BULATS試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
BULATS(Business Language Testing Service / ブラッツ)の概要
BULATS(ブラッツ)はビジネスで求められるコミュニケーションスキルを測定するオンラインテスト。世界47か国以上の企業・機関で採用されているテストで、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの言語技能を評価することができます。技能単位での受験が可能であり、またオンラインでのテストなので時間を効率よく使って受験することができるのも特徴です。
BULATSの公式テキスト
公式テキストはありませんでしたので、独学で勉強する際は市販の対策本を使用しましょう。
BULATS対策のおすすめテキスト
1.「BULATS Writing Test B2攻略」(テソーラスハウス出版部)
本書の目的は、実践的ビジネス英語ライティングの実力を向上し、BULATS®のB2レベルへの実力到達にあります。BULATS®とは(財)日本英語検定協会と英国ケンブリッジ大学の語学試験機関であるケンブリッジESOLが共同開発したビジネス英語能力テストのことであり、いわば英検のビジネス版です。本書では学習素材として、実践的なモデル例題を掲載しました。ビジネスの実例をもとにライテイングの力をつけ、レベルB2の実力を身に着け実践の場で役立ててください。
2.「Essential BULATS with Audio」(Cambridge University Press)
Essential BULATS is for anyone preparing to take the BULATS test (Business Language Testing Service) and can be used at home or in class. The book is organised by paper type and covers all parts of the BULATS test. Practice material prepares students for each part of the test, and this is followed by a sample practice test section from Cambridge ESOL which offers the most authentic test preparation available.
3.「即戦力がつくビジネス英会話 改訂増補版 基本から応用まで」(ディーエイチシー)
本文2色刷でくっきり読みやすく&丈夫なハードカバーに変更・ビジネスコミュニケーションに必要とされるスキルをコラムで紹介・技術系ビジネスマン必読。「IT&ものづくり関係の用語用例集」収録。
4.「はじめてのSTEP BULATS―世界基準のビジネス英語能力テスト」(旺文社)
ケンブリッジESOLが開発し、財団法人 日本英語検定協会(STEP)が日本向けに一部補正した、ビジネス英語能力評価試験「STEP BULATS」の対策本。各章は、試験の出題順で構成され、基本演習および模擬試験をそろえている。
BULATS Writing Test B2攻略 (副題: ビジネス英作文 考える例題厳選20)
まえがき
本書の目的は、実践的ビジネス英語ライティングの実力を向上し、BULATS®のB2レベルへの実力到達にあります。BULATS®とは(財)日本英語検定協会と英国ケンブリッジ大学の語学試験機関であるケンブリッジESOLが共同開発したビジネス英語能力テストのことであり、いわば英検のビジネス版です。
本書では学習素材として、実践的なモデル例題を掲載しました。みなさまが日々職場でパートナーやクライアントと紡いでいる物語に近いリアルケースである誘ったり誘われたり、貸したり借りたり、謝ったりお願いしたりといった身近かな実例を提供しています。そのような身近かな出来事を英文で書く苦労と充実感を体験していただければ幸いです。
スマートフォンの普及により、動画での会話も普及・実用化されつつありますが、ビジネス界ではメールによるコミュニケーションが今も主流であることは、みなさんご存じの通りだと思います。メールを書くことによってコミュニケーションを密に保つことができます。例えば内心の告白をしたり、温かく穏やかな気持ちを伝えたり、さらにエスプリも展開できるというふうに、その働きは千変万化と言えるでしょう。
実践的イメージを描くことにより、ビジネスの現場で効果が出るようなライティングカを習得し、効率よくBULATS®B2を取得していただきたい。本書がその一助となるよう願ってやみません。
※本書中の事例は架空のものであり、登場する人物・団体等は、実在する人物・団体とは一切関係ありません。
目次
まえがき
本書の使い方
BULATS®概要
重要なポイント
Part1例題と回答例
Part2例題と回答例
受験テクニック
推薦図書
あとがき
本書の使い方
世の中には様々な文法書や単語集はあるが、英作文に特化した問題集がない、特にBULATSに対応した問題集がない、という声を耳にします。
そのために「とりあえず水に飛び込んでみて、沈まないよう泳ごう」というような悲壮な決心とともに、BULATS®を受験(そして撃沈)している人を多く見かけます。そこでBULATS®対策に特化した参考書を作成することにしました。私自身も現役のビジネスマンです。海外との仕事の上で、要領を得た英文を書くことの重要性を日々痛感しています。
簡潔で伝わりやすいビジネスライティング力をつけるため、本書は他の書物とは趣向を変え、全設問において、「例題」→「答え方のポイント」→「回答例」→「重要表現」の4段階式にしました。
例題と回答例は、何度も読んで書き写して暗記していただきたいと思います。この方法を繰り返すことによってこそ、着実な進歩が期待できるからです。熱心な読者の諸兄姉に対して申し上げる必要はないと思いますが、小学生の時に何度も読んで書き写す中で日本語を覚えた、ということを思い出していただければと思います。
英作文も同じです。どんなに優秀な先生に習ったり、どんなに著名な書物を読んだりしても、それだけでは、自分自身が同じように書けるようになるわけではありません。読んで書き写して暗記した、その結果として、文章がスラスラと出てくるようになり、はじめて英作文の実力がつくことになるのです。
本書でBULATS®対策をしながら、同時に簡潔で要領を得た英文を書く力をつけて、ビジネス界で通じる結果を出せる英作文の実力者になっていただきたいと祈念しています。
BULATS®概要
BULATS®ライティングテストの概要は、以下のとおりです。
1正式名称
TheBusinessLanguageTestingService
2テスト内容
図表1
テスト形式 | 記述式 | ||
所要時間 | 45分 | ||
試験内容 | Part1:レター・メモ作成(50~60語) | ||
Part2: 報告書・起案書作成(180~200語) |
3テスト課題
BULATS®では、ビジネスに関連した場面を想定した課題が出題されますが、そのテスト課題の内容は、以下のようになっています。
図表2
テーマ | テスト課題 |
ビジネス一般 | 会議の手配 |
指示出し・意見の上申 | |
賛成・不賛成,要望・討論・推薦 | |
意思決定・正当性説明 など | |
接待 関係構築 | 接待を受ける・断る |
感謝・謝罪 など | |
売買取引 | 価格・納期交渉・合意 など |
製品紹介 アフターサービス | 製品に関する情報提供 |
意見・意向の上申 | |
苦情処理 など | |
成果 | 成果・業績の説明など |
旅行 | 企画・予約・要求・苦情など |
健康 | 人事労務関連 |
その他 | 食べ物・研修・買い物・時事問題 など |
4CEFRレベル
テスト評価はCEFRレベル(6段階)で行われます。CEFR(TheCommonEuropeanFrameworkofReferenceforLanguages)とは欧州評議会(CouncilofEurope)による評価フレームワークです。
本書が目標とするBULATS®のB2とは、CEFRの6段階で上から3番目のレベルです。
公式サイト(http://www.eiken.or.jp/bulats/)にも詳しく説明があるので、合わせてご覧ください。
5B2レベル
本書が目標とするBULATS®のB2レベルの説明は、以下のとおりです。専門分野の技術的議論を含め、抽象的かつ具体的な話題の複雑なテクストの主要な内容を理解できる。
お互いに緊張しないで母語話者と話のやり取りができるくらい流暢かつ自然である。
広汎な範囲の話題について、明確で詳細なテクストを作ることができ、さまざまな選択肢について長所や短所を示しながら、自分の視点を説明できる。
公式サイト(http://www.eiken.or.jp/bulats/)にも詳しく説明があるので、合わせてご覧ください。
6なぜBULATS®のB2を目標とするか
総合商社など一部の企業では、BULATSスコアB2以上の取得が海外駐在員としての赴任要件のひとつとなっています。
実際、私の職場にも、海外駐在が決まったものの英語に自信がなく、BULATS”の対策方法の手がかりも見つけられないまま苦労している先輩や後輩が多くいます。読者のみなさまには、本書をご利用いただき、B2を取得した上で今後海外でビジネス英語の力を十分に発揮しさらなる活躍をされるよう願っています。
重要なポイント
まずは英作文を書く上において重要なポイントを「成功している優良企業」の論
を例に、みなさんと一緒に考えてみることにしましょう。以下に7つの重要ポイントを挙げます。
1構成
英作文を書く上で、構成が最も重要です。
よい英作文とは、主旨と情報の種類が簡潔に記されているものです。文章の構成方法として、主旨を最初に書く演繹法、最後に書く帰納法、そして演繹法で書いて最後にもう一度要点を書く演繹法の3つがあります。
演繹法の構成は、目的と情報の種類を直接的、かつ簡潔に伝えることが可能です。その一方、悪い知らせや微妙な話題に触れる場合など、読者を最後まで連れて行って最後に要点を伝えるという構成内容をもった帰納法が有効な場合もあります。文書を書く相手とその目的・情報の種類によって、構成方法の使い分けが必要となります。
BULATS®のWritingTest(または主に米国のビジネス現場)ではダイレクトに主旨が伝わる演繹法が主流です。最初に、主旨である「要は何か」として目的と情報の種類を書きます。それに続けて、主旨のより詳しい説明を書きます。より詳しい説明を書く際には、情報の大きさ、質、種類によって分類・整理します。
2コンテンツ
構成の次はコンテンツです。
コンテンツについて考えるとき、まず大きな方向性を見定める必要があります。成功している企業について意見を書こうとするのであれば、“そもそも企業とは何か”という大きな視点で多面的に思考します。最近のニュースをいきなり書き始めたりするのは“木を見て森を見ない”印象を与えます。
また、成功している企業というものを考えるとき、それらは新分野での多面展開、時価総額が巨大、M&Aが盛んであるというイメージがあります。しかし事業を多面的に展開し、時価総額が大きければそれで優良会社と結論づけられるかどうかは、疑問と言わざるを得ません。
成功している企業とは、有能な人材がバリバリ活躍し、顧客に歓迎される多様な商品・サービスを日々提供し、その結果収益が上がり、株価が上がり、時価総額が大きくなり、資金力を活かし大きな勝負にも打って出ることができる。さらに、またその結果として、才能ある優秀な人材を潤沢に確保できるという好循環を生み出している。そんな企業こそ、成功している優良企業と言えるのではないでしょうか、言い換今れば、人材活用、新規事業の多面展開、収益・株価へのインパクト等について総合的に論じる視点が大切ということになります。
これらは、労働市場、商品市場金融市場の3要素です。いわゆる“ヒト・モノ・カネ”と言われる3大経営資源です。これでコンテンツの大きな方向性は完成です。以上をチャート化すると以下の通りとなります。
・主旨成功企業とは
・詳しい説明1人材が活躍する
・詳しい説明2良い商品を作る
・詳しい説明3資金の有効活用
3ドラフト
構成とコンテンツの方向性が決まると、実際にドラフトします。例えば、成功している企業A社について論じる場合、
・以下の理由により、A社は優良企業である。
・全世界で数万人に雇用を提供し、有能な人材がバリバリ活躍している。
・魅力的な商品・サービスを次々とクリエイトしている。
・会社の方向性を株主に示し、個人では集められない資金を集め、有効に資金を活用し、株価が上がっている。
この構成で書くのは演繹法です。また、コンテンツは“ヒト・モノ・カネ”の3つの大きな方向性で論じています。
4興味をひきつける文言
文章を書き始めるとき、読者の関心を引くような情報を盛り込みます。
例えば、“A社ではなんとランチが無料です”、“社内のあらゆる所に社長のサイン入りポスターが貼られています”などの意外な情報は効果的です。
5サインポスティング
サインポスティングを活用し、読者に最後まで読んでもらえるような流れを作ります。いわば本の目次のようなものです。
A社がよい会社かどうか評価する場合、優良会社の基本的3つの条件(ヒト・モノ・カネ)を満たしていれば優良会社の評価が与えられます。
次に文章の流れをスムーズにするために、first、second、third、などと書くことでマイルストーンを設定します。
文章の締め括りとして、まとめや要点を簡潔に書いてconclusionとします。
なお、事務連絡を中心とする短いメールの場合、通常はサインポスティングは不要です。接続詞を適宜用いることで流れを作れば十分だからです。ここで述べるサインポスティングは、長い報告書を書く際に使用することをおすすめします。
6客観性
ビジネスレポートでは、一般的にlowkey/客観性をhighkey/主観性より優先することが求められます。
客観性とは事実や数字に基づく情報です。つまり一人称で書くことや感情的な形容詞を避けることです。
有名な教育学者ソーンダイクは、「すべては量的に存在し、量的に存在するものは測定できる」と言っています。教育の分野において量的に測定することは、合理性を高め、教育の効果・効率向上につながったと言われています。
ビジネスの分野でも、教育と同様に、多くの事柄を量的に記述し、合理性を高めることで、その効果・効率向上につなげることができるでしょう。
例えば、主観的なgood/よいという表現から客観的なtonnes/トンと定量的に表現することで、“Potatoes were good this year/今年イモは良かった”ではなく、”In2013 the world production of potatoes was 374milliontonnes. This figure in 2012 was 365milliontonnes./2013年の世界のジャガイモの生産量は374トンだった。2012年のこの数値は365百万トンだった。”と書くことで客観的・具体的ライティングになります。
7語彙のレンジ
実際のビジネスでは必ずしもそうではないのですが、BULATS®WritingTestにおいて広い語彙のレンジを用いた英作文は高く評価されます。
高い評価を得る広い語彙のレンジを用いる方法には、ラテン語やギリシャ語を語源とする単語を用いることに加え、熟語を用いることがあります。
例えば、poor/貧乏ではなくlow socioeconomic status/低社会経済的階級、so/だからではなくaccordingly/したがってを用いて、“One of the main causal factors of suicide is poverty. Accordingly,it follows that suicide can be prevented.
Prevention measures include improvements in economic inequality and social welfare、and the education of parents with low socioeconomic status./自殺の主な要因のひとつは貧困である。従って、自殺は防げるということになります。方法としては落格羊及び社会福祉の改善ならびに低社会経済的階層の親の教育などが挙げられます。
この文章は「困っている人を金銭面・精神面でサポートすれば自殺は減らせる」というごく当たり前の話ですが、広いレンジの語彙が適切に用いられているので説得力のあるライティングに仕上がっており、評価が得られることになるのです。
以上、評価されるライティングに向けての7つのポイントを紹介しました。