やさしく学ぶ 航空特殊無線技士試験
まえがき
無線従事者は、「総合無線従事者」、「海上無線従事者」、「航空無線従事者」「佐上無線従事者」、「アマチュア無線従事者」の5系統に区分され、合計23種類あります。
航空無線従事者には、航空無線通信士と航空特殊無線技士の2種類があります。本書は「航空特殊無線技士」(以下、航空特)の国家試験に合格できるようにまとめたものです。「航空特」の資格を所有する人は、25010kHz以上の周波数の電波を使用する空中線電力50W以下の航空機(航空運送事業用を除く)及び航空局(航空交通管制用を除く)に施設されている無線設備の国内通信のための通信操作、電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作などが可能です。
国家試験の試験科目は、「無線工学」、「法規(電波法規)」、「電気通信術」の3科目です。毎年の受験者は約1700人で、その合格率は概ね70%程度とかなり高い合格率となっています(試験のほかに、航空特の養成課程(講習会)で毎年約800人が取得しています)。
合格への近道は直近の数年間に出題された問題を複数回解き、傾向を把握することです。「無線工学」と「法規」は過去問と同じような問題が度々出題されますので、本書は、過去に繰返し出題された国家試験の問題を題材とし、問題を解くのに必要最小限の知識をできる限り簡潔に解説しました。「無線工学」の問題は基礎事項を習得していなければ正解を得ることが困難ですので、前半のテキスト部分を学習してから後半の練習問題(過去問)を解いてみて下さい。
「電気通信術」は試験の形式とフォネティックコードを覚えれば、あとは練習あるのみです。本書はフォネティックコードと試験のポイントを掲載していますので、本番までしっかり練習しておきましょう。本書が皆様の航空特の受験に役立てば幸いです。
2019年8月
吉村和昭
目次
1編 無線工学
1章 電波の性質
2章 電気回路
3章 半導体と半導体素子
4章 変復調方式
5章 無線通信機器とその取扱い
6章 レーダーと航法無線装置
7章 空中線系及電波搬
8章 電源
9章 測定
2編 法規
1章 電波法の概要
2章 無線局の免許
3章 無線設備
4章 無線從事者
5章 運用
6章 監督
付録 電気通信術
参考文献
索引