改訂第3版 商品装飾展示技能検定ガイドブック・学科編




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改訂第3版発行にあたって

改訂版を発行するにあたって、過去の受検者、読者、指導の諸先生方からのご意見を参考に、従来の1冊にすべてを網羅するというスタイルから大改革をし、学科と実技の2部仕立てとしました。

検定に必要な知識の「学科編」と実務作業の「実技編」とに分けることにより、受検者はもとより、商品装飾展示に従事する方々にも、より使いやすく学びやすいものとしました。

小売業の現況は、近年のネットや通販など無店舗販売の台頭とともに、実店舗の実情においてはより多くのお客さまを集客し、購買行動を刺激し、購買意欲をそそる的確な商品提案がますます必要になってきています。さらに、実店舗であるからこそ可能な、店頭や店内での、新鮮で話題性のある商品の美しい演出や、エンターテインメント空間としての魅力的表現などを、より高度に磨き上げた技法によって作り上げていく必要性が高まっています。

しかし、こうした小売業における日々の営みが、行き当たりばったりで適当に行われているとしたら効果は期待できません。基本的な商環境のあり方や、商業にかかわるさまざまな知識、商空間を演出表現する美意識、商品の魅力を的確に伝える展示や陳列技法などを正しく修得して、日々怠ることなく実践して初めて、お客さまを満足させることができ、本来の小売業の姿が実現するのです。

店で見かける「商品装飾展示」には時として間違った解釈や技法で実践されているものがあります。そのために商機を逸したり、商品の魅力が半減したりして、顧客満足を得るどころか、サイレントクレーマーを生み出しているかもしれません。あいまいな知識と自己流の売場づくりや商品提案をしていては、決して良い店、よく売れる店にはなれないのです。店にかかわる人々が自覚をもって専門的な知識と技術を身につけることが何より大切です。

本書で解説している「商品装飾展示技能検定」は、商品装飾展示の一連の仕事と専門的にかかわっている人をはじめ、これからその道を目指したい人、また自分自身のキャリアアップをしたい人の技能と知識の実力を計る試験です。全国から寄せられた多くの受検者の方々のご要望にお応えするためにテキスト本として編集しました。

受験を志す方はもとより、デコレーター、ビジュアルコーディネイター、ビジュアルマーチャンダイザー、販売スタッフ、ショップディレクターなど、日常業務で商品装飾展示(マーチャンダイズプレゼンテーション)にかかわるすべての方々に必要不可欠な知識と技法を、「学科編」と「実技編」の2冊にまとめています。「商品装飾展示技能検定」は国家検定ですから、合格すれば大きな自信となるでしょう。

「学科編」と「実技編」の2冊にそれぞれの基礎知識と過去問題を級別に掲載しています。」身の力量や、得意不得意に合わせて学習することができ、今まで分からなかった事柄の詳細についても丁寧に解説してあります。また、実際に過去に出題された問題を平成27~30年度まで掲載してあるので、模擬テストとして挑戦することができます。受検を目指す人は、合格を目標に掲げ、繰り返し学習することで「学科編」の知識も「実技編」の技法も必ず身につきます。いずれもバランス良く修得していただきたいと願っています。

本書への過去問題の掲載を許諾認可していただいた中央職業能力開発協会と、快く編集出版のご協力をいただいた繊研新聞社出版部に深く感謝いたします。

日本ビジュアルマーチャンダイジング協会
「商品装飾展示技能検定ガイドブック」編集委員会

日本ビジュアルマーチャンダイジング協会 (著, 編集)
繊研新聞社; 改訂第3版 (2019/6/10)、出典:出版社HP

本書の構成と特徴について

本書は既刊の『商品装飾展示技能検定ガイドブック』で利用しにくかった点や分かりにくかった点などを改良し、検定に必要な基礎知識と技法、過去問題を「学科編」と「実技編」に分冊する形で、学びやすく、携帯しやすくしました。また、体裁もB5判と大きくし、説明図等のレイアウトなども見やすく分かりやすくしました。

(1)学科編
商品装飾展示技能検定の学科試験に沿って、必要な基礎知識を徹底解説しています。商品装飾展示にかかわる分野の幅は広く、受検を志す方々から「どのような範囲と程度の知識を習得するべきかが分からない」という声が多く聞かれました。本書の解説については、日本ビジュアルマーチャンダイジング協会からすでに出版されている『VMD用語事典』の用語を基準に、関連項目と専門用語をより深く詳細にまとめてあります。

(2)学科過去問題
平成27年度から平成30年度までの過去4年間の各級の学科試験で、実際に出題された問題と解答を掲載しています。さらに「ここがポイント」といったところを問題文からピックアップし、各級、各年度の過去問題ごとに後のページで分かりやすく丁寧に解説しています。問題を解きながら重要用語や知識を記憶していくことができ、より身につく内容になっています。また、最初は解説を見ないで過去問題に挑戦するという人も、解答があるので自己採点ができ、現在の自分の実力が分かり、不得意分野を知ることができます。

(3)技能検定受検の手引き
初めて受検する人や指導する人にも分かりやすく、学科試験の学習ポイントや技能検定制度について説明しています。合格のための学習ポイントや検定の概要、検定受検者数と合格者数の推移、技能検定に関するQ&Aも掲載しました。また、検定受検のあらましと受検資格、受検料などについても詳しくご案内しています。

日本ビジュアルマーチャンダイジング協会 (著, 編集)
繊研新聞社; 改訂第3版 (2019/6/10)、出典:出版社HP

CONTENTS

改訂第3版発行にあたって
本書の構成と特徴について

PART 1 商品装飾展示の基礎知識
VMD の知識と展開の基本

・ビジュアルマーチャンダイジングの意義
ビジュアルマーチャンダイジングの発生

・マーチャンダイズプレゼンテーション(MP)
ビジュアルプレゼンテーション (VP)
ポイントオブセールスプレゼンテーション (PP)
アイテムプレゼンテーション (IP)

・商品の販売促進
4つの促進区分
消費者向けの販促
ストアロイヤルティーを高める3つのポイント
アイドマの法則のポイント
商品のライフサイクルに対応した販売促進

・商品装飾展示が行われる業態と業種
小売業にかかわる基本用語
主な業態の内容

・展示場所の種類、特徴、使用方法
展示場所の機能と特徴
売場の構成と機能

・商品装飾展示にかかわる知識と用語
商品装飾展示の用語
分類方法別に商品特性を知る
消費者の行動から推し量る

・商品装飾展示におけるデザイン
造形における7つの美の要素
テーマ訴求のための構成法
VP のモチーフに使われる造形の様式

・色彩の機能と効果
体系化されている色の基礎
イメージと色
性質によって異なる色の機能と効果
配色=色の組み合わせについての基本

・照明の機能と効果
光の表示単位=機能や効果の違いや度合い
照明器具の種類
さまざまな光源の種類と機能
店舗における照明の機能と効果

・商品装飾展示に使用する用具

・関係法規と安全衛生の知識
商品装飾展示に関係する法規
商品装飾展示に伴う安全衛生の法規

PART2 学科の過去問題 解答と解説
学科 問題と解説(平成27~30年度)

3級
平成27年度技能検定3級商品装飾展示学科試験問題
平成28年度技能検定3級商品装飾展示学科試験問題
平成29年度技能検定3級商品装飾展示学科試験問題
平成30年度技能検定3級商品装飾展示学科試験問題

2級
平成27年度技能検定2級商品装飾展示学科試験問題
平成28年度技能検定2級商品装飾展示学科試験問題
平成29年度技能檢定2級商品裝飾展示学科試驗問題
平成30年度技能檢定2級商品裝飾展示学科試驗問題

1級
平成27年度技能檢定1級商品裝飾展示学科試驗問題
平成28年度技能檢定1級商品裝飾展示学科試驗問題
平成29年度技能檢定1級商品裝飾展示学科試驗問題
平成30年度技能檢定1級商品裝飾展示学科試驗問題

PART3 技能検定受験の手引き
・技能検定制度とは
技能検定の概要/技能検定の実施機関/技能検定の等級区分/技能検定試験の実施日程/受験手数料/受験資格/申請受付の条件
昭和61~平成30年度商品裝飾展示技能檢定受檢状況/平成21~30年度商品装饰展示技能 検定実施公示状況
「商品裝飾展示」技能検定 Q&A
都道府県職業能力開発協会リスト

付録
・商品装飾展示技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目
・参考文献
・あとがき

日本ビジュアルマーチャンダイジング協会 (著, 編集)
繊研新聞社; 改訂第3版 (2019/6/10)、出典:出版社HP