2021年版 医療事務[診療報酬請求事務能力認定試験(医科)]合格テキスト&問題集




年版
2021医療事務診療報酬請求事務能力
認定試験(医科)
合格テキスト&問題集
編著・森岡浩美
日本能率協会マネジメントセンター

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はじめに

診療報酬請求事務能力認定試験は、学科試験、実技試験(外来カルテ症例・入院カルテ症例)より成り立っています。
本書の「試験の概要について」でも述べていますが、診療報酬請求事務能力認定試験は、かなり難易度の高い試験として、全国の医療機関において高い評価を受けています。専門学校等の皆さまからも、この認定試験に向けた対策がなかなか難しいという声を聞き、どうしたら合格への近道になるかということを主旨に掲げ、対策教材を開発したいと考えました。
そこで、医療現場での経験や医療系の教育に長く携わり、認定試験対策の経験も豊富なスタッフと、今までにない方法での対策書として、2005年より本書を発刊してきました。
本書の特徴として、第1章では、診療報酬請求事務能力認定試験の過去の実技・学科試験の問題を分析しています。まず、医療関連法規等は、分野の中でも多種多岐にわたっていますので、法規を専門とする執筆者により、過去の学科問題によくみられる医療関連法規等の傾向の分析をし、演習問題を通じてわかりやすく解説しています。また、基本診療料と特掲診療料の項目では、過去の実技試験問題の抜粋を中心に、そのなかで何がポイントかということに焦点を合わせて、コード番号ごとの解説を行っています。
第2章は、実技試験問題対策です。レセプト作成の方法解説に従い、まずは外来・入院それぞれの過去5回分のカルテ症例に挑戦してください。その後、オリジナルの演習問題に着手し理解を深めましょう。なお、過去問題に関しては、見開きでわかりやすい解答を載せています。また、オリジナル問題の「解答・解説」は、教材としての使いやすさを重視し、別冊にしました。
第3章は、学科試験問題対策です。まずは、各分野ごとに過去の問題を分類し、それぞれ項目ごとの格付け(出題頻度)を行いましたので、学習の手掛かりとしてください。なお、勉強しやすいように、こちらも「解答・解説」は別冊になっています。
さらに、「点数早見表」を収載し、別冊で取外しができる形式にまとめています。この「点数早見表」は、皆さまがご自身で加工したり、当日の試験会場に持ち込んだりするために、使いやすさを心掛けて編集しました。
各専門学校をはじめ、診療報酬請求事務能力認定試験の合格を目指す皆さまにとって、必ずやお役に立てるものと信じています。
2021年4月
著者を代表して
森岡浩美
※本書は、2021年4月1日現在の情報(法令等および点数表)をもとに作成されています。※第52回認定試験は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止されました。
※本書に収録した「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱い」は、厚生労働省保険局医療課事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その39)」令和3年3月26日に基づくものです。
<参考>「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その39)」
https://www.mhlw.go.jp/content/000760077.pdf

 

もくじ

はじめに
①試験の概要について
②試験の全体的な傾向について
●用語・略語等の説明
●略称一覧
●ダウンロード特典「本書の主な改訂内容」
第1章 実技・学科試験のポイント解説
1.医療関連法規等
1.医療保険制度
(1)医療保険制度の位置付け
(2)職域保険(被用者保険)と地域保険(国民健康保険)
2.療養担当規則
(1)療養担当規則とは
(2)保険外併用療養費制度
(3)療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱い
3.入院時食事療養費・入院時生活療養費
(1)入院時食事療養費とは
(2)入院時生活療養費とは
4.医療関係法規
(1)医療法とは
・医療法の定める病床
(2)医療従事者関係
・医師法の内容
・薬剤師法の内容
・栄養士法の内容
・その他の業務に関する法律
5.後期高齢者医療制度
(1)後期高齢者医療制度とは
(2)後期高齢者医療制度の定める内容
6.介護保険制度
(1)介護保険法とは
(2)介護保険法の定める内容
7.公費負担医療保険制度
(1)公費負担医療保険制度とは
(2)公費負担医療保険制度と診療報酬請求制度
2基本診療料①初・再診
1.初診料
(1)乳幼児加算
(2)時間外等加算
(3)小児科標榜医療機関の時間外等加算の特例
(4)夜間・早朝等加算
(5)機能強化加算
(6)同日初診料
(7)カルテをみるときのポイント
2.再診料
(1)再診料に対する加算

(2)電話による再診
(3)外来診療料
(4)カルテをみるときのポイント
(5)オンライン診療料
3・基本診療料②入院
1.入院料
(1)外泊期間中の入院料
(2)病棟移動の際の入院料
(3)再入院の際の入院料
2.入院基本料
(1)カルテをみるときのポイント
・DPC(診断群分類包括評価)
3.入院時食事療養費
(1)カルテをみるときのポイント
4・特掲診療料①医学管理等
1.医学管理等の算定
(1)特定疾患療養管理料
(2)特定薬剤治療管理料
(3)悪性腫瘍特異物質治療管理料
(4)手術前医学管理料・手術後医学管理料
(5)薬剤管理指導料
5・特掲診療料②在宅医療
1.在宅患者診療指導料
(1)往診料・在宅患者訪問診療料
2.在宅療養指導管理料
(1)在宅療養指導管理料
(2)在宅療養指導管理材料加算
(3)在宅自己注射指導管理料
6・特掲診療料③投薬・注射
1.投薬料
(1)投薬料のしくみ
(2)薬剤料の算定方法(五捨五超入)
(3)薬価の算出方法
(4)処方料・調剤料・調剤技術基本料
(5)処方箋料
(6)ビタミン剤の算定
2.注射料…
(1)皮内、皮下及び筋肉内注射
(2)静脈内注射
(3)点滴注射
(4)手術当日の注射
(5)通則の加算
7・特掲診療料④処置
1.処置の算定
(1)時間外等の加算
(2)算定できない処置
(3)「1日につき」の算定方法

2.創傷処置
(1)処置の範囲
(2)術後の創傷処置
3.ギプス
(1)ギプスの種類
8・特掲診療料⑤手術・輸血・麻酔
1.手術料
(1)手術手技料
(2)2以上の手術を同時に行った場合
(3)算定できない項目
2.輸血料.
(1)輸血手技料
(2)輸血管理料
(3)輸血に対する加算
(4)補液を同時に行った場合
3.麻酔料
(1)簡単な麻酔の費用
(2)麻酔薬の算定方法
(3)硬膜外麻酔
(4)脊椎麻酔(腰椎麻酔)
(5)マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔
(6)麻酔管理料
●Powerup:手術・輸血・麻酔の流れ
9・特掲診療科⑥検査
1.検査の算定
(1)検体検査
(2)生体検査
●Powerup:検査算定のポイント
10・特掲診療料⑦病理診断
1.病理診断の算定
(1)病理標本作製料
(2)病理診断料・病理判断料
11・特掲診療料画像診断⑧画像診断
1.画像診断料
(1)時間外緊急院内画像診断加算
(2)電子画像管理加算
(3)画像診断管理加算
(4)他の医療機関で撮影したフィルム
2.エックス線診断料
3.核医学診断料
(1)カルテをみるときのポイント
4.コンピューター断層撮影診断料
(1)カルテをみるときのポイント
12.特掲診療料⑨リハビリテーション
1.疾患別リハビリテーション
(1)算定の基準
(2)1日の単位数
(3)カルテをみるときのポイント

第2章 レセプト作成(実技試験問題)演習
●実技試験受験のポイント
1・外来レセプト作成のポイント
1.第48回認定試験
2.第49回認定試験
3.第50回認定試験
4.第51回認定試験
5.第53回認定試験
2・外来レセプト作成演習
1.外来①
2.外来②
3.外来③
4.外来④
5.外来⑤
●薬価基準等(外来用)/特定保険医療材料価格
●第2章 解答用紙①(外来用)
3・入院レセプト作成のポイント
1.第48回認定試験
2.第49回認定試験
3.第50回認定試験
4.第51回認定試験
5.第53回認定試験
4・入院レセプト作成演習
1.入院①
2.入院②
3.入院③
4.入院④
5.入院⑤
●薬価基準等(入院用)/特定保険医療材料・酸素価格
●第2章 解答用紙②(入院用)
第3章 文章問題(学科試験問題)演習
202
●学科試験受験のポイント
1医療関連法規等
2初・再診
3入院
4医学管理等
5在宅医療
6投薬・注射
7処置
8手術・輸血・麻酔
9検査・病理診断
10画像診断
11リハビリテーション
12精神科専門療法・放射線治療
13学科試験問題演習(第53回認定試験)
第3章 解答用紙(学科試験問題演習)

試験の概要について

診療報酬請求事務能力認定試験ガイドライン((公益財団法人日本医療保険事務協会公表資料より)
診療報酬請求事務を正しく行うために必要な能力を認定する試験である。学科試験・実技試験があり、以下の事項について問われる。
1 医療保険制度等
(1)被用者保険、国民健康保険、退職者医療、後期高齢者医療などそれぞれの保険者、加入者、給付、給付率等制度の概要についての知識
(2)給付の内容、すなわち現物給付および療養費についての知識と、給付の対象外とされるもの、給付が制限されるものについての知識
2 公費負担医療制度
生活保護法、精神保健福祉法、障害者総合支援法、感染症法等の法律に基づく公費負担医療制度および特定疾患治療研究事業等によって患者の医療費負担が軽減される制度についての知識
3 保険医療機関等
(1)保険医療機関(保険薬局)の指定および保険医(保険薬剤師)の登録についての知識
(2)特定機能病院、地域医療支援病院、療養病床等の規定と保険医療の取扱いについての知部
4 療養担当規則等
「保険医療機関(保険薬局)及び保険医(保険薬剤師)療養担当規則」および「高齢者の医点のみ。保に関する法律の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準」について、保除医療または後期高齢者医療を担当する場合に守るべきルールの内容についての知識・療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等(平成18年3月厚生労働省告示第107号)
5 診療報酬等
(1)診療報酬点数表(医科、歯科、調剤)は保険医療における医療行為の料金表であり、診療報酬の算定にあたり種々の取決めについての算定方法の知識
・基本診療料の施設基準等(平成20年3月厚生労働省告示第62号)
・特掲診療料の施設基準等(平成20年3月厚生労働省告示第63号)
・厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の冒数の基進並びに入院基本料の算定方法(平成18年3月厚生労働省告示第104号)等
(2)入院時食事療養および入院時生活療養の費用の額を算定するための知識
6 薬価基準・材料価格基準
保険医療で使用される医薬品および医療材料の価格とその請求方法についての知識
7 診療報酬請求事務
診療報酬請求書および診療報酬明細書を作成するために必要な知識とその実技
8 医療用語
診療報酬請求事務を行うために必要な病名、検査法、医薬品等の用語およびその略語の主なものの知識
9 医学の基礎知識
主要な身体の部位、臓器等の位置および名称(解剖)、それぞれの機能(生理)、病的状態(病理)および治療方法についての基礎知識
10 薬学の基礎知識
医薬品の種類、名称、規格、剤形、単位等についての基礎知識
11 医療関係法規
医療法による医療施設(病院、診療所等)の規定および医師法、歯科医師法等の医療関係者に関する法律による医療機関の従事者の種類とその業務についての基礎知識

12 介護保険制度
保険者、被保険者、給付の内容等制度の概要についての知識

令和3年度診療報酬請求事務能力認定試験 実施要綱(2021年4月1日現在)
〈問い合せ先〉
〒101-0047東京都千代田区内神田253児谷ビル
公益財団法人日本医療保険事務協会
電話03(3252)3811 FAX03(3252)2233
https://www.iryojimu.or.jp
1 受験資格
問わない
2 受験科目
医科、歯科のいずれかを選択
3 出題形式
学科試験:文章問題20題(1題につき4問計80問)
実技試験:外来カルテ症例よりレセプト作成1題入院カルテ症例よりレセプト作成1題
4 出題範囲
(1)学科試験 :①医療保険制度等・公費負担医療制度の概要
②保険医療機関等・療養担当規則等の基礎知識
③診療報酬等・薬価基準・材料価格基準の基礎知識
④医療用語および医学・薬学の基礎知識
⑤医療関係法規の基礎知識
⑥介護保険制度の概要
(2)実技試験診療報酬請求事務の実技
法令等(点数表を含む)は、第54回は令和3年4月1日現在、第55回は令和3年10月1日現在、施行されているものとする。
5 試験日時
第54回:令和3(2021)年7月11日(日)13時~16時
第55回:令和3(2021)年12月12日(日)13時~16時頃
6 試験地
札幌市、仙台市、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟市、金沢市、静岡市、愛知県、大阪府、岡山市、広島市、高松市、福岡県、熊本市、那覇市
7 受験手数料
9,000円(税込)
8 受験申込期間・願書提出期間
(1)郵送による提出(当日消印有効)
第54回:令和3(2021)年4月12日(月)~令和3年6月4日(金)
第55回:令和3(2021)年9月13日(月)~11月5日(金)頃
(2)インターネットによる受験申込
第54回:システム変更のため中止
第55回:令和3(2021)年9月1日(水)10時~10月8日(金)17時頃
9 合否発表
第54回:令和3(2021)年9月17日(金)
第55回:令和4(2022)年2月18日(金)頃
10 受験案内・願書の請求
返信用封筒(角形2号)に宛先(自宅の郵便番号、住所、氏名)を明記のうえ、返信用切手140円(ただし2部の場合は210円)を貼り日本医療保険事務協会へ送付する。
なお、学校等でまとめて請求する場合は、電話またはFAXを利用。
11 受験案内・願書の請求期間(必着)
第54回:令和3(2021)年4月1日(木)~今和3年5月31日(月)
第55回:令和3(2021)年9月1日(水)~10月29日(金)頃
※詳細は上記HPを要確認

試験の全体的な傾向について

診療報酬請求事務能力認定試験は、1994(平成6)年12月に第1回の試験が実施され、2020(令和2)年12月には52回目(表記上は第53回)が実施された。
ここでは過去にされた項目の統計などを用いて、診療報酬請求事務能力認定試験の傾向と対策について分析を行ったので、ぜひ参考にしていただきたい。
1 受験者の動向
請求事務能力認定試験は、各種医療の用語・医療関連の法規に関連の法規において普段聞き慣れない言葉が数多くみられ、また、保険医療における医療行為の料金表である「点数表」の読み方などが問われるため、最初から独学で勉強するのはなかなか困難な試験といえる。
診療報酬請求事務能力認定試験の受験者数と合格者数について、過去10回の推移(図表1)を見ると、2015(平成27)年の第43回は8,000人超であったが、2018(平成30)年の第48回および2020(令和2)年の第50回は、診療報酬の大改定が影響したためか受験者が減少した。しかし今後も年間約1万人の規模で推移していくと考えられる。過去10回の合格率は平均34.5%であるが、2018(平成30)年の第49回と第53回では14.4ポイントもの差がみられる。第53回もやさしい試験であったとはいえず、やはり難しい試験である。
<図表1>受験者数、合格者数、合格率の推移(医科:過去10回)
区分 受験者数(単位:人) 合格者数(単位:人) 合格率(単位:%)
第43回 8,038 3,107 38.7
第44回 4,581 1,339 29.2
第45回 7,232 2,840 39.3
第46回 4,688 1,479 31.5
第47回 7,019 2,152 30.7
第48回 3,894 1,618 41.6
第49回 6,119 1,738 28.4
第50回 3,947 1,374 34.8
第51回 5,337 1,469 27.5
第52回 5,378 2,304 42.8
(公益財団法人日本医療保険事務協会公表資料より)
※第52回認定試験は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止された。
2 全体的な受験のポイント
受験者の解答と自己採点の結果を調査したところ、学科試験と入院カルテ症例問題は全問正解であっても、外来カルテ症例問題で基本的な算定でいくつかミスをしてしまい合格できなかったというケースなどもみられた。一方、3つの問題の正解率がそれぞれ約70%程度で合格したというケースもある。このことから、必ずしも全問正解しなくてはいけないということではなく、学科試験・実技・試験外来カルテ症例問題・入院カルテ症例問題の3つのバランスがとれていることが重要と思われる。つまり、バランスのよい学習をしなければ合格は難しいといえる。
まず、試験範囲の項目について、全体の概要や基本的な知識を自分のものにすることである。参考書等の持ち込みができる試験であるといっても、やはりある程度の基礎知識は身につけておく必要がある。また、点数表の読み方などは、十分理解しておかなければならない。
診療報酬請求事務能力認定試験は、毎回3時間(13時~16時)で行われる。この限られた中で、いかに有効に時間を使うかも大事なポイントとなってくる。まずは落ちついて、その問題の要点をとらえ、何に関するものか、またどの法制度に関するものか、点数表でいえばどの項目なのかを把握することが大事である。

3 学科試験のポイント
基本的には、日本医療保険事務協会が示す「診療報酬請求事務能力認定試験ガイドライン」(P.8)に沿って、全20題合計80問の問題が出題される。
出題形式は4つの選択肢から正しい組み合わせを選ぶ択一式となっている(下記参照)。
次の文章のうち正しいものはどれですか。
(1)…………………………………………………………………………………………………
(2) …………………………………………………………………………………………………
(3) …………………………………………………………………………………………………
(4) …………………………………………………………………………………………………
a.(1),(2)  b.(2),(3)  c.(1),(3),(4)  d(1)~(4)のすべて  e.(4)のみ.
●学科試験に割く時間は、“見直しも含め”約1時間!
全3時間の試験のなかで約1時間と考えよう。そうなると、文章問題1問を1分弱で解答しなくてはならず、かなり厳しい時間配分となることがわかる。このため、試験会場に持ち込む資料については、点数表はもちろんのこと、法規関連の参考書なども、どこのページに何が載っていたかなどがすぐに探せるように、細かい目次を作ったり、インデックス等を用いてわかりやすくしておこう。
実際の試験では、最初の30分でまずは80問すべてに目を通し、わからないものは後に回し、確実なものに○と×を付けていくとよい。どこに載っているかわからないもので、貴重な時間をムダにしないようにしよう。
また、点数表や各資料などの読み方を理解し、どこに何が載っているかを素早く引けるように、過去問題等で何度も繰り返し演習しておこう。本書では、過去問題を項目ごとに分けた演習問題を載せている(第3章)。さらに、出題頻度ごとに格付け(A・B・C・D)を行っており、試験に出やすい点数表の引き方の演習にはかなりの力がつくと思われる。特に、Aランクのものに関しては、できるだけ自分のものになるまで慣れておくことが重要である。 2020(令和2)年度の診療報酬改定などにより、今後新たに出題が予想される項目もある。
4 実技試験のポイント
●外来カルテ症例の時間配分は約30分!
3つの試験のなかで、解答時間が一番短くすむものである。
過去10回分の外来カルテ症例をみると第43回、第49回、第51回、第53回は病院、第44回~第48回・第50回は診療所の症例である。
カルテのなかに必ず重要な算定ポイントが盛り込まれているため、その見極めと算定もれの防止が大事である。たとえば、年齢加算や管理料等、算定もれがないか必ず見直しをしよう。
●入院カルテ症例の時間配分は1時間~1時間20分!
入院基本料をできるだけ早く正確に算定できることが重要である。また、手術・麻酔等の難解な問思が出たとしても対処できるように、算定方法を理解し繰り返し演習することにより、自分のなかでコツをつかんでおくことである。
やはり、普段からレセプト作成演習を繰り返し行うことが重要であり、そのなかでポイントを見極めることである。本書では,過去のカルテ症例に沿ったポイント解説を行っている(第2章)。ぜひ参考にしていただきたい。

[IMG251まで:以降IMG256からIMG263まで表省略]

 

第1章
実技・学科試験のポイント解説
1 医療関連法規等
2基本診療料①初・再診
3 基本診療料②入院
4 特掲診療料①医学管理等
5 特掲診療料②在宅医療
6 特掲診療料③投薬・注射
7 特掲診療料④処置
8 特掲診療料⑤手術・輸血・麻酔
9 特掲診療料⑥検査
10 特掲診療料⑦病理診断
11 特掲診療料⑧画像診断
12 特掲診療料⑨リハビリテーション