視能訓練士self-study 第49回視能訓練士国家試験 問題と解説




【視能訓練士試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)】も確認する

序文

この度、「視能訓練士self-study第49回視能訓練士国家試験問題と解説」が株式会社総合医学社より発行された。

これまで「視能訓練士セルフアセスメント」として、株式会社文光堂より第6版まで発行し、その後、第43回からは毎年追補版として第48回まで発行してきた。また昨年は第43~48回視能訓練士国家試験問題集として、平成25年版の国家試験出題基準に基づいた問題を1冊にまとめ、お届けした。
第49回からは平成31年版の国家試験出題基準に基づいた問題が出題されることとなり、これに伴って本年度は新たに「第49回視能訓練士国家試験問題と解説」を、そして今後は毎年1冊ずつ発行することとした、より学生に使いやすくするため、問題を出題順に配置し、解説は「簡潔かつより分かりやすく丁寧に」を心がけた。また、サイズも小さくし携帯に便利にした。

さて、第49回視能訓練士国家試験は新しい出題基準に基づいて行われたが全体として、前回までと大きな変化はなく、非常に易しかった。新卒の合格率は99。4%となった。近いうちに採用されるであろう必修問題(仮称)を想定して出題しているものと思われる。視能訓練士として、基礎的な内容を問う問題が多いことは喜ばしいことであるが、問題文や選択肢の表現の精度を上げてほしい問題が複数あったのは残念であった。

例えば、午前24問医療面接で患者の話を聴いている態度として、患者の発話を妨げる可能性が高いのはどれかという問題、腕時計を見るという解答は得られるが、耳朶を触る、髪の毛を触るという行為も医療者として患者に不快感を与えることは明らかである。午後6問の身体障害者手帳発行数調査の問題は、なぜ平成26年度の身体障害者手帳発行数調査に限定するのか、国家試験の問題として相応しくないと思われる。午後33問は解答を選択することはできるが、選択肢5のblurpointとは融像性輻湊に加えて調節性輻湊も介入する点であり、調節ができる限界という表現は不適切である。

午後36問は間欠性斜視の種類が記載されておらず、解答を導くことができないため不適切問題となった。午前25問の二重否定、午後47問の網膜内微小血管異常、午後53問の屈折値などの不適切な用語、また、「2つ選べ」の問題は正解が必ず選べるような選択肢であるべきだが、解答が3つになる問題など、問題作成の基本が理解されていないと思われる問題もあった。

しかし、全体として、重箱の隅をつつくような問題はなく、将来臨床でも役立つ基本的な良問が多かった。今後とも学生時代にまじめに勉学に励んできた学生がやりきったと思えるような手応えのある良問を期待したい。

2019年 6月
小林義治 松岡久美子

小林義治 松岡久美子 (編集)
総合医学社 (2019/6/17)、出典:出版社HP

本書の使い方

1.問題の配列
本書には第49回視能訓練士国家試験の全客観式問題の問題・解答が掲載されています。

2.写真問題
・第49回視能訓練士国家試験で使用された「別冊」に掲載された写真は、「図」として各問題ごとに挿入してあります。一部の写真は紙面の都合上、縮小して掲載しています。
・カラー写真とモノクロ写真は、実際の出題通りに掲載しています。

3.○×の定義
・設問全体の解説のほかに、選択肢ごとに、設問に対しての○(正解肢)、×(誤答肢)を付しているものがあります。
・誤っているものはどれか”という問いに対しては、誤っているものが○で、正しいものがXとなっています。

4.出題者の立場で解答
単純択一形式の問題では、明らかな間違いの選択肢を見つけるのではなく、どの選択肢が最もよいかを選ばせるのが良問とされています。従って本書では、出題者の立場に立ち、どの選択肢を最良と考えたかという視点から解説しています。

5.太字について
問題を解くにあたって重要なワードや、さらにその先の知識として重要なワードは太字にしています。

小林義治 松岡久美子 (編集)
総合医学社 (2019/6/17)、出典:出版社HP

凡例

1問題番号の表記
午前と午後の全問題が客観式である第49回は、実際の試験通りに、午前(1~75問)と午後(1~75問)に分けて掲載しています。

2解説
設問全体の解説を示しています。

3解答
設問の解答を示しています。

4○×の定義
選択肢ごとに、設問に対しての○(正解肢)、×(誤答肢)を示しています。誤っているものはどれかという問いに対しては、誤っているものが○で、正しいものが×となっています。

小林義治 松岡久美子 (編集)
総合医学社 (2019/6/17)、出典:出版社HP