MOS資格試験は独学で合格できる?おすすめの勉強法と対策のポイント
Microsoftが提供するExcel、Word、PowerPointなどのOffice製品は、ほとんどの方が一度は使ったことのあるアプリケーションなのではないでしょうか。
そんなMicrosoft社が認定している資格に、「MOS」というものがあります。Office製品の操作スキルを証明することができるため、多くの就活生やビジネスパーソンがこの資格の勉強に励んでいます。
ここでは、そんな人気資格であるMOS(Excel、Word、PowerPoint)の勉強方法について紹介していきます。
MOSとは?
MOSとは、マイクロソフトオフィススペシャリストの略称です。エクセルやワード、パワーポイントなどの利用スキルを証明することのできる国際資格の1つです。
受験資格はないので、どなたでも受験することができます。
MOSの試験概要について
Office製品はバージョンごとに新しい機能が追加されるため、MOSではバージョンごとの試験が用意されています。以下に試験概要をまとめました。
試験科目 | バージョン | |
一般レベル | 上級レベル(エキスパート) | |
Word | Word 365&2019 | Word 365&2019 エキスパート |
Word 2016 | Word 2016 エキスパート | |
Word 2013 | Word 2013 エキスパート Part1
Word 2013 エキスパート Part2 |
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Excel | Excel 365&2019 | Excel 365&2019 エキスパート |
Excel 2016 | Excel 2016 エキスパート | |
Excel 2013 | Excel 2013 エキスパート Part1
Excel 2013 エキスパート Part2 |
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PowerPoint | PowerPoint 365&2019 | |
PowerPoint 2016 | ||
PowerPoint 2013 | ||
Access | ― | Access 365&2019 エキスパート |
Access 2016 | ||
Access 2013 | ||
Outlook | Outlook 365&2019 | |
Outlook 2016 | ||
Outlook 2013 |
※MOS 2013 エキスパートのみPart1、Part2の2科目合格で認定証発行
このようにWordとExcelは一般レベルと上級レベル(エキスパート)の2つのレベルに分けられています。これらは独立した試験のため、上級のみ受験することも可能です。
また、主要の科目であるWord、Excel、PowerPoint以外にも、「Access」というデータベース管理ソフト、「Outlook」という電子メール・情報管理ソフトもMOSとして扱っています。
取得メリットはある?
①実務に活かせる
Microsoftの製品を使うときに、MOS資格を有していればスムーズに業務に取りかかることができます。MOSを取得することで、業務を効率化できるなど、実務に活かせる実践的な知識を身に付けることができます。
②就職・転職に役に立つ
パソコンスキルを客観的に証明することができるため、就職や転職時にアピールポイントとなります。即戦力として評価されるため、有利に働くことがあります。
③国際資格なので世界にも通用する
国家資格ではなく、民間の国際資格です。世界でも通用する資格であるため、多くの場面で役に立つことがあります。
合格するために必要な勉強時間は?
全くの初学者の場合に必要な勉強時間は、一般的に約80時間です。アプリケーションを使ったことがある程度の方であれば40~60時間、普段から触れているという方は20時間ほどで合格することができると言われています。
共通の勉強法
①テキストに従って操作する
基本操作に慣れるために、まずはテキストを購入して実際に手を動かしてみましょう。基本操作に慣れるために最初に1~3時間ほど確保するとよいです。
また、自己流でのやり方ではなく、正しい操作方法を覚えることで効率アップに繋がります。
②出題範囲を把握する
MOSでは、普段よく使う操作だけが扱われるわけではありません。WordやExcelに対して苦手意識のない人も、MOSの学習を通して新しい機能や関数を知ることがあります。
自分が受けるバージョンに関して、どこからどこまでが扱われるのかをしっかりと出題範囲を把握しておきましょう。
③問題を繰り返し解く
基本操作に慣れて、ある程度の知識が身についたら問題演習に移りましょう。テキストを進めていき、「分かる」状態ではなく、「できる」状態になるまで問題を繰り返しましょう。
「テキストを読んでなんとなく分かる」「見ながらだったら解ける」という曖昧な知識のままでは、本番で思い出すまで時間がかかってしまいます。
問題を見てすぐに解き始めることができるように、知識を復習しながらも繰り返して定着させていきましょう。
合格のためのポイント
合格する上で重要なポイントについて、Excel、Word、PowerPointそれぞれの出題範囲に沿って解説していきます。
①Excel
<一般レベル>
1.ワークシートやブックの管理
2.セルやセル範囲のデータの管理
3.テーブルとテーブルのデータの管理
4.数式や関数を使用した演算の実行
5.グラフの管理
2と3に関しては、セルの書式設定や表の作成がメインなので、使ったことがある方ならすぐに覚えられるでしょう。ただエクセルをメモ書きや表作成のために使っているという方は、1の知識が弱い可能性があるため、データのインポートや設定の仕方に目を通す必要があります。4では、データの簡単な計算で使う関数(SUM()、COUNT()、IF()など)が扱われます。また書式設定ができる関数も確認しておきましょう。そして最後に、5は問題数をこなすことがポイントです。繰り返し操作をして、グラフ作成に慣れましょう。
<上級レベル(エキスパート)>
1.ブックのオプションと設定の管理
2.データの管理、書式設定
3.高度な機能を使用した数式およびマクロの作成
4.高度な機能を使用したグラフやテーブルの管理
1と2に関しては、設定やデータの管理方法が主な内容のため、そこまで難しい内容ではありません。エキスパートは一般レベルとは違い、マクロの機能を使います。高度な関数(COUNTIF()、VLOOKUP()、INDEX()、WEEKDAY()、PMT())なども出題されます。まずは、一般レベルの関数の使い方をマスターしておくことが重要です。また、2軸グラフやピボットテーブル・グラフを作成するため、基本的なグラフはすぐに作成できるくらいのレベルにしておきましょう。
②Word
<一般レベル>
1.文書の管理
2.文字、段落、セクションの挿入と書式設定
3.表やリストの管理
4.参考資料の作成と管理
5.グラフィック要素の挿入と書式設定
6.文書の共同作業の管理
1~3に関しては、普段のWordの操作の延長なので知らない部分を覚えながら、既知範囲はしっかりと復習しましょう。5は、SmartArtや3Dモデル、オブジェクトの配置を中心に操作の練習をしてみましょう。4と6については扱ったことがないという方が多いかと思います。脚注や引用文献の挿入、またコメントと変更履歴の有用性を確認しながら手を動かしていきましょう。
<上級レベル(エキスパート)>
1.文書のオプションと設定の管理
2.高度な編集機能や書式設定機能の利用
3.ユーザー設定のドキュメント要素の作成
4.高度なWord機能の利用
エキスパートは、高度な機能を問う問題が多いです。4のように、マクロ機能についても出題されます。基本機能を覚えるのはもちろんのこと、あまり使わない機能の配置もしっかりと覚えておく必要があります。1~3では、共同編集を想定した編集機能や設定について問われるため、どのようなオプションがあるのか、設定方法までしっかりと学習しておきましょう。
③PowerPoint
<一般レベル>
1.プレゼンテーションの管理
2.スライドの管理
3,テキスト、図形、画像の挿入と書式設定
4.表、グラフ、SmartArt、3Dモデル、メディアの挿入
5.画面切り替えやアニメーションの適用
普段、パワーポイントを使ってスライドを作成しているという方は1~4の項目はほとんど知っている内容でしょう。テキストに沿って操作すれば、追加の機能は難なくマスターすることができます。4と5に関しては、慣れが必要です。写真やイラストなどの図しか挿入したことがない、アニメーションはほとんど使ったことがないという方は、こちらの項目を繰り返し操作して重点的に学習しましょう。
おすすめの通信講座
MOSはもちろん独学で合格することのできる資格です。しかし、独学が向いていない、忙しくてあまり時間を割けないという方におすすめなのは「通信講座」の利用です。
独学よりも費用はかかりますが、確実に知識を身に付けられる、スキマ時間で学習することができる、効率よく学習できるというメリットがあります。
自身のレベルやスケジュールを考慮して、自分に合った勉強方法を選びましょう。
まとめ
いかがでしたか。本記事では、MOSに合格するための勉強について詳しく解説していきました。
MOSの資格は、パソコンスキルの客観的な証明になります。実務にも役立ち、就職や転職活動においてもアピールできる有用な資格と言えます。
パソコンスキルに自信のない方はもちろん、ある程度の知識はあるけどよりスキルアップしたい方はぜひMOS資格の受験を検討してみてはいかがでしょうか。参考書や通信講座を上手く活用して、一発合格を目指しましょう!