技術士第二次試験 合格する技術論文の書き方 【第2版】 (国家・資格シリーズ 382)




はじめに(新試験制度を折込み新規改訂)

新試験制度は、2019年に改正され2019年7月15日に筆記試験が実施されました。今回は、筆記試験の実施を確認して最新情報を折込みました。新試験制度に重きを置いて改訂していますので、より良い参考書になったと自負しています。

さて技術士試験制度は、2007年(平成19年)2013年(平成25年)2019年と6年ごとに改正されています。2018年までは筆記試験の必須科目で択一式が実施されていました。2019年度からは筆記試験すべてが記述式で実施されています。その他では、選択科目の統廃合や名称変更が実施されました。

さらに技術士試験制度の在り方が海外の動向を合わせ論議され、技術士にコンピテンシー(資質能力)が求められています。特に、問題解決能力と課題遂行能力が重視されることになり、ますます難易度が増しています。

これから技術士試験を受験される技術者の皆さんが一人でも多く合格して頂きたいと考え、この本は、最速合格するためのテクニック本としています。

JES技術士セミナーには、極めて多くの受講生が参加されています。受講生は、北は北海道から南は九州 沖縄(宮古島)まで広い範囲から集まっています。遠隔地の人は、夜行バス 飛行機で上京し前泊で参加されています。さらに海外からは、インターネットセミナーに参加されています。

これら多くの人が、東京都北区で開催するセミナーに参加されるのは、ひとえにJES技術士セミナーの解り易さと最も効果的な攻略法により挑戦することで最速合格できるからです。

しかしながら、スケジュールが合わない人や高額の交通費の関係で参加できない人がいるのも事実です。一人でも多くの人に、JES技術士セミナーを味わって頂こうと最速合格できるテクニックを公開することにしました。

今回は、セミナーの全容を網羅するなどVR(仮想現実)的に記述、表現化を試みました。こうして完成したのがこの書籍です。この書籍を読まれた人が、一人でも多く技術士試験に合格されることを著者一同切に願っております。

執筆者代表 坂林和重

足立 富士夫 (著), 小西 和洋 (著), 坂林 和重 (著)
出版社: 弘文社; 2版 (2019/11/10)、出典:出版社HP

本書の活用法

本書は、技術士第二次試験にチャレンジしようとする技術者の皆さんを対象に、技術士筆記試験に合格できる論文の書き方について説明しています。特に、試験問題からキーワードを抽出し、解答論文への論点の絞り込みを行い、文章への展開を具体的に示しております。

本書は、毎日行っている業務でも使用できるように、技術報告書や技術提案書、業務日誌など、技術論文などの書き方の要点を示し、論文記述の共通点である「論文の書き方」を説明します。技術士第二次試験の解答論文の書き方を示し、高得点論文作成法をまとめたものです。

技術士第二次試験の試験対策は、準備の良し悪しが合否に直結します。したがって、具体的な準備の内容を説明し、試験時、試験後にどのような注意点があるかを説明しています。

平成31年(2019年)度から技術士第二次試験の試験制度見直しが決定し、必須科目は択一問題から論文記述問題に変更されます。したがって、論文の書き方の重要性が高まりました。本書の内容を理解し、あらゆる文書試験(他の国家試験や昇進試験)にも対応し、合格レベルの内容に仕上げられる要点を示していますので熟読してください。

足立 富士夫 (著), 小西 和洋 (著), 坂林 和重 (著)
出版社: 弘文社; 2版 (2019/11/10)、出典:出版社HP

本書の構成

本書は、第1章から第7章で構成しております。この7つの章を大きく3区分し、第1章から第3章は、技術士第二次試験における論文に対し、次のようにまとめました。
1. 分かりやすい論文とはどのような論文か
2. 試験論文の基本的な事項と合格論文の内容
3. さらに高得点が得られる論文に仕上げる方法

第4章と第5章は、過去問題分析によるキーワード学習の内容と文章の心得を10か条にまとめています。第6章と第7章では、技術士第二次試験の試験対策と試験時、試験後の注意点を示し、最後にキーワードの事例を6部門掲載しています。また、令和元年度の必須科目の解答例と選択科目についても過去問題を解答し論文の書き方の実例を示し試験対策として活用できるようにしました。

以下に各章ごとに説明します。

第1章 分かりやすい文章の書き方
「技術士論文とは相手に分かりやすい論文」の必要性を説明しています。分かりやすい論文を書くときに気をつけるべき事項をまとめました。

第2章 技術士論文作成の基本事項
本番に役に立つ項目を示し、技術士論文で評価が得られる論文とはどのような論文かを示しています。

第3章 技術士論文作成の注意確認事項
論文の具体的な内容を示し、注意事項をまとめ、合格論文の内容を示しました。さらに合格点が得られる論文に仕上げる方法についてもまとめました。

第4章 過去問題分析によるキーワード学習の重要性
3つの技術部門の過去問題から、キーワードを抽出しキーワード分析の具体的結果を載せています。

第5章 伝わりやすい文章の心得10カ条
文章を書くときに注意しなくてはならないこと、心がける項目を心得10カ条にまとめています。

第6章 技術士試験 準備編・実践編
技術士第二次試験の準備と実践を実例とともに示しました。これから技術士第二次試験を受験される方は、この項目に示した内容を理解して準備し、実践で活用していただきたい内容です。

第7章 技術士試験(3部門)論文の書き方の実例
論文の書き方を説明します。キーワードの事例を6部門それぞれに300個を取りあげております。また、建設部門、機械部門、電気電子部門の3部門の解答論文の書き方を実例として説明しています。平成29年度の過去問題から解答用紙への書き方を順序に沿って書いていますので、参考にできる内容となっています。

足立 富士夫 (著), 小西 和洋 (著), 坂林 和重 (著)
出版社: 弘文社; 2版 (2019/11/10)、出典:出版社HP

目次

第1章 分かりやすい文章の書き方
1 技術士論文とは分かりやすい論文
2 問題配布から論文の書き始めまで
3 論文を書き始めてからの心構え
4 論文を書き終えてからの確認

第2章 技術士論文作成の基本事項
1 技術士論文とは
2 技術士論文は設問に忠実に答える
3 解答論文作成のプロセス
4 論点の絞り込みについて
5 質問内容と結論が一致しているか
6 顧客満足論文の原則
7 見栄えの良い論文
8 技術士論文にふさわしい考え方
9 受験申込書と業務内容の詳細な書き方

第3章 技術士論文作成の注意確認事項
1 論文構成と文字量の考慮
2 あいまいな表現は避ける
3 答案で避けたい表現
4 解答論文は図・表と数値で示す
5 短い文での書き方
6 論文作成の基本
7 高得点を得る論文構成
8 推敲でさらに高得点

第4章 過去問題分析によるキーワード学習の重要性
1 過去問題分析の概要

<建設部門>
2-1 建設部門の過去問題 平成26年度~令和元年度の選択科目Ⅲでのキーワードと絞り込み条件
2-2 建設部門の過去問題分析の重要性について選択科目Ⅲでの検討
2-3 キーワード分析結果から論文作成への具体的な展開

<機械部門>
3-1 機械部門の過去問題 平成26年度~令和元年度の選択科目Ⅲでのキーワードと絞り込み条件
3-2 機械部門の過去問題分析の重要性について選択科目Ⅲでの検討
3-3 キーワード分析結果から論文作成への具体的な展開

<電気電子部門>
4-1 電気電子部門の過去問題 平成26年度〜令和元年度の選択科目Ⅲでのキーワードと絞り込み条件
4-2 電気電子部門の過去問題分析の重要性について
選択科目Ⅲでの検討
4-3 キーワード分析結果から論文作成への具体的な展開

第5章 伝わりやすい文章の心得10カ条
第1条 文章は書くときよりも、書く前の準備に時間をかける
第2条 文章は巧みさでなく、情報の中身のよさで納得させる
第3条 分かりにくい言葉は、最初に定義しておく
第4条 「これ」「それ」「あれ」「ここ」「そこ」は具体的な言葉に置き換える
第5条 「さらに」「次には順序の関係を明確にする
第6条 最初はすべての文章に主語を入れてみる
第7条 「もの」や「こと」を使わないようにすると文章が明確になる。
第8条 論文展開はパターンに当てはめて説明する
第9条 文章を書き終えたら5W3Hで内容を確認する
第10条 推敲するときは、「だから、どうした」と自問自答する

第6章 技術士試験準備・実践編
1 キーワード学習は過去問題の分析から
2 三分割展開法でのキーワードの作り方
3 勉強方法について
4 試験準備の確認
5 試験当日に行うこと

第7章 技術士試験(3部門)論文の書き方の実例
1 論文の解答方法とキーワード事例
2-1 建設部門 必須科目解答例
2-2 建設部門 選択科目 論文実例
3-1 機械部門 必須科目解答例
3-2 機械部門 選択科目 論文実例
4-1 電気電子部門 必須科目解答例
4-2 電気電子部門 選択科目 論文実例

あとがき
参考資料

足立 富士夫 (著), 小西 和洋 (著), 坂林 和重 (著)
出版社: 弘文社; 2版 (2019/11/10)、出典:出版社HP