第一種電気工事士の免状交付のために必要な実務経験はどのくらい?
電気工事士1種について
まず最初に、「第一種電気工事士資格」について簡単に説明します。
名前の通り、「電気工事士資格」とは、危険が伴う電気設備の工事に従事する人が取得する国家資格試験です。
その中で、第一種電気工事士は、以下の2つの電気工事を行うことができます。
①自家用電気工作物のうち最大電力500kW未満の需要設備の電気工事
②一般用電気工作物の電気工事
これは、第二種電気工事士資格では行えないビルなどの大型施設での電気設備の工事も行えます。そのため、第一種電気工事士資格は第二種に比べて、仕事をする上で有利に働きます。
試験について
次に試験の概要について解説します。
第一種電気工事士試験は年1回行われ、申し込みから試験が終わるまで約半年かかります。
合格率は、毎年30%前後で比較的難しい資格と言えるでしょう。
これから、受験資格や上の表にある実務経験について詳しく解説します。
受験資格の有無は?
電気工事士試験は、第一種も第二種も受験資格がなく、誰でも受験することが可能です。
ただし、第1種電気工事士試験において筆記試験・技能試験に合格(免除)しても、電気工事に関する実務経験が3年以上ない場合、都道府県知事へ「第一種電気工事士免状」の交付申請ができません。
ですが、免状取得ができなくても、試験に合格していれば、産業保安監督部長から「認定電気工事従事者認定証」の交付を受けられます。交付を受けた者は、電力500kW以下・電圧600V未満の簡易電気工事を行うことができます。
つまり、実務経験がなくても後から免状取得ができるため、自分のタイミングで先に資格を取り、電気工事士として3年以上働いてから、「第一種電気工事士免状」を取得することもできます。
では、次に免状を取得するメリットや実務経験について解説していきます。
第1種は合格するだけではダメ?
実務経験5年(例外的に3年)が必要
第一種電気工事士資格は、「第一種電気工事士免状」を取得するために3年以上の実務経験が必要となっています。
令和2年度の電気工事士試験までは、大学・高専で電気系の学部を卒業した人は実務経験3年以上、その他の人は実務経験5年以上が必要でした。
ただ、令和3年度から、全ての人が一律3年以上の実務経験があれば免状を取得できるようになりました。
実務経験とは?
実務経験の対象になる工事は、主に電気工作物である電気的設備を設置または変更する工事のことです。ただし、電気工事法で定められている「軽微な工事」や「特殊電気工事」は、実務経験の対象にはなりません。
また、試験合格以前でも以後でも実務経験の対象に入れることができるので、好きなタイミングで受験して、実務経験が3年以上になった段階で、「第一種電気工事士免状」を取得できます。
まとめ
第一種電気工事士資格は、第二種よりも従事できる電気工事の範囲が広く、工場やビルなどの電気工事にも従事することができます。そのため、一歩間違えると重大な事故を起こす可能性もあるため、3年以上の実務経験が設けられていると考えられます。
そのため、試験を受けるタイミングは、働き始めてからでもいいので、焦らないことが重要です。
実務経験はもちろん必要ですが、試験に合格しなければ何も始まらないので、今から地道に勉強を始めて、電気工事士資格合格を目指しましょう。