秘書検定実問題集3級2020年度版




まえがき

「秘書」は、かつては社長秘書などという言い方で代表されたように、多くは専業でしたが、最近は少し様子が変ってきました。

ITの発展により会社の役員などでも情報管理を自身でできるようになりましたから、秘書は秘書だけをしていればよいという時代ではなくなりました。例えば営業部長でも秘書的な能力のある部員に秘書的なことをやってもらって、効率的な仕事の仕方をする人が多くなってきました。このような場合の秘書は兼務秘書などという言い方がされています。

考えてみれば、秘書の仕事は上司の補佐(手助け)ですが、会社などに就職すれば、初めは誰でも自分より目上の人(先輩・上役)の補佐が仕事です。しかもこの補佐は秘書的な能力(人間的能力)が求められる仕事です。

このようなことから秘書的能力は、「ヒューマンスキル(ビジネスの場で必要な対人関係についての能力)」と考えられるようになってきています。今後は、会社などで社員に求める能力は、ヒューマンスキルとしての秘書的能力が期待され、この方向で発展していくものと思われます。

秘書検定のスペシャリティー(特色)
秘書検定には「準1級」と「1級」に面接試験があります。内容は、秘書的能力は人間的な能力であることから、対人関係を題材(応対・報告)にしたロールプレイングになっています。特に準1級は、学生さんには就職面接の面接体験的な位置づけにもなっていて、社会性を体験することから対人関係に自信が持てるようにもなります。挑戦を期待しています。

本書の利用について

1.本書の問題編には、「秘書技能検定試験」として、第114回~第119回までに実施された2級試験問題を収載しています。

2.巻末の「解答・解説」は必要に応じて本編から外して利用することができます。また、解答のうち記述形式によるものは、問題の性格上、本書掲載の解答に限定されない「解答例」です。

3.選択問題は、「…適当と思われるものを選びなさい」「…不適当と思われるものを選びなさい」などの違いに気を付けて読んでください。

4.各問にある「難易度ランク」は、★の数が多いほど難しくなります。

5.タイトルが付いている問題は職業人の基本と常識についての問いです。職業人の基本や常識を身に付けることは、その人が成長していく基をつくることになります。これから社会に巣立とうとする人は、特にこのタイトルが付いている問題に目を向け、役立ててください。

6.2級の試験時間は120分です。本書の問題を解く際の参考にしてください。時間は有効に使って答案は隅々まで点検し、一人でも多く合格できますよう、ご健闘をお祈りしております。

本試験問題の表記の変更について
2020年度(第121回~)実施の筆記試験より、設問中の「秘書A子」「後輩B子」「新人C子」といった表記は、「秘書A」「後輩B」「新人C」など性別を限定しない表記に変更となります。本書に収載している過去試験問題につきましては、2019年度以前に出題されたものであり、表記の変更は行っておりません。あらかじめご了承ください。

早稲田教育出版 編集部

公益財団法人 実務技能検定協会 (著)
出版社: 早稲田教育出版 (2020/3/3)、出典:出版社HP

CONTENTS

まえがき
本書の利用について
秘書検定の受け方
秘書技能審查基準

問題編
第119回(2019.11.10)
第118回(2019.6.16)
第117回(2019.2.10)
第116回(2018.11.11)
第115回(2018.6.17)
第114回(2018.2.1)

要点整理

解答・解説編(別冊)
第119回(2019.11.10)
第118回(2019.6.16)
第117回(2019.2.10)
第116回(2018.11.11)
第115回(2018.6.17)
第114回(2018.2.11)

公益財団法人 実務技能検定協会 (著)
出版社: 早稲田教育出版 (2020/3/3)、出典:出版社HP

秘書検定の受け方

1.名称 秘書技能検定試験
2.実施団体名 公益財団法人実務技能検定協会
3.実施級 3級、2級、準1級、1級

4.出題形式
3級、2級は筆記試験のみです。準1級と1級は筆記試験と2次試験(面接試験)があります。2次試験に進むのは筆記試験の合格者です。3級と2級の筆記試験についてはそれぞれ35問出題されます。このうち31問が五つの選択肢から一つを選ぶ択一問題(マークシート方式)で、4問が記述問題です。準1級の筆記試験は23問出題されます。このうち14問が五つの選択肢から一つを選ぶ択一問題(マークシート方式)で、9問が記述問題です。1級は17問出題され、全て記述問題です。なお、面接試験は準1級も1級も知識を問うものではなく、あいさつや来客応対などを行う、ロールプレイング形式です。

5.試験時間 3級は110分、2級は120分、準1級130分、1級140分です。
6.試験日 原則として6月、11月、2月に筆記試験が行われます。2月の試験は3級と2級のみ実施です。ご注意ください。
7.申込期間 受験申し込み期間は、試験日のほぼ2ヵ月前から1ヵ月前までです。

8.申込方法
個人で申し込む方は、受付期間中に秘書検定のホームページからお申し込みできます。願書と受験料を添えて現金書留で郵送しても手続きができます。学校などを窓口として団体で申し込む方は、必ず先生や担当者に確認してください。

9.受験料 3級2,800円2級4,100円準1級5,300円1級6,500円(2020年2月現在、税込み)
10.併願受験 3級と2級、2級と準1級については同時申し込みができ、同日中に受験ができます。申込み後の変更はできません。(1級は、他の級との併願受験はできません)
11.受験資格 学歴・年齢、その他の制限は一切ありません。どなたでも受験することができます。
12.出題領域と問題数、合格基準等について

出題領域 3級と2級出題数 準1級
出題数
1級
出題数
合格基準 合否
理論 1.必要とされる資質 5問 3問 2~3問 60%
以上
合格
※どちらか一方が60%未満の時は不合格です
2.職務知識 5問 3問 2~3問
3.一般知識 3問 3問 2問
実技 4.マナー・接遇 12問 8問 7問 60%
以上
5.技能 10問 6問 3問
合計 35問 23問 17問

※各領域ごとの問題数は目安です。

13.準1級・1級筆記試験の免除について
筆記試験に合格し、面接試験を受けたが不合格になった方は、1年間(次回と次々回)は筆記試験が免除されます。ただし、初回の面接試験を欠席された方には適用されません。

その他ご不明点は秘書検定ホームページをご覧になるか、下記へお問い合わせください。
公益財团法人美務技能檢定協会秘書檢定部
〒169-0075東京都新宿区高田馬場一丁目4番15号
電話03(3200)6675URLhttps://jitsumu-kentei.jp/

試験当日の持ち物チェック
受験票
身分証明書(学生証・運転免許証・健康保険証・パスポート等)
HBの黒鉛筆またはシャープペンシル(万年筆・ボールペン等不可)
消しゴム
腕時計
※携帯電話、スマートフォン電子機器類を時計代わりに使用することはできません。

schedule
第121回6/14(日) 3級、2級、準1級、1級
受付期間 2020年4月8日(水)~5月13日(水)

第122回11/15(日) 3級、2級、準1級、1級
受付期間 2020年9月2日(水)~10月14日(水)

第123回2/7(日) 3級、2級のみ
受付期間 2020年12月7日(月)~2021年1月12日(火)

申し込みから合格まで

個人の申込はインターネットで、以下の2種類の申込方法があります。

①インターネットで申し込む
パソコンまたは、携帯電話で以下のアドレスにアクセスし、申込情報を入力後、コンビニエンスストアまたは、クレジットカードで受験料を支払う。
パソコンhttps://jitsumu-kentei.jp/

②郵送で申し込む
現金書留で、願書と受験料を協会へ郵送する。(願書は協会より取り寄せる)

申し込みは受付期間内に受験願書の受付期間は、試験日のほぼ2カ月前から1カ月前までです。また、郵送の場合は消印が締切日翌日までのものが有効となります。

試験当日は、受験票、身分証明書と合わせて、遅刻しないように会場までの交通機関、所要時間もしっかりチェックしましょう。20分以上遅刻すると受験できませんのでご注意を。

受験票と身分証明書を提示
受付で試験監督者に受験票と身分証明書を提示してください。

途中退室について
試験開始80分後からできますが、よく見直しましょう。

合否通知について
3級、2級の合否は、試験日の約3週間後に通知します。準1級筆記試験の合否は、試験日の約2週間後、1級の合否は、面接試験日の約1週間前までに通知します。面接の合否は準1級・1級ともに試験日から約3週間後に通知します。希望者には合格証明書(要手数料)を発行します。

インターネット合否速報
合否速報は試験日の約2週間後から秘書検定ホームページで確認できます。

公益財団法人 実務技能検定協会 (著)
出版社: 早稲田教育出版 (2020/3/3)、出典:出版社HP

秘書検定審査基準の解説

5つの領域で問うものとは

必要とされる資質
秘書の仕事は上司の身の回りの世話や仕事の手助けです。それを適切に実行するための感覚、判断力のようなものが秘書の資質ということです。変則的な来客をどのように取り次ぐかなどの判断、上司が何を望んでいるかなどを察し対応する気の利かせ方などが問われます。

職務知識
上司の留守をどのように預かるか。上司の仕事をどのように手伝うかなど、秘書特有の仕事の仕方について問われます。

一般知識
秘書はビジネスの場で仕事をします。そのためには、上司や身の回りの人が話す言葉が理解できる必要があります。とはいっても大げさなことではなく、上司の仕事を手助けするためにはこのくらいは知っていなくてはという、社会常識的な範囲で主に経済用語が問われます。

マナー・接遇
ビジネスの場では礼儀作法をビジネスマナーといいます。マナーは対人関係では欠かすことのできないものです。上下関係のある人の集まりである職場では、ビジネスマナーを心得ていないとその一員にはなれません。目上の人(上司・先輩・来客など)にはどのように接すればよいか、対人関係の基本となる言葉遣い、来客にはどのようにお茶を出すか、社交常識(主に弔事、慶事)などについて問われます。

技能
ビジネスの場で必要な、文書、ファイリング、事務用品、会議などについての初歩的な知識、用語。また、オフィスの環境整備について常識的なことが問われます。

公益財団法人 実務技能検定協会 (著)
出版社: 早稲田教育出版 (2020/3/3)、出典:出版社HP