配管・管設計工事技術のおすすめ本




最新の配管・管工事技術を知ろう

これから配管に関わる初心者の方、これから配管をもっと知ろうされている方にむけて配管技術の基礎や応用を配管の構成要素や、身近な部品から応用的な技術を紹介したおすすめ配管関連書籍を紹介します。

 

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出典:出版社HP

配管設計・施工ポケットブック 新装版

まえがき

配管は流体輸送の一要素で、上下水道や都市ガス配管、建築関係の設備配管あるいは化学装置のプラント配管や原子力配管、船用配管など、非常に幅広い分野で使用されている。最近は、石油化学を中心とした化学装置が一般に自動化され、大型化、複雑化しているために、これに対応する配管の設計と施工技術もますます高級化し、重要性が一段と高まっている。

この配管技術は、流体の性状、輸送経路、連絡する機器の運転性と、最近特に重要になったメンテナンス、さらには周囲の環境と立地条件などに直接関係している。配管の設計、施工では、機器はもちろん電気、計装、土建などの各建設部門とも緊密な連携を保ち、経済性も考慮するなど非常に奥行きの深い内容をもっている。配管のCADでもこうした技術内容をよく理解したうえで操作することになる。

ここでは、一般のプラント配管に関する設計、施工の基本的技術について、JIS、JPIなどの配管規格とJIS B8270~8285 圧力容器(基盤と共通技術規格)などに基づき、数値の単位にはSIを使い、配管の技術者はもちろん初心者にも分かるように説明した。ただし、原子力配管、船用配管は規格も異なるので省略した。

第1章の配管の設計では、製造工程と機器配置からの設計条件で定まる、種類とか数量の多い複雑な配管について、確実に設計するための手法を作業手順に従って説明した。管の種類や呼び径などの設計資科は、プラント配管で一般に使用される範囲内を取上げ、記号とか計算式なども使用頻度の少ないものは削除した。また技術的説明では設計に必要な基本的事項を取上げ、一部には計算例を入れて理解を容易にした。配管部品の寸法表では、管、官継手、管フランジ、弁のIIS、IPI、ANSI規格のなかで一般に使われる部品のみを選び、設計、製図の作業を容易にするため、呼び径別のシートにして表示した。したがって、1枚のシートでその呼び径の配管図が作図できる。第2章の配管の施工では、配管図に基づく製作作業の内容を、工場製作と現場工事に分けて説明した。

配管施工は、配管と溶接の各作業員による手動作業で、各作業員は長年の経験と研究に基づく独自のノウハウをもって施工しているが、ここでは各作業員の基本的作業を図表を交えてわかりやすく説明した。本書は雑誌の「化学装置」に発表した内容を基にして、大野が起稿し、プラント配管の設計、施工に長年の実績をもつ竹下が関読訂正した。

また本書の出版にあたっては、工業調査会出版部の伊海政博部長、ならびに「化学装置」一色和明編集長の両氏にお世話になった。心からお礼を申し上げる。

1995年6月
竹下逸夫
大野光之

大野光之 (著), 竹下逸夫 (著)
森北出版 (2013/7/20)、出典:出版社HP

改訂新版にさいして

本書の初版が発行されて、はや14年が経過した。その間、読者からはありがたいご叱責をいただくことができた。また、規格類に関してもさまざまな改定が行なわれてきた。そこで今回、配管入門書としての内容をよりいっそう充実させるために、一部の改訂、追記を行なうとともに規格類を最近の数値に書き改めた。なお、この改訂では、元上司、竹下氏の関読、訂正を得られないのが心残りである。

2009年8月
大野光之

大野光之 (著), 竹下逸夫 (著)
森北出版 (2013/7/20)、出典:出版社HP

目次

まえがき

[Ⅰ] 配管の設計
1. 製造工程図(Process Flow Sheet)
2. 機器配置図(Plot Plan)
3. 作業系統図(Piping & Instrument Diagram: P&I)
4. 配管設計基準書(Pipe Line Index)
5. 配管材料仕様書(Piping Material Specification)
6. 配管径路の計画(Piping Layout)

7. 流動圧力損失
7-1 エネルギー収支式
7-2 温水輸送の計算例
7-3 オリフィス流量計
7-4 流量調節弁の大きさ

8. 配管の支持
8-1 支持点
8-2 支持力
8-3 支持装置

9. 配管の熱応力
9-1 ベローズ形伸縮管継手
9-2 U字形伸縮管継手
9-3 熱応力の判定式

10. 配管の振動
10-1 流体の振動
10-2 機械的振動
10-3 管の固有振動数f
10-4 管内流体の固有振動数

11. 配管図
11-1 平面図と立面図(Plan & Elevation)
11-2 平面図と立体図(Plan & Isometric)
11-3 部分配管図(Spool)
11-4 支持装置図
11-5 材料表
11-6 配管図記号
11-7 溶接記号
11-8 配管図の点検
12. 配管部品の寸法表

[Ⅱ] 配管の施工
1. 配管図と仕様書
2. 工事計画
3. 工場製作
4. 材料の受入れ
5. 管の切断と管端加工
6. 穴明け加工
7. 組立て・固定

8. 工場溶接
8-1 溶接準備と溶接資格
8-2 被覆アーク溶接法(Shield Metal Arc Welding: SMAW)
8-3 半自動アーク溶接法
8-4 ティグ溶接法(Gas Tungsten Arc Welding: GTAW)
8-5 アーク溶接機の取扱い
8-6 溶接材料
8-7熱管理
8-8 溶接施工
8-9 溶接欠陥

9. 非破壊検査
9-1 溶接前の検査項目
9-2 溶接中の検査項目
9-3 溶接後の検査項目
9-4 プレハブ管の寸法検査

10. 梱包輸送
11. 現場工事
12. 作業場、倉庫、事務所、控室の仮設
13. 材料受入れ
14. 地上組立て
15. 現場取付け
16. ラインチェック
17. 耐圧気密試験
18. フラッシング
19. 昇温昇庄試験
20. 塗装断熱工事
21. 総合試運転
22. 配管工事費の積算

付録
1. 国際単位系SI (Le Systeme International dUnités)
2. 飽和水蒸気表(温度基準)
3. 水の物性値(1 atm)
4. 空気の物性値(l atm)
5. 耐食材料

大野光之 (著), 竹下逸夫 (著)
森北出版 (2013/7/20)、出典:出版社HP

プラント配管ポケットブック

序文

本書は配管技術者の実務上最も必要度の高い資料を選んで,使いやすい形に整理収録しました.仕事の成果を向上させ,能率を増進させるのに役立つものと確信しております.
初版発行以来三十有余年を経過し,その間4度の改訂を行いましたが,それからさらに6年を経過し諸規格の改訂増補が行われたのを機に,これに合わせて第6版を出版するはこびになりました.
第6版(本書)は主にJIS規格の改訂にともなう保温材の改正を収録いたしました.
編集に際しましては,もとより正確を期したつもりでありますが,読者諸賢のご意見ならびにご叱正をいただければ幸いです.

2002年10月
プラント配管研究会

本書は基本的に2002年10月現在の諸規格を元にまとめております.

プラント配管研究会 (編集)
日刊工業新聞社 (2002/10/1)、出典:出版社HP

目次

管類

配管用炭素鋼鋼管
配管用アーク溶接炭素鋼鋼管
圧力配管用,高圧配管用,高温配管用炭素鋼鋼管,
配管用合金鋼鋼管,低温配管用鋼管
配管用ステンレス鋼鋼管
配管用溶接大径ステンレス鋼鋼管
ボイラ・熱交換器用炭素鋼鋼管,
ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼鋼管
ボイラ・熱交換器用合金鋼鋼管
銅及び銅合金継目無管
配管用銅管
熱交換器用合金管
銅及び銅合金溶接管
アルミニウム合金継目無管及び溶接管
アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管(引抜管)
アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管(押出管)
ポリエチレン被覆鋼管
一般工業用鉛及び鉛合金管
水道用ポリエチレン複合鉛管
硬鉛管
鋼製電線管
低温熱交換器用鋼管
水輸送用塗覆装鋼管
水道用亜鉛めっき鋼管
硬質塩化ビニル管
水道管用硬質塩化ビニル管
一般用ポリエチレン管
水道用ポリエチレン二層管
一般構造用炭素鋼鋼管

鋼材

鋼板
角鋼
丸鋼
平鋼
みぞ形鋼
等辺山形鋼
不等辺山形鋼
I形鋼
H形鋼
床用鋼板
一般構造用軽量形鋼

フィッティング類

突合せ溶接式45°エルボ(ロング,炭素鋼,合金鋼)
突合せ溶接式90°エルボ(ロング,炭素鋼,合金鋼)
突合せ溶接式180°エルボ(ロング,炭素鋼,合金鋼)
突合せ溶接式T(炭素鋼,合金鋼)
突合せ溶接式径違いT(炭素鋼,合金鋼)
突合せ溶接式レジューサ(炭素鋼,合金鋼)
突合せ溶接式径違いT(ステンレス鋼)
突合せ溶接式90°エルボ(ステンレス鋼)
突合せ溶接式T(ステンレス鋼)
突合せ溶接式レジューサ(ステンレス鋼)
突合せ溶接式キャップ(ステンレス鋼)
大口径突合せ溶接式90°エルボ(ロング,鋼板製)
大口径突合せ溶接式レジューサ(同心,偏心,鋼板製)
大口径突合せ溶接式T(同径,径違い,鋼板製)
90°曲管(マイターベンド)
45°曲管(マイターベンド)
45°さし込み溶接エルボ
90°さし込み溶接エルボ,さし込み溶接T,さし込み溶接クロス
さし込み溶接ハーフカップリング
さし込み溶接キャップ
45°さし込み溶接Y
さし込み溶接フルカップリング
突合せ溶接式キャップ(炭素鋼)
さし込み溶接式ボス
ねじ込み溶接式ボス
ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手
ソケット,めす・おすソケット
エルボ,45°エルボ
径違いソケット
径違いエルボ
径違いめす・おすエルボ
ベンド,めす・おすベンド
45°ベンド,45°めす・おすエルド
めす・おすエルボ,めす・おすティー,45°めす・おすエルボ
返しベンド
ティー,クロス
径違いティー
偏心径違いティー
径違いクロス
径違いめす・おすティー
90°Y,45°Y
径違い90°Y
ニップル
組みフランジ
径違いニップル
ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手の流体と最高使用圧力の関係
キャップ
プラグ
止めナット
ユニオン
ブッシング
JIS呼び圧力20K及び30K差込み溶接式フランジの溶接部の寸法
ねじ込み式鋼管製管継手
90°ベンド,45°ベンド
パラレルニップル,クローズニップル,バレルニップル
返しベンド
ソケット
プラグ(管用平行ねじ)
ねじ座(管用平行ねじ)
溶接記号の非破壊試験方法

フランジ類

JIS 2kg/㎠ 鋼管さし込み溶接フランジ
JIS 20kg/㎠ さし込み溶接フランジ
JIS 5kg/㎠ 鋼管さし込み溶接フランジ
JIS 10kg/㎠ 鋼管さし込み溶接フランジ
JIS 16kg/㎠ 鋼管さし込み溶接フランジ
グランドバッキン潤滑剤の種類及び用途
JIS 20kg/㎠ 鋼管さし込み溶接フランジ
JPI フランジ用材料の種類とJIS,ASTM対照表
JIS 30kg/㎠ 鋼管さし込み溶接フランジ
JIS 30kg/㎠ 鋼管突合せ溶接フランジ
リングジョイントガスケットの金属材料の種類,硬度及び最高使用温度
JIS 40kg/㎠ 鋼管突合せ溶接フランジ
フランジ材質と硬度
JIS 63kg/㎠ 鋼管突合せ溶接フランジ
フランジ用標準材料
JPI 150#フランジ
JPI 300#フランジ
JP1 600#フランジ
JP1 900#フランジ
JPI 1500#フランジ
JP1 2500#フランジ
JPI リングジョイント形フランジ用スタッドボルト・ナット
JPI 75#大口径フランジ(平面座)
JPI 大口径フランジ用ボルト・ナット(平面座)
JPI 150#大口径フランジ(平面座)
JPI 1300#大口径フランジ(平面座)
JPI 600#大口径フランジ(平面座)
JP1 900#大口径フランジ(平面座)
JPI 大口径フランジ圧力・温度基準
JP1 300#,600#,900#大口径フランジ(リングジョイント座)
JP1 大口径フランジ用ボルト・ナット(リングジョイント座)
JPI 150#遊合形フランジ
JPI 突合せ溶接形フランジ内径
JPI 300#遊合形フランジ
JPI 遊合形フランジスタブエンド(平面座),JPI 遊合形フランジ用ボルト・ナット(150#)
JPI 遊合形フランジスタブエンド(150#リングジョイント)
JPI リングジョイント形フランジ用スタッドボルト・ナット
JPI 遊合形フランジスタブエンド(300#リングジョイント)
JPI 遊合形フランジ用ボルト・ナット(300#)
JP1 遊合形フランジスタブエンド(150#リングジョイント Sch 80 S)
JPI 遊合形フランジスタブエンド(平面座,Sch 80 S)
JPI 遊合形フランジスタブエンド(300#リングジョイントsch 80 S)
JIS 5Kアルミニウム合金製管フランジ
JIS 10Kアルミニウム合金製管フランジ
JIS 16Kアルミニウム合金製管フランジ
JIS 5K銅合金製管フランジ基本寸法
JIS 10K銅合金製管フランジ基本寸法
JIS 16K銅合金製管フランジ基本寸法
銅合金製管フランジの材料
JPI フランジ用ボルト・ナット(R.F.用)
JIS 鋼製管フランジ用ボルト・ナット

ガスケット類

JIS 2kg/㎠ フランジガスケット(450A~1500A)
JIS 管フランジガスケット(全面座用)
JIS 及びJPIフランジガスケット(平面座用)
JIS 管フランジ用うず巻形ガスケット
JPI 配管用うず巻形ガスケット
JPI オクタゴナル形リングジョイント

ボルト・座金・支持金物類

六角ボルト
J形基礎ボルト
L形基礎ボルト
六角ナット
黒座金
みがき座金
倾斜座金
アンカープレート(両ねじ基礎ボルト用)
摩擦接合用高力ボルトの設計ボルト張力
配管用Uボルト・ナット
U形パイプシュー
H形パイプシュー
パイプクランプボルト
パイプシュー
管支持方法例
スプリングハンガー使用例
管ハンガー使用例

弁類

JIS 青銅ねじ込み玉形弁(5kg/㎠,10kg/㎠)
JIS 青銅ねじ込み仕切弁(15kg/㎠,10kg/㎠)
JIS 青銅ねじ込みアングル弁(10kg/㎠)
JIS 青銅10kg/㎠ねじ込み逆止弁
JIS 青銅10kg/㎠ フランジ形弁
JIS 鋳鉄5kg/㎠ フランジ形外ねじ仕切弁
JIS 可鍛鋳鉄10kg/㎠ ねじ込み弁
JIS 鋳鉄10kg/㎠ フランジ形外ねじ弁
JIS 鋳鉄10kg/㎠ フランジ形内ねじ仕切弁
JIS 鋳鉄10kg/㎠ フランジ形スイング逆止弁
JIS 鋳鉄10kg/㎠フランジ形外ねじ弁
JIS 鋳鉄20kg/㎠ フランジ形外ねじ弁
可殿鉄10Kねじ込み形弁
マレアブル10kg/㎠ フランジ形弁
マレアブル20kg/㎠ ねじ込み弁
マレアブル20kg/㎠ フランジ形ストレーナ
マルアブル20kg/㎠ フランジ形弁
マレアブル20kg/㎠ ねじ込みストレーナ
JPI 600# 鋳鉄製フランジ形外ねじウエッジ仕切弁
JPI 600# 鍛鋼,鋳鋼ユニオンナット形内ねじ仕切弁,玉形弁
JPI 600# 鍛鋼, 鋳鋼ふたボルト形外ねじ仕切弁,玉形弁
JPI 600# 鍛鋼, 鋳鋼ユニオンナット形リフト逆止弁,ふたボルト形リフト逆止弁
JPI 鍛鋼, 鋳鋼小型弁・クラス600圧力-温度基準
JPI 鋳鉄製フランジ形及び突合せ溶接形弁,外ねじウエッジ仕切弁,外ねじ玉形弁,スイング逆止弁(クラス150,300,600)
JPI 鋳鋼製フランジ形及び突合せ溶接形弁外ねじウエッジ仕切弁,外ねじ玉形弁,スイング逆止弁(クラス900,1500,2500)
JPI ステンレス鋼鋳鋼製フランジ形軽量耐食弁
JPI フランジ形ボール弁
ANSI 150#,300#,600#,900#,1500#,2500#,鋳鋼外ねじ玉形弁
ANSI 600#,1500#,2500#,鍛鋼外ねじ玉形弁
ANSI 150#,300#,600#,900#,1500#,2500#鋳鋼外ねじ仕切弁
ANSI 600#,1500#,2500#,鍛鋼外ねじ仕切弁
ANSI 150#,300#,600#,900#,1500#,2500#鋳鋼逆止弁
ANSI 600#,1500#,2500#鍛鋼逆止弁
JIS 16kg/㎠ 鋼管さし込み溶接フランジ(650A~1200A)
JIS フランジの表面仕上げ程度
HANCOCK VALVE(鍛鋼製)
JIS 10kg/㎠ ボールバルブ
JIS 20kg/㎠ ボールバルブ
ASA 125#,150#バタフライ弁
JIS 5, 10kg/㎠ バタフライ弁
水道用仕切弁

加工法

パイプベンダーによる曲げ半径
鋼管の溶接開先標準
形鋼のリベット配置
管台と胴の溶接開先
突合せ溶接形弁の溶接開先
厚さの異なる板の突合せ溶接

設計資料

JIS 配管用鋼管断面性能表
JIS 形鋼の断面寸法とその断面積,断面特性
みぞ形鋼
I形鋼
H形鋼
等辺山形鋼
不等辺山形鋼
JIS 鋼材,棒鋼,丸鋼,鋼帯,鋼管,鋼板,鋳鉄品,可鍛鋳鉄品及び鍛鋼品の種類の記号の新旧対照表
保温材の保温厚さ及び放散熱量
ロックウール保温筒
ロックウール保温帯1号
ロックウール保温帯2号
グラスウール保温筒及び保温板2号48K
ロックウール保温板1号,2号,3号,フエルト
グラスウール保温板2号24K,2号32K
保温材の厚さ及び放散熱量計算式
けい酸カルシウム保温筒及び保温板1号-13
耐火断熱れんが
けい酸カルシウム保温筒及び保温板1号-22
炭火コルク板
牛毛フェルト
けい酸カルシウム保温筒及び保温板2号-17
けい酸カルシウム保温管及び保温板2号-22
はっ水性パーライト保温筒及び保温板3号
はっ水性パーライト保温筒及び保温板4号
ロックウール及びグラスウール保温材の保冷,防露厚さ
ピース法ポリスチレンフォーム保温材の保冷,防露厚さ
押出法ポリスチレンフォーム保温材の保冷,防露厚さ
ピース法及び押出法ポリスチレンフォーム保温材の保冷,防露厚さ
硬質ウレタンフォーム保温材の保冷,防露厚さ
ポリエチレンフォーム及びフェノールフォーム保温材の保冷,防露厚さ
空調ダクトの保冷,防露工事に使用する保冷材,防露材の厚さ
管の外面塗装に要する塗料量
配管保温外装板表面積
JIS配管用鋼管の化学成分及び機械的性質
JIS配管用鋼管の寸法許容差
管継手溶接棒の所要量(裏当金なし)
すみ肉溶接継手の溶接棒の所要量(片側につき)
管継手溶接棒の所要量(裏当金付き)
I形突合せ溶接継手の溶接棒の所要量
板V形突合せ溶接継手の溶接棒の所要量(裏当金なし)
板V形突合せ溶接継手の溶接棒の所要量(裏当金付き)
X形突合せ溶接継手の溶接棒の所要量(裏ハツリする)
H形突合せ溶接継手の溶接棒の所要量(裏ハツリする)
炭素鋼の溶接棒選択基準
高張力鋼の溶接棒選択基準
合金鋼の溶接棒選択基準
ステンレス鋼鋼管の溶接棒選択基準
神鋼溶接棒乾燥条件一覧表
日鉄溶接工業溶接棒乾燥条件一覧表
日本W.R.溶接棒乾燥条件一覧表
JIS管フランジに用いるボルト・ナットの材料及び形状
管フランジに用いる低温及び耐海水性ボルトの材料及び形状
ステンレス鋼被覆アーク溶接棒各社銘柄一覧表
基礎ボルト用穴寸法
交差する配管の最小間隔寸法(裸管)
鋼管の配列間隔寸法
炭素鋼管とステンレス鋼管の最大支持間隔
ガスケットの適用表
保温外装材及び補助材料
JIS 鉄鋼製管フランジの圧力温度段階
JIS ねずみ鋳鉄弁の圧力温度段階
JIS 鋳鋼フランジ形弁の圧力温度段階
JIS 青銅弁の圧力温度段階
ガスケットペーストの種類及び用途
JPI フランジ材料の種類
JPI クラス 150圧力-温度基準
JIS 可鍛鋳鉄 10Kねじ込み形弁圧力温度段階
銅合金製管フランジの圧力温度段階
JPI クラス 300圧力-温度基準
JPI クラス 600圧力-温度基準
JPI クラス 900圧力-温度基準
JPI クラス 1500 圧力-温度基準
JPI クラス 2500 圧力-温度基準
鉄鋼材料の各温度における許容引張応力
非鉄材料(アルミニウム及びアルミニウム合金)の各温度における許容引張応力
非鉄材料(銅及び銅合金,ニッケル銅合金及びチタン鋼)の各温度における許容引張応力
JIS 管フランジの寸法許容差
JPI 鍛鋼製フランジの寸法許容差
JPI 鋳鋼フランジ形弁の寸法公差
溶接記号
溶接補助記号
溶接施工内容の記載方法
プロセスフローシートのライン記号及び配管部品記号
機器の図記号
配管図の管記号(溶接形)
配管図の管記号(ソケット溶接形)
配管図の管記号(フランジ形)
配管図の管記号(ねじ込み形)
配管図の弁記号

プラント配管研究会 (編集)
日刊工業新聞社 (2002/10/1)、出典:出版社HP

わかる! 使える! 配管設計入門<基礎知識><段取り><実設計>

【はじめに】

本書は、日刊工業新聞社発行の「わかる!使える!入門シリーズ」の中の1冊として、「配管設計」をテーマに企画されました。このシリーズの本の特徴は、いずれの本も3つの章で構成されていることです。これまでに出版された同シリーズは、すべて「製造技術」あるいは「製造技能」に関連する本で、3つの章の内容はおおむね、第1章「製造機械・技能の基礎」、第2章「作業の段どり」、第3章「実作業のポイント」のようになっています。
さて、本書はこのシリーズ、初めての「設計技術」に関する本であり、3つの章をどのような構成にするかを決めるのにあたり、「エンジニアにとってなにが大切か」をあらためて考えてみました。
第1に、エンジニアは、基本的な心構えとして「自然現象をありのままに捉え、その現象がなぜそのようになるのか」を日ごろから考えるところより始め、設計の公式などは覚えるのではなく、原理を遡り、その式がどのようにして導き出されたのか、その過程を考察することが重要です。それらを理解することにより、公式のない課題にぶつかったときも、その中へ踏みこんで解決への糸口を掴むことが可能となるでしょう。
第2に、設計技術も製造技能と同じように、実際に手を動かしてやってみること、すなわち、具体的な問題を実際に解いてみることが大切です。その実践、演習を通して初めてその技術を体得できると言えるでしょう。
この2つの観点から、本書は次の3つの章で構成することとしました。
第1章は、「配管設計 はじめの一歩」とし、配管設計技術を知識としてではなく、どのように組みあがっているかを、また、設計に使う公式は覚えるのではなく、どのようにして導き出されてくるのかを、重点的に説明します。そのため、この章の計算式などは説明に不可欠なもののみにとどめ、ほかの公式やデータ類は第2章に集中的に配置しました。
さらに付け加えておきたいのは、設計技術上の課題を解決するには、解析力はもちろんですが、課題にぶつかったときに、課題や現象(たとえば事故)を、直感的に捉える力、イメージ化する力が非常に重要であると考えます。そのような理由から、第1章では工学的課題や工学的現象をできるかぎり直感的に把握したり、イメージ化できるように注力しました。
第2章は、「設計データ、公式集」として、実際に設計を行う際に必要となる物性値、各種係数、などのデータを2.1節に集約し、配管設計で使うことの多い公式を、第1章に出ている計算式も含めて、まとめて2.2節に集約しました。
第3章「設計実践編」では、第1章の考え方を基に、第2章のデータ、公式を使って、実際に出会うであろう設計課題をどのようにして解いていくか、その過程を示しました。その際、適宜、第1章、第2章の関連項目を参照しています。
本書により、諸兄の「配管設計」に関する理解と実践力がさらに増進し、斯界の第一線でのご活躍を祈念しております。
最後に、本書の執筆の機会を与えていただいた日刊工業新聞社の奥村功出版局長、また、企画段階からアドバイス、ご支援を戴いたエム編集事務所の飯嶋光雄氏に心からお礼申し上げます。そして、本書執筆にご協力いただいた多くの方々に感謝申し上げます。

●本書使用上の手引き
①第2章の2.2節 設計計算式に示される計算式の式番号は、第1章に既出した式については第1章の計算式の式番号とし、第2章で初出した計算式の式番号は、第2章独自の式番号としました。また、係数や記号の表の一部は、第1章と第2章に重複して掲載しているものがあります。
②本書の課題(例題)において、管材質に対する許容引張応力は、特別なものを除き、安全係数(安全率)を3.5とする「火力技術基準の解釈(2017年2月改正)」の値を使用しました。
③本書に出てくる、B31.1は、ASME B31.1 Power Piping、B31.3 は、ASME B31.3 Process Pipingのことです。また、日本石油学会 JP17S-77 石油業プラントの設計基準は、B31.3を下敷きにした基準であり、日本機械学会発行 JSME S TA1「発電用火力設備規定」の第V章はB31.1を下敷きにした規格です。

2018年8月
西野 悠司

西野 悠司 (著)
日刊工業新聞社 (2018/8/30)、出典:出版社HP

わかる!使える!配管設計入門
目次

【第1章】 設計基礎教室
配管設計 はじめの一歩
1 配管設計者としての心得
1.1.1 ものの原理から考える
1.1.2 直感−バランス感覚とイメージ力
2 ものの壊れ方
1.2.1 負荷応力と変位応力
1.2.2 延性破壊と脆性破壊
1.2.3 疲労破壊
1.2.4 クリープ破断と座屈
3 配管耐圧部の強度
1.3.1 耐圧部の強度
1.3.2 内圧により管に生じる力
1.3.3 内圧により管に発生する応力
1.3.4 内圧に対する直管の強度計算式
1.3.5 穴のある管の耐圧強度
1.3.6 外圧に対する強度
4 配管の変位と荷重に対する強度
1.4.1 熱膨張と相対変位の評価 (1)
1.4.2 熱膨張と相対変位の評価 (2)
1.4.3 配管支持のバランスを考える
1.4.4 断面二次モーメントを実感する
1.4.5 断面二次モーメントを求める
1.4.6 配管のたわみをイメージする
1.4.7 配管を載せた梁の強度を評価
1.4.8 複合応力を評価する
5 配管の流れ学
1.5.1 「流れる」とはどういうことか
1.5.2 ベルヌーイの式と水力勾配線
1.5.3 損失水頭はなぜ生じるか
1.5.4 直管の損失水頭を計算する
1.5.5 局所損失を求める
1.5,6 開水路の損失水頭を求める
1.5.7 経験式で損失水頭を求める
1.5.8 圧縮性流体の流量を求める
1.5.9 ポンプキャビテーションを防ぐ
1.5.10 二相流・飽和水の注意事項
6. 配管レイアウト
1.6.1 空間に配管を設計する
1.6.2 P&IDを読み解く
1.6.3 配管レイアウトの基本原則
1.6.4 配管レイアウトのポイント
7 配管は振動する
1.7.1 どんな配管振動があるか
1.7.2 機械的共振と振動抑止
1.7.3 圧力脈動と気柱共振
1.7.4 流力弾性振動と自励振動
1.7.5 流速変化による水撃
8 配管材料
1.8.1 管材料のミニ歴史
1.8.2 流体輸送用鋼管
1.8.3 ダクタイル鉄管
1.8.4 プラスチック管
1.8.5 FRPと被覆鋼管
1.8.6 管継手、バルブ類の材料
9 配管コンポーネント
1.9.1 配管コンポーネントの成立ち
1.9.2 鋼管のサイズとSch.番号
1.9.3 各種管継手の種類と使い方
1.9.4 バルブの形式を選択する
1.9.5 スチームトラップ形式を選択する
1.9.6 ストレーナの形式、選択のポイント
1.9.7 ハンガ・サポートの形式と選択

【第2章】 設計準備・資料室
設計に必要なデータ、計算式
1 設計データ
2.1.1 単位および鋼管の寸法仕様
2.1.2 配管用 JIS材、ASTM材対照表
2.1.3 配管材料の物性値
2.1.4 流体の物性値
2.1.5 役に立つ文献・資料
2.1.6 知って得する知識電気化学的腐食
2 設計計算式
2.2.1 耐圧部の強度
2.2.2 相対変位と配管熱膨張
2.2.3 管、形鋼の断面性能
2.2.4 梁に生じる曲げモーメント
2.2.5 圧力損失に関連する式 (1)
2.2.6 圧力損失に関連する式 (2)
2.2.7 配管振動・水撃に関連する式
2.2.8 ハンガ・サポートの計算式

【第3章】 設計実践教室
設計課題を実際に解いてみる
1 耐圧強度評価の実際
3.1.1 管の耐圧強度を破壊理論で評価する
3.1.2 直管の必要厚さを求める
3.1.3 エルボ・ベンドの強度評価
3.1.4 管分岐部の強度評価
3.1.5 外圧に対する強度評価
2 流れの評価の実際
3.2.1 直管の損失水頭を求める
3.2.2 ポンプ系配管の流量を求める(1)
3.2.3 ポンプ系配管の流量を求める(2)
3.2.4 開水路流量の問題
3.2.5 圧縮性流体の流量を計算する
3.2.6 流れの変化による力
3 配管熱膨張と配管サポート計画の実際
3.3.1 熱による配管のたわみをイメージ
3.3.2 熱膨張と相対変位の評価
3.3.3 配管サポート荷重を計算する
3.3.4 配管ラック梁の曲げモーメント
3.3.5 ハンガスパンとハンガ形式の選択

引用文献
索引

西野 悠司 (著)
日刊工業新聞社 (2018/8/30)、出典:出版社HP

絵とき「配管技術」基礎のきそ (Mechanical Engineering Series)

はじめに

―あなたも配管技術者―
本書は、これから配管技術者(またはプラント技術者)を志そうとする人、現在、その過程にある人、また、配管技術をおさらいしたい人、そういう人たちのために執筆しました。

1. 何を学ぶか
過去刊行された配管技術の本で、今、図書館で手にすることのできる本は優に10指に余りますが、紙数の制限もあり、各筆者は自分の得意分野を中心に比較的限られた範囲を扱っているようです。
本書は、これ1冊マスターすれば、一角の配管技術者になれるように考えて編みました。
本書のタイトルは「基礎のきそ」ですが、かなり奥まで踏み込んだところもあります。それは「きそ」の「基礎」の上にもう一段積めば到達できる範囲と考えたからです。
本書は「配管技術」の境界内で、できる限り間口を広げましたが、それでも、配管技術の全体を捉えることはできません。
自分に未知の分野、例えば、解析、ノウハウ、製品などに接したとき、役に立つのは4力学(材料、流体、機械、熱)です。仮にそのノウハウや製品に初めて出会ったとしても、それらは4力学のベースの上に立っているはずです。したがって、4力学の理解があれば、のみ込みが速く、理解も深くなります。
本書では4力学のうち特に配管技術に関係の深い材料力学、水(流体)力学、機械力学を取り上げました。
本書は知識よりも考え方を重視し、本書の構成は、前半に工学を、後半に製品知識を置きました。
材料力学は第2章、第3章、第7章、第8章において、水力学は第4章で、機械力学は第5章で、配管技術と関連づけて解説しました。
製品知識は管・管継手、ハンガ・サポート伸縮管継手、弁、ストレーナ、スチームトラップを取り上げましたが、単なる知識の紹介でなく、その本質のところが捉えられるように考えました。
なお、配管レイアウトは第1章、配管の腐食・防食は第6章、配管の溶接は第12章に置きました。

2. いかに学ぶか
配管技術の習得、あるいは日々の業務において、心がけていただければと思うことを二、三挙げておきます。
(1) ものの原理を理解すれば応用が利く
先にも似たことを述べましたが、何かの現象・事象に出会ったら、その原理、メカニズムがどうなっているかを見極めることです。原理、メカニズムを理解すれば、あとでいろいろ応用が利きます。
(2) 直感的に理解する
ものの原理やメカニズムは直感的につかむようにします。直感的につかむには、イメージ化することです。イメージ化するには、文字どおり絵のかたちにしてみるのがよい。本書にも概念をイメージ化した図を幾つか載せました。それは、完全に正確とは言えないかも知れませんが、大まかな所を直観的に理解するには役立つと思います。
(3) ソフト計算結果のレビュー
ソフトによる計算結果にはインプットミスなどにより、誤った結果が含まれている可能性があり、計算結果のレビューが不可欠です。しかし、そのレビューはコツを要します。ソフトと同じ計算式を使って追うのは大変です。概略式があれば使いますが、その手のものがない場合は、数値の大きさが概略合っているか、符号の正負が妥当であるか、などで評価することになります。このとき、原理、メカニズムの理解と4力学が役に立ちます。

〔備考〕
日本の、圧力容器や配管の規格はASME(米国機械学会)規格を下敷きとして作られ、ASMEが改定されると、一般に、あとを追うように改定されます。また、外国でプラントを建設する場合、指定されるCode(規格)は多くの場合ASMEです。
そのような観点から、本書では、ASMEのPiping CodeであるASME B 31.1 Power Piping「発電プラント用配管」とASME B 31.3 Process Piping「プロセス用配管」を随所に引用しています。日本の規格では、JIS B8201「陸用鋼製ボイラ構造」、JIS B 8265 「圧力容器の構造 – 一般規格」を引用しています。
本書で、単にB 31.1とかB 31.3と記したものは上記各Codeを指し、Codeと記したものは、その両者を指します。
また、ASTMというのが何か所が出てきますが、アメリカのASTM(米国試験材料協会)が策定した材料規格で、日本のJISの材料規格に相当するものです。
本書には、枠で囲った記事があります。章の途中に出てくる「用語解説」と「豆知識」は、本文の記事周辺に出てくる用語等を紹介するコラムです。
最後に本書執筆の機会を与えて下さった、そしてアドバイスをいただいた日刊工業新聞社出版局長の奥村功氏、エム編集事務所の飯嶋光雄氏に心からお礼申し上げます。そして、本書執筆にご協力をいただいた多くの方々に感謝申し上げます。

2012年11月
西野 悠司

西野 悠司 (著)
日刊工業新聞社 (2012/11/22)、出典:出版社HP

絵とき「配管技術」基礎のきそ
目次

はじめに

第1章 配管計画
1-1 配管技術とは
1-2 配管設計の手順
1-3 配管レイアウトの原則

第2章 管・管継手の強度
2-1 内圧により管に生じる力
2-2 内圧により管に生じる応力
2-3 直管の強度計算式
2-4 管継手の強度計算式
2-5 穴のある管の強
2-6 例題

第3章 配管の熱膨張応力
3-1 一次応力と二次応力
3-2 熱膨張応力範囲
3-3 熱膨張反力
3-4 配管のフレキシビリティ

第4章 管路の圧力損失
4-1 ベルヌーイの定理と水力勾配線
4-2 ダルシー・ワイスバッハの式
4-3 経験式
4-4 拡大・縮小、管継手・弁の損失
4-5 圧縮性流体の圧力損失
4-6 例題

第5章 配管の振動
5-1 配管振動の基本的な考え方
5-2 振動の運動方程式をたてる
5-3 機械的振動 – 梁の共振
5-4 機械的振動 – 流体関連振動
5-5 音響的共振
5-6 ウォータハンマ
5-7 配管の耐震設計

第6章 配管の腐食と防食
6-1 配管の腐食・防食の基本
6-2 異種金属間のガルバニック腐食
6-3 電気防食の原理
6-4 電気絶縁
6-5 配管における代表的な腐食

第7章 鋼の性質と管・管継手
7-1 鋼の性質
7-2 配管に使われる管
7-3 鋼管の呼称とスケジュール番号
7-4 鋼管の種類と用途
7-5 鋼管以外の管
7-6 管の接合方式
7-7管継手

第8章 材料力学とハンガ・サポート
8-1 サポートの材料力学
8-2 ハンガ・サポート
8-3 レストレイント・防振器

第9章 伸縮管継手
9-1 伸縮管継手の種類と構造
9-2 推力の大きさとその対処方法
9-3 ベロース形管継手のプリセット
9-4 フレキシブルチューブ

第10章 弁
10-1 弁の形と名称
10-2 一般弁のプロフィール
10-3 安全弁のプロフィール
10-4 弁の圧力 – 温度基準
10-5 調節弁
10-6 弁駆動部

第11章 配管のスペシャルティ
11-1 ストレーナ
11-2 スチームトラップ

第12章 配管の溶接設計
12-1 配管で使う溶接方法
12-2 配管の溶接に際しての注意
12-3 突合せ溶接とすみ肉溶接
12-4 溶接部の強度と疲労
12-5 溶接部の変形と残留応力

[より深く配管技術を学ぶための参考図書] 索引
西野 悠司 (著)
日刊工業新聞社 (2012/11/22)、出典:出版社HP

図解 管工事技術の基礎

はじめに

古くから建築現場は、自分を磨く道場で、習って、覚えて、真似して、捨てる場所といわれています。人に習って覚え、それを実際にやってみて、自分のものにして、具合の悪いところは、こだわらずに捨てることです。
現在の建築現場は、大学、専門学校、工業高等学校、その他の分野から、建設会社や設備工事会社に入社した人達が、設備工事の施工技術などについて、ほとんど何も知らないままで、見よう見まねで監督として振る舞わなければならないのが現実です。何年経っても改善されずに、このような実態が現在に至っていることも事実です。したがって、現場にはじめて入る多くの人たちは、OJT(On the Job Training:作業をしながらの勉強)を頼りに施工技術を会得していきます。
建築設備に関する理論・計画・設計に関する書籍はかなり多く出版されていますが、施工の仕事に携わる者として、実際の施工内容をよく知りたいと思っても、施工について、知識を得る参考本は少ないのが現実です。本書は、建築設備施工の技術者を目指す人々のために、建築設備施工入門書として、施工についての一般的なことをまとめ、建築設備の管工事施工技術の内容を図で解説したものです。本書で知った内容を基礎として、あとは一つ一つ現場ごとに経験を積み、習って、覚えて、真似して、捨てることを学び、施工技術者として前進して下さい。
建築設備の施工に関しては、昭和48年に、機械設備の施工技術者の技能の質的向上ならびに社会的地位向上を目的として「管工事施工管理技士」の資格制度が整えられ、毎年9月に、1級管工事施工管理技術検定学科試験が行われています。学科試験合格者には、12月に実地試験(施工に関する内容)が実施されています。なお、本書には、1、2級管工事施工管理技術検定実地試験の資料として過去の試験問題を掲載しています。
最後に、本書に執筆にあたり、諸先輩方の文献、資料を参考にさせていただきましたことに、紙面を借りて御礼申し上げます。また、持丸潤子氏に並々ならぬご協力とご援助をいただきましたことを、厚く御礼申し上げます。

平成29年5月
著者らしるす

打矢瀅二 (著), 山田信亮 (著), 井上国博 (著), 中村誠 (著), 菊地至 (著)
ナツメ社 (2017/5/18)、出典:出版社HP

CONTENTS

はじめに
第1章 管工事の施工管理とは
1 建築と設備
●建築とは●建築物とは●建築設備とは
2 管工事という専門工事
●管工事とは●設計事務所と施工業者の資格●設計監理と施工(工事)管理
3 施工計画
●4つの管理・施工計画を立てる●施工図を描く
コラム 管工事の仕事

第2章 機器・器具類の設置据付け工事
1 地下ピット
●釜場の位置●地下ピットとは●地下ピットの大きさ●地下ピットのスリーブ
2 梁貫通
●鉄筋コンクリート造●鉄筋コンクリートにおける梁貫通●鉄骨造・鉄骨における梁貫通
3 スリーブ・箱入れ
●スリーブを入れる●箱入れをする●防水層貫通
4 インサート・アンカーボルト
●インサート●アンカーボルト
5 コンクリート基礎工事
●コンクリート基礎●コンクリートの性質
6 機器の搬入・据付け
●機器の搬入●機器の据付け●機器据付けの注意事項
7 ボイラの据付け
●ボイラの種類●ボイラの据付けにおける留意点
8 冷凍機の据付け
●冷凍機の種類●冷凍機の据付けにおける留意点
9 冷却塔の据付け
●冷却塔の種類●冷却塔の据付けにおける留意点
10 空気調和機の種類
●エアハンドリングユニット●パッケージ型ユニット●ファンコイルユニット
11 空気調和機の据付け
●空気調和機の据付けにおける留意点
12 ポンプの据付け
●ポンプの種類渦巻ポンプの据付けにおける留意点●水中ポンプの据付けにおける留意点
13 送風機の据付け
●送風機の種類●送風機の据付けにおける留意点
14 空気調和機等の地震対策
●機器の耐震対策①●機器の耐震対策
15 タンク類の据付け
●タンク類の種類●タンク類の据付け
16 衛生器具の据付け①
●大便器の種類●小便器の種類●便器の固定方法
17 衛生器具の据付け②
●洗面器および器具類の種類●洗面器等の取付け●設備ユニットの種類
コラム 鳩小屋から設備機器への配管

第3章 空調・衛生共通配管工事
給水・排水・通気配管系統図/冷温水・冷却水配管系統図
1 空調・衛生共通の管類
●空調・衛生共通の鋼管類●空調・衛生共通のその他管類
2 空調・衛生共通の鋼管継手
●管同士を接合する金具
3 鋼管の接合方法
●管の接合に必要な工具●鋼管ねじ接合●ハウジング形管継手接合●溶接接合
4 鋼管以外の継手および接合
●継手・接合の種類
5 空調・衛生共通弁類①
●バルブの種類と特徴●バルブ取扱いの留意点
6 空調・衛生共通弁類②
●継手類の種類と特徴●ねじ込み形バルブ取付けの留意点●フランジ形バルブ取付けの留意点
7 配管の支持(固定)①
●配管を支持(固定)する目的●支持金物の分類吊り配管支持金具●立て配管支持金具●床貫通用支持金具
8 配管の支持(固定)②
●配管の特異性による支持金具類●配管支持の注意事項
9 保温・保冷材
●保温・保冷の目的●保温・保冷材料●保温・保冷材の外装材
10 保温・保冷の施工
●保温・保冷の施工順序●保温・保冷の施工上の留意点
11 配管の腐食
●腐食の種類●配管の腐食と対処法
コラム 金属を切断するときは「切り粉」に要注意

第4章 冷暖房配管工事
1 冷温水配管、冷却水配管の施工
●冷温水配管と冷却水配管●冷温水配管の施工上の留意点●冷却水配管の施工上の留意点
2 空調用冷媒配管の施工
●空調用冷媒配管●冷媒配管の接合方法●支持方法・支持間隔●施工上の留意点
3 蒸気配管の施工
●蒸気配管●蒸気配管の施工上の留意点
4 油配管の施工
●燃料用の灯油や重油●オイルタンクに設置する通気管の規制●油配管施工上の留意点
5 冷温水発生機廻りの配管施工
●冷温水発生機●冷温水発生機廻りの配管留意点
6 冷却塔廻りの配管施
●冷却塔(クーリングタワー)●冷却水配管(開放式冷却塔)の施工上の留意点
7 空気調和機廻りの配管施工
●冷却水管と温水管の送り管と返り管●冷温水コイル廻りの配管施工上の留意点●蒸気コイル廻りの配管施工上の留意点
8 ポンプ廻りの配管施工
●密閉回路と開放回路●密閉回路廻りの配管施工上の留意点●開放回路廻りの配管施工上の留意点
9 膨張タンク廻りの配管施工
●膨張タンク●開放式膨張タンク廻りの配管施工上の留意点●密閉式膨張タンク廻りの配管施工上の留意点
10 冷温水ヘッダ・プレート式熱交換器廻りの配管施工
●冷温水ヘッダ・冷温水ヘッダ廻りの施工上の留意点●プレート型熱交換器●プレート型熱交換器廻りの施工上の留意点
11 配管・ダクトのシャフト
●配管・ダクトのシャフト・シャフト内の納まり検討上の留意事項
コラム 熱絶縁工の仕事

第5章 空調・換気ダクト工事
1 長方形ダクトの接続工法
●ダクトの種類●長方形ダクトの接続工法●ダクトの材質
2 長方形ダクトの補強と吊り支持
●ダクトの継目(はぜ)と補強●長方形ダクトの吊り金物●長方形立てダクトの支持
3 円形ダクト
●円形ダクトの種類●スパイラルダクトの施工上の留意点●フレキシブルダクト●施工上の留意点
4 長方形ダクトの分岐・拡大・縮小、塩ビダクト
●長方形ダクトの分岐●ダクトの拡大、縮小変形●長方形ダクトの曲り(エルボ)●硬質ポリ塩化ビニルダクト(長方形)
5 ダクトの消音・遮音
●ダクトの騒音対策
6 排煙ダクト
●排煙ダクトの材質●亜鉛鉄板製排煙ダクトの継目●普通鋼板製排煙ダクトの継目●排煙ダクト施工上の留意点
7 送風機廻りのダクト
●送風機廻りの施工留意点●取付け方法と施工のたわみ継手(キャンバス継手)
8 吹出し口・吸込み口
●吹出し口と吸込み口の役割●吹出し口、吸込み口施工上の留意点●排煙吸込み口(排煙口)施工上の留意点
9 ダクト付属品―ダンパ①
●ダクト内の空気の流れを調整●風量調整ダンパ(VD)●モーターダンパ(MD)●VD、MD取付け上の留意点
10 ダクト付属品―ダンパ②
●逆流防止ダンパ(CD)●防火ダンパ(FD)●防煙ダンパ(SD)●防火ダンパ取付け上の留意点
11 その他ダクトの付属品
●チャンバボックス●点検口●チャンバボックス、点検口の施工上の留意点●CAV・VAVユニット方式
12 厨房排気ダクト・排気フード
●厨房排気ダクトの施工上の留意点●厨房排気フード(天蓋)の施工上の留意点
コラム 「ANC」によるダクトの消音

第6章 給排水配管工事
1 給水配管方式
●給水方式
2 給水配管の施工
●一般的な給水管の施工上の留意点●給水管における汚染防止上の留意点
3 排水配管方式
●建物内と敷地内の排水●排水管の種類トラップと排水桝
4 排水配管の施工
●排水管の施工●排水桝の設置場所●掃除口の設置場所
5 通気配管の施工
●通気配管方式の種類●通気管の施工
6 給湯配管の施工
●給湯方式と加熱方式●瞬間湯沸器●一般的な給湯配管の施工上の留意点
7 ガス配管の施工
●都市ガスとLPガスの供給方式●ガス配管の施工
コラム サヤ管ヘッダ工法と先分岐工法

第7章リニューアル工事
1 リニューアル工事の必要性
●リニューアル工事とは●建物の寿命と機器の耐用年数●商業施設のリニューアル●耐震化工事と免震構造
2 リニューアル工事の手順
●居ながら工事●壊さなければ始まらない
3 撤去解体工事の流れ
●撤去解体工事の主な手順撤去●解体作業は連携が必要
4 工事の計画・実施における重要ポイント
●現地調査は推測が必要●ガス配管が一番要注意●白ガス管の用途を確認する●冷媒回収は電気があるうちに行う●解体撤去後の冷凍機、空調機はスクラップ●大型機器の搬出、搬入はリニューアル工事の要●既設容量の増設対応も必要●新しい開口部、スリーブは避ける
5 リニューアル工事の今後
●ノウハウを新築工事に活かすコリニューアル工事はこれから唱える
6 リニューアル工事で起きたトラブル事例
●トラブルを引き起こす原因●1解体工事で稼働中の配管を切断した●2雨水排水桝に工場の排水管を誤って接続●3役に立たない防振継手●4配管撤去工事で既設バルブが抜けて漏水●5医療ガス管を損傷●6浴室排気に含まれる水滴が便所と廊下に落水●7大便器が梁の上に配道●8汚水が水槽からあふれる寸前
コラム 汎用性の高い「インパクトドライバー」

第8章 労働安全
1 リスク(危険)の回避
●ハインリッヒの法則●リスクアセスメント●リスクアセスメントの手順●リスクアセスメントの活用
2 酸欠事故の回避
●酸欠事故の起きる原因●酸欠事故の起きやすい場所●酸欠危険場所での作業の準備●二次災害を防ぐ
3 アーク溶接における安全管理
●アーク溶接とは●アーク溶接作業中に起こりうる健康被害●危害を防止するための防護装備
4 クレーンでの揚重作業(飛散・落下防止)
●クレーンでの揚重作業●設備機器の揚重計画●クレーンを使用する場合の留意点
労働安全衛生法
●労働災害とはどんなことか●墜落による危険の防止●移動はしごの点検・確認●脚立の点検・確認●はしご道の点検・確認●作業通路の設置留意事項●架設通路の設置留意事項●可搬式作業台(SGペガ・立馬)の使用留意事項●高所からの物体投下による危険の防止●酸素欠乏危険作業の留意事項●高所作業車の安全作業●脚輪を付けた移動式足場(ローリングタワー)の留意事項
コラム 建築現場の仕事は「段取り8分、仕事2分」

付録
1 試運転調整
2 管工事施工管理技士試験の問題と解答
3 現場で使われる用語

打矢瀅二 (著), 山田信亮 (著), 井上国博 (著), 中村誠 (著), 菊地至 (著)
ナツメ社 (2017/5/18)、出典:出版社HP

目で見てわかる配管作業 (VisualBooks)

はじめに

建築設備(空気調和換気設備・給排水衛生設備)にとって、配管設備は非常に重要で不可欠な設備です。配管は人体に例えれば「血管」や「食道」・「胃・腸」などに該当し、多種多様な役割を担っています。
世間に”人間一人では、決して生きて行けない!”という言葉がありますが、現在では配管設備を具備していない近代建築は1つも存在しません。また、配管の世界はとてもバラエティに富んだ世界です。配管作業も進展を遂げ、現在では多種多様な配管材料が開発され、その配管施工法(加工法・接続法)も複雑多岐になってきています。
本書は、その中でも導入例の多い「建築設備の配管」にスポットを当て、その「基礎知識」を習得する目的で編集しています。
現在、建築設備に採用されている代表的な配管材料ごとに、その材料の加工方法および接続方法などの特徴を写真やイラスト類を数多く用いて視覚化することにより、初心者でも知らないうちに建築設備の配管作業に対する理解度を高めていただけるというのが本書のねらいです。さらに本書は、数多くの建築設、備配管刊行物との差別化を図るため、主に以下の点に留意しています。
①目で読む書物としたこと!
「百聞(百文?)は一見に如かず」という諺がありますが、建築設備配管作業を「目で見てわかる」ように、可能な限り写真・図・絵・表などを取り入れました。
②広範にわたる建築配管工事の全体像をわかりやすく集約したこと!
第1章 配管工事の世界、第2章 配管工事を支える補助部材、第3章 配管材料別の加工法および接続法、第4章 配管の気密試験・耐圧試験、第5章 配管工事施工・管理上の留意点のタイトルに層別して要点をまとめています。
③配管工事の入門者だけでなく、配管工事の監督監理をする方々にも、役にたてるように配慮しました。特に、第5章は「配管工事 施工・管理上の留意点」となっていますが、必須知識の一部を精選し抜粋収録しました。
④配管工事の入門者が、さらに自己研鑽し、配管知識のグレードアップしていただけるよう、巻末に参考文献を数多くの配管刊行物の中から附記させていただきました。
なお、本書の発刊に当たりましては、レッキス工業(株)大西則夫氏およびジャパン・エンヂニアリング(株)村木大作氏の両名に一方ならぬご尽力をいただきました。この紙面を借りて厚く御礼を申し上げます。
末尾になりますが、本書発刊の機会を与えていただいた日本工業新聞社の奥村功出版局長また企画段階から貴重なアドバイスを頂戴したエム編集事務話の飯嶋光雄氏、ならびにDTPを務めていただいた志岐デザイン事務所の大山陽子様に厚く御礼申し上げます。
本書がトリガーとなって、建築設備の配管工事にさらに関心をもたれ、配管工事の造詣者になっていただけることを筆者一同心から期待しています。

2014年8月吉日
執筆者代表:安藤紀雄

安藤 紀雄 (著), 瀬谷 昌男 (著), 南雲 一郎 (著)
日刊工業新聞社 (2014/8/26)、出典:出版社HP

目で見てわかる「配管作業」−目次

はじめに

第1章 配管工事の世界
1-1 配管とは何か?
1-2 配管工事とは?
1-3 建設設備用途別配管
1-4 配管方式の分類
1-5 建設設備配管材料の種類

第2章 配管工事を支える補助部材
2-1 管継手類
2-2 弁(バルブ)類
2-3 計器類
2-4 配管機器・固定材料

第3章 配管材料別の加工および接続法
3-1 配管工事の基本プロセス
3-2 配管用炭素鋼鋼管の加工および接続作業
3-3 鋼管の切削ねじ切り機と締付け作業
3-4 ねじ加工(ねじ切り)作業
3-5 ねじ込み(締め込み)作業
3-6 ねじ込み(締め込み)の手順
3-7 配管現場での配管取り付け(施工)作業
3-8 転造ねじ接合法
3-9 メカニカル管継手接合法
3-10 溶接接合法
3-11 ライニング鋼管の加工および技鋼管の加工および接続
3-12 ステンレス鋼鋼管の加工
3-13 銅管の加工および接続
3-14 樹脂管の加工および接続
3-15 多層複合管の加工および接続
3-16 配管耐震工事

第4章 配管の気密試験・耐圧試論
4-1 配管の気密試験・耐圧試験標準
4-2 水圧試験と空圧試験の使い分け
4-3 水圧試験

第5章 配管工事 施工・管理上の留意点
5-1 配管材料の選択・保管上のポイント
・配管用炭素鋼鋼管(SGP)は、安易に土中に埋設配管しない。
・蒸気ドレン管には、SGP管は絶対に採用しない。
・耐食性を要求されるSUS管には、SUS316を採用する。
・SUS管は「もらい錆」を起こしやすい場所で保管しない。
・塩ビ管(VP管)を対衝撃性や耐熱性が要求される場所に採用しない。
・VP管は、直射日光下や有機溶剤などの雰囲気下で、絶対に保管しない。
・配管用ガスケットには、石綿ガスケットは使用しない。
・樹脂ライニング鋼管の継手には、一般配管用の継手を使用しない。
・可能な限り「LCCO2」発生量の少ない配管材料を選択する。
5-2 配管工事 施工管理上のポイント
・「配管勾配」に十分留意する。
・配管には、熱膨張・収縮による「配管膨張・収縮対策」を十分に配慮しておく。
・冷温水配管では、原則として「鳥居配管」は極力避ける。
・ねじ接合配管では、「地獄配管」は極力避ける。
・他系統との「誤接続配管」の防止に留意する。
・あまり長い吊り支持方法は、できれば避ける。
・共通吊り架台で、3点吊り支持はしない。
・重要な機器の上部や周辺に水配管は敷設しない。
・ねじの「残り山管理」は、絶対にしない。
・配管の「フラッシング」は、十分に実施しておく。
・二重トラップ配管は、絶対に起こってはならない!
・蒸気立て配管の基部には、必ず「管末トラップ装置」を設けることが大切。
5-3 配管工事 安全管理上のポイント
・劣悪な環境下で溶接作業は実施しない。
・配管作業では、事前に酸素濃度の測定をしておく。
・溶接作業は、「裸眼」で実施しない。
・配管を足場代わりにして、配管作業をしない。
・高所での配管作業は、「丸腰」で行ってはならない。
・電気溶接機は、必ず「電撃防止は聖化装置付き電気溶接機」を使用する。
・キャブタイヤ電線コードは、濡れた床上に配線しない。
・高所での配管耐圧試験などには、空気圧試験は極力採用しない。

ひとくちコラム
・ネパールでの「ねじ配管継手の歩留まり」
・切削ねじ切り機と切削油
・自動切り上げダイヘッド付きねじ切り機の開姿
・欠番になっている「JIS G 3453」
・ドン付け開先
・ライニング管とコーティング管
・ぬれ現象とは?
・「バリ」と「バリ取り」
・水圧試験の貴重な体験

参考文献
写真資料提供会社一覧
索引

安藤 紀雄 (著), 瀬谷 昌男 (著), 南雲 一郎 (著)
日刊工業新聞社 (2014/8/26)、出典:出版社HP

図解入門 現場で役立つ管工事の基本と実際

はじめに
建築設備施工の鍵を握る「管工事」

建築設備には、給排水衛生設備、空気調和設備、電気設備があり、建物の機能を維持するために欠かせません。さらに、建物のLCC(ライフサイクルコスト)や、近年、関心が高まっている建物の省エネ性、省CO2にも多大な影響を与えることから、その重要性はますます高まっています。
建築設備は、広範な知識と様々な計算により設計されますが、それらが問題なく機能するためには、現場工事で適切に施工されることが重要となります。その建築設備施工の鍵を握っているのが「管工事」です。
管工事とは、給排水衛生設備、空気調和設備の設置、または金属製や合成樹脂製の管を使用して水、油、ガス、水蒸気などを配送するための設備を設置する工事の総称です。
本書は、管工事に関連する空調、給排水設備に関する基礎と現場工事の特徴、留意点についての知識を取得することを目的としています。
本書の構成は、次のようになっています。
第1章から第5章では管工事に関わる共通事項として、設備工事に関連する建築(躯体)工事の基本的な条件、配管、ダクトの種類と特徴、保温・塗装に関する種類と施工方法、防振・防音に関する基礎と工法を解説しています。
第6章から第8章では空調設備の知識として、空気調和設備の概要、空調配管工事の特徴と留意点、空調自動制御の基礎を解説しています。
第9章から第13章では給水、給湯、排水通気、衛生器具、消火システムの各設備の概要、施工の特徴と留意点についてまとめています。

本書は、建築設備の設計者と専門施工者が、現場の視点から、現場に役立つポイントを具体的に分かりやすく解説しています。建築設備の設計や施工に携わる方、管工事施工管理技士の資格取得を目指す方、建築設備に興味のある方に、座右の書として、ご活用いただければ幸いです。

2017年8月
原 英嗣
西川 豊宏

本書の特長

本書では、管工事の現場における基礎的な知識の習得を目的としています。また、工事現場で活躍している施工者、これから管工事施工管理技士の資格の取得を目指している方々の手引きとなるような内容になっています。
本書の特長を活かしていただき、管工事に関わる確かな知識を身に付けましょう。

◎管工事に必要な共通工事が理解できる
建築(躯体)、配管、ダクト、保温・塗装、防振・防音など、共通工事の知識が理解できます。

◎空調設備の工事が理解できる
空調機器の据付け工事が理解できます。空調設備に関する各種の配管工事が理解できます。

◎自動制御設備の工事が理解できる
自動制御の基礎知識から空調機、冷凍機の制御が理解できます。

◎給水・給湯設備の工事が理解できる
貯水槽、ポンプ、給水ゾーニング、給水配管・継手、各種給湯機が理解できます。

◎排水通気設備の工事が理解できる
排水通気管、排水トラップ・掃除口、屋外排水管の基礎が理解できます。通気管や排水槽の施工が理解できます。

◎衛生器具設備の工事が理解できる
衛生器具、便器、洗面器、手洗器、給水栓の基礎が理解できます。

◎消火システムが理解できる
消火設備、消火ポンプや消火水槽の配管、消火栓ボックス、送水口の基礎が理解できます。

◎管工事施工管理技術検定試験との関係が理解できる
本書の内容と管工事検定試験との関係(重要度)がマーク(星印)から理解できます。

◎必読!「ベテラン技士のワンポイント・アドバイス」
管工事には、多くの知見が財産になり、仕事に役立ちます。ベテラン施工技士からの貴重なアドバイスを紹介します。

持田正憲 (著), 渡辺忍 (著), 村澤達 (著), 堀一仁 (著), 冨田仁 (著), 藤平三千男 (著), 青木一義 (著), 内山稔 (著), 結城晶博 (著), & 2 その他
秀和システム (2017/9/12)、出典:出版社HP

本書の構成と使い方

本書は、第1章から第5章が管工事に関係する共通工事編、第6章から第12章が施工技術編、第13章が消火システムの3編から構成されています。共通工事編では、建築(躯体)、配管、ダクト、保温・塗装、防振・防音を説明します。施工技術編では、空調(配管)設備、自動制御、給水・給湯、排水通気、衛生器具を説明します。また、国家検定制度「管工事施工管理技術検定試験」との関係(重要度)を取り上げています。受検される方にも役立てていただけるほか、施工段階において習熟してもらいたい水準を示しています。

◎効果的な学習方法
本書は、管工事に関する目的指向型の構成になっています。様々な学習法を以下に紹介します。

[学習法①]管工事の基礎を知りたい
第1章(建築_躯体関連)、第2章(配管)、第3章(ダクト)、第4章(保温・塗装)、第5章(防振・防音)読んでみましょう。管工事の基礎を正しく理解することは、ステップアップを実現するうえで大切です。ここでしっかり学習しましょう。 [学習法②]空調設備工事を知りたい
第6章(空気調和設備)や第7章(空調配管)を読んでみましょう。冷暖房設備機器の搬入・据付け工事計画、機器の据付けと耐震、冷暖房設備の据付け工事、換気設備、密閉回路と開放回路、流量制御、水配管工事、蒸気配管工事、冷媒配管工事、ドレン配管工事、配管工事などを習得しましょう。 [学習法③]自動制御設備工事を知りたい
第8章(自動制御設備)を読んでみましょう。自動制御の基礎、空調機の制御、冷凍機の制御を理解しましょう。 [学習法④]給水・給湯設備工事を知りたい
第9章(給水設備)や第10章(給湯設備)を読んでみましょう。貯水槽まわり、ボンプ、給水ゾーニング、給水配管・継手、貯湯槽・熱交換器、ガス湯沸かし器、貯湯式給湯機(ヒートポンプ式給湯機を含む)を理解しましょう。 [学習法⑤]排水通気設備工事を知りたい
第11章(排水通気設備)を読んでみましょう。排水通気管の基本事項、排水トラップ・掃除口、通気管の施工、排水槽の施工、屋外排水管を理解しましょう。 [学習法⑥]衛生器具設備工事を知りたい
第12章(衛生器具設備)を読んでみましょう。衛生器具、大便器、小便器、洗面器・手洗器、給水栓を理解しましょう。 [学習法⑦]消火システムを知りたい
第13章(消火システムの種類と特徴)を読んでみましょう。消火設備の種類と目的、消火ポンプ周りの配管、消火水槽と配管、消火栓ボックス、送水口を理解しましょう。

「技術検定」で管工事施工管理技士にチャレンジ!

◎管工事施工管理技士とは
建設業のうち冷暖房設備工事、空調設備工事、給排水・給湯設備工事、ダクト工事、浄化槽工事、ガス配管工事、衛生設備工事などの管工事において、施工計画を作成し、工程管理、品質管理、安全管理等の業務を行います。1級管工事施工管理技士の取得者は、建築設備士試験(2年の実務経験が必要)の受験資格が得られます。この資格の保有者は1級・2級とも、社会保険労務士の受験資格が得られます。

1 級管工事施工管理技士
建設業法により特定建設業の営業所に置かなければならない専任の技術者や、工事現場ごとに置かなければならない主任技術者および監理技術者になることができる。監理技術者であり続けるためには更新が必要である。
2 級管工事施工管理技士
建設業法による一般建設業の営業所の専任技術者や、工事現場における主任技術者となることができる。

◎技術検定の試験科目
技術検定は、上記のとおり1級、2級に区分され、学科試験と実地試験があります。1級、2級ともに学科試験において機械工学、施工管理法、法規があります。実地試験において施工管理法があります。学科試験は択一式です。実地試験は記述式が出題されます。実地試験では、実際に施工した現場に関する記述する出題があります。実地試験は、1級は学科試験合格後に後日実施され、2級は学科試験と同日に実施されます。実地試験のみ不合格の場合は、翌年度に限り筆記が免除され実地のみ受験が可能です。

◎技能検定の実施機関
技能検定は、国(厚生労働省)が定めた実施計画に基づいて、試験問題などの作成、受検申請書の受付、試験実施などの業務については全国建設研修センターが行っています。本書で培った管工事の知識をもとに、まずは、技術検定(2級)にチャレンジしてみましょう。

持田正憲 (著), 渡辺忍 (著), 村澤達 (著), 堀一仁 (著), 冨田仁 (著), 藤平三千男 (著), 青木一義 (著), 内山稔 (著), 結城晶博 (著), & 2 その他
秀和システム (2017/9/12)、出典:出版社HP

図解入門 現場で役立つ 管工事の基本と実際
目次 Contents

はじめに
本書の特長
本書の構成と使い方
「技術検定」で管工事施工管理技士にチャレンジ!

第1章 共通工事 建築(躯体)関連
1-1 基礎工事
1-2 スリーブ工事

第2章 共通工事 配管
2-1 配管材料と特徴
2-2 配管の接合方法
2-3 配管付属品
2-4 配管の支持方法
2-5 配管の防食

第3章 共通工事 ダクト
3-1 ダクト材料と特徴
3-2 ダクトの制作と接続方法
3-3 ダクト付属品
3-4 ダクトの支持方法
3-5 ダクトと機器の接続

第4章 共通工事 保温・塗装
4-1 保温の目的
4-2 保温材の種類と特徴
4-3 塗装工事

第5章 共通工事 防振・防音
5-1 音と振動の基本事項
5.2 機器防振
5-3 ダクトの防振と防音の実際
5-4 配管の防振と防音の実際
5-5 機器や器具の防振と防音の実際

第6章 空気調和設備
6-1 空気調和設備機器の搬入・据付け工事計画
6-2 機器の据付けと耐震
6-3 空気調和設備機器の据付け工事

第7章 空調配管
7-1 密閉回路と開放回路
7-2 流量制御
7-3 水配管(冷水・温水・冷温水・冷却水)工事
7-4 蒸気配管工事
7-5 冷媒配管工事
7-6 ドレン配管工事
7-7 油配管工事

第8章 自動制御設備
8-1 自動制御の基礎
8-2 空調機の制御
8-3 冷凍機の制御

第9章 給水設備
9-1 貯水槽まわり
9-2 給水方式
9-3 給水ゾーニング
9-4 給水配管・継手

第10章 給湯設備
10-1 貯湯槽、熱交換器
10-2 ガス湯沸かし器
10-3 給湯機(ヒートポンプ式給湯機を含む)

第11章 排水通気設備
11-1 排水通気管の基本事項
11-2 排水トラップ、掃除口
11-3 通気管の施工
11-4 排水槽の施工
11-5 屋外排水管

第12章 衛生器具設備
12-1 衛生器具
12-2 大便器
12-3 小便器 コラム 衛生器具の清掃、保守、点検
12-4 洗面器・手洗器
12-5 給水栓

第13章 消火システムの種類と特徴
13-1 消火設備の種類と目的
13-2 消火ポンプ周りの配管
13-3 消火水槽と配管
13-4 消火栓ポックス、送水口

参考文献
索引

持田正憲 (著), 渡辺忍 (著), 村澤達 (著), 堀一仁 (著), 冨田仁 (著), 藤平三千男 (著), 青木一義 (著), 内山稔 (著), 結城晶博 (著), & 2 その他
秀和システム (2017/9/12)、出典:出版社HP

トコトンやさしい配管の本 (今日からモノ知りシリーズ)

はじめに

ものを輸送する手段として、航空機、船、貨車、トラック、などの交通機関、クレーン、コンベア、エレベータ、などの輸送機器、そして配管があります。配管は他の輸送手段と違い、連続して大量輸送ができるという大きなメリットがあり、また気体、液体に限らず、ある種の固体も空気を使って、輸送することができます。管で運ばれるものは、固体であっても「流体」と呼ばれます。
みなさんは「配管」という単語から、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。今までに実物ではないにしろ、どんな配管を見たことがあるでしょうか。炎熱の砂漠を延々と走るパイプライン、化学プラントに林立する塔槽類とその周りの錯綜する配管群、あるいは、道路工事中の深いビットの中に横たわっている配管など…でしょうか。
私たちが日常生活を送る中では、あまり配管を見る機会はないかもしれません。それは、配管のほとんどが道路の下に埋まっていたり、住いの床下や壁の中を通っているからです。都会では配管は「縁の下の力持ち」として、私たちの生活を支えています
配管は実際には産業とインフラに広範囲かつ密度濃く使われています。配管の世界は実にバラエティに富んだ世界です。
原油や天然ガスを運ぶ配管。石油化学、電力、製鉄などのプラント配管。各種製品の製造工場の配管。船、航空機、車など交通機関の配管。化学工場、製薬工場、電子機器工場などの配管。水道、ガス、下水を長距離輸送する配管。給水・排水・空調など建築設備の配管などなどです。
本書は、配管はどのように発達してきたか(第1章)、配管はどのようなところに使われているか(第2章)、配管はどんな構成要素からできているか(第3章)、配管はどのような順序で設計、製作、組立が進められていくか(第4章)、流体が配管をスムースに流れるため、どのような事に注意がはらわれているか(第5章)、について説明します。
この本を、配管に少しでも興味を持たれた方に読んでいただき、配管とはどんなものかおぼろげながらわかっていただければ、ほぼ50年の間、配管の一隅で働いてきたものにとって望外の喜びとするところです。
「はじめに」の最後に、管と配管、パイプとチューブの違いについて、触れておきます。
管と配管の違いは、配管(パイピング)は、配管装置という言葉があるように、装置として組み上がったものをいいます。管(パイプとチューブ)は丸い円筒状の物体だけを指します。そして、パイプとチューブの区別は実はかなり曖昧ですが、大雑把にいえば、パイプは流体輸送を目的とする管、チューブは熱交換を目的とする管といえるかと思います。

2013年5月
西野 悠司

西野 悠司 (著)
日刊工業新聞社 (2013/5/23)、出典:出版社HP

目次 CONTENTS

第1章 配管の長い歴史
1 人と切っても切れない水「人類は比と共に歩んできた」
2 古代ローマ帝国の水道「ポンプのない時代の水道」
3 江戸の上水道「町中の管路網」
4 鋳鉄管から接管ヘ「ベルサイユの現役鋳鉄管」
5 バリの下水道「匂い付きの下水道博物館」
6 画期的な継目無鋼管の製法「それは問題意識から生まれた」
7 管接続方式の変遷「溶接はねじの漏れ止めに使われた」

第2章 いろいろな場所で活躍する配管
8 上水道の配管「水源から蛇口までの長い道のり」
9 下水道の配管「さらさら流して川へ出す」
10 配水管から蛇口まで「水を上めずに分岐管を設ける」
11 トイレから下水管まで「詰まりと臭気をなくす工夫」
12 都市ガスの配管「現在、低圧管にポリエチレン管を使用」
13 消火設備の配管「配管サイズが法で定められている」
14 オイルタンカーの配管「上甲板には貨物油管と水消火配管が走る」
15 ロケットエンジンの配管「ロケットも配管なしには宇宙へ行けない」
16 粉を運ぶ配管「錠剤や米をバイブで運ぶ」
17 石油化学プラントの配管「パイプラックはメインストリート」
18 火力発電プラントの配管「赤熱している主蒸気配管」
19 パイプライン「大陸的据付工法のスプレッド工法」
20 人体の管「地球上、最初のバイブ」

第3章 配管を形づくる要素
21 配管という装置「配管が具備すべき条件」
22 管の材質「プラスチックの目ざましい普及」
23 鋼管のサイズ「スケジュール番号は一種の圧力クラス」
24 管と管をつなぐ管継手「配管を引き回す立役者」
25 バルブのはたらき「流体を止める、流す、校る」
26 いろいろなバルブ「バルブの形式は選材適所で選ぶ」
27 流れを調節するバルブ「目標値とのずれをなくすよう開度を変える」
28 配管の安全設備「壊れやすいところを造っておく」
29 配管を支える装置「上から吊り、下から支える」
30 配管の振動を抑える装置「微振動を止めるのは難しい」
31 伸縮管継手に生じる推力「推力発生は伸縮管継手の宿命」
32 いろいろな伸縮管継手「推力のいろんな受け方がある」
33 蒸気をつかまえる装置(1)「浮力の有無により気とドレンを識別」
33 蒸気をつかまえる装置(2)「温度により蒸気とドレンを最別」
34 配管の保温と保冷「熱を逃がさない、入れない」
35 配管をつなぐフランジ継手「ブランジは面圧が命」
36 配管をつなぐ溶接継手「最も信頼できる溶接継手」

第4章 プラント配管のできあがるまで
38 配管完成までのステップ「プラント完成の喜びに浸るためのステップ」
39 配管の設計手順「他部門と折り合いをつけつつ設計が進む」
40 設計のやり方「設計レビュー方法の変退」
41 ベンドの製造「昔は配管職人の腕の見せどころ」
42 配管に使われる溶接技術「配管は外側からしか溶接できない」
43 溶接部の熱処理「溶接したところは引きつっている」
44 配管の非破壊検査「検査するものを壊しては元も子もない」
45 配管の組立「現場合わせからブロック工法へ」
46 ラインチェック「配管工事完成の条件」
47 耐圧・気密試験「気密試験に先立ち耐圧試験」

第5章 配管を取り巻く技術
48 配管技術をはぐくむ「4力学が大事」
49 管の耐圧強度「A×p=B×Sの考え方をマスターする」
50 管の強度計算式「管の必要厚さの式と許容応力」
51 球形が内圧に強い理由「球の応力は円筒の半分」
52 管に穴があると強度が下がる「補強板をつければ強度が上がる」
53 流体のエネルギーは保存される「ベルヌーイの法則」
54 水力勾配線とその応用「水力勾配線が流線の下へくれば負圧」
55 層流と乱流「層流は粘性の影響力が大きい」
56 損失水頭はなぜ生じるか「流れがあれば損失水頭を生じる」
57 管の損失水頭の計算式「損失水頭は流速の2乗に比例する」
58 管継手・弁の損失「曲りの数と角度が大きいほど損失が大きい」
59 配管口径の決め方(サイジング)「細い管の標準流速は太いより遅い」
60 損失水頭とポンプキャビテーション「ポンプ吸込み管の流速は遅めに」
61 配管を横から見る「横から見ないとわからないことがある」
62 配管熱膨張をいかに逃がすか「フレキシビリティがあり過ぎてもよくない」
63 配管振動の原因「振動には必ず振動源がある」
64 配管の共振「避けねばならぬ共振」
65 ウォータハンマ「大きな破壊力」
66 配管の電気化学的腐食「水と関係ある腐食は電気化学的」
67 配管のガルバニック腐食と対策「ガルバック腐食は著しく腐食が速い」

【コラム】
●ビッグバンと粒子加速管
●地上最小のチューブ
●配管で起きるトラブルの特徴
●配管にやさしいポンプ
●配管に関する資格

参考文献
索引

西野 悠司 (著)
日刊工業新聞社 (2013/5/23)、出典:出版社HP

はじめての配管技術

はじめに

本書は,これから配管業務に携わる初心者のために配管技術の基本事項を説明することを目的としました。そのため配管技術をあえて深く掘り下げた専門書とすることなく,配管技術をどこまでも「広く,浅く」そして「分かりやすく」に徹した内容にしました。
第1章は,主として配管の構成部品について説明し,見慣れた部品でもつい見落としがちな事項を取り上げました。第2章は,配管スペックとレイアウトについての説明です。この章では,スペックの要点を簡潔に取りまとめ,レイアウトでは塔槽類やポンプなどのプラントを構成する重要な機器に配管技術者が大きな役割を担い,配管設計の立場からこれらに関与していることを説明しています。第3章の技術検討は,配管レイアウトにとって必要不可欠であることを説明し,筆者の経験に基づく実例と失敗談を述べました。また,熱応力の強度判定方法について、ASME B31.3では述べられていないその背景となる考え方を解説しています。第4章は,主として工事に関する事項ですが,各種の溶接方法の基本的な特徴とASME B31.3の試験・検査の規定についてわかりやすく説明しました。
このような内容構成のため、経験のある配管技術者あるいはより深い知識を求める方には物足りないかもしれません。さらに深い配管知識を求める方は,専門書,関連規格あるいはメーカーの技術資料などをおすすめします。
なお、本書では規格の引用説明をする場合,原則として必要な部分のみにとどめています。引用箇所の全体が必要な場合は規格の原本をご参照下さい。また,本書で取り上げた図については,必ずしも縮尺図ではありません。図示されている部品,機器類,構造物などの大きさや相互の関係は実際とは異なりますのでご注意下さい。説明上必要な部分のみを強調して示し,その他の詳細については省略してあります。
本書の執筆に際し、有益なご意見や資料とカタログのご提供をいただいたメーカー各社,調査記録の引用を許可していただいた研究者の方々にこの場を借りて改めて厚くお礼を申し上げます。
本書は,2006年に(株)工業調査会から出版されましたが、同社の倒産にともない絶版となりました。その後,森北出版のご好意とご努力により復刻出版される運びとなりました。

2011年3月
岡田 旻

岡田 旻 (著)
森北出版 (2011/6/1)、出典:出版社HP

CONTENTS

はじめに

第1章 配管の構成要素
1. 管および管継手
1.1 パイプ
1.2 エルボおよびベンド
1.3 キャップ
1.4 ティー
1.5 オーレット
1.6 レデューサー
1.7 スタブエンド
1.8 高周波曲げ管

2. フランジ
2.1 フランジに関する一般事項
2.2 フランジの呼び径
2.3 フランジの圧力−温度基準(P-T レイティング)
2.4 フランジの材料
2.5 ガスケット座面の仕上げ(平面座および全面座)

3. ガスケット
3.1 ガスケットの種類と特徴
3.2 ガスケットとガスケット座の組み合わせ
3.3 ガスケット座面の表面粗さとガスケット
3.4 ボルトおよびフランジ呼び圧力によるガスケットの選定

4. バルブ
4.1 バルブの構造
4.2 基本的なバルブの種類
4.2.1 オンオフバルブ
4.2.2 流量調節バルブ
4.2.3 チェッキバルブ(逆止弁)
4.2.4 安全弁
4.2.5 コントロールバルブ
4.3 バルブの材料
4.3.1 弁箱およびふたの材料
4.3.2 要部の材料
4.3.3 その他の材料
4.4 バルブの圧力−温度基準(P-T レイティング)

5. 伸縮継手
5.1 伸縮継手の種類と使い方
5.2 伸縮継手と地震被害

6. 配管サポート
6.1 固定サポート
6.2 可動サポート
6.3 防振サポート

7. 配管の材料
7.1 材料選定の基本
7.2 使用温度による選定
7.3 機械的耐食性を考慮した選定
7.4 化学的耐食性を考慮した選定
7.5 低温脆性

第2章 基本設計
1. 配管スペック
1.1 配管スペックとは
1.2 配管スペックの要件
1.3 配管スペックの具体例

2. 配管レイアウト(配置計画)
2.1 配管レイアウトの一般手順
2.2 バイブラックおよびパイプラック上の配管
2.2.1 パイプラック配管のレイアウト
2.2.2 パイプラックへの設計情報
2.3 塔まわり配管
2.3.1 搭まわりの設備配置スペース
2.3.2 配管配置およびノズル方向の決定
2.3.3 マンホール位置とダビッドの決定
2.3.4 プラットフォームとはしごの決定
2.3.5 塔の据付け高さの決定
2.4 横型槽まわり配管
2.4.1 横型槽の機能とノズル
2.4.2 据付け高さ
2.5 ポンプまわり配管
2.5.1 吸込み配管
2.5.2 吐出配管
2.5.3 吸込み/吐出配管共通事項(配管からの熱膨張作用力)
2.6 熱交換器まわり配管
2.6.1 シェルアンドチューブ型熱交換器まわり配管
2.6.2 空冷式熱交換器まわり配管

第3章 配管の技術検討
1. 強度計算と強度判定
1.1 破壊のモード
1.2 ASME B31.3の許容応力規定
1.2.1 配管材料の基本許容応力
1.2.2 構造用材料を使用する場合の基本許容応力
1.2.3 シーム管の許容応力
1.3 荷重条件と許容応力(ASME B31.3)
1.3.1 定常荷重による長手方向応力 SL
1.3.2 変位応力 SEとその許容範囲 SA
1.3.3 定常荷重による応力 SL の余裕分の取り扱い
1.3.4 一時的な荷重に対する許容応力
1.3.5 試験荷重による応力

2. 熱応力計算および関連事項
2.1 熱応力の計算条件
2.1.1 計算温度
2.1.2 拘束条件
2.2 モーメントの軽減方法
2.3 その他の高温配管設計上の留意事項
2.4 摩擦について

3. 振動と対策
3.1 振動原因と対策
3.1.1 脈動による振動
3.1.2 気液混相流による振動
3.1.3 高速流による振動
3.2 配管振動の許容基準
3.3 振動問題の事例

4. 地震と対策
4.1 過去の震害例
4.2 基本的な地震対策
4.3 応答計算による強度検討
4.3.1 静的解析法
4.3.2 動的解析法
4.3.3 減衰
4.3.4 動的解析の課題

5. ウォーターハンマーと対策
5.1 ウォーターハンマーの発生メカニズム
5.2 圧力波の進行速度
5.3 緩閉止
5.4 ウォーターハンマーによる障害と対策

第4章 配管工事と試験・検査
1. 配管施工と取付け工事
1.1 施工方法の概要
1.2 溶接
1.2.1 溶接の種類と特徴
1.2.2 手溶接と自動溶接
1.2.3 溶接施工要領書(WPS)
1.2.4 溶接開先
1.2.5 配管工事量の積算
1.3 熱処理

2. 試験および検査
2.1 溶接試験
2.1.1 基本事項
2.1.2 非破壞試験
2.2 気密・耐圧試験
2.2.1 基本事項
2.2.2 水圧試験
2.2.3 空気圧試験

岡田 旻 (著)
森北出版 (2011/6/1)、出典:出版社HP