基本情報技術者試験の午前免除って何?メリット、デメリットは?




基本情報技術者試験の概要

基本情報技術者試験とは日本情報処理機構(IPA)の主催する、高度IT人材になるための知識・技能を身につけることのできる資格です。

この試験の最も特徴的な部分は、情報処理に関する知識・技能を体系的に身につけることができる点です。近年はIT技術の発展が高まり需要も増えてきたことから、AI・機械学習・クラウド等の専門性を活かした資格が数多く登場しています。その中でこの基本情報技術者試験では、セキュリティ・ネットワーク・データベース・マネジメント・ストラテジ等、非常に幅広い基本技術を体系的に身につけることができます。

そのため、この資格を一度習得することで、ITに携わる場面でいずれかの知識が必ず役に立ちます。また、更なる高度な資格習得の土台として受験するのにもぴったりな資格になります。

そんな役に立つ場面が多い基本情報技術者資格ですが、実は「午前免除制度」というIPAの認定を受けた講座を受講することによって午前試験が免除される制度があります。基本情報技術者試験の合格のためには、通常午前150分、午後150分の試験を受け、両方ともで合格点を取らねばなりません。この午前免除制度を使うことで、「午後は合格点を超えたが、午前試験で不合格になった」といったことを防ぐことができます。

午前試験免除制度の具体的な内容やメリット・デメリットについて見ていきましょう。

基本情報技術者試験おすすめ通信講座を徹底比較!も確認する

基本情報技術者試験(FE)のおすすめ参考書・テキストランキング!も確認する

午前試験免除制度の概要

午前試験免除制度の概要について、 IPAによると以下のように定められています。
”IPAに認定された講座を受講し、修了試験に合格する(修了認定の基準を満たす)ことによって、基本情報技術者試験の午前試験が免除される制度です。”
引用:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_80tokurei/_index_tokurei.html)

IPAのによって認定を受けた講座を受講し、定められた修了試験に合格することによって、本試験当日の午前試験が免除されます。修了認定者としての午前試験免除の権利は修了認定年月日から1年間です。

認定講座は全国各地の民間企業から提供されており、中にはe-ラーニング形式として受講できるタイプもあります。認定講座の要件として、基本情報技術者試験のシラバスに示された100個の受講項目が含まれていること、受講時間が100時間以上であることが定められています。また、受験項目数・受講時間数ともにその2/3以上を受講する必要があります。その上でIPAが定めた合格基準(満点の6割以上)を満たすことで、修了認定者として午前試験免除を受けることができます。

そのため、免除という名前がついているものの、受験まで学習量としては独学と同等かそれ以上が必要となります。

 

午前試験免除のメリット

それでは、この午前試験免除制度のメリットは何があるのでしょうか?

合格してから1年間午前試験が免除になる
基本情報技術者試験は本来、午前と午後の試験でそれぞれ合格点以上を取る必要があります。つまり、午後試験だけ合格点を超えていても不合格となる可能性があるということです。午前試験を前倒しで受験することで、本試験は午後試験のみに集中して取り組むことができます。

午前試験、午後試験にそれぞれ集中できる
前述の通り、午前試験・午後試験をそれぞれ受けることができるため、並行しての学習ではなく、試験前にそれぞれの内容を集中して対策を行うことができます。

試験時間が半分になる
午前・午後の試験はそれぞれ150分と非常に長く、集中力が必要となります。午前試験が免除となっていることで、1日にこなす試験内容が半分になることは大きなアドバンテージとなります。

午前試験免除のデメリット

一見良いところだらけの制度にも思えますが、いくつかデメリットもあります。

資格取得まで時間がかかる
本試験当日までに規定講座の受講と修了認定試験の合格をしなければならないため、資格取得までにある程度の時間がかかります。修了試験は年4回実施されており、それぞれの試験約1ヶ月前に締め切られるため、資格取得の期限がある方はしっかりと計画を立てておくことが大切です。

学習時間が長くなる
認定講座の要件として受講時間が100時間以上と定められていることから分かる様に、午前免除の認定を受けるまでかなりの勉強時間が必要となります。もちろん独学で対策を行う場合も50〜200時間程度の学習時間が必要ですが、ある程度ITに関する知識や得意分野がある場合、午前試験免除制度を使うことでむしろ学習時間が長くなってしまう可能性があります。

費用がかかる
民間の講座を受講するということなので、勿論ある程度の費用がかかります。講座の費用は一般的に20000〜30000円程度の様です。

まとめ

いかかでしょうか。試験内容の難易度が高く試験時間が長い基本情報技術者試験においては、午前試験免除のメリットはかなり大きいようです。特に初学者の方にとっては、講座内容をしっかり終えた上でまず午前試験に取り組めることで学習ハードルが低くなるのではないでしょうか。

基本情報技術者試験を受験しようと考えている方は、自分のレベル、確保できる学習時間、試験までの期間などを考慮した上で、午前試験免除制度の活用を考えてみてはいかがでしょうか?

基本情報技術者試験おすすめ通信講座を徹底比較!も確認する