マナー・プロトコール検定試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
マナー・プロトコール検定試験の概要
マナー・プロトコール検定は、NPO法人日本マナー・プロトコール協会が実施する日本人として社会人として必須のマナーやプロトコール(国際儀礼)に関わる知識と技能を認定する資格です。検定取得のスタートは3級、または2級からになります。準1級以上を受験するためには、その下の級を取得していることが必要です。
マナー・プロトコール検定試験の公式テキスト
公式ホームページから購入が可能です。
マナー・プロトコール検定公式HP
また、ホームページでは模擬問題を見ることが可能です。
目次 – [最新版]「さすが!」といわせる大人のマナー講座 文部科学省後援「マナー・プロトコール検定」標準テキスト
まえがき
特定非営利活動法人日本マナー・プロトコール協会は、正しいマナーやプロトコール(国際儀礼)の探究と普及のため、斯界の第一人者の方々の全面的なご協力を得て2003年に設立されました。また、世界に通用するグローバルスタンダードなマナーの啓発に努める一環として、文部科学省後援「マナー・プロトコール検定」を実施しております。
本書は当初、「マナー・プロトコール検定」の対策用テキストとして編集を始めたために、各章の終わりに検定試験の出題例を載せています。
しかしながら結果的には検定対策にとどまらず、社会人として必要十分なマナーの知識を収めることとなり、ご自身をよりブラッシュアップしたいと思われるすべての方々に大いに活用、ご満足いただける内容になりました。
これまでに多くの方々がご愛読くださり、版を重ねて参りましたが、さらにこのたびは社会の変化に対応した内容の見直しも行い、「最新版」といたしました。
もちろんマナーは、知識や技能だけで推し量れるものでないことは十分に承知しております。しかしながら、長い年月をかけて伝えられてきた作法やしきたりは先人の知恵”であり、その本質を知り、理解することは相手を敬い、思いやる気持ちを具体的な行為として示す道しるべになるものと考えております。
本書により習得されたマナーやプロトコールの知識が、美しい心と、それを表す美しい振る舞いを身につけることにつながり、ひいては高い知性や品性を修養する一助となることを願っております。
2018年6月
特定非営利活動法人 日本マナー・プロトコール協会
明石伸子
目次
まえがき
序章 マナーとは何か
実践してこそ初めて身につく/「マナー」「エチケット」、「礼儀」「作法」の違い/エチケットとマナーの語源/プロトコールの語源/マナーやプロトコールを学ぶ意義
第1章 マナーの歴史と意味
日本の礼儀作法の成り立ち
貴族社会で誕生した「有職」/武家社会でも重んじられた「有職故実」/明治時代の変化から現代のマナー
西洋のマナー・エチケットの成り立ち
キリスト教と封建制/レディ・ファーストの始まり/市民革命後のマナー
アジアのマナー
アジアのマナーと宗教/イスラム教と「コーラン」の教え/ヒンドゥー教の思想とマナー/仏教とマナー
マナー・プロトコール検定試験 出題例
第2章 国際人としてプロトコール
プロトコールとは何か
ルールとなる五つの基準/序列と席次/具体的な席次例
社交の場でのコミュニケーション
パーティの種類/パーティに招待された時のマナー/立食パーティのマナー/パーティに招待する時のポイント/紹介と挨拶/レディ・ファーストとエスコート/贈り物に見る文化の違い/外国人への贈り物/国旗の扱い/礼拝の場でのマナー/異文化コミュニケーション/自国の文化を紹介する
マナー・プロトコール検定試験 出頼例
第3章 社会人に必要なマナー
好印象を与えるコミュニケーションとは
印象をよくする/挨拶の大切さ/丁寧なお辞儀/服装や身だしなみの基本/男性の身だしなみ(ビジネスシーン)/女性の身だしなみ(ビジネスシーン)/立ち居振る舞いの基本
丁寧な言葉遣い
正しい敬語を習得する
好感の持てる話し方
話し方の基本/聴き方の基本/クッション言葉
礼装の基準
服装の歴史/洋装の歴史/洋装の基準/日常の服装/和装の基準/TPOに合わせた着こなしとマナー
喜ばれる贈答
贈答の目的/贈り物のマナーとタブー/お中元とお歳暮の由来/贈答の時期と表書き/品物選びのポイント/お見舞い/転居の挨拶/贈り方のルール/紙幣の入れ方
訪問のマナー
個人宅への訪問/和室のマナー/洋室のマナー/手土産を持参する場合/辞去する時/自宅に人を招く時
手紙のマナー
手紙の基本構成/表書き・裏書きのルール/手紙を出すタイミング/便箋・封筒、筆記具の「格」/手紙のタブー/年賀状/一筆箋
マナー・プロトコール検定試験 出題例
第4章 ビジネスシーンのマナー
ビジネスマナーの必要性
社会人としての心構え/ビジネスマナーの基本
会社の仕組みを知る
企業活動の目的/自分の会社を知る/企業人に必要なプロ意識
仕事の進め方
効率的に仕事を進めるために/「報・連・相」の基本/指示・命令の受け方、報告の仕方
名刺の扱い方
名刺交換のポイント/複数人との名刺交換/名刺交換のタブー/名刺入れの扱い
電話応対のマナー
電話応対のポイント/電話を受ける時のマナー/電話をかける時のマナー/電話を取り次ぐ時のマナー/携帯電話のマナー/トラブル対応の基本
来客応対のマナー
来客応対の心得/受付のマナー/ご案内/茶菓応対/出迎えと見送りのマナー/接待のマナー
ビジネス文書のルール
ビジネス文書の扱い方/ビジネス文書の構成・実例/ビジネス文書の基本マナー/ビジネス上の慣用句/押印の仕方/封筒の書き方
電子メールとファックス
電子メールの基本/ファックスのマナー/SNSのマナー
マナー・プロトコール検定試験 出題例
第5章 食事のマナー
食事の文化と歴史
食事の作法の成り立ち/テーブルマナーの確立/食文化の特徴
和食のマナー
日本料理の基本知識/食事のいただき方/美しい著使い/不作法ないただき方/懐紙の使い方
西洋料理のマナー
テーブル・セッティング/食事のいただき方/カトラリーの知識と使い方/ナプキン、フィンガーボウルの使い方/着席のポイントと席次/着席のポイントと席次/食事中のマナー
中国料理 各国料理のマナー
中国料理の基本知識/中国料理の席次/中国料理のいただき方/中国料理の食事のタブー/韓国料理/タイ料理/インド料理
マナー・プロトコール検定試験 出題例
第6章 お酒のマナー
お酒の種類
醸造酒・蒸留酒・混成酒(製法による分類)/食前酒・食中酒・食後酒・カクテル(飲酒シーンによる分類)
ワインの基本知識
ワインの種頓/製法による分類/ぶどうの種頓/ボトルの種類/フランスワインの基本知識/フランスワインの産地/フランスワインのラベルの見方/ドイツワイン/イタリアワイン/その他の国のワイン
ワインの楽しみ方
ワインの注文の仕方とテイスティング/テイスティングの流れ/ワインのいただき方/ワインと料理の相性
その他のお酒の楽しみ方
ビール/スピリッツ/リキュール/日本酒/日本酒のいただき方
マナー・プロトコール検定試験 出題例
第7章 「冠」のしきたり
日本の主な通過儀礼
「冠婚葬祭」とは/日本のしきたりに影響を与えた陰陽道/主な通過儀礼
出産祝い
出産祝いを贈る時期/出産祝いの贈り物/出産祝いをいただいたら
七五三のお祝い
七五三の由来/七五三の衣装/お祝いのしきたり
入園・入学祝い
お祝いの品にふさわしいもの/お返しの仕方/学校行事での服装のマナー
その他のお祝い事
新築祝い/開店・開業祝い/成人・就職祝い/結婚記念日/昇進・栄転・退職祝い
マナー・プロトコール検定試験 出題例
第8章 「婚」のしきたり
婚約・結納
結婚の変遷/婚約とは/結納とは/両家顔合わせ
結婚式のマナー
挙式のスタイル/結婚式・披露宴の準備
服装のルール
新郎・新婦/親族の服装/招待客の服装
招待客のマナー
招待状を受け取ったら/受付でのマナー/会場でのマナー/出席できない場合/結婚式を挙げない場合
マナー・プロトコール検定試験 出題例
第9章 「葬」のしきたり
「葬」の基本知識
「葬送儀礼」の昔と今/弔問の作法/供物・供花/仏式の葬儀・告別式/神式の葬儀・告別式/キリスト教式の葬儀/葬儀・告別式でのマナー/密葬・家族葬の場合/法要のしきたり/神式の霊祭/キリスト教式の追悼ミサ・記念式
マナー・プロトコール検定試験 出題例
第10章 「祭」のしきたり
一月行事
正月/人日の節供(七草粥・一月七日)/鏡開き(一月一一日)/小正月(一月一五日)
二〜三月の行事
節分(二月三日頃)/立春(二月四日頃)/初午(二月最初の午の日)/上巳の節供(雛祭り・三月三日)/彼岸(三月中旬、九月中旬)
四〜六月の行事
花祭り(四月八日)/端午の節供(五月五日)/衣替え(六月一日・一〇月一日)/夏至(六月二一日頃)
七〜一〇月の行事
七夕の節共(七夕・七月七日)/盂蘭盆会(七月一三日〜一六日)/重陽の節供(九月九日)/「十五夜」と「十三夜」
一一〜一二月の行事
文化の日 (一一月三日) /新嘗祭・勤労感謝の日(一一月二三日)/すす払い(一二月一三日)/冬至(一二月二二日頃)/大晦日(一二月三一日)
マナー・プロトコール検定試験 出題例
文部科学省後援「マナープロトコール検定」について
編集協力…株式会社ワード
本文イラスト…よしのぶもとこ
目次 – 国際交流のための現代プロトコール
はしがき
本書で扱う「プロトコール(protocol)」とは、外交・国際交流で必要となる手続き事項や、公式行事を執り行う際に必要な儀礼作法のことを言います。外国の国王/女王や大統領のような国家元首級の公式訪問の際はもとより、さまざまなレベルでの外国からの大切なお客様を正式にもてなす方法が、その主要な部分です。外交関係者だけでなく、国際的な文化・スポーツ交流の式典、歓送迎会など、公的な行事を執り行う主催者側が、まずは承知しておきたい知識と言えるでしょう。
そうした接遇の場を提供するホテルや空港関係者にとっても大切な心得と言えます。プロトコールは、日本では1980年代に「国際儀礼」という日本語訳で紹介されて以来、一般には、西欧起源の個人間の礼儀作法であるエチケットと対になって、上質の国際ビジネスマナーの総体のようにも考えられています。
このようなプロトコールに関する大学講義用のテキストとして本書は着手されましたが、その後、現代に相応しい実践的かつ本格的なプロトコール書が広く社会一般で必要とされていることを考慮して、当初の構想以上に幅広い内容を扱った一冊となりました。
本書の特徴の一つは、プロトコールの全体像を示し、それぞれの意味を説明していることです。プロトコールでは序列/席次や敬称の使い方などが重視され、その点、瑣末な事柄にこだわる難しいことのように感じられるかもしれません。
しかし、それぞれの意味に理解を深めると、また違って見えてくるのではないかと思います。実際、歴史的に見ても、大きな仕事を成し遂げた一流の外交官・政治家は、決してプロトコールをおざなりにはしていません。外交・国際交流のおもてなしの作法は、外交における経験法則の蓄積でもあります。もっと見直されても良いのではないかと考えました。
本書を通じて、表面的なノウハウを超えたプロトコールのより本質的、歴史的な重要性を実感していただければ嬉しく思います。外交や国際関係を研究する方々にも活用していただければ、手元にある情報を別の角度から深く読み解くヒントが得られるかもしれません。
本書の第1~7章では、現在、実際に適用されている狭義の意味でのプロトコール(外交慣例や儀礼様式)をテーマ別に体系的に紹介するとともに、近年ますます重要になっている異文化コミュニケーションのための最前線の情報にも言及しています。あらゆる分野でグローバルなビジネス活動が日常的になっている今日、交渉事を成功させるための基礎となるのが日頃からのお付き合いを通じての信頼関係の構築です。
異文化間の交流であれば、その重要性はさらに大きいでしょう。社交行事は、その関係を一段と深める有効な手段です。第8、9章では、具体的、実践的な側面に焦点を当てて、大切な客人を招いての宴会・パーティの段取りやその際に配慮したい点を取り上げました。最後の第10章では、近・現代日本における外交とプロトコールの歴史も取り上げています。
明治維新、第二次世界大戦と、近代日本は大きな荒波を乗り越えて今日に至っています。内外の構造的な変化に遭遇する現代は、それらに次ぐ、第3の節目に差し掛かっているとも言えるでしょう。このような時期に、明治以来、国際友好親善において、日本の皇室が象徴的に果たしてきた役割を振り返ることもまた、これからの日本の「国のかたち」を考える上で意味があることと考えました。宮中での国公賓の接遇は、私たち一般市民にとって身近な行事とは言いがたいですが、一流のおもてなしの手本として、そこから学べることは少なくありません。
日本人の礼儀正しさは、近代以前から国際的にも高い評価があります。こうした日本人本来の美質を、国民全体としてさらに磨き上げることができれば、国家としての強みにも繋がるのではないでしょうか。そのような意味で、これからの日本のあり方を真摯に考えるすべての方に、また、海外の方で、自国の文化や礼節について同じような問題意識を持っておられる皆さまにも、本書のテーマに目を向けていただければ嬉しく思います。議論の呼び水になれば幸いです。
2017年9月13日
阿曽村智子
本書の使い方と凡例
本書は、プロトコールの全体像に理解を深めたい読者と、実践的に特定の情報をすぐに必要としている読者の両方を想定しています。後者の場合には、目次と索引を手掛かりに必要な項目から読み始めていただいて結構です。そこから関連の章・節を見つけてさらに詳しく調べることも可能です。
引用注については、簡略な書き方に統一しました。例えば、第2章・18ページの(ニコルソン1965:174; Nicolson 1963:179)は、ハロルド・ニコルソン著/斎藤真・深谷満雄訳、『外交』、東京大学出版会、1965年(初版)の174ページとHarold Nicolson, Diplomacy, Oxford University Press,1963の179ページからの引用という意味です。著者名(邦文、欧文それぞれ姓の50音順およびアルファベット順に並べてある)および訳者のフルネーム、書名、出版社、出版年は巻末の文献目録に記してありますので、活用してください。
目次
はしがき
本書の使い方と凡例
第1章 プロトコール(Protocol)とは何か?
What is “Protocol”?
第1節 プロトコール(=国際儀礼)の意味と適用範囲
第2節 西欧における「礼節」とその系譜
COLUMN プロトコールに関する読
第2章 序列/席次と上位席
Order of Precedence / Precedence and Place of Honour
第1節 国際規範の確立とその歴史的背景
第2節 国際関係における席次と上位席
1. 席次の原則
2. 上位席の考え方
第3節 席割り(Seating Arrangements)の具体例
COLUMN 席次−その取扱い方−
第3章 国旗と国歌
National Flags and National Anthems
第1節 国旗・国章および国歌
第2節 国旗掲揚に関する基本原則
第3節 複数の国旗を並べる具体的な方法
第4節 個別の国旗およびその他の象徴旗に関する情報
COLUMN 国旗にまつわる非礼
第4章 名称、肩書き、称号と敬称・呼称
Names, Titles, Forms of Address
第1節 国家の名称
第2節 個人の名前と肩書き・敬称
1. 個人の名前とその構成
2. 日常的に使われる敬称・呼称
第3節 国家元首等の称号と敬称・呼称
1. 国家元首等の敬称・呼称の構造
2. 旧英国植民地から独立した国々の場合
3. 英国や英連邦王国とは異なるシステムをもつ君主国の場合
第4節 軍人・聖職者等の位階制、国家の叙勲制度
1. 軍人・聖職者の位階制など
2. 叙勲制度の概要
第5章 外交の言語表現と公式文書の様式
Diplomatic Terms & Expressions and Formalities of Official Letters
第1節 外交・国際交流に用いられる言語
第2節 外交手続きと文書の様式
1. 外交手続きと関連用語
2. 外交書簡のいろいろ
第3節 書簡の体裁と具体例
1. 形式・体裁
2. 心のこもったお礼状/感謝状
第4節 外交・国際交流の英語表現における技術的な問題
第6章 国・公賓訪問と接遇次第
Forms and Procedures of State/Official Visits to Japan
第1節 国・公賓の訪問と公式実務訪問
第2節 公式行事の日程作成と接伴要領
1. 日程作成・事前準備
2. 「接伴要領(マニュアル)」冊子
3. 宮中晩餐 (State Banquet)
第3節 過去の国賓接遇の記録
1. 1975年英国エリザベス女王の初訪日
2. エリザベス女王・フィリップ殿下歓迎宮中晩餐と席割り表
3. 席割り表作成手順の考察
4. 国賓として訪日した歴代米国大統領とその接遇
第4節 外交・国際交流に関する天皇(皇后両)陛下の公的行事
COLUMN 国賓の接遇にまつわる裏話
第7章 公式行事の礼装と社交の服装
Dresses on Formal and Social Occasions
第1節 国家の公式行事と服装の格式〜男子の場合を中心に〜
第2節 婦人の礼装と社交の服装
第3節 民族衣装としての和服
第4節 装いとコミュニケーション
第8章 設宴・パーティの主催
Holding of Banquets/Parties
第1節 パーティの主催:種類と段取り
1. 主なパーティの種類と概要
2. パーティの段取り
3. 招待状および関連の書簡
第2節 レシービングライン(receiving line)と挨拶
第3節 席割り(Seating Arrangements)の手順
1. 席割りの基本原則
2. 席割り様式のいろいろと席割り作成法
3. 西欧式以外の席割り
COLUMN 「習慣に無知」が招いたもの
第9章 パーティの料理と飲み物、乾杯、スピーチと会話 着席式の宴会/パーティを中心に
Cuisine & Drinks, Toast & Speech, Conversation in the Dining Room-Sitting Dinners and other Parties
第1節 フランス料理での接遇
1. フランス料理のメニューと食材
2. フランス料理に合わせる飲み物
3. メニューカード
4. テーブルセッティングと給仕の作法
第2節 和食による接遇
第3節 乾杯とスピーチ
第4節 食事中の会話
第5節 招客の立場での配慮事項
COLUMN 宮中における西洋料理事始め
第10章 近・現代日本の外交とプロトコール―歴史的展望
Protocol in Mordern and Contemporary Japan Diplomacy
-A Historical Overview
第1節 近代日本における西欧的礼儀作法の受容と変容
1. 幕末・明治初期の外交の門出
2. 洋装の普及と宮中の服装規程
3. 西欧式作法の導入と受容
第2節 戦後日本のプロトコールに見る「国のかたち」
1. 1970年代の皇室の国際親善活動
2. 昭和から平成へ
第3節 現代プロトコールの課題と展望
1. 民主化に伴う変化
2. 「文明の衝突」論とプロトコール:イランのロウハニ大統領イタリア訪問
3. 謁見の作法をめぐる問題〜西欧と東アジアの遭遇
4. 儀礼作法の多様性と人類共通の価値
COLUMN 「贈り物」の誤訳
資料
No.1 国際連合加盟国(アルファベット順)
No.2 米国の席次
No.3 天皇皇后両陛下および皇族方の敬称・呼称とその英訳
No.4 日本の勲章および褒章の英訳名
No.5 英国勲章の種類と略文字
No.6 日本の天皇陛下の信任状(国書雛形)
No.7 英国女王の信任状例(親書型)
No.8 接遇のための賓客情報チェックリスト
No.9 『接伴要領』
No.10 英国エリザベス2世女王歓迎宮中晩餐のスピーチ
No.11 見舞い・不祝儀の電報例
No.12 招待状、宴席案内札の例
No.13 メニューカード例
No.14 パリ駐在日本公使館『外交入門』の目次
No.15 即位の礼 式次第(英語パンフレット)
No.16 サウジアラビアのプロトコール
文献目録
あとがき
事項索引
目次 – プロトコールの基本
発刊にあたり
私ども財団法人日本ホテル教育センターは、1976年に運輸大臣(現国土交通大臣)の許可により設立され、人材育成面から日本のホテル業界、観光業界の健全な成長に貢献すべく、各種の教育活動を行っております。特に近年、わが国の観光政策、外客誘致「ビジット・ジャパン・キャンペーン」への支援活動を展開し、日本国政府をはじめ各関係省庁、関係団体とともに外国人の受け入れに対応した国内の環境整備に努力を重ねている段階にあります。
今後、わが国がさまざまなレベルで国際交流を促進していくためには、多くの接遇関係者が、国際レベルでのプロトコールを身に付けていく必要があります。そのためには幅広い視点から原則的事項を網羅したテキストの必要性を考え、私どもの運営する専門学校日本ホテルスクールに学ぶ学生の教材活用はもとより、国際交流事業をサポートする業務にかかわる方々、また地方自治体、一般の企業・団体等で国際プロトコールを必要とされる方々を対象に、本書を編纂いたしました。
国際プロトコールの発祥は欧州の貴族社会にあり、それが一つのスタンダードとなり、国家間の儀礼として通用するまでになったもので、わが国の国際化の進展とともに、その必要性も幅広く要請されています。本書は国際プロトコールの分野で活躍する多くの先達が残された貴重な知識と体験を参考に、できるだけ体系化と解説を試みたものであります。本書が真の国際親善、国際交流の一助になれば幸いです。
財団法人日本ホテル教育センター
会長 丹羽晟
目次
写真で見る現代のプロトコール
推薦の言葉
塩月弥栄子 社団法人日本ブライダル事業振興協会会長
伊藤恒 日本ラ・シェーヌ・デ・ローテイスール協会会長
中村裕 社団法人日本ホテル協会会長
トレーシー・マーサー フォーシーズンズホテル丸の内 東京 総支配人
発刊にあたり
財団法人日本ホテル教育センター会長 丹羽晟
第1章 プロトコールとは何か
1-1 この章で学ぶこと
1-2 プロトコールの基本
コラム 女性受難の歴史から生まれた「レディファースト」
1-3 プロトコールの誕生
コラム 日本最初の国賓はハワイから
コラム IT分野でも重要な役割のプロトコール
1-4 拡大する国際交流活動とプロトコールの活用
1-5 プロトコールが重用される代表事例
参考 国賓の接遇様式
コラム ノーベル賞も怖くない!
理解度チェック
第2章 国の象徴の扱い方−国旗、国歌、国花
2-1 この章で学ぶこと
2-2 国旗の意味
参考 国民の祝日
「日の丸(日章旗)」の由来
「国旗及び国歌に関する法律」について
2-3 国旗の基礎知識
コラム 国旗の図柄のはなし
2-4 国旗掲揚の注意点
2-5 国歌について
参考 「君が代」の由来
2-6 その他の象徴
参考 日本および諸外国の国花・国鳥
理解度チェック
第3章 席次と敬称
3-1 この章で学ぶこと
3-2 序列の重要性
3-3 公式席次と儀礼席次
参考 日本・イギリス・アメリカの公式席次
コラム 外交団の席次を決めたウィーン会議
3-4 上位席の基本
コラム 日本の上位席の考え方
コラム アーサー王と円卓の騎士
3-5 敬称
参考 日本の天皇皇后両陛下と皇族の英訳名
コラム イギリスで「Right」があるのとないのとどう違う?
理解度チェック
第4章 正装と勲章
4-1 この章で学ぶこと
4-2 正装
4-3 勲章・褒章
コラム 「賜杯」「記章」「叙位」
コラム ガーター勲章とレジョン・ドヌール勲章
理解度チェック
第5章 招待状・書状
5-1 この章で学ぶこと
5-2 正式招待状について
5-3 儀礼的書状について
理解度チェック
第6章 所作・振る舞い
6-1 この章で学ぶこと
6-2 人と人の間の敬礼
6-3 国と国の間の敬礼
参考 日本独自の所作・振る舞い
理解度チェック
第7章 会食のプロトコール
7-1 この章で学ぶこと
7-2 会食の種類と料理の種類
7-3 会食の準備
コラム 13という数字−「stop a gap」について.
7-4 会食の当日進行
コラム VIPを迎えるときのエピソード
理解度チェック
第8章 プロトコールの実務と課題
8-1 この章で学ぶこと
8-2 プロトコールが必要な国際行事の準備
8-3 開催目的と開催概要の策定
8-4 組織委員会(事務局)の設置と役割
コラム 大規模な国際イベントには儀典担当者がいる
8-5 スケジュールの作成と管理
8-6 プログラムの策定
8-7 参加方式
8-8 広報活動
8-9 セキュリティと緊急時対応
コラム セキュリティチェックのマナー
資料 わが国の主要国際行事と警衛・警護警備体制
8-10 ユニバーサルプロトコール
理解度チェック
第9章 ビジネスシーンでの応用 プロトコールとビジネスマナー
9-1 この章で学ぶこと
9-2 ビジネスマナーとは
9-3 アポイントメントと確認のマナー
参考 各国サマータイム事情
9-4 自己紹介と名刺のマナー
コラム 名刺の起源
9-5 ビジネスウエアの決まりごと
9-6 国際カンファレンスへの参加とそのマナー
理解度チェック
第10章 異文化理解の基礎知識
10-1 この章で学ぶこと
10-2 世界の主な宗教
コラム 宗教別葬儀の儀礼
10-3 世界の主な言語圏
10-4 近隣諸国と日本の文化
理解度チェック
Appendix
1-1 プロトコールに役立つ世界各国の基本情報
1-2 プロトコール関連機関
1-3 参考関連図書
理解度チェック解答
お読みいただく皆さまへ
本書はプロトコールに関する基本を10章に分けて解説してあります。2章から7章までは実際面を中心に、その他の章は背景や応用について述べています。各章は内容を項目別に整理し、重要事項を「ポイント」としてまとめてあります。
各ポイントの「■マーク」は、必須知識を簡潔にまとめてあります。それに続く本文解説とコラムや資料などはプロトコールの理解を一層深めていただくためのものです。各章末の「理解度チェック」は気軽にチャレンジしてみてください。解答は237ページにまとめて掲載してあります。