だし検定試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
だし検定試験の公式テキスト
公式のテキストがあります。下記サイト等で購入可能です。
だし検定公式HP
またホームページでは模擬問題を見ることができます。
目次 – だし検定公式テキスト
はじめに
「だし」と聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか?昆布、かつお節、煮干し、乾しいたけ……。和食には欠かせない素材が頭に浮かぶかもしれません。実は、こうした「和だし」に限らず、さまざまな食材からだしはとれます。料理の基礎・ベースとなる「だし」は、私たちの食事を支える大きな土台です。
「だし検定」は、だし検定実行委員会が主催する検定です。検定の対象者は、だしに興味のあるすべての方。「だし」をおいしくとる方法や、調理の工程、日本の地域ごとのだしの特徴や材料、だしに関する歴史、文化、品質、規格、表示、成分と栄養素など、だしの知識を問うものです。本書は、試験のために用いるのはもちろん、だしについて学ぶことで、「土台のしっかりとした」健康的な食生活を楽しむきっかけになることを願っています。
本書の使い方
本書は「だし検定」の公式テキストです。検定に合格するための学習に用いるのはもちろんのこと、だしについての基礎を学び、日々の食生活に活かすヒントが詰まっています。各章のはじめには、その章で学ぶ内容を紹介しています。
第1章
第1章は、だしの基本です。だしとは何か、何がだしの素材となるのか、だしの「おいしさ」はどこから来るのかなど、だしの基本の“き”を学びます。まずは、この章でだしの世界を大づかみに知って、さらに深めていきましょう。
第2章
第2章は、和食とだし。「日本の乾物だし素材」である昆布、かつお節、煮干し、乾しいたけをとりあげて、それぞれ産地や種類、流通など原材料の基本情報から、だしのとり方、保存方法などの実用情報までを紹介しています。素材ごとにレシピも掲載していますので、ぜひ、みなさんも実際に味わってみてください。
第3章
第3章は、日本と世界のさまざまなだし。ひと言で「和食」といっても、そのイメージは人それぞれかもしれません。この章では、「和食」とは何かを改めて考え、日本の地域のだし文化の多様性について学びます。さらに、西洋料理、中国料理、韓国料理における「だし」についても触れています。
第4章
第4章は、だしのおいしさと栄養成分。だしの“おいしさ”を構成する「うま味」について、より掘り下げて学ぶとともに、味わいのメカニズムなどを紹介しています。また、2章で紹介した昆布、かつお節、煮干し、乾しいたけの栄養素について、少し専門的に学びます。
模擬問題
また、検定試験対策として、ベーシック(初級)、アドバンス(中上級)それぞれの模擬問題も用意しました。本書をひととおり読み終えたら、ぜひ腕試しに取り組んでみてください。
「だし検定」と「だしソムリエ検定」
「だし検定」は、「一般社団法人だしソムリエ協会」が監修する検定です。だしソムリエ協会は、正しい「だし」の知識を持つことで、毎日の料理をより豊かで幸せなものにし、また食の仕事の幅を広げるきっかけの手伝いをすることを目的に、検定事業などを行う団体です。
「だしソムリエ検定」は、3級、2級、1級の3段階に分かれており、それぞれ「だし」を知り、「料理」「商品開発」「メニュー開発」に活かせる専門家を育成するため、講義と試験を行い「だしソムリエ」を認定します。このほか、だしソムリエ3級講座を自主開催できる「認定講師養成コース」、「だしと料理専門コース」もあります。
だし検定は、だしソムリエ検定の入り口となる検定として位置付けています。本書を読んで「だし」に興味を持った方は、ぜひ「だし検定」を受験し、さらに「だしソムリエ検定」にチャレンジしてください。
だしと料理専門コース
「日本料理とだし」
「フランス料理とだし」
「中国料理とだし」etc…
認定講師養成コース
だしソムリエ協会が認定する講師の養成コース。
3級講座を自主開催できる
だしソムリエ検定1級
日本人の食生活の変遷
だしと調味料、料理の関係
和・洋・中の料理への活かし方
だしソムリエ検定2級
乾物だし素材を中心にメーカーの講義、うま味について
だしソムリエ検定3級
だしとは?うま味とは?
1番だし、2番だし。
だし検定
「だしソムリエ検定」の概要
対象とする人
・食と料理に対する探究心がある、一般の主婦・会社員・学生
・すでに料理家・栄養士など食の業界で仕事をしていて、プロとして仕事の幅を広げていきたい意欲のある人
・メーカー、卸業、流通業、製造業などに関わり、専門知識を深めたい人
だしソムリエ3級
・「だし」を楽しんで学びます。
・日本の「だし」(かつお節、昆布、煮干し)について学び、正しい「だし」のとり方をマスターします。ただ講義を聞くだけでなく、自分たちで見て触って感じて…という五感を大切にした体験型の講義です。講義終了後に試験を行います。
だしソムリエ2級
・3級で学んだかつお節、昆布に代表される「和だし」をさらに深く学びます。講師は、市場や卸売の第一線で働く各分野のプロを招き、臨場感あふれる講義をします。テイスティングするだしは、20種類以上です。
・2日間にわたり、日本の乾物、だし素材と日本の郷土料理、世界の料理、うま味と栄養、料理レシピへの応用などを学びます。講義終了後に試験を行います。
だしソムリエ1級
・2級で学んだ「だし」の専門知識を「料理」へと活かすセンスを養います。講師は、和・洋・中料理の有名料理店で働く一流の料理人を招き、だしと調味料の関係など「だし」をどのように料理に応用するのかなどを講義します。
・2日間にわたり「だし」を極め、「料理」への応用を学びます。講義終了後に試験を行います。
目次
はじめに
本書の使い方
「だし検定」と「だしソムリエ検定」
本書の読み方
第1章 だしの基本
だしとは何か
だしの素材
だし定義と関連商品
だしの「おいしさ」
DASHI column 日本人が発見したうま味
第2章 「和食」とだし
日本乾物だし素材1 昆布
昆布とは、昆布の種類
昆布の種類とだし
昆布の産地
昆布ができるまで
昆布の流通、昆布の生産量の推移と消費量
昆布の選び方、さまざまな加工昆布
昆布だしのとり方、昆布の保存方法
DASHI column 昆布の歴史と昆布ロード
Recipe
梅とちりめんじゃこの炊き込みご飯
昆布だしポトフ
日本乾物だし素材2 かつお節
かつお節とは、かつお節の種類
かつお節の全体像
かつお節の主な産地と生産高
かつお節のカビ、かつお節の水分
かつお節ができるまで
削り節の種類
かつお節の流通、かつお節の選び方
かつお節だしのとり方
かつお節の保存方法、かつお節の削り方
DASHI column かつお節の歴史
Recipe
なすの煮物
かつお節だしのラタトゥユ風スープ
かつお節だしのトムヤムスープ
かつお節以外の節、かつお節以外の節の特徴
さまざまな節を活かした「だし」と「つゆ」、関東風そばと関西風うどんの「だし」と「つゆ」
かつお昆布だし、一番だし、二番だしの考え方
かつお昆布だしのとり方
だしとラーメン、ラーメンの「スープ」系譜
ラーメンのだしの素材、たれのポイント
DASHI column 関東と関西のそばつゆ
日本乾物だし素材3 煮干し
煮干しとは、イワシ煮干しの大きさと呼び名
イワシ煮干しの種類
イワシ以外の煮干し
さまざまな煮干しの原料と産地
煮干しの仲間たち、煮干しの生産量
煮干しができるまで
煮干しの流通
煮干しの選び方
煮干しだしのとり方
煮干しの保存方法
DASHI column 煮干しの歴史
Recipe
ニラと桜えびのスープ
さっぱり肉うどん
日本乾物だし素材4 乾しいたけ
乾しいたけとは
乾しいたけの種類
乾しいたけができるまで(原木栽培)
乾しいたけの生産量
乾しいたけの流通、日本産と中国産
乾しいたけの選び方、日本産・原木乾しいたけをすすめる会
乾しいたけだしのとり方
乾しいたけの保存方法、「どんこ」と「こうしん」の水出し時間
DASHI column 乾しいたけの歴史
Recipe
乾しいたけの肉詰め
乾しいたけと鶏肉のタイ風ピリ辛炒め
「時短だしレシピ」と「だしがら活用レシピ」
第3章 日本、世界のさまざまなだし
和食とは何か
日本の地域の多様性
西洋料理とだし
中国料理とだし
韓国料理とだし
DASHI column 「水」とだし
第4章 だしのおいしさと栄養成分
食べ物のおいしさと基本の味わい
味を感じるメカニズム
食材中のうま味について
うま味の相乗効果
だしの味を決める成分とその比較
昆布だしと母乳のアミノ酸、トマトのアミノ酸と熟成による変化
昆布類の栄養素
かつお節の栄養素
かつお節の香気成分と抽出効率
煮干し類の栄養素
煮干しの酸化と油焼け
乾しいたけの栄養素
乾しいたけのうま味成分と香り成分
だし検定試験実施概要/模擬問題集
ベーシック(初級)模擬問題
ベーシック(初級)解答と解説
アドバンス(中上級)模擬問題
アドバンス(中上級)解答と解説
参考文献、参考サイト、協力団体
さくいん
本書の読み方
本書は、P4で紹介した「だし検定」を監修する「一般社団法人だしソムリエ協会」の1級、2級、3級のテキストを基本に構成しています。「だし」といっても、その素材は無数にあります。2013年12月に、ユネスコ無形文化遺産に「和食」が登録され、世界から「和食」や日本料理に注目が集まるなか、和食の基礎となる「だし」の定義や「和食」の定義については、さまざまな考え方があります。
本書は、市場や卸売の第一線で働く各分野のプロとともに、正しい「だし」の知識をもった専門家を育成することを目的とした「だしソムリエ協会」の監修する「だし」の本です。ぜひ、奥深い「だしの世界」を味わってください。