改訂3版 基本情報技術者 らくらく突破 Java




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はじめに

Java言語は1996年に登場したプログラミング言語です。C言語などと比べると新しいものですが、Webアプリケーションシステムの開発や携帯電話など、多くの分野で広く使われています。情報処理技術者試験においても、平成13年度秋期試験から基本情報技術者(旧第二種情報処理技術者)試験のプログラミング言語として採用され、午後問題の中で出題されています。
本書はこのJava言語の問題を解くために必要な知識を解説し、長年にわたりご支持いただき、改訂を行ってきた『基本情報技術者試験 らくらく突破 Java』の改訂3版となります。
内容としては、試験の出題範囲として指定されたものの中から、最低限知っておくべき重要事項を選び、解説しています。このため、Java言語のすべてを網羅しているわけではなく、あくまでも「試験対策」を主眼としています。
しかし本書の内容は、Java言語を使ったアプリケーション開発では「基礎中の基礎」、つまり「これを知らなければプログラムが書けない」というものが大半を占めています。Webシステム用のJavaプログラムや、携帯電話用のJavaプログラムなど、分野を問わずJavaプログラムを作成する上で、かならず必要になるものばかりです。そういった意味で、この本は、これからJava言語に取り組んでみようとしている方々の入門書としても使えるはずです。

本書は14の章と予想問題から構成されています。内容は大きく次のように分けることができます。

●Java 言語の基礎
・第1章 Java言語入門
・第2章 オブジェクト指向プログラミング
・第3章 データ型
・第4章 式と演算子
・第5章 制御文
・第6章 クラス

Java言語に関する一般的な知識、Java言語が基礎としているオブジェクト指向という考え方を解説した後、基本的な文法について解説しています。一度で理解しようとせず、繰り返し読むことをお勧めします。

●1ランク上の文法
・第7章 抽象クラスとインタフェース
・第8章 パッケージ
・第9章 例外処理
・第10章 スレッド

これらの章は、第6章までの内容をベースにして、1ランク上の文法を解説しています。基本情報処理技術者試験の問題を解くのに限らず、Java言語で実際にアプリケーションプログラムを開発するときは、これらの章の知識が必要とされます。

●代表的なライブラリおよびコレクションとジェネリックス
・第11章 パッケージjava.lang
・第12章 パッケージjava.io
・第13章 コレクションとジェネリックス

最後はJava言語のAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)の中で、代表的なものと、JLS3.0で追加されたコレクションとジェネリックスについて解説しています。いずれも試験範囲に含まれているものです。

●予想問題
平成21年度から平成30年度春期試験の出題内容を分析して作成した予想問題です。形式は実際の試験と同じ多肢選択式です。試験では出題されたプログラムや設問に沿って空欄を埋めていく必要があります。そのとき大切なのは、プログラムの構造や働きを早く正確に読み取る力です。第3章~第13章には章末問題もありますので、それらとあわせて実力アップを図ってください。

この他、本書でJava言語を学ぶ人にとって有用な情報を付録としてまとめてありますので、適宜参照してください。

Javaに限らず、プログラミング言語習得の近道は、その言語でプログラムを書いて動かすことです。この本のプログラムを入力して実行させてみると、いろいろなことに気がつくはずです。それを自分なりに調べることで、さらに理解は深まっていきます。この本が情報処理技術者試験対策、あるいはJava言語入門の一助となれば幸いです。

最後になりましたが、本書を発行するにあたり多くの方々に協力をいただきました。執筆の機会を与えてくださった技術評論社の方々をはじめ、関係された皆様に深く感謝します。

2018年7月
菊田 英明
原 修身

菊田 英明 (著), 原 修身 (著)
出版社 : 技術評論社 (2018/8/11)、出典:出版社HP

目次

はじめに

第1章 Java言語入門
1.1 Java言語の特徴
1.2 Javaプログラムの実行方法
1.3 基本情報技術者試験のJava

第2章 オブジェクト指向プログラミング
2.1 オブジェクトとクラス
2.2 属性と振る舞い
2.3 继承
2.4 多態性(ポリモルフィズム)

第3章 データ型と変数
3.1 変数
3.2 プリミティブ型データ
3.3 参照型データ
3.4 型の互換性とキャスト
3.5 配列
章末問題

第4章 式と演算子
4.1 式
4.2 算術演算子
4.3 比較演算子
4.4 論理演算子
4.5 ビット演算子
4.6 シフト演算子
4.7 代入演算子
4.8 文字列連結演算子
4.9 条件演算子 ?:
4.10 instance of比較演算子
4.11 演算子の優先順位
章末問題

第5章 制御文
5.1 文の種類
5.2 if文
5.3 switch文
5.4 for文
5.5 拡張for文
5.6 while文/do文
5.7 break文/continue文
章末問題

第6章 クラス
6.1 クラスの構造
6.2 クラスの宣言
6.3 フィールドの宣言
6.4 メソッドの宣言
6.5 コンストラクタの宣言
6.6 ローカル変数
6.7 ネストしたクラス(nested class)
6.8 列挙型(enum型:enum type)
章末問題

第7章 抽象クラスとインタフェース
7.1 抽象クラス
7.2 インタフェース
7.3 抽象クラスとインタフェースの比較
章末問題

第8章 パッケージ
8.1 パッケージの作成
8.2 パッケージの利用
8.3 クラスライブラリ(class library)
章未問題

第9章 例外処理
9.1 例外クラス
9.2 例外処理の仕組み
9.3 例外のスロー
章末問題

第10章 スレッド
10.1 スレッドとは何か
10.2 スレッドの生成
10.3 スレッドの制御
10.4 スレッドのスケジューリング
章末問題

第11章 パッケージjava.lang
11.1 ラッパークラス
11.2 算術関数(Math)
11.3 文字(Character)
11.4 文字列(String)
11.5 文字列バッファ(StringBuffer)
章末問題

第12章 パッケージjava.io
12.1 バイトストリームとキャラクタストリーム
12.2 FileInputStream/FileOutputStream
12.3 BufferedInputStream/BufferedOutputStream
12.4 FileReader/FileWriter
12.5 InputStreamReader/OutputStreamWriter
12.6 RandomAccessFile
12.7 File
章末問題

第13章 コレクションとジェネリックス
13.1 コレクション(collection)
13.2 コアインタフェース
13.3 実装クラス
13.4 コレクションのメソッド
13.5 コレクションの繰り返し処理
13.6 Mapの繰り返し処理
13.7 クラスCollections
13.8 クラスStack
13.9 ジェネリック型の利用
13.10 ジェネリッククラス宣言
章末問題

予想問題
予想問題1
予想問題2

付録
付録1 標準入出力
付録2 正規表現
付録3 コンパレータ
付録4 実行時エラーのメッセージと対処方法
付録5 JDKのインストール手順

菊田 英明 (著), 原 修身 (著)
出版社 : 技術評論社 (2018/8/11)、出典:出版社HP