BJTビジネス日本語能力テスト 公式 模擬テスト&ガイド
はじめに
●日本語を一通り勉強した。この力を日本の企業で生かしたい。
●日本のビジネス社会や企業とかかわって仕事をする必要がある。
●自分の日本語コミュニケーション能力を試したい。
このような気持ちを持っている人に必要なのが本書です。本書は、BITビジネス日本語能力テスト(以下、BJT)を受ける人のために書かれた本です。受験にあたって、模擬テストを解いて実際のテストの練習ができるようにしてあります。しかし、本書の意義はそれだけではありません。
そもそも、外国の人が日本のビジネス社会で働くには、いくつかのハードルがあります。1つは言うまでもなく言葉、日本語のハードルです。そのハードルをクリアしたとき、次に待っているのは、ビジネスコミュニケーションの問題や、日本のビジネス習慣や文化的背景にかかわる問題です。特に、ビジネス習慣は、人間関係を重視した面が強く、会得するまで時間がかかるものです。しかし、日本のビジネス社会で生きていくには、そうした難しい問題にも対応できる力が必要です。
BJTは、それらの力を分析し、必要な能力を分解して出題するようにしています。そして、本書はその能力を認識できるようにも作られています。したがって、本書で模擬テストを練習することは、本テストの対策になるのはもちろんですが、それ以外に、日本のビジネス社会で生きていくノウハウを身につけることにもつながるのです。
模擬テストを解いて、解説を読めば、日本のビジネス社会で必要とされる考え方、行動の発想、現実的な技術を理解できるようになっています。本書を読んで、日本のビジネスコミュニケーションやビジネス社会のことを理解してくださる人たちが増えれば、国際的な相互理解も深まります。
本書は、BJTの受験者の学習の指針となると同時に、国際的なコミュニケーションの円滑化に貢献できることを目指しているのです。
目次
はじめに
本書の構成と使い方
BJTビジネス日本語能力テスト 模擬テスト 問題
模擬テストを体験しよう
第1部 聴解テスト
セクション1
セクション2
セクション3
第2部 聴読解テスト
セクション1
セクション2
セクション3
第3部 読解テスト
セクション1
セクション2
セクション3
解答用紙
巻末付録
What’s the BJT?
1.BJTビジネス日本語能力テストの意義・役割
2.ビジネス日本語能力とは
3.BJTで測定する能力
4.テストの形式(問題構成・出題形式)
5.BJTの出題内容
6.BJTの採点方式
7.BJTのスコアとレベルの意味
音声ファイルダウンロードの方法
BJT受験のすすめ
解答・解説
本書の構成と使い方
本書の内容は大きく3つの部分から成ります。第1は、模擬テストの部分です。実際の本テストは、コンピュータ端末で受験する仕組みになっています。模擬テストは、本テストを受けるにあたって、紙の上ではありますが、体験してもらうためのものです。テストの流れや出題の形式、選択肢の示し方などを知ってもらって、本テストをできるだけイメージしてもらえるようにしています。
第2は、BITについて案内している部分です。ここでは、テストの意義、テストがどのような考え方に基づいて出題されているのかなどについて、まとめて説明しています。また、本テストを受験する際に、気をつけるとよいことなども説明しています。
第3は、別冊です。模擬テストの各問題について、解くときの考え方や注意、正答とその解説を述べています。そして、BJT受験のためのアドバイスについても述べています。なお、本書には模擬テストに使う音声CDがついています。模擬テストを体験する際に、これを使うことで、本テストに近い形で問題を解くことができます。
本書の使い方としては、まず、BITがどういうものかを知るために、模擬テストからスタートしてください。付属の音声CDを再生し、模擬テストの問題を解いてください。解答用紙も用意してあります。解答が終わったら、答え合わせをしましょう。その結果で、自分の力がどの程度あるのかを知ることができます。
また、採点をしたあとで、改めて別冊の解説を読んでください。解説には、その問題がどういう意味を持っているか、その問題を解くときにどういう点に注意すべきかなどについても書いてあります。それを読むことで、間違った問題は当然のこと、正解した問題についても新たな知識が得られるはずです。
さらに、別冊の受験のためのアドバイスを読んで、受験にあたっての心構えや普段から学習しておきたいことを勉強しておきましょう。
模擬テストを体験しよう
ここからが模擬テストです。本テストと同様、第1部~第3部に分かれて、全体で80問から成ります。実際のテストは、コンピュータの前に座って受験するCBT方式(Computer Based Testing)で行われます。その点、本書では、紙面で問題を見て、筆記用具を使って解答するという違いがありますが、内容的には本テストと同様のものが用意されています。
以下、実際に模擬テストを体験するための方法を説明します。
(1)音声データの準備をする。
このテストを解くには、音声が必要です。次の1か2の方法で音声を聴けるようにしてください。
①付属の音声CDを、CDプレーヤーかパソコンで再生する。
②オーディオブック配信サービス「FeBe」で音声データをダウンロードして再生する(94ページ参照)。
(2)解答用紙を準備する。73ページに「解答用紙」がありますので、切り取るかコピーをして、解答を書き込めるように準備してください。
(3)13ページを開いて、音声を再生し、第1部と第2部の問題を解く。
模擬テストのスタートです。音声の指示に従って、順番に問題を解いてください。音声を途中で止めずに、テストの第1部から第2部の終わりまで問題を解いてくだい。
(4)第3部の問題を30分で解く。
音声による指示があるのは、第1部と第2部です。第3部には音声はありません。
第2部が終わったら、引き続き、58ページ以降の第3部の問題に取り組んでください。第3部に与えられる時間は30分です。時間内に問題を解いてください。
模擬テストが終わったら
模擬テストの体験が終わったら、採点をしてみてください。正答一覧が別冊の2ページにあります。そして、その採点結果をもとに、能力レベルの判定ができるようになっています。つまり、ビジネス日本語の能力がどれくらいあるかを把握できるようになっているのです。詳しくは別冊の3ページで説明していますので、それを参考にしてください。なお、6ページの「本書の構成と使い方」でも述べましたが、結果がわかったあとで、別冊の解説を読んでください。
正解した問題についても、たまたま正解したのではなく、自分がきちんと理解しているかどうかを確認してください。また、解説で述べられている中には、自分にとって新たな知識となることもあるはずです。しっかり身につけておきましょう。
間違えた問題については、なぜ間違えたのかを把握しましょう。ここでも、新たな知識や、自分が間違えて覚えていた事柄を学習することができます。そのような学習を、少し時間をかけて行った上で、もう一度模擬テストにチャレンジしてみてください。単に正解できるだけでなく、ビジネス日本語について自信を持って答えている自分を発見できるでしょう。