一夜漬け AWS認定クラウドプラクティショナー 直前対策テキスト




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はじめに

数十年前までは、大企業のシステムといえば、冷蔵庫ぐらいの大きさの何千万円もするコンピュータを何台も揃えたものでした。その高価なコンピュータを購入していました。

そして、耐震設備のあるデータセンターに設置し、OSやデータベースのソフトウェアを導入した上で、ウェブシステムのようなアプリケーションを構築していました。このように自前でIT設備を調達して、企業システムを構築するような利用形態を、オンプレミス(自前のシステム)といいます。一方、近年企業のコンピュータシステムは自社設備を持たず、借りて利用する形態が非常に増えています。この「借りて利用する形態」をクラウドサービスといいます。

アマゾンウェブサービス(AWS)は、Amazonが提供するクラウドサービスです。クラウドサービス(パブリッククラウド)には、他にもMicrosoftの提供するAzureや、Googleの提供するGCP、IBMの提供するIBM Cloudなどがありますが、AWSは大きな一角を占める業界No.1のクラウドサービスとなっています。

そのAWSが認定する入門編の資格として、クラウドプラクティショナー試験があります。クラウドのプラクティショナー(実務家、専門家)を認定するものです。これはAWSの基礎的な内容を理解していることを証明する資格であり、資格取得に向けた学習によって、クラウドサービスのメリットを説明したり、クラウドらしいシステムについて説明したりすることができるようになります。

そのため、エンジニア以外の営業の方やマネジメントの方にとっても、取得するメリットが十分ある資格になっています。もちろん、エンジニアにとっては、必ず理解すべき基礎が身についている証明になる資格といえます。本書は、そのクラウドプラクティショナーの試験対策テキストです。クラウドがまったく初めての方でも、読み進めれば、クラウドとAWSサービスの基礎は、十分理解できるようにしております。

また、本書は、拙書『一夜漬けAWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト直前対策テキスト』の姉妹書として執筆しております。そのため、クラウドプラクティショナー試験に合格することはもちろん、上位資格であるAWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト取得の準備にもお使いいただけるように構成いたしました。

このたび社内の勉強会で、AWSの利用経験の少ない技術者に対し、当テキストを元に短期集中の学習を実施し、クラウドプラクティショナー試験を受験させたところ、2020年7月末現在、合格率は100%でした。そのため実績あるテキストになっていると思います。ソリューションアーキテクトアソシエイトは、クラウドプラクティショナーの資格と同等程度のスキルがある方を対象としたものです。そのため、ソリューションアーキテクトアソシエイトに挑戦する際には、まず本書で基本的な所を学んでから、姉妹書へと読み進められることをお薦めいたします。

データセンターに赴いて保守する必要がないクラウドは、システムの構築、アプリケーションの開発やリリースがすべて遠隔からできるものです。新型コロナウィルスによる様々な影響下において、テレワーク化が進むこの時代に、ますます利用が促進されていくものと考えられます。今後の利用が拡大されていくクラウドサービスの中で、世界中でもっとも利用されているAWS。その重要な基本部分の理解ができるAWS認定クラウドプラクティショナー資格に、この機会にチャレンジしていただき、今後の業務に役立てていただければ幸いです。

2020年7月
株式会社クレスコ
エグゼクティブITアーキテクト
山内貴弘

山内 貴弘 (著)
秀和システム (2020/8/29)、出典:出版社HP

目次

はじめに

Chapter1 AWS認定クラウドプラクティショナー試験資格の概要
1-1 AWSと試験の関係
1- 2試験で評価される能力
1-3 試験の概要
1-4 試験の回答タイプ
1-5試験の範囲
1-6 試験合格のメリット
1-7 本書の構成

Chapter2 クラウドの概念
2-1 クラウドコンピューティング
2-2 仮想化技術
2-3 インスタンス
2-4 インターネットプロトコル
2-5 IPアドレス
2-6 グローバルアドレスとプライベートアドレス
2-7 サブネットマスク
2-8トランスポート層のボート番号
2-9 ドメイン名とDNSによる名前解決
2-10 クラウドの種類(IaaS、PaaS、SaaS)

2-11 ハイブリッドクラウド
2-12オンプレミス
2-13 オンプレミスのキャパシティ設計
2-14 オンプレミスのメリット
2-15 クラウドとITアウトソーシングの違い
2-16 リージョン
2-17 アベイラビリティゾーン(AZ)
2-18 エッジロケーション
2-19 弾力性(エラスティック)
2-20 プロビジョニング

2-21 ワークロード
2-22 デプロイ
2-23 グローバルリーチ
2-24 ディザスタリカバリー(DR)対策
2-25 転送データの暗号化
2-26 デジタル証明書
2-27 アイデンティティの認証とアクセス管理
2-28 フェデレーション
2-29 DDoS攻撃とファイアウォール

Chapter3 AWSクラウドの特長
3-1 AWSクラウドの6つの特長
3-2 固定費から変動費へ
3-3 スケールによるコストメリット
3-4 キャパシティの予測が不要
3-5 スピードと俊敏性
3-6 データセンターの運用と保守への投資の必要なし
3-7 数秒で世界中にデプロイ可能
3-8 主要なアーキテクチャ原則
3-9 Well Architectedフレームワーク

Chapter4 AWSの主要サービス
4-1 AWSマネジメントコンソール
4-2 コンピューティングサービス:EC2
4-3 主要コンピューティングサービス: ECS
4-4 主要コンピューティングサービス:Lambda
4-5 主要ストレージサービス:EBS
4-6 主要ストレージサービス:S3
4-7 主要ストレージサービス:S3 Glacier
4-8 主要ストレージサービス: Storage Gateway
4-9 主要ストレージサービス:Snowファミリー
4-10 主要データベースサービス:RDS

4-11 主要データベースサービス:DynamoDB
4-12 主要ネットワークサービス:VPC
4-13 主要ネットワークサービス:ELB
4-14 主要ネットワークサービス:CloudFrontz
4-15 主要ネットワークサービス:Route53
4-16 主要セキュリティサービス:IAM
4-17 主要セキュリティサービス:KMS
4-18 主要セキュリティサービス:WAF
4-19 主要マネジメントサービス:Auto Scaling
4-20 主要マネジメントサービス:CloudFormation

4-21 主要マネジメントサービス:CloudWatch
4-22 その他主要サービス:AWSサポート
4-23 その他主要サービス:AWS Marketplace/APNパートナー

Chapter5 Well Architected Chapter 5フレームワーク:運用の優秀性
5-1 Amazon 7 1X- (AMI)
5-2 VPCフローログ
5-3 AWS Elastic Beanstalk
5-4 AWS Codeシリーズ
5-5 AWS X-Ray

Chapter6 Well Architectedフレームワーク:セキュリティ
6-1責任共有モデル
6-2 コンプライアンスプログラムとAWS Artifact
6-3 AWSアカウント
6-4 ルートユーザーの管理
6-5 IAM ユーザーグループロールポリシー
6-6 セキュリティグループとネットワークACL
6-7 AWS CloudTrail
6-8 AWS Config
6-9 AWS Shield
6-10 Amazon GuardDuty

6-11 Amazon Inspector
6-12 AWS Directory Service
6-13 S3(Simple Storage Service)のアクセスコントロール
6-14 AWS Service Catalog
6-15 AWS Trusted Advisor

山内 貴弘 (著)
秀和システム (2020/8/29)、出典:出版社HP

Chapter7 Well Architectedフレームワーク:信頼性
7-1 Amazon CloudWatch
7-2 Auto Scaling
7-3 AWS Virtual Private Network (VPN)
7-4 AWS Direct Connect

Chapter8 Well Architectedフレームワーク:パフォーマンス効率
8-1 Amazon EC2の性能アップ
8-2 Amazon RDS
8-3 Amazon Redshift
8-4 Amazon ElastiCache
8-5 Amazon DynamoDB Accelerator (DAX)
8-6 Amazon S3 Transfer Acceleration

Chapter9 Well Architectedフレームワーク:コスト最適化
9-1 Amazon EC2の購入オプション
9-2 EC2の課金方法
9-3 AWS Organizations
9-4 計画時のコスト関連ツール:AWS Total Cost of Ownership(TCO) Calculator
9-5 計画時のコスト関連ツール:AWS Pricing Calculator
9-6 運用時のコスト関連ツール:AWS Cost and Usage Report(CUR)
9-7 運用時のコスト関連ツール:AWS Cost Explorer
9-8 運用時のコスト関連ツール:AWS Budgets
9-9 リソースへのタグ付け

Chapter10 AWS認定クラウドプラクティショナー練習問題
10-1 練習問題の使い方
10-2 練習問題

Chapter11 AWSアーキテクチャ原則とベストプラクティスのまとめ
11-1 「運用の優秀性」の設計原則
11-2 「運用の優秀性」のベストプラクティス
11-3 「セキュリティ」の設計原則
11-4 「セキュリティ」のベストプラクティス
11-5 「信頼性」の設計原則
11-6 「信頼性」のベストプラクティス
11-7 「パフォーマンス効率」の設計原則
11-8 「パフォーマンス効率」のベストプラクティス
11-9 「コスト最適化」の設計原則
11-10 「コスト最適化」のベストプラクティス

Chapter 12 AWSサービス用語集
12-1 コンピューティングサービス
12-2 コンテナサービス
12-3 ストレージサービス
12-4 データベースサービス
12-5 移行転送サービス
12-6 ネットワークサービス
12-7 開発者用ツール・サービス
12-8 マネジメントガバナンスサービス
12-9 機械学習サービス
12-10 分析サービス

12-11 セキュリティ・アイデンティティ・コンプライアンスサービス
12-12 アプリケーション統合サービス
12-13カスタマーエンゲージメントサービス
12-14 ビジネスアプリケーションサービス
12-15 コスト管理サービス
12-16 その他サービス

おわりに

山内 貴弘 (著)
秀和システム (2020/8/29)、出典:出版社HP