過去問で効率的に突破する! 最新版「中小企業診断士試験」勉強法 (DOBOOKS)




はじめに

中小企業診断士試験をはじめとして、世の中にはさまざまな試験がありますが、試験に合格する人には三通りのパターンがあると考えられます。

①飛び抜けて頭がよい
②他人の何倍も勉強した
③効率的な勉強をした

ひとつ目は、飛び抜けて頭がよく、一度読んだ文章は忘れず、数字を見ただけで計算結果がわかるような人です。二つ目は、他人の何倍も、何十倍も勉強する人です。寸暇を惜しみ、夜は遅くまで、朝は早くから机に向かい、努力することのできる人です。実際に試験に合格する人には、これら二つのパターンに入る人が多いように思います。

しかし世の中には、さほど頭がよいわけではなく、勉強も人並みにしかしていないのに、難関といわれる試験にパスする人が、少なからず存在します。それが三つ目のパターンである、効率的な勉強をする人です。

もし、あなたが①に属するならば、この本を読む必要はありません。私などがアドバイスしなくても、きっと合格されることでしょう。また、あなたに時間があり余っていて、②を目指したいといわれるなら、それを止めるつもりはありません。他人の十倍の勉強をすれば、大抵の試験は合格できると思います。しかし、あなたが①や②ではなく、③を目指したいということであれば、その方法を余す所なく解説いたしますので、ぜひ読んでみてください。

念のために申し上げますが、これは、まったく努力しなくても合格できるという意味ではありません。効率的とはいえ、勉強をするには努力が必要です。しかし、時間ばかりかけて勉強する方法に比べれば、はるかに少ない努力で、しかも確実に合格することができます。いわば、徹底的にムダを排除して、最短で合格するための勉強法です。

私が中小企業診断士試験の勉強を始めたのは4月に入ってからで、8月の1次試験までは、4ヶ月しかありませんでした。簿記の知識は多少あったものの、それ以外、仕事も診断士試験に関連するような内容ではなく、基礎知識のほとんどない状態からのスタートでした。予備校のカリキュラムに1次試験、2次試験を突破し、わずか半年余りの勉強で合格することができました。

私が本書で紹介する効率的な勉強法を始めたのは、高校時代です。「どうすれば余計な時間をかけずに確実に受験を突破できるか」を徹底的に研究した結果、志望校に現役で合格することができました。その後、しばらく勉強のブランクがありましたが、資格取得を目指すようになり、当時の方法がそのまま利用できることがわかったのです。なお、診断士試験合格後は、税理士試験にも挑戦し、約二年半で税理士資格を取得できました(試験には一度も落ちませんでした)。

まれに、「難関試験に合格できるのは、生まれつき頭がいいからだ」といわれることがあります。しかし、これまでさまざまな勉強法を研究してきたことで確信したことがあります。それは「試験の合否を左右するのは、頭の良し悪しではなく、効率的な勉強法を知っているかどうか」ということです。

特に、中小企業診断士のように出題範囲が広い試験で、戦略もなく、やみくもに勉強していては、いくら時間があっても足りません。診断士試験に臨む方こそ、効率的な勉強法を実践する必要があるのです。私の勉強法はさまざまな資格に応用できる方法なのですが、その中でも特に中小企業診断士の試験に適した方法であると確信しております。

本書ではまず、どんな試験でも最短コースで合格できる必勝パターンを明らかにしていきます。ですから、あなたが他の資格取得も考えているのであれば、その際にも役に立つことと思います。
その後、必勝パターンを応用して、どうすれば診断士試験に合格することができるのかを、具体的に説明していきます。

本書が、皆さんの診断士試験合格のお役に立てることを、心より念じております。

令和元年12月
斎尾裕史

斎尾 裕史 (著), 日野 眞明 (監修)
出版社: 同文舘出版; 最新版 (2019/12/4)、出典:出版社HP

過去問で効率的に突破する! 最新版「中小企業診断士試験」勉強法 もくじ

はじめに

1章 どんな試験でも合格できる必勝法
資格試験をつくる人は、何を考えているのか?
そもそも試験勉強をするのは何のため?
求められている知識・能力は出題者が教えてくれる
自分はどれくらい「できない」のか?
点数を伸ばす、唯一の方法
中小企業診断士試験の概要
コラム1 これからのビジネスはファンタジー?

2章 過去問100%活用勉強法
何はともあれ、過去問から
テキストの通読で、過去問の解説が読めるレベルに押し上げる
本格的な勉強は、過去問研究から
受験勉強は、足りない知識・能力を埋めるだけ
仕上げは模擬試験、本番と思って臨め
コラム2 資格取得は戦略的に短期決戦で勝負しろ!

3章 暗記が苦手な人のための試験戦略
受かる勉強法、落ちる勉強法
ノートは「流れを理解する」ためだけに使う
暗記のゴールデンタイムを最大限に活用する工夫
効率的な暗記のための三段階
暗記アイテムをつくろう
暗記の「ベスト・コンディション」で試験に臨む
あなたにとってベストな方法がある
勉強する環境もベストを尽くす
コラム3 頼られるかバカにされるかどちらか

4章 1次試験最短合格のコツ
どの科目を優先的に勉強すべきか
暗記科目はどこまで覚えれば受かるのか
科目別勉強法1「経済学・経済政策」
科目別勉強法2「財務・会計」
科目別勉強法3「企業経営理論」
科目別勉強法4「運営管理」
科目別勉強法5「経営法務」
科目別勉強法6「経営情報システム」
科目別勉強法7「中小企業経営・中小企業政策」
コラム4 もっと観察力を磨け!

5章 2次試験に一発で合格するには
2ヶ月の勉強で2次試験に合格できるか?
2次試験で試される能力とは?
なぜ過去問が重要なのか
模範解答は比較検討せよ!
出題者の模範解答はひとつしかない
出題者はどのように問題をつくっているのか?
ヒントはひとつの設問に対応している
SWOT分析から始めるな!
切り分けた文章は、図示して整理する
全体を見てから答案を書き始める
強み・弱みの問題は、キーワードを探せ!
新規事業を問われたら?
中学生でもわかる文章を書く
多くのことを詰め込まない
因果関係のハッキリした文章を書く
主語より述語に気をつけろ!
「文」ではなく「名詞句」で答える
文字数がオーバーしたとき、苦労しない書き方
自分の文章を他人に読んでもらう、100字で要約する
事例IVは練習量で勝負
事例IVを攻略する
経営指標かんたん判定フローチャート
コラム5 「飲む、打つ、買う」ができて一人前

6章 試験当日、あと10点を稼ぐ方法
1点でも多く稼ぐための受験アイテム
試験会場に持って行くべきもの
合否を分ける試験当日のちょっとした工夫
口述試験に落ちるのはどんな人か?
コラム6 「中小企業の時代」にベストパートナーになる

巻末 2次試験解答のプロセス

斎尾 裕史 (著), 日野 眞明 (監修)
出版社: 同文舘出版; 最新版 (2019/12/4)、出典:出版社HP