2020年版 環境計量士試験[濃度・共通]攻略問題集




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はしがき

本書は、国家試験である「環境計量士試験(濃度関係)」の令和元年~平成26年の、7回分の全問を解説したものです。

問題の内容を分類していくと、似たような問題が繰り返し出題されていることに気が付きます。したがって、その類似の問題を繰り返し学習すれば、効率的な合格が可能となります。この繰り返し学習は、理解があいまいなところもさらに深い理解へとつながっていき、そのうえ法律の規定や規則、化学の専門用語なども確実に記憶することができます。

環境計量士試験(濃度関係)は、化学の基礎から、法律関係、分析および計量管理まで極めて広い範囲が出題されます。特に「化学の基礎」は、かなりレベルの高い内容となっています。したがって、大学などで化学を専攻していない受験生にとっては、「化学の基礎」は大変難しいと思います。このような受験生には、問題にいきなり挑戦せずに、問題を読んですぐにその解説を読み、内容を理解する勉強方法を勧めます。何度か問題と解説を読み通すと、自然と全体の理解ができるようになります。

ところで、読者のみなさんの中には、すでに実務に携わっている方も多いと思います。現場では、いろいろな問題に遭遇し解決することが求められます。この場合に重要なことは、問題解決に必要である広範囲な知識と経験を身に付けていることはもとより、単にそれだけではなく、それらを有機的に結び付けて解決する能力が必要です。その能力は、関係するどんな些細なことにでも関心をもち、常に疑問の課題を抱えておくことによって身に付くのではないかと考えています。

このように考えると、環境計量士の試験範囲が広いことは当然ともいえます。とりあえずは試験に合格することが重要ですが、真に必要とされている能力は何かを考えれば、試験勉強も苦にならなくなるのではないかと思います。

試験に合格するために、一日30分でかまわないので毎日確実に学習されることをお勧めします。本書の読者から多くの合格者が誕生すれば、これに勝る喜びはありません。

2020年3月
著者しるす

三好 康彦 (著)
オーム社 (2020/4/9)、出典:出版社HP

目次

第1章 環境計量に関する基礎知識(環化)
1.1環境基本法
1.2大気汚染防止法
1.3水質汚濁防止法

1.4原子と元素
1.4.1原子
1.4.2元素と周期表
1.4.3物質量(モル)、密度
1.4.4原子核、同位体および放射性物質

1.5化学結合・物質の物理化学
1.5.1錯イオン・イオン結合・共有結合・分子間力・相互作用
1.5.2物質と性質
1.5.3物質の状態とその変化
(a)気体
(b)液体または気体と液体の混合物
(C)固体(結晶)
(d)状態図
1.5.4化学計算
1.5.5浸透圧や凝固点降下

1.6化学反応と平衡および沈殿生成反応
1.7化学熱力学
1.8電解質溶液の性質
1.9酸と塩基

1.10酸化と還元
1.10.1電極電位(ネルンストの式)
1.10.2酸化還元と酸化還元反応1.11有機化学

1.11.1物質の分類・精製
1.11.2脂肪族炭化水素化合物の性質と反応
1.11.3芳香族炭化水素化合物の性質と反応
1.11.4脂肪族および芳香族炭化水素化合物の性質と反応
1.11.5アミノ酸・DNA
1.11.6立体化学
1.11.7混合問題

1.12高分子化学・有機化合物の用途
1.13分光・吸収スペクトル・発光
1.14測定・分析
1.15その他(用語、単位)

第2章 化学分析概論および濃度の計量(環濃)
2.1計算問題など
2.1.1濃度
2.1.2pHおよびpH計
2.1.3化学量・物質量
2.1.4秤量および数値取り扱い

2.2ガス関係
2.2.1ガスおよび容器

2.3分析関係の前準備、その他
2.3.1標準物質・薬品の調整など
2.3.2ガラス体積計・標準不確かさ
2.3.3用語・単位
2.3.4試料容器と材質

2.4測定法および測定器関係
2.4.1大気関係
(a)排ガス採取法
(b)吸収液
(c)硫黄酸化物
(d)NO、自動計測
(e)NOx化学分析法
(f)イオン電極法
(g)非分散形赤外線吸収方式
(h)酸素濃度計
(i)一酸化炭素濃度計
(j)ガスクロマトグラフ法
(k)浮遊粒子状物質および自動測定器
(l)ホルムアルデヒド
(m)シアン化水素
(n)メルカプタン
(o)アンモニア
(p)ふっ素
(q)VOC(メタンを含む)
(r)フェノール

2.4.2ダイオキシン類

2.4.3水質測定法および測定機器
(a)JISK0102に関する出題
(b)吸光光度法(分光光度計)
(c)原子吸光法
(d)ガスクロマトグラフ分析法
(e)質量分析
(f)ガスクロマトグラフ質量分析法
(g)ICP
(h)ICP質量分析法
(i)高速液体クロマトグラフ法
(j)イオンクロマトグラフ法
(k)PCB
(l)農薬
(m)塩素化炭化水素
(n)ペルフルオロオクタンスルホン酸またはペルフルオロオクタン酸
(o)フタル酸エステル類
(p)アルキルフェノール類

2.4.4流れ分析
2.4.5環境基準および測定法

2.5濃度計の保守・校正・操作
2.6放射線・電磁波
2.7その他(取引又は証明用の濃度計)

第3章 計量関係法規(法規)
3.1総則
3.1.1計量法の目的
3.1.2用語の定義

3.2計量単位など
3.2.1計量単位
3.2.2特定商品および特定物象量

3.3適正な計量の実施
3.3.1正確な計量
3.3.2計量器の使用又は使用方法等に関する規則
3.3.3定期検査
3.3.4指定定期検査機関

3.4正確な特定計量器などの供給
3.4.1特定計量器の製造・修理・販売・譲渡
3.4.2譲渡等の制限
3.4.3特殊容器

3.5検定などの制度
3.5.1検定・検査
3.5.2型式の承認
3.5.3指定製造事業者
3.5.4基準器検査
3.5.5指定検定機関

3.6計量証明事業
3.6.1計量証明の事業
3.6.2特定計量証明事業
3.6.3計量証明検査

3.7適正な計量管理
3.7.1計量士
3.7.2適正計量管理事業所

3.8計量器の校正
3.8.1特定標準器等による校正
3.8.2登録及び登録事業者
3.8.3標章

3.9立入検査・罰則等

第4章 計量管理概論(管理)
4.1計測管理

4.2計測における単位とトレーサビリティ
4.2.1単位
4.2.2国家標準および測定のトレーサビリティ

4.3測定誤差の性質・計測用語

4.4統計の基礎
4.4.1平均値・期待値・分散・測定値のばらつき
4.4.2いろいろな分布

4.5実験計画および分散分析の基本
4.6回帰分析と相関分析
4.7校正方法とSN比
4.8管理図・品質管理・工程管理
4.9標準化・規格の整合
4.10製品の検査・サンプリング

4.11プラント設備の保全・保守点検
4.12信頼性の基礎(保全性、アベイラビリティ)
4.13自動制御(伝達関数や1次遅れ系など)・自動化
4.14情報処理関係

索引

三好 康彦 (著)
オーム社 (2020/4/9)、出典:出版社HP