2020 ネットワークスペシャリスト 「専門知識+午後問題」の重点対策 (重点対策シリーズ)




まえがき

2009年(平成21年)から実施されたネットワークスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験の中でも、古い歴史をもつ試験の一つです。

情報処理技術者試験は、1969年(昭和44年)から1種、2種という二つの試験区分から開始されました。その後、特種、システム監査が追加され、1988年(昭和63年)にはオンライン情報処理技術者試験が加えられました。ネットワークスペシャリスト試験は、オンライン試験の流れを受け継ぐ試験です。

オンライン試験の時代には、出題の中心は待ち行列問題などでした。この試験は、1993年(平成5年)まで実施され、その6年間における累計の応募者数は228,255名、受験者数は116,205名、合格者数は5,648名、合格率は4.9%にすぎませんでした。1993年に試験制度が改正され、1994年(平成6年)からオンライン試験は、ネットワークスペシャリスト試験として実施されることになりました。

オンライン試験では計算問題が大半でしたが、ネットワークスペシャリスト試験では記述式の問題が多くなり、出題内容も、WAN技術から、LANやTCP/IPなどの技術へと変化してきました。

その後、試験制度の改正に伴い、ネットワークスペシャリスト試験は、2001年(平成13年)からテクニカルエンジニア(ネットワーク)試験に名称を変更して実施されることになりました。

なお、1994年から2000年までの7年間における累計の応募者数は335、211名、受験者数は180、034名、合格者数は11、068名、合格率は6.1%でした。このネットワークスペシャリスト試験でも、オンライン試験と同様に、合格することは極めて難しい試験であったといえます。

テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験は、2001年(平成13年)から2008年(平成20年)までの8年間にわたって実施されました。その間の累計の応募者数は325,206名受験者数は191,094名、合格者数は16,960名、合格率は8.9%です。テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験は、2005年以降、合格率が11~12%台で推移するようになりましたが、8年間を平均すると、相変わらず難しい試験であったといわざるを得ません。

2009年(平成21年)に第1回の試験が行われたネットワークスペシャリスト試験は、従来のテクニカルエンジニア(ネットワーク)試験の延長線上にある試験です。そこで、本書では、過去の試験で出題された問題を分類し、頻出の技術テーマごとに体系化しました。

そして、その技術に対応する演習問題を解いて理解度を深めていくような構成にしたので、試験対策として有効に活用できると思います。本書をうまく利用して学習に励まれ、合格という栄冠を手に入れられることを心からお祈りしています。

長谷和幸

目次

まえがき

第1部 ネットワークスペシャリスト試験の出題ポイント
・第1章 出題傾向分析
・第2章 学習方法
・第3章 本書の使い方

第2部 午前II(専門知識)試験の対策ポイント

第3部 午後問題の重点対策
・第1章 午後試験に対する取組み方
1.1試験問題への対応方法
1.2答案の作成方法
1.3答案作成の具体例
1.4午後II試験問題の解き方

・第2章 LANの方式
2.1伝送媒体とアクセス制御方式
2.2無線LAN(IEEE802.11)
2.3ADSLとFTTH
2.4PPPPPPoE

・第3章 IPとTCP/UDP
3.1IPアドレスとルーティングテーブル
3.2アドレス変換
3.3IPマルチキャスト
3.4DHCP
3.5VRRP
3.6IPv6
3.7TCPとUDP

・第4章 DNSの仕組み

・第5章 電子メールの仕組み

・第6章 アプリケーションプロトコル
6.1HTTPとクッキー情報
6.2FTP
6.3SNMP.
6.4NTP

・第7章 VoIP

・第8章 ネットワーク機器
8.1ブリッジとルータ
8.2ルーティングプロトコル
8.3LANスイッチ
8.4NASとSAN
8.5IP-VPNと広域イーサネット

・第9章 ネットワークセキュリティ
9.1暗号化技術
9.2認証技術
9.3ファイアウォールとIDS
9.4IPsec.
9.5SSL/TLS
9.6その他のセキュリティプロトコル

・第10章 ネットワークの設計・運用
10.1ネットワークの設計構築
10.2ネットワークの運用管理

索引