秘書検定は就職に本当に役に立つ?試験の概要や取得メリットについて




秘書検定ってどんな資格?

秘書検定とは、社会人に必要なビジネスマナーを習得するための資格です。秘書を目指している方はもちろん、社会人基礎力を身に付けるために多くの方が受験している人気の資格の1つです。

年に2回(2・3級は3回)実施され、年齢・学歴不問で誰でも挑戦することができます。また、3級と2級、2級と準1級など併願受験をすることも可能なので、効率よく上級を目指すことができます。

毎年の受験者数は約15~16万人ほど、かなり多くの方々が自身のスキルアップのために日々資格の勉強に励んでいます。

そんな秘書検定の特徴とメリットについてみていきましょう。

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特徴と取得メリット

秘書検定は、「1級・準1級・2級・3級」と4つの級に分かれています。内容は、理論と実技の2つの領域に分類されています。この領域どちらの分野でも“60%以上”を得点しなければ、合格することはできません。また、2・3級は筆記のみですが、準1級以上は面接試験もあります。筆記と面接の両方をバランスよく対策していく必要があります。

取得メリットとしては、社会人として必要な素養を身に付けることができるということです。社会に出ていくと、いろいろな場面でマナーや判断力を求められます。秘書検定の内容を学んでおけば、いざというときに社会人として正しい対応や振る舞いをすることができます。社会基礎力を示すのに十分な指標となります。

本当に就職に役に立つのか

受験者の半数を学生が占めるこの秘書検定ですが、取得を目指す中で一番気になることは恐らく「就職で役に立つかどうか」でしょう。「就職 おすすめ 資格」のようなワードで検索をかけると、どこかの記事で必ずランキングにヒットするメジャーな資格でもあります。
それでは本当に、就職活動において有利に働くのでしょうか?

結論は、就職活動に「役に立つ」と言えます。

履歴書の資格欄に秘書検定を記載することによって、面接でも重要視されている「人柄の良さ」や「感じの良さ」などの人柄を判断する項目で一定ラインの評価を得られます。

もちろん、面接で実際に話をしていく中で、人事の方は学生の人柄を評価していきます。五感で得た情報や履歴書に基づいた過去の経験から、学生のことを深堀していきます。しかし、30分や1時間程度の短い面接の中だけでは、自分の魅力を伝えきれるとは限りません。また、人事の方が自分の良さを汲み取ってくれるとも限りません。

そんなときにこの秘書検定が役に立ちます。自身の人間的な素養や魅力を裏付けることができる1つの指標になるのです。就職活動や面接に対して、少しでも不安がある方にはおすすめの資格です。

有利になるのは何級から?

履歴書には3級以上から記載することはできますが、就職活動で有利になるのは、「2級」からと言われています。3級の内容はかなり基本的なレベルですので、書いても書かなくても面接官からの印象はほとんど変わらないのが現実です。

2級は、社会人として一般的な知識やマナーがあることの証明になります。面接官には、「ある程度の基本的な素養があるな」と印象付けることができます。準1級以上に関しては、それ以上の好評価が得られ、時には即戦力として扱われることもあるようです。また、2級よりも合格難易度が高いため、資格取得のために努力して勉強を行った「意欲」や「継続力」も評価されることになります。

就職活動の流れとして、「書類選考・筆記試験」、それが進むと「一次・二次面接」と回数を重ね、最後に「最終面接」があります。それぞれ採用担当の見るポイントが異なる面接ですが、この選考フローの第2関門である“一次面接”において、秘書検定は大きく効力を発揮します。

面接の中でも、特に一次面接は応募者の通過率はそこまで低いわけではありません。一次では、対人印象やコミュニケーションスキル、そしてビジネスマナーが見られます。採用担当は、迷ったら通せともいわれているほどの段階の面接です。

例えば、能力的な面で同じような学生が2人いて、そのどちらを採用するかを迷っているとします。そんなときに、秘書検定を所有していると、ビジネスマナーを兼ね備えているという点でもう一方の学生よりも一歩先んじることができます。もちろん面接での振る舞いも見られていますが、プラスαの判断材料になるのです。それによって、面接を通過できるといったことがあります。

しかし、所有資格はあくまで参考程度にしかなりません。新卒での就職活動において評価されるポイントは、過去の実績ではなく「その学生の未来の可能性」です。これから一緒に働きたいと思えるか、将来のビジョンや人物像がマッチしているか、そんな学生が採用されるわけです。そのため、秘書検定があるから絶対にうまくいくというわけではありません。

さらに宅建や公認会計士などの難関資格のように、持っているだけで高く評価される資格ではありません。あくまで判断材料の1つとして役に立つ、ということを念頭に置いておきましょう。

どんな職業・職種に活かせる?

主に秘書、そして一般事務職に大いに活かすことができます。しかし秘書や事務職だけではなく、どの職業にもマルチに役立つというのが秘書検定の魅力です。

この資格は、「人材育成」をテーマの1つとして掲げています。資質・職務知識・一般知識・マナー、接遇・技能などの育成をはかるためにどうすればいいのか、ということを深く学ぶことができます。そのため、上司からの指示に正しく対処したり、後輩への指導を適切に行ったり、どのような職種においても活かせるスキルといえます。

さらに、相手に好印象を与えることができる資質を磨くことができるため、人間関係を円滑にできるようになります。仕事だけではなく、日常生活のあらゆる場面で活かすことができる力を手に入れることができます。

合格難易度と勉強法

2級は50~60%、3級は60~70%といった高い合格率があります。合格率からもわかる通り、難易度はそこまで高くはありません。

しかし準1級以上になると、合格率は20~30%と難易度がやや上がります。

目安として、3級は高校生でも簡単に取得できるレベルです。2級は、大学生が独学で勉強して合格できるくらいです。準1級以上に関しては、しっかりと勉強時間を確保し、面接試験の対策も行えば、独学でも十分取得できる難易度です。

ちなみに、資格取得の最年少は11歳なので、年齢に関係なく目指すことのできる資格ということがわかります。また、女性が多いイメージもありますが、性別も不問です。

独学で勉強をしようとしている方には、まずは参考書やテキストあるいは通信講座がおすすめです。最短1~2週間程度で合格するための書籍もあります。自身のスケジュールや状況に合わせて、勉強方法を定めるといいでしょう。

まとめ

就職のアピールとしてだけではなく、社会人としての基礎力つまりは“人間力”を証明することができるこの資格は、その人気から年々受験者が増えています。学習時間を確保して、計画的に勉強を進めて確実に合格できるようにしましょう。

また実際に受験をしないにしても、参考書に目を通して知識を身に付けてみるだけでも自身のスキルアップにつながります。秘書検定で得られる“ビジネス基礎力”はこれから生きていく上で必要不可欠な能力になるので、勉強したことは決して無駄にはなりません。

就活を控えている1~3年生はもちろん、就職中の学部4年生、専門学生・院生や転職を考えている社会人の方もぜひ勉強を始めてみてはいかがでしょうか。

 

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