無敵の社労士 (1) スタートダッシュ 2021年合格目標
【社会保険労務士(社労士)試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)】も確認する
CONTENTS
Part1|社労士360度徹底解剖
★社労士をまるごとチェック!
★絶対に合格する学習プランの立て方
★無敵の社労士 年間カレンダー
無敵を読んで2021年社労士合格宣言!!
受験勉強は最初の一歩が肝心!
Part2|日本一わかりやすい入門講義
★岡根式 これならわかる! 社労士1st Edition -入門編-
★知って得する労働法のはなし
★絵で見る 業務災害・通勤災害の事例集
★ここが知りたかった! 派遣労働者の適用区分を確認しよう
★書類に注目! 雇用保険の受給手続き
★これで納得! 健康保険の保険給付
★年金クリニック その1
Part3|これで合格! 問題演習
★比較認識法®︎で社労士マスタープチ講義 択一対策編
★チャレンジ! 論点マスター
Part4|合格を徹底サポート!
★ときこの小部屋 ~はじめまして編~
★2021年試験対応!! 法改正最前線
★お悩み相談室
知識定着のためのマストアイテムはコレ!!
全受験生必備カード
切り取り式暗記カード全128枚
凡例
本書においては、下記のとおり略称を使用しております。
・社労士=社会保険労務士
・労基=労働基準法
・安衛=労働安全衛生法
・労災=労働者災害補償保険法
・雇用=雇用保険法
・徴収=労働保険の保険料の徴収等に関する法律
・健保=健康保険法
・厚年=厚生年金保険法
・労一=労務管理その他の労働に関する一般常識
・社一=社会保険に関する一般常識
※本書は、2020年7月9日現在において、公布され、かつ、2021年本試験実施要綱が発表されるまでに施行されることが確定しているものに基づいて作成しています。
Part1 社労士360度徹底解剖
CONTENTS
社労士をまるごとチェック!
絶対に合格する学習プランの立て方
無敵の社労士 年間カレンダー
社労士をまるごとチェック!
今、注目の国家資格!
それが社会保険労務士!!
資格編
幅広い年代から人気を集めている国家資格、社労士。まずはその魅力や仕事の内容、社労士になるまでの流れを紹介します。
「働き方改革」の専門家
社労士は、昭和43年に成立した「社会保険労務士法」にもとづく国家資格者です。社労士は、労働条件の最低基準を定めた「労働基準法」をはじめとした労働法、「健康保険法」をはじめとした社会保険に関するスペシャリストで、企業や働く人にとって、とても身近な存在です。
労働・社会保険に関する法律は、頻繁に制度改正が行われています。最近では、「働き方改革」として、長時間労働の是正、多様な働き方の実現、同一労働・同一賃金の実現に向け、平成31年4月からさまざまな法改正が行われました。社労士は、こういった制度改正に対応するためにも、労働・社会保険に関する専門家として企業をサポートすることができる頼もしい存在です。
このほか、中小事業主向けの助成金申請サポートや、テレワークの拡大による就業規則などの社内規程の見直しなど、社労士の活躍する場面はますます広がっています。
社労士資格が強いワケ
1 独占業務を持つ
社労士の仕事で特に重要なのが、「申請書等作成・提出代行・事務代理(1号業務)」と「帳簿書類の作成(2号業務)」です。この2つの業務は、社労士の資格を持っているものでなければ報酬を得て行ってはならない「独占業務」となっています。
2 コンサルタントとして活躍できる
企業は常に経営環境の変化への対応を迫られます。社労士は法律知識や労務管理に関する知識をもとに、育児休業や介護休業規程などの提案を行ったり、パートや派遣社員などの非正規社員の雇用管理や人事制度策定をサポートするなど、専門家の立場から「労務管理コンサルティング(3号業務)」を行います。これは社労士の独占業務ではありませんが、その知識と能力があるからこそできる仕事という意味では、社労士ならではの業務といえるでしょう。
3 活躍の場が多い
社労士の果たす役割はとても大きく、職域もどんどん広がっています。資格登録後には「特定社会保険労務士」となる道もあります。
【参考】特定社会保険労務士とは?
社労士の登録者で「紛争解決手続代理業務試験」に合格すると、特定社会保険労務士の付記を受けることができます。
特定社会保険労務士は、労働者と経営者が争いになったとき、裁判外紛争解決手続※制度に則った代理業務を行うことができます(詳細は6ページ参照)。
※裁判外紛争解決手続(ADR)
「Alternative(代替的)」「Dispute(紛争)」「Resolution(解決)」の頭文字をとって「ADR」と略す。さまざまな法的トラブルに対して、費用や時間のかかる訴訟ではなく、当事者以外の専門家である第三者に仲裁人として介在してもらい、解決をはかる制度。
4 働き方が選べる
働き方の幅が広いのも社労士の大きな魅力です。資格を活かした働き方には次の2つがあります。
独立開業社労士
社労士は、取得後に独立開業を狙える資格の1つです。企業と顧問契約を結び、給与計算など人事・労務分野の手続業務の代行をはじめ、労働者や雇用に関するマネジメントも含めたコンサルティング業務等幅広く活躍することができます。
企業内社労士
一般企業で人事、労務、社会保険に関するスペシャリストとして活躍する企業内社労士。総務や人事部門では社労士の知識は必要不可欠なので、有資格者は貴重です。
社労士の業務を徹底解剖!
社労士の仕事は次のように分類されます。具体的な業務内容を見てみましょう。
1号業務 申請書等作成、提出代行、事務代理 独占業務
労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成」、労働社会保険諸法令に基づく申請書等の書類を行政機関等に提出する手続を行う「提出代行」、事業主から委任を受けて、行政機関等への提出から主張、陳述を行う「事務代理」があります。
[具体例]
*厚生年金保険の算定基礎届および月額変更届
*労働保険の年度更新手続
*健康保険の傷病手当金や出産手当金などの給付申請手続
2号業務 帳簿書類の作成 独占業務
労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類等の作成を行います。
[具体例]
*就業規則、賃金規程、退職金規程等の諸規程および三六協定などの各種労使協定の作成・届出
*労働者名簿、賃金台帳の作成等
3号業務 労務管理専門のコンサルティング業務
社労士は、法律で唯一認められた労務管理専門のコンサルタントです。企業の人事や労務上の相談業務に応じ、企業の実情に即して適切なアドバイスを行います。
[具体例]
*賃金・人事制度および退職金制度の設計
*採用・異動・退職・解雇等の雇用管理
*労働時間管理(休日・休暇を含む)
裁判所における補佐人業務
労務管理その他の労働及び社会保険に関する事項について、裁判所において補佐人として出頭し陳述します。
【参考】特定社会保険労務士の業務
特定社会保険労務士は、労働者と事業主が争いになったとき、次のADRにおける代理人として、裁判によらない円満解決を進めていきます。
●個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う裁判外紛争解決手続の代理(紛争価額が120万円を超える事件は弁護士の共同受任が必要)
●個別労働関係紛争解決促進法に基づき都道府県労働局が行うあっせんの手続の代理
●障害者雇用促進法、男女雇用機会均等法、労働者派遣法、育児・介護休業法及びパートタイム・有期雇用労働法に基づき都道府県労働局が行う調停の手続の代理
●個別労働関係紛争について都道府県労働委員会が行うあっせんの手続の代理
*上記代理業務には、依頼者の紛争の相手方との和解のための交渉及び和解契約の締結の代理を含む。
社労士が扱う法律(一部抜粋)
○労働基準法 ○労働安全衛生法 ○労働者災害補償保険法 〇雇用保険法
○労働保険の保険料の徴収等に関する法律 ○健康保険法 ○国民年金法
○厚生年金保険法 〇職業安定法 ○労働者派遣法 ○労働施策総合推進法
○最低賃金法 ○高年齢者雇用安定法 ○障害者雇用促進法 ○職業能力開発促進法
○労働契約法 ○賃金支払確保法 ○労働時間等設定改善法 ○男女雇用機会均等法
○短時間・有期雇用労働者雇用管理改善法 ○育児・介護休業法 ○中小企業退職金共済法
○労働組合法 ○労働関係調整法 ○個別労働関係紛爭解決促進法
○次世代育成支援対策推進法 ○国民健康保険法 ○高年齢者医療確保法 ○介護保険法
○船員保険法 ○確定拠出年金法 ○確定給付企業年金法 ○社会保険労務士法
○児童手当法
社労士試験に合格したら…
社労士として働くためには、試験に合格後、全国社会保険労務士会連合会に登録し、さらに都道府県社会保険労務士会に入会しなければなりません。登録にあたっては、2年以上の実務経験または、連合会主催の「事務指定講習」の受講が必要です。
登録手数料や入会金は最初だけですが、登録後は毎月、都道府県社会保険労務士会の会費が発生します。会費は都道府県ごとに違い、開業と勤務でも金額が違います。なお、登録は試験合格から何年後でも可能となっています。
■社労士登録にあたって必要な費用
登録にあたって | 登録免許税 30,000円(収入印紙) |
登録手数料 30,00円 | |
社労士会 入会にあたって |
開業の場合 入会金50,000円/年会費96,000円 |
勤務等の場合 入会金30,000円/年会費42,000円 |
*東京都社会保険労務士会の場合(2020年7月現在)。
【参考】
事務指定講習
通信指導課程(4月間)と、面接指導課程(4日間)の組み合わせにより行われます。
受講料は77,000円(税込)です。
■全国の社労士の登録状況
2020年4月末時点での調査数(東京都社会保険労務士会発表)
開業者 | 法人社員 | 勤務等 | 合計 | 法人会員 |
24,211名 | 2,795名 | 15,965名 | 42,971名 | 1,946法人 |
*開業者は独立し事務所を開いている者、法人社員は社会保険労務士法人を開き代表社員となっている者、勤務等は、企業ならびに社会保険労務士事務所等で勤務する者です。
試験編
難関資格の1つといわれている社労士の試験とは、どんなものでしょうか。気になるその概要を徹底研究します!
スケジュール
例年、4月中旬に試験要項が発表され、5月末までに願書提出、8月末に本試験、11月上旬に合格発表という流れです。令和2年度については、以下の流れで実施されています。
受験申込受付期間
4/13(月)~5/31(日)
試験日
8/23(日)
選択式10:30~11:50(80分)
択一式13:20~16:50(210分)
合格発表11/6(金)
受験資格(主なもの)
受験資格は幅広く、学部や学科に関係なく、大学か短大を卒業していれば受験可能です。受験資格のどれにも当てはまらない場合、まずは行政書士の資格取得がおすすめです。主なものは次ページの通りです。
○学校教育法による大学、短期大学、専門職大学、専門職短期大学若しくは高等専門学校(5年制)を卒業した者又は専門職大学の前期課程を修了した者
○上記の大学(短期大学を除く)において62単位以上の卒業要件単位を修得した者
○上記の大学(短期大学を除く)において一般教養科目と専門教育科目等との区分けをしているものにおいて一般教養科目36単位以上を修得し、かつ、専門教育科目等の単位を加えて合計48単位以上の卒業要件単位を修得した者
○行政書士試験に合格した者
ほか
詳しくは「社会保険労務士試験オフィシャルサイト」にてご確認ください。
試験地全国19都道府県で実施!
北海道、宮城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県
受験料
¥9,000
試験科目及び配点
社労士試験の大きな特徴として、学習する科目数が多いことが挙げられます。試験科目は下記の8科目ですが、1科目の試験で2科目出題される科目もありますので、実際に学習する科目は10科目となります。
試験科目 | 選択式 | 択一式 | |
労働 関係 科目 |
労働基準法及び労働安全衛生法 | 1問(5点) | 10問(10点) |
労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む) | 1問(5点) | 10問(10点) | |
雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む) | 1問(5点) | 10問(10点) | |
労務管理その他の労働に関する一般常識 | 1問(5点) | 10問(10点) | |
社会 保険 関係 科目 |
社会保険に関する一般常識 | 1問(5点) | |
健康保険法 | 1問(5点) | 10問(10点) | |
厚生年金保険法 | 1問(5点) | 10問(10点) | |
国民年金法 | 1問(5点) | 10問(10点) | |
合計 | 8問(40点) | 70問(70点) |
*選択式の労働基準法及び労働安全衛生法は、例年、労働基準法で3点分、労働安全衛生法で2点分出題されます。
*選択式の労働者災害補償保険法及び雇用保険法は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律からの出題はありません。
*択一式の労働基準法及び労働安全衛生法は、労働基準法で7問(7点)、労働安全衛生法で3問(3点)となります。
*択一式の労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)は、労働者災害補償保険法が7問(7点)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律が3問(3点)となります。
*択一式の雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)は、雇用保険法が7問(7点)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律が3問(3点)となります。
試験種
社労士試験には選択式と択一式の2種類の試験があり、すべてマークシート形式で実施されます。どのような形式なのか、実際の本試験問題を見てみましょう。
●選択式試験
A~Eまでの5つの空欄に、20個の選択肢の中から適切な語句を選択する試験です。最近の本試験では、各空欄ごとに選択肢が設定されている問題も出題されています。
試験時間は80分(1時間20分)です。
空欄ごとに、どのような語句が入りそうか、選択肢を見ながら検討します。問題文をよく読み、前後の対応関係などから正解を導き出すこともできます。日頃から、テキストなどで条文を丁寧に読み、重要語句等は意識しておきましょう。
●択一式試験
5つの肢の中から、正しいもの(誤っているもの)を1つ選択する試験です。最近の本試験では、5つの肢から正解肢の組合せを選択する「組合せ問題」や、正解肢の個数を問う「個数問題」が出題されています。
試験時間は210分(3時間30分)です。正確に答えを選んでいくことも重要ですが、タイムマネジメントも重要な攻略ポイントとなります。
1肢ずつ問題文を読み、正しい内容か、誤っている内容かを判断していきます。過去問などで、どのようなところを論点にしてくるのか、把握しておきましょう。
合格基準 総得点で7割以上、各科目6割以上が目標!
社労士試験には、合格基準が設けられています。選択式、択一式それぞれの試験で「総得点基進点」「科目別基準点」の両方の基準点以上を得点することにより、合格となります。この基準点は合格発まのときに発表され、毎年若干の調整が行われます。
「総得点基準点」とは、全科目の合計得点です。過去10年の試験結果を見ると、選択式が21点から26点の間で、択一式が42点から48点の間で調整されていますので、7割得点することを目指して対策するとよいでしょう。
「科目別基準点」とは、1科目の合計得点です。例年、選択式が3点、択一式が4点となっています。総得点基準点でどんなに良い点数をとれたとしても、科目別基準点を下回ってしまった科目が1科目でもあれば、不合格となってしまいます。
総得点基準点 | 選択式 | 21点~26点 |
択一式 | 42点~48点 | |
科目別基準点 | 選択式 | 1科目 3点 |
択一式 | 1科目 4点 |
令和元年度試験の合格基準は、選択式が総得点26点以上かつ各科目3点以上(ただし、「社会保険に関する一般常識」は2点以上)、択一式が総得点43点以上かつ各科目4点以上でした。
過去5年間の受験申込者・受験者・合格者数の推移
全国社会保険労務士会連合会試験センターが発表している資料を参考に、どれくらいの人が社労士試験を受験して、どれくらいの人が合格するのかを見ていきましょう。
【過去5年間の合格率の推移】
平成27年 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 |
2.60% | 4.40% | 6.80% | 6.30% | 6.60% |
過去5年間の平均合格率は約5.3%となっています。直近3回は6%台で落ちついています。
<受験の申込み及び問い合わせ先>
全国社会保険労務士会連合会試験センター
〒103-8347 東京都中央区日本橋本石町3-2-12 社会保険労務士会館5階
ホームページ http://www.sharosi-siken.or.jp/
TEL 03-6225-4880
【受付時間9:30~17:30平日】
※試験日前日は10:00~16:00通話可(繋がりにくい場合あり)
FAX 03-6225-4883
【必ず連絡先を明記】
第51回(令和元年度)合格者調査
全国社会保険労務士会連合会試験センターより発表された、第51回(令和元年度)社会保険労務士試験の合格者の年齢階層別、職業別、男女別割合は次の通りです。
TAC受講生合格者調査
2017年~2019年合格目標のTAC社労士講座で学習し、合格した方の中から、ご協力いただいた195名のアンケートの結果を見てみましょう。試験センターの発表にはない貴重なデータです。
絶対に合格する 学習プランの立て方
社労士試験は、科目数も多く、学習する内容も多岐にわたります。ある程度計画的に学習をしていかないと、試験には太刀打ちできません。難しい試験ではありますが、コツコツ努力し、知識を積み上げていけば、必ず結果につながるものでもあります。ここからは、具体的な学習方法について説明していきます。みなさんも一緒に、これからの学習プランについて考えていきましょう。
まずは学習スタイルを考えよう!
社労士試験の学習スタイルは、大きく2つに分かれます。受験指導校を利用して、講義を受けながら学ぶ「通学スタイル」と、市販書籍を使用しながら独力で学ぶ「独学スタイル」です。どちらにするか、ご自身で選択していただくことになります。それぞれの特徴を簡単に説明していきましょう。
①通学スタイル
「資格の学校TAC」(以下TACという)をはじめとして、社労士試験に合格するための講座を開講している学校はたくさんあります。合格するために必要とされるものがすべて整った環境の中で学習することができるので、「とにかく絶対合格したい」という方にはオススメです。
TACの社労士講座の中で最も人気を集めている、スタンダードコース「総合本科生」の場合、通学期間は10カ月から1年で、例年8月から10月にかけての開講となります。受講料約20万円の中には、講義で使用するテキストはもちろんのこと、豊富な演習教材、さらに法改正セミナーや全国模試など、合格に必要なアイテムがすべて含まれています。
スクールを利用するのであれば、教室での講義への参加がオススメとなります。講義の進行に沿って学習を進めていくことになりますので、学習ペースもつかみやすいですし、励まし合える仲間にも出会うことができるでしょう。
なかでも一番の魅力は、社労士試験を知り尽くした実力派講師による迫力ある生講義です。やはり迫力のある講義を聞くと、インプットもスムーズに進みます。
*TAC社会保険労務士講座の戦略的合格カリキュラム(総合本科生)
TAC社労士講座の総合本科生で収録講義担岡根一雄先生は、通学講座の魅力を次のように 話してくれました。
テキストの活字だけではなかなか理解していただけない説明が、話し言葉や身振り手振り、時には声のトーンや顔の表情筋(?!)で理解していただけることが、通学講座の生講義の魅力(!)だと思っています。「えっ、そうなの!?」とちょっとでも興味、関心を持たれたら、ぜひ、教室にお運びください、笑顔でお待ちしております。
そんな教室講座の講義ですが、お仕事などの都合で、どうしても通学することができないという方もいらっしゃるでしょう。そんな方には、通信講座という選択肢があります。ライブで行われる講義の魅力を余すことなく収録したものを、DVDやWebで視聴することができます。ライブの講義と違って、自分の都合のよい時間に、好きなだけ、巻き戻しも早送りも自由自在というフレキシブルな形で学習することができます。
②独学スタイル
社労士試験は、市販書籍などを活用しながら、独学で合格を目指すことも十分可能です。市販されているテキストや問題集を購入し、自分でスケジュール管理をしながら学習を進めていくことになります。社労士試験対策に関する書籍は、さまざまなものが販売されており、受験対策上必要なアイテムは、ひと通り書店で購入することができます。
テキストは1冊3,000~4,000円、問題集は1冊1,000~3,000円が一般的で、通学に比べると、かなりお財布にもやさしいといえます。
スクールでの学習との最大の違いは、自分自身で学習ペース配分を決め、スケジュール管理をしていくことにあります。自分のライフスタイルに合わせて、自由自在にスケジュールを組めますが、「絶対にやるぞ!」とどこまで自分を追い込めるかもポイントになります。また、学習を進めていくなかで疑問が出てきたときは、自分の力で解決しなければならないなど、スクール利用者と比べて、自分でやらなければならないことも多くなります。
最近では、独学者向けの書籍等をすべてパッケージ化した商品などもあり、独学でも安心して学習できる環境は、かなり整ってきています。TAC出版では、フルカラーでわかりやすいと評判の『みんなが欲しかった! 社労士の教科書』や、完全準拠の問題集、さらには教科書の内容の理解度を高める講義を収録したCDやDVDなどをパッケージにした「独学道場」を用意しております。
*TAC出版の独学道場パッケージ内容の一例
講義を収録したCDやDVDは、短時間で集中して学習するために、解説を超重要ポイントに絞り込み、ピンポイント解説を行っていますので、スクールを利用するよりもかなり短時間にインプットを終えることができます。あとは、ひたすらご自身で演習を重ねていくスタイルとなります。
「独学道場」の速攻マスターCDならびに総まとめDVDを担当されているTAC社会保険労務士講座の古賀太先生と梅田泰丞先生から、講義のときに意識していることについてお聞きしましたのでご紹介しましょう。まずは総まとめDVDを担当する梅田先生のコメントから。
合格の重要なポイントは、教材とカリキュラムを信じ、コツコツと継続して学習を続けることです。DVDでは日々の学習のパートナーとして、教科書の内容の理解がより深まるような講義を行います。ぜひ、総まとめDVDをご活用ください!
続いて、速攻マスターCDを担当する古賀先生からのコメントです。
社会保険関係科目は主に医療と年金の法律で構成されていますが、これらの法律は、単に用語や数字を記憶していくだけでなく、制度を「仕組み」として理解することが大切です。なぜなら多くの試験問題が、受験生に対して「仕組み」が理解できているかどうかを問うものだからです。労働関係科目も同様に、「どのような仕組みなのか」に重点を置くように心がけ、みなさんが問題演習をしていく上での理解が深まるように講義を進めていきます。
このように、学習スタイルにはさまざまな選択肢があります。ご自身の学習環境を踏まえて、選択されるとよいでしょう。
戦略的学習プランを考えよう!
学習スタイルが決まったら、具体的な学習プランを考えていきましょう。ここでは、独学者向けに、説明していきます。
①総学習時間から学習スタート時期を考える
~短期集中型か、じっくりコツコツ派か?
一般的に、社労士試験合格に必要とされる学習期間は「半年から1年弱」、学習総時間は「800~1,000時間」といわれています。学習期間を1年とすると、おおよそ1日あたりの学習時間は約2時間半(1週間あたり約18時間)の学習が必要となります。仮に8カ月という学習期間であれば、1日あたりの学習時間は約4時間(1週間あたり28時間)となります。
一見すると、1年のほうが楽そうに思えますが、一概にそうともいえません。社労士試験にチャレンジする多くの方が社会人であることを考えれば、コンスタントに1年間、毎日2時間半の学習時間を確保することは難しいでしょう。となれば、学習期間を短縮して、集中して学習していくという方法もありますよね。
8月下旬の本試験までにどの程度の時間をかけられるか、ご自身のライフスタイルに照らし合わせて、考えてみるとよいでしょう。
*入門~基礎期の学習時間
※TAC社労士講座の合格者アンケートより
(2017年~2019年合格目標のTAC社労士講座で学習し、合格した方の中からご協力いただいた195名のアンケートです。)
②合格までの学習プランを考える
~大きく2つの時期に分けてみよう!
おおまかな学習時間のイメージができたら次に、具体的な学習プランを考えてみましょう。まずは本試験をゴールとして、月単位でざっくりと「この時期に○○をする」というプランを立てます。社労士試験の学習プランは、「基礎期」と「直前期」の大きく2つの期間に分けて考えます。
◎基礎期の学習
基礎期は、全科目の基本事項を身につけ、テキストを繰り返し読み込むことからスタートします。テキストを読んだ後、より理解を深めるために、テキストに準拠したCDやDVD教材も使うとよいでしょう。テキストの項目で区切って、1項目ずつ進めていきましょう。
1項目読み終わったら、知識が身についているかの確認として、問題演習を行いましょう。
だいたい4月から5月くらいまでは、この基本事項の定着に専念します。
◎直前期の学習
直前期は、身についた知識を確認することからスタートします。資格学校が実施する公開模試や答案練習会に参加したり、市販書籍等で本試験形式の演習を行いましょう。演習の過程で判明した苦手分野・弱点があれば、重点的に確認し、克服しましょう。
*学習プランのイメージ
③科目ごとの学習プランを考える
~スクールのカリキュラムを参考にしよう!
次に、もう少し具体的に科目別に何をどれくらいやるか、学習プランを考えていきます。スクールのカリキュラムは合理的に組み立てられていますので、そのカリキュラムを参考に、プランを立ててしまえばよいのです。
TACの総合本科生の基本講義編のカリキュラムをご紹介しましょう(右上図)。科目ごとの講義回数を見ると、各科目のボリューム感がわかりますね。これを参考に、科目ごとのおおよその学習プランを考えてみてください。
実際に学習を進めていくうちに、得意・不得意科目が出てくると思います。独学であれば、自分でスケジュール調整が可能ですので、得意な科目については時間をかけず、その分、苦手科目に時間を費やすといったことができますね。
学習は無計画にやるよりもある程度計画性があるほうが効果的です。ぜひ、ご自身に合った、合格するための戦略を練り込んでいってください。
*TAC社労士講座総合本科生のカリキュラム
*基本講義46コマ(1コマ2時間半)=115時間
*実力テスト8コマ(1コマ2時間半)=20時間
科目ごとの講義回数
労基…6コマ(15時間) 健保…6コマ(15時間)
安衛…2コマ(5時間) 国年…6コマ(15時間)
労災…5コマ(12時間30分) 厚年…6コマ(15時間)
雇用…5コマ(12時間30分) 社会常識…3コマ(7時間30分)
徴収…3コマ(7時間30分) 労務管理・統計・白書1コマ…(2時間30分)
労働常識…3コマ(7時間30分)
*講義→復習→問題演習の繰り返し
*実力テストで定着度確認
強い意志をもって、学習プランをこなそう!
社労士試験の学習期間は、短くて約半年、長い方は1年を超える人もいます。その間には、学習環境が変化することもあるはずです。学習に集中できる環境を手にする方もいるかもしれませんし、逆に、お仕事などが忙しくなり、学習から遠ざかってしまう時期もあるかもしれません。
学習初期に立てた学習プランは、あくまで計画ですから、環境の変化に合わせてフレキシブルに対応することが大切です。とはいえ、安易に変化を繰り返せば、合格から遠のいてしまいます。
ときに遠回りもあるかもしれませんが、「絶対に合格する」という意識を持って、学習を続けてください。毎日、合格へと1歩でも近づいていくという強い意志をもって、学習プランをこなしていけば、その先に合格は待っています。がんばってください。
目指せ合格! 『無敵の社労士 年間カレンダー』
「無敵年間カレンダー」を使ってスケジュール管理をしよう!
右ページに、9月から使えるカレンダーをつけました。記入例を参考に日付欄に、学習した科目と時間を書き込みましょう。学習スタート時から本試験までの記録ができるため、要計時間を見て励みにすることもできます。また、試験までの日数を把握できるので、学習の軌道修正もカンタンです。月ごとの目標を書き込むスペースもありますので、学習に役立ててください。キリトリ線で切り取ると小さな用紙になります。お手持ちのテキストに挟んで活用してください。