシルバーは比較的基本的な内容が多いです。そのため、未経験でもしっかりと勉強時間を確保することで確実に合格することができます。しかし、オラクルマスターゴールドからは実務レベルの知識やスキルが必要になります。
難易度としては、オラクルマスターのブロンズとシルバーは普通、ゴールドはやや高めと言えます。未公開のプラチナに関しては、かなり難易度が高いと言われています。
おすすめの対策
オラクルマスターを勉強する上でおすすめの対策は、参考書の利用です。
<参考書>
オラクルマスター教科書 Bronze DBA Oracle Database Fundamentals
オラクルマスター教科書 Silver DBA Oracle Database Administration I
新体系のORACLE MASTER 2019に対応する書籍は、BronzeとSilver DBAの2冊のみしか出版されていません。Silver SQLとGold DBAに関しては、旧バージョンの参考書を利用しましょう。
まとめ
いかかでしたか。本記事では、ORACLE MASTER試験の難易度について解説してきました。
現在、日本で利用されているRDB管理ソフトウェアのうち、約50%がオラクル製品であると言われています。オラクルマスターを取得できれば、就職にも役立ち、IT人材として重宝されるでしょう。
受験料は高いですが、オラクルマスターの勉強を通じて得た知識は実務スキルに直結します。DBに興味のある方やDB業務に携わっている方はぜひ受験を検討してみてはいかがでしょうか。