自主保全士検定試験公式テキスト
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はじめに
日本プラントメンテナンス協会は、2001年度に製造部門のオペレーターが受け持つ保全の一部の機能や管理技術に焦点をあてて、オペレーターに求められる知識と技能を客観的に評価するための尺度を定めました。
それ以降、この評価尺度に基づき、検定試験および通信教育により認定する「自主保全士」認定制度を実施しています。
この認定制度は、多くの企業において人材育成の一環として広く受入れられ、検定試験受験者と通信教育受講者は累計で約20万人、認定者数も約12万人となりました(2014年度末時点)。このように、本認定制度はこれまで多くの企業の方々に高い評価をいただいておりますが、この数字もわが国製造業に従事する就業者数の数%にすぎません。
このような状況を鑑み、今後さらに多くの企業の方々に、人材育成や技能評価の一助としてこの認定制度を活用していただけるよう、2015年度に検定試験や通信教育の基礎となる基本理念や制度運用上の基準をまとめた「自主保全士基本ガイド」を作成いたしました。
これに伴い、2016年度より、従来から出版しておりました『自主保全士検定試験傾向と対策「学科&実技」を全面的に改訂し、『自主保全士検定試験公式テキスト』を刊行いたします。自主保全士検定試験問題は、本書に準拠して出題されます。
本書は「自主保全士」に関する広範な知識や技能をわかりやすく記述したものであり、検定試験の受験対策書として最適です。「また昨今、製造現場でとくに重視されているリスクアセスメントや労働安全衛生マネジメントシステムなどについて、試験範囲(科目・項目・細目)の項目を追加しておりますが、この項目の見直しにも対応しております。
本書が、自主保全士認定制度のさらなる普及の契機になるとともに、わが国製造業の現場力向上の一助になれば幸いです。
2016年5月
日本プラントメンテナンス協会
『自主保全士検定試験公式テキスト』編集委員会
(ご参考)
本書は、首記「自主保全士基本ガイド」に基づいて作成しておりますので、ぜひ「自主保全士公式サイト」(http://www.jishuhozenshi.jp/)にて、ご一読いただくことをお勧めいたします。
目次
第1章 生産の基本
1 安全衛生
1.1 なぜ安全管理か
1.2 「不安全状態」と「不安全行動」
1.3 安全衛生点検の目的と種類
1.4 「ヒューマンエラー」による不安全行動
1.5 本質安全化
1.6 ハインリッヒの法則
1.7 ヒヤリハット
1.8 KYK と KYT
1.9 指差呼称
1.10 リスクアセスメント
1.11 作業の安全
1.12 工作機械作業における一般的安全方策
1.13 電気機器作業における安全事項
1.14 搬送機器扱い作業に関する安全知識
1.15 酸素欠乏の危険がある場所での作業
1.16 安全パトロール(安全監査)
1.17 安全管理効果の測定(指標)
1.18 労働衛生マネジメントシステム
2 5S
2.1 5Sによる管理
2.2 5Sの説明
3 品質
3.1 品質管理の基本
3.2 QC七つ道具
3.3 QC データの管理
3.4 新QC七つ道具
3.5 抜取り検査
3.6 QC工程表
3.7 品質保全
3.8 ISO
4 工程管理
4.1 作業標準
4.2 作業手順
4.3 生産統制と納期管理
4.4 生産管理
5 職場のモラール
5.1 メンバーシップ
5.2 リーダーシップ
6 教育訓練
6.1 OJTと Off-JT
6.2 自己啓発
6.3 伝達教育
6.4 教育計画
6.5 スキル管理
6.6 教育訓練体系
7 労務管理
7.1 現場の管理
7.2 勤務時間・出勤時間
7.3 残業時間
7.4 年次有給休暇(年休)
8 環境管理
8.1 公害の基礎知識
8.2 3Rの促進
8.3 ゼロ・エミッション
8.4 グリーン購入
8.5 エコマーク (Eco Mark)
8.6 分別回収
8.7 環境マネジメントシステム
第2章 設備の日常保全(自主保全全般)
1 自主保全の基礎知識
1.1 自主保全とは
1.2 自主保全展開の考え方
1.3 保全の分類と役割分担
1.4 製造部門の活動
1.5 保全部門の活動
1.6 自主保全展開の進め方
1.7 自主保全展開のマスタープランと目標設定
1.8 自主保全を成功させるキーポイント
1.9 活動時間
1.10 活動記録
1.11 安全作業の指導
2 自主保全活動支援ツール
2.1 自主保全3種の神器
2.2 エフ
2.3 自主保全ステップ診断
2.4 目で見る管理
2.5 定点撮影(定点管理)
2.6 マップ
2.7 モデル展開
3 事前準備:モデルライン活動
3.1 事前準備の概要
3.2 第1ステップ初期清掃のための事前準備
4 第1ステップ:初期清掃
4.1 初期清掃と基本条件の整備
4.2 設備面のねらい
4.3 人間面のねらい
4.4 安全対策
4.5 初期清掃の効果測定
5 第2ステップ:発生源・困難個所対策
5.1 発生源対策
5.2 困難個所対策
5.3 発生源・困難個所改善のねらい
5.4 人間面のねらい
5.5 発生源・困難個所改善のポイント
5.6 指導と援助のポイント
5.7 安全の確保
5.8 発生源・困難個所対策の効果測定
6 第3ステップ:自主保全仮基準の作成・
6.1 基準を守るためには
6.2 守るべきことは自分たちで決める
6.3 基準書をつくるということは
6.4 人間面のねらい
6.5 清掃・給油の目標時間と改善
6.6 基準書作成のポイント
6.7 第3ステップの給油点検の進め方
6.8 給油時の安全確保
6.9 指導と援助のポイント
6.10 自主保全仮基準書作成の効果測定
7 第4ステップ:総点検
7.1 総点検の目的
7.2 総点検の必要性
7.3 総点検のねらい
7.4 総点検の展開手順
7.5 目で見る管理
7.6 知識・理屈に裏付けられた五感
7.7 総点検項目ごとの歯止め
7.8 点検スキルチェック
7.9 総点検の効果測定
8 第5ステップ:自主点検
8.1 設備面のねらい
8.2 人間面のねらい
8.3 基準書の見直し
8.4 目で見る管理の徹底
8.5 保全部門との点検・給油の分担を明確化
8.6 診断の際の要点
8.7 自主点検の効果測定
9 第6ステップ、第7ステップの解説
9.1 第6ステップ:標準化
9.2 第7ステップ:自主管理の徹底
第3章 効率化の考え方とロスの捉え方
1 TPMの基礎知識
1.1 TPM の生い立ち
1.2 TPM の定義
1.3 TPM の基本理念
1.4 TPMのねらい
1.5 TPMの特色
1.6 TPM の効果
1.7 活動の8本柱
2 ロスの考え方
2.1 生産活動の効率を阻害する16大ロス
2.2 操業度を阻害するロス
2.3 設備の効率化を阻害するロス
2.4 人の効率化を阻害するロス
2.5 原単位の効率化を阻害するロス
3 設備総合効率
3.1 設備総合効率
3.2 時間稼動率
3.3 性能稼動率
3.4 良品率
4 装置の8大ロスとプラント総合効率
4.1 プラントの8大ロス
4.2 プラント総合効率
5 故障ゼロの活動
5.1 故障ゼロの考え方
5.2 故障ゼロへの5つの対策
5.3 保全用語の理解
6 保全方式
6.1 生産保全 (PM: Productive Maintenance)
6.2 事後保全 (BM: Breakdown Maintenance)
6.3 予防保全 (PM: Preventive Maintenance)
6.4 定期保全 (時間基準保全) (TBM : Time Based Maintenance)
6.5 予知保全(状態基準保全) (CBM : Condition Based Maintenance)
6.6 改良保全 (CM: Corrective Maintenance)
6.7 保全予防 (MP:Maintenance Prevention)
第4章 改善・解析の知識
1 改善・解析手法
1.1 QC ストーリー
1.2 なぜなぜ分析
1.3 PM 分析
1.4 作業改善のためのIE手法
1.5 段取り作業の改善
1.6 価値分析と価値工学
1.7 FMEA と FTA
第5章 設備保全の基礎
1 設備保全の基礎
2 締結部品
2.1 ボルト・ナットの機能
2.2 ゆるみ止め
2.3 キー・ピン・コッターと点検ポイント
3 潤滑
3.1 潤滑の機能
3.2 潤滑剤の種類
3.3 潤滑剤の劣化
3.4 作動油
3.5 潤滑機器の点検
4 空圧
4.1 空圧の特徴
4.2 空気圧装置の基本構成
4.3 空気圧機器
4.4 空気圧機器の保全
5 油圧
5.1 油圧の特徴
5.2 油圧装置の基本回路と構成
5.3 油圧機器の種類
5.4 油圧機器のメンテナンス
5.5 油圧配管
6 駆動・伝達
6.1 電動機
6.2 軸受
6.3 歯 車
6.4 ベルト伝動装置
6.5 チェーン伝動装置
7 電 気
7.1 電気とは
7.2 電気回路の基本構成
7.3 電気の種類
7.4 接地(アース)と漏電
7.5 電気の測定
7.6 電気制御
7.7 検出機器(センサー)
7.8 電気制御系統の機能とチェックポイント
8 測定機器
8.1 長さの測定機器
8.2 角度の測定機器
8.3 温度の測定機器
8.4 回転計
8.5 流量計
8.6 振動計
9 改善作業に使用する機器・材料
9.1 工作機械
9.2 電動工具
9.3 その他の工具
9.4 金属の結合
9.5 改善に必要な材料
9.6 金属材料
9.7 非鉄金属材料
9.8 金属材料記号の見方
9.9 非金属材料
9.10 接着剤
9.11 その他の非金属材料
10 図面の見方
10.1 製図の重要性
10.2 投影法
10.3 基本的な寸法記入法
10.4 表面性状と表面粗さ
10.5 寸法の許容限界
◆索引