3Dプリンター活用技術検定試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
3Dプリンター活用技術検定試験の公式テキスト
公式のテキストがあります。下記サイト等から購入可能です。
3Dプリンター活用技術検定公式HP
またホームページでは、試験についての最新情報が確認できます。
3Dプリンター活用技術検定 公式ガイドブック[改訂版]
はじめに
近年、「3Dプリンター」市場の拡大が目立ってきています。企業での導入事例が増加しつつありますが、個人が簡単な形状を作ることは可能であっても、産業用として活用するためには、3Dプリンターに流し込むデータ(CADソフトウェアによって作成される)の正確性はもちろんのこと、さまざまな要素(造形材料・形状、特性・環境、後工程など)が要求されます。そこで、一般社団法人コンピュータ教育振興協会では、従来のCAD利用技術者試験の延長線として当該試験を実施し、さらなる市場拡大と普及を目指すことといたしました。
本書は、3Dプリンター活用技術検定試験受験者のための指導、試験範囲の提示を主目的として作成されていますが、それだけでなく、3Dプリンターに興味を持っている学生や、既にエンジニアとして活躍している社会人にとっても、知識の拡大・拡充、体系的理解に大いに役立つ内容となっています。
具体的には、「3Dプリンターの基礎知識」「3Dプリンターの造形方法(材料含む)」「3Dプリンターの活用」の3つの章に分かれ、3Dプリンターを活用するために身に付けておくべき必須の知識について、幅広く解説しています。
また、巻末には当該試験のサンプル問題とその解答を掲載するとともに、初めて3Dプリンターを学ぶ方たちにも分かりやすく編集されています。上記意図をご理解の上、是非本書を活用していただければ幸いです。
2020年6月一般社団法人コンピュータ教育振興協会
一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)について
一般社団法人コンピュータ教育振興協会(以下、ACSP)は、2009年2月に設立された非営利法人です。ACCPでは、「3Dプリンター活用技術検定試験」以外にも、「CAD利用技術者試験」「SpaceDesigner検定試験」などの検定試験の主催・運営業務、情報提供サイト「CADstyle」の運営などを行い、事業を通じて学生および社会人の自己啓発意欲向上や就・転職などの支援活動を行っております。
ACSPの主な活動内容は、下記のとおりです。
・3Dプリンター活用技術検定試験の主催
・CAD利用技術者試験(2次元・3次元)の主催
・Space Designer検定試験の主催
・情報提供サイト「CADstyle」の運営
URL : https://www.acsp.jp/CADstyle/
ACSP公式Webホームページ
URL:https://www.acsp.jp/
目次
はじめに
一般社団法人コンピューター教育振興協会(ACSP)について
3Dプリンター活用技術検定試験実施概要
スケジュールおよび試験の科目と方法
受験申込から証明書類発行までの流れ
第1章 3Dプリンターの基礎知識
1 3Dプリンターの原理
光造形装置から3Dプリンターへ
断面形状を積み重ねる積層造形
7つの造形方法
従来工法との違い
●既存工法との組み合わせを考える
●設計の概念も変わる
3Dプリンターのプロセス
●サポート部とは何か
●前工程
●後工程
●メンテナンス
2 3Dプリンターの造形材料
合成樹脂
3Dプリンティングの用途
3 3Dプリンターの造形用データ
3Dデータの取得方法
●モデリングによるデータ取得
●3Dスキャンによるデータ取得
●フォトグラメトリーによるデータ生成
●Webサイトからのダウンロード
3Dデータのファイル形式
●STL(拡張子「.stL」)
●VRML(拡張子「.wrl」)
●3DS(拡張子「.3ds」「.max」)
●OBJ(拡張子「.obj」)
●PLY(拡張子「.ply」)
●AMF(拡張子「.amf」)
●3MF(拡張子「.3mf」)
造形データの設定
●最適なファイルの解像度
●造形開始前の設定
4 3Dプリンターの用途
試作品と最終製品
●試作プロセスも変わる
●最終製品は単品や少量品で
●大量生産が課題
●在庫を持つことが不要に
直接造形か間接造形か
●型を使う従来工法とのハイブリッド
●製造装置の一つとして考える
●使いこなし力を高める
コーヒーブレーク 期待広がる3Dフードプリンターの世界
「介護食」や「個食」、「災害食」で期待高まる
第2章 3Dプリンターの造形方法
1 材料押出(熱溶解積層)
造型プロセス
●フィラメント状の樹脂が主流
●造形ヘッドとテーブルの相対位置を制御
●サポート部を別の材料にすることも可能
●閉空間の造形が可能
●金属の材料吐出も
造形材料
●ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)
●PLA(ポリ乳酸)
●複合化材料
●ASA(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)
●PA(ポリアミド)
●PET(ポリエチレンテレフタレート)
●PC(ポリカーボネート)
●PPSU(ポリフェニルスルホン)
●PEI(ポリエーテルイミド)
前工程と後工程
●サポート部の付加
造形の向き
●制御ソフトウエア(スライサー)
●サポート部の除去と仕上げ。
2 液槽光重合(光造形)
造形プロセス
●下側から光を当てるタイプも
●光を走査するか一括露光するか
造形材料
●高精度モデル用樹脂
●靱性(機能性モデル用)樹脂
●ABSライク樹脂
●高透明樹脂
●透明・耐熱樹脂/高耐熱樹脂
●フィラー入り強化樹脂
●鋳造用樹脂
●ゴムライク樹脂
前工程と後工程
●サポート部の付加
●造形の向き
●材料の取り扱い
●サポート部の除去と仕上げ
3 材料噴射
造形プロセス
●サポート部は必須
●材料の混合が可能
造形材料
●光硬化性樹脂
●ワックス
前工程と後工程
●サポート部の付加
●造形の向き
●サポート部の除去
●出力ビューローの活用
4結合剤噴射
造形プロセス
●サポート部は不要
●カラー化も可能
造形材料
●石こう粉末
●樹脂粉末
●金属粉末
●セラミック粉末
●砂
前工程と後工程
●造形の向きと位置
●サポートの除去
●仕上げ
●出力ビューローの活用
5 粉末床溶融結合
造形プロセス
●金属ではレーザービームと電子ビーム
造形材料
●樹脂粉末
●金属粉末
●セラミック粉末
前工程と後工程
●サポート部の付加
●造形の向きと位置
●サポート部の除去と仕上げ
●出力ビューローの活用
6 シート積層
造形プロセス
●フルカラー化も可能
造形材料
●紙
●アルミテープ
前工程と後工程
●紙
●金属
7 指向性エネルギー堆積
造形プロセス
●サポート部が必要な形状には向かない
造形材料
●炭化タングステン粉末
●コバルト合金粉末
前工程と後工程
第3章 3Dプリンターの活用
1 3Dプリンター活用の前準備
活用を始める前に知っておきたい7つのポイント
●同じ材料でも色や硬度の違いで最適な条件が異なる
●出力ビューローの活用を考える
●出力ビューローの納期、造形品質、コストに配慮す
●寝かせて造形するのが基本
●小さなものでは配置と最小の厚みに注意
●複雑なものや大きなものは分割して造形する
●データの上限は100Mバイト程度
2 3Dプリンターの活用事例
個人で楽しむ
●日用品を造る
●心を込めた、福島県の優しいリンゴ
●子ども向けワークショップ
試作品を内製
●3Dプリンターによる試作の利点
●試作を繰り返して理想の「握りやすさ」を追求
●実物を通じて開発メンバーが認識を共有
●企業内メイカーズに向けたワークショップ
製造業における治具
●パーソナル3Dプリンターを用いた治具作製
●ロボットアームの先端部などの治具作製
文化財の保護
●デジタル・アーカイブの意義
●非公開の仏像を3Dデータ化して保存
●レプリカを造形して自由に触れる展示を実現
●公開された3Dデータから世界中でレプリカを造形
エンターテインメント
●プロモーション動画用に精巧なラジコンカーを造る
●3D-CGのコンテンツと組み合わせたカスタマイズ造形
最終製品の製造
●実走行できる自動車のボディを造る
●伝統工芸と3Dプリンターの融合
●3Dプリンター製のランプシェード
●金属3Dプリンター製のリストウォッチ
サンプル問題
参考文献/参照サイト
索引