新・フードコーディネーター教本2020: 3級資格認定試験対応テキスト




『新・フードコーディネーター教本』刊行にあたり

日本フードコーディネーター協会は1994年(平成6年)に設立し、2019年に創立25年を迎えました。

この間、3級、2級資格試験制度に続き、2011年には1級資格試験を設け、現在、有資格者は3級6万5540人、2級1681人、1級98人、また個人会員、企業会員、認定校は合計1000近くの規模に拡大しています。このような発展は、協会会員の皆さま、認定校の教職員の皆さま、協会理事・委員、事務局の方々のご尽力の賜物とあらためて感謝申し上げる次第です。

3級資格認定試験の教材として、認定校のテキストとして多くの方々にご活用いただいているこの『フードコーディネーター教本』は、1998年に初版を刊行し、その後、マイナーチェンジを続けてきました。食を取り巻く環境は絶え間なく変化し、フードコーディネーターに求められる役割も変わりつつあります。こうした時代の変化から、フードコーディネーターとして身につける知識や技術も新たにしていく必要があると考え、2020年度版から内容を大幅に改訂し、『新・フードコーディネーター教本』として刊行することになりました。

朝日新聞社発行の現代用語辞典『知恵蔵』では、「特定非営利活動(NPO)法人日本フードコーディネーター協会では1級から3級の資格認定を制度化しており、その社会的認知の促進と地位の向上をめざしている」と紹介されています。当協会の資格試験に合格し、活躍している方々の多くは、食の「開発」「演出」「運営」のいずれかの分野に携わっています。

また、特定分野の専門家でありながら、さまざまな分野のスペシャリストと連携・協力し、食生活・食ビジネスの改善と新たな食生活・食ビジネスを提案・創造する食のトータルクリエーターとして活躍されている方も数多くいます。そこで、当協会では創立25周年を機に、フードコーディネーターを、『新しい食の「ブランド」「トレンド」を創る、食の「開発」「演出」「運営」のクリエーター』と定義しました。

当協会は、今後もよりいっそう、フードコーディネーターの社会的認知の促進と地位の向上をめざし、さまざまな改革を進めていく所存です。

最後に、『新・フードコーディネーター教本』の刊行にあたり、ご執筆いただいた理事の方々、第2章・第3章の監修をしてくださった実践女子大学名言教授の田島真先生、貴重なご助言をくださった全国調理師養成施設協会の事局長・大崎久美子さま、また協会事務局の皆さまに厚く御礼申し上げます。

2019年12月
特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会 理事長 高城孝助

日本フードコーディネーター協会 (著)
出版社: 柴田書店 (2020/1/20)、出典:出版社HP

フードコーディネーターとは何か

フードコーディネーターとは、新しい食の「ブランド」「トレンド」を創る食の「開発」「演出」「運営」のクリエーターです。

食の開発
食品メーカーの商品、飲食店・給食サービスのメニュー、地場産品を使用した行政・農林水産業団体の商品・メニュー、卸・小売業のPB商品、家庭向け弁当、食の新しいサービス・食べ方、食品の販路・顧客の開拓、店舗・厨房デザイン、観光業の食プログラム、新しい教育プログラム・カリキュラムなど

食の演出
食品・飲食店などのパブリシティ制作(メディアの選定・コーディネート、写真撮影にかかわるスタイリング・空間コーディネートなど)、食関連の記事作成、飲食店などの空間コーディネート、イベントなどの運営、食品の売り方・陳列手法の提案など

食の運営
レストラン・飲食小売業、少子高齢社会など時代に合った食の新業態・運営手法の開発、料理教室、フードコーディネーター教育・育成スクール、食育プログラム、地産地消プログラム、道の駅・農産物直売所など

日本フードコーディネーター協会 (著)
出版社: 柴田書店 (2020/1/20)、出典:出版社HP

目次

文化 食文化
第1章 食の歴史と文化と風土
第1節 概説
第2節 日本料理
第3節 中国料理
第4節 西洋料理
第5節 その他の国の料理

第2章 食品・食材の知識
第1節 概説
第2節 肉
第3節 魚
第4節 豆・大豆・大豆製品
第5節 野菜・キノコ・海藻
第6節 乳・乳製品・卵
第7節 穀物
第8節 酒・ドリンク類
第9節 調味料・香辛料
第10節 加工食品

第3章 調理方法と調理機器
第1節 概説
第2節 調理器具
第3節 調理の基本
第4節 菓子及びパン

科学 健康と栄養と安全
第4章 厨房の基礎知識
第1節 概説
第2節 前提条件・基本方針の決定
第3節 厨房の基本レイアウト
第4節 厨房の生産システム
第5節 厨房の設計
第6節 厨房機器の種類と特徴
第7節 厨房図面の作成
第8節 建築・設備面における厨房計画

第5章 健康と栄養
第1節 概説
第2節 栄養素のはたらき
第3節 6つの基礎食品群
第4節 食生活と健康づくり

第6章 食の安全
第1節 概説
第2節 衛生微生物
第3節 経口伝染病とその他の病気
第4節 食中毒
第5節 寄生虫
第6節 食品異物
第7節 食品添加物
第8節 食品の腐敗
第9節 食品衛生対策
第10節 食品の品質表示制度
第11節 食物アレルギー

用語解説

デザイン・アート 食環境デザインと芸術的創造性
第7章 食空間のあり方
第1節 食空間とは
第2節 食空間の分類
第3節 家庭の食空間

第8章 食空間と内装デザイン
第1節 食空間の意義
第2節 外食産業の歴史に見る食空間の歴史
第3節 今後の食空間のあり方
第4節 レストランの空間の設計実務

第9章 食空間とテーブルコーディネート
第1節 テーブルコーディネートとは
第2節 テーブルコーディネートの基本的理論
第3節 食空間の構成洋食
第4節 食空間の構成和食
第5節 食空間の構成中国料理

第10章 テーブルマナーとサービス
第1節 概説
第2節 テーブルマナー
第3節 サービスマナー
第4節 プロトコール
第5節 席次

経済・経営 経済的概念と食関連事業経営実務
第11章 フードマネジメント
第1節 概説
第2節 現代の食事形態と食市場
第3節 マーケティングの基礎知識
第4節 経営の基礎知識
第5節 経営の計数管理
第6節 財務諸表

第12章 メニュープランニング
第1節 概説
第2節 メニュープランニングの流れ
第3節 トレンドの読み方
第4節 食品流通とメニュープランニング
第5節 メニュープランニングのチェックシート
第6節 メニューの原価と価格設定
第7節 メニュー競合店調査
第8節 メニュープランニングの事例
第9節 レストラン以外の商品開発

第13章 食の企画・構成・演出の流れ
第1節 概説
第2節 食の企画の流れ
第3節 食の企画の例 事例集
第4節 企画提案に必要なスキル
第5節 企画書を立案するうえで必要な項目
第6節 オリエンテーションや依頼内容のチェック
第7節 ビジネス企画書の基本構成

フードコーディネーター資格認定試験 資格試験の流れ
日本フードコーディネーター協会・事務局連絡先
索引掲載図表一覧

日本フードコーディネーター協会 (著)
出版社: 柴田書店 (2020/1/20)、出典:出版社HP